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ツムラ小柴胡湯エキス顆粒(医療用)

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
1.警告
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.1併用禁忌(併用しないこと)
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
16.薬物動態
16.1血中濃度
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2肝障害抑制作用
18.3肝血流量低下抑制作用
18.4肝再生促進作用
18.5肝線維化抑制作用
18.6免疫調整作用
18.7免疫複合体除去作用
18.8胃粘膜障害に対する作用
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ツムラ小柴胡湯エキス顆粒(医療用)

添付文書番号

5200073D1117_1_18

企業コード

460026

作成又は改訂年月

2023年12月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

875200

薬効分類名

漢方製剤

承認等

ツムラ小柴胡湯エキス顆粒(医療用)

販売名コード

YJコード

5200073D1117

販売名ひらがな

つむらしょうさいことうえきすかりゅう(いりょうよう)

承認番号等

承認番号

16100AMZ03280000

販売開始年月

1986年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

小柴胡湯

1. 警告

  1. 1.1 本剤の投与により、間質性肺炎が起こり、早期に適切な処置を行わない場合、死亡等の重篤な転帰に至ることがあるので、患者の状態を十分観察し、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常、胸部X線異常、胸部CT異常等があらわれた場合には、ただちに本剤の投与を中止すること。,,,,,,
  2. 1.2 咳嗽、呼吸困難、発熱等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 インターフェロン製剤を投与中の患者,
  2. 2.2 肝硬変、肝癌の患者,,,,
  3. 2.3 慢性肝炎における肝機能障害で血小板数が10万/mm3以下の患者,,,,,

3. 組成・性状

3.1 組成

ツムラ小柴胡湯エキス顆粒(医療用)

有効成分本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス   4.5gを含有する。
日局サイコ   7.0g
日局ハンゲ   5.0g
日局オウゴン   3.0g
日局タイソウ   3.0g
日局ニンジン   3.0g
日局カンゾウ   2.0g
日局ショウキョウ   1.0g
添加剤日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物、ショ糖脂肪酸エステル

3.2 製剤の性状

ツムラ小柴胡湯エキス顆粒(医療用)

剤形顆粒剤
色調淡黄褐色
識別コードツムラ/9
におい特異なにおい
僅かに甘い

4. 効能又は効果

  • 1.体力中等度で上腹部がはって苦しく、舌苔を生じ、口中不快、食欲不振、時により微熱、悪心などのあるものの次の諸症:
    • 諸種の急性熱性病、肺炎、気管支炎、気管支喘息、感冒、リンパ腺炎、慢性胃腸障害、産後回復不全
  • 2.慢性肝炎における肝機能障害の改善

6. 用法及び用量

通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

  • 〈効能共通〉
    1. 8.1 本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投与すること。なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避けること。
    2. 8.2 本剤にはカンゾウが含まれているので、血清カリウム値や血圧値等に十分留意すること。,,
    3. 8.3 他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意すること。
  • 〈慢性肝炎における肝機能障害の改善〉
    1. 8.4 本剤を投与中は、血小板数の変化に注意し、血小板数の減少が認められた場合には、投与を中止すること。,,,,,

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 著しく体力の衰えている患者

    副作用があらわれやすくなり、その症状が増強されるおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 肝硬変、肝癌の患者

    投与しないこと。間質性肺炎が起こり、死亡等の重篤な転帰に至ることがある。,,,,

  2. 9.3.2 慢性肝炎における肝機能障害で血小板数が10万/mm3以下の患者

    投与しないこと。肝硬変が疑われる。,,,,

  3. 9.3.3 慢性肝炎における肝機能障害で血小板数が10万/mm3超~15万/mm3以下の患者

    慎重に投与すること。肝硬変に移行している可能性がある。,,,,

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

    10.1 併用禁忌(併用しないこと)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    インターフェロン製剤

    • インターフェロン-α
      (スミフェロン等)
      インターフェロン-β
      (フエロン等)

    ,

    間質性肺炎があらわれることがある。

    機序は不明

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    カンゾウ含有製剤

    • 芍薬甘草湯
      補中益気湯
      抑肝散 等

    グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤

    • グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・L-システイン
      グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・DL-メチオニン配合錠 等

    ループ系利尿剤

    • アゾセミド
      トラセミド
      フロセミド 等

    チアジド系利尿剤

    • トリクロルメチアジド
      ヒドロクロロチアジド
      ベンチルヒドロクロロチアジド 等

    ,,

    偽アルドステロン症があらわれやすくなる。また、低カリウム血症の結果として、ミオパチーがあらわれやすくなる。

    グリチルリチン酸及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が促進されることが考えられる。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 間質性肺炎(頻度不明)

      咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、咳嗽、呼吸困難、発熱等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。,,,,,,,,,

    2. 11.1.2 偽アルドステロン症(頻度不明)

      低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。,

    3. 11.1.3 ミオパチー、横紋筋融解症(いずれも頻度不明)

      低カリウム血症の結果として、ミオパチー、横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、筋力低下、筋肉痛、四肢痙攣・麻痺、CK上昇、血中及び尿中のミオグロビン上昇が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。,

    4. 11.1.4 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

      AST、ALT、Al-P、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

    11.2 その他の副作用

    頻度不明

    過敏症

    発疹、瘙痒、蕁麻疹等

    消化器

    食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、便秘等

    泌尿器

    頻尿、排尿痛、血尿、残尿感、膀胱炎等

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    健常人に単回経口投与した時の血漿中濃度推移から得られた薬物動態学的パラメータは次のとおりである1)

    血中濃度パラメータ

    グリチルレチン酸(n=5)

    バイカリン(n=6)

    tmax
    (hr)

    2.5g投与群

    14.8±0.5

    7.3±1.4

    7.5g投与群

    13.2±1.4

    7.3±0.8

    Cmax
    (ng/mL)

    2.5g投与群

    34.0±7.3

    16.7±3.9

    7.5g投与群

    119.4±13.3

    54.2±9.4

    平均値±S.D.

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    1. 18.1.1 肝再生促進作用

      DMN肝障害ラットに肝部分切除後混餌投与したところ、肝臓においてHGF値が上昇し、TGF-β値が減少した2)

    2. 18.1.2 肝線維化抑制作用
      1. (1) ラット肝星細胞において、増殖及び筋線維芽細胞様細胞への形態転換を抑制し、I型及びIII型プロコラーゲンmRNA発現を抑制した3)in vitro)。
      2. (2) DMN又はPSによる肝線維化モデルラットに混餌投与したところ、マロンジアルデヒド濃度の上昇が抑制された(in vivo)。また、ラット肝星細胞及び肝細胞において、酸化ストレスを抑制した4)in vitro)。
    3. 18.1.3 免疫調整作用
      1. (1) マクロファージ(Mφ)活性化作用

        ラットに経口投与したところ、肝Mφが活性化された5)

      2. (2) サイトカイン産生調節作用
        • マウス肝類洞内皮細胞のインターロイキン(IL)-1産生を増加させた6)in vitro)。
        • 健常人及び慢性肝炎患者末梢血単核細胞において、IL-1β、IL-6、GM-CSF及びTNF-γの産生を誘導した7)in vitro)。
        • C型慢性肝炎患者の末梢血単核細胞において、IL-10の産生を誘導し、IL-4及びIL-5の過剰産生を抑制した8)in vitro)。
        • 健常人及びHBe抗原陽性慢性活動性肝炎患者の末梢血単核細胞において、IFN-γの産生量を増加させた7),9)in vitro)。
      3. (3) natural killer(NK)細胞活性化作用

        マウスに経口投与したところ、NK細胞活性が増強した10)

    4. 18.1.4 抗アレルギー作用
      1. (1) Compound 48/80惹起マウス腹腔内肥満細胞において、ヒスタミン遊離及び脱顆粒を抑制した11)in vitro)。
      2. (2) ハウスダスト及び抗ヒトIgE添加時の好塩基球からのヒスタミン遊離を抑制した12)in vitro)。
    5. 18.1.5 活性酸素抑制作用

      マウスに経口投与したところ、エンドトキシンによるスーパーオキシドジスムターゼ及びグルタチオンペルオキシダーゼ活性の低下を改善した13)

    18.2 肝障害抑制作用

    1. 18.2.1 ラットに経口投与したところ、D-ガラクトサミンによる肝細胞膜及び小胞体酵素の障害14) 、血清AST及びALTの上昇、血清総蛋白及びアルブミンの低下がそれぞれ抑制された15)
    2. 18.2.2 アルコール性脂肪肝モデルラットに経口投与したところ、肝内の脂肪滴増加が抑制された16)
    3. 18.2.3 ラットに混餌投与したところ、ジエチルニトロサミン(DEN)による肝臓の8-hydroxy-2'-deoxyguanosine(8-OHdG)の上昇が抑制された17)

    18.3 肝血流量低下抑制作用

    エチオニン添加コリン欠乏食による慢性肝障害モデルラットに経口投与したところ、肝組織血流量低下が抑制された18)

    18.4 肝再生促進作用

    1. 18.4.1 ラットに経口投与したところ、全肝虚血再潅流(Pringle法)併用による肝部分切除後の肝再生が促進された19)
    2. 18.4.2 ジメチルニトロサミン(DMN)肝障害ラットに肝部分切除後経口投与したところ、肝における再生率及び再生細胞数が増加した20)

    18.5 肝線維化抑制作用

    1. 18.5.1 DMN又はブタ血清(PS)による肝線維化モデルラットに混餌投与したところ、肝臓のI型コラーゲンの沈着が抑制された。また、α-SMA陽性肝星細胞数が減少し、肝臓のレチノイド濃度の減少が抑制された4)
    2. 18.5.2 Choline-deficient L-amino acid-defined(CDAA)食による肝線維化モデルラットに経口投与したところ、肝ハイドロキシプロリン、血清ヒアルロン酸の増加、肝組織中のIII型プロコラーゲンα1 mRNA発現及び活性化星細胞増殖が抑制された21)

    18.6 免疫調整作用

    マウスに経口投与したところ、Candida parapsilosisに対する貪食活性が亢進した22)

    18.7 免疫複合体除去作用

    B/W F1マウスに経口投与したところ、LPSによる血中免疫複合体除去能低下が抑制された23)

    18.8 胃粘膜障害に対する作用

    ラットに経口投与したところ、エタノール及び水浸拘束ストレスによる胃粘膜病変を抑制した24)

    20. 取扱い上の注意

    1. 20.1 本剤の品質を保つため、できるだけ湿気を避け、直射日光の当たらない涼しい所に保管すること。
    2. 20.2 開封後は特に湿気を避け、取扱いに注意すること。
    3. 20.3 本剤は生薬を原料としているので、色調等が異なることがある。

    22. 包装

    500g[ボトル]
    2.5g×42包[分包]
    2.5g×189包[分包]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    株式会社ツムラ お客様相談窓口

    東京都港区赤坂2-17-11 〒107-8521

    TEL:0120-329-970 FAX:03-5574-6610

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    株式会社ツムラ

    東京都港区赤坂2-17-11

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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