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ツムラ麦門冬湯エキス顆粒(医療用)

添付文書番号

5200119D1030_1_17

企業コード

460026

作成又は改訂年月

2023年12月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

875200

薬効分類名

漢方製剤

承認等

ツムラ麦門冬湯エキス顆粒(医療用)

販売名コード

YJコード

5200119D1030

販売名ひらがな

つむらばくもんどうとうえきすかりゅう(いりょうよう)

承認番号等

承認番号

16100AMZ03269000

販売開始年月

1986年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

麦門冬湯

3. 組成・性状

3.1 組成

ツムラ麦門冬湯エキス顆粒(医療用)

有効成分本品9.0g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス   6.0gを含有する。
日局バクモンドウ   10.0g
日局コウベイ   5.0g
日局ハンゲ   5.0g
日局タイソウ   3.0g
日局カンゾウ   2.0g
日局ニンジン   2.0g
添加剤日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物、ショ糖脂肪酸エステル

3.2 製剤の性状

ツムラ麦門冬湯エキス顆粒(医療用)

剤形顆粒剤
色調淡灰褐色
識別コードツムラ/29
におい特異なにおい
甘い

4. 効能又は効果

痰の切れにくい咳、気管支炎、気管支ぜんそく

6. 用法及び用量

通常、成人1日9.0gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投与すること。なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避けること。
  2. 8.2 本剤にはカンゾウが含まれているので、血清カリウム値や血圧値等に十分留意すること。,,
  3. 8.3 他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    カンゾウ含有製剤

    • 芍薬甘草湯
      補中益気湯
      抑肝散 等

    グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤

    • グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・L-システイン
      グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・DL-メチオニン配合錠 等

    ,,

    偽アルドステロン症があらわれやすくなる。また、低カリウム血症の結果として、ミオパチーがあらわれやすくなる。

    グリチルリチン酸は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が促進されることが考えられる。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 間質性肺炎(頻度不明)

      咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、咳嗽、呼吸困難、発熱等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。

    2. 11.1.2 偽アルドステロン症(頻度不明)

      低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。,

    3. 11.1.3 ミオパチー(頻度不明)

      低カリウム血症の結果としてミオパチーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、四肢痙攣・麻痺等の異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。,

    4. 11.1.4 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

      AST、ALT、Al-P、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

    11.2 その他の副作用

    頻度不明

    過敏症

    発疹、蕁麻疹等

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    1. 18.1.1 鎮咳作用

      モルモットに経口投与したところ、ニュートラルエンドペプチダーゼ(NEP)阻害薬フォスフォラミドンによる咳反射が抑制された。また、気管においてNEP活性の低下が抑制された1)

    2. 18.1.2 去痰作用
      1. (1) ラット肺胞II型上皮細胞において、β1-アドレナリン受容体mRNA量を特異的に増加させた。この作用は、cyclic AMP依存性プロテインキナーゼ阻害薬H-89により消失した2)in vitro)。また、細胞内cyclic AMP量を増加させた2),3)in vitro)。
      2. (2) ヒト好中球エラスターゼによる気道クリアランス低下モデルウズラに経口投与したところ、気道における気管粘膜(ASF)中のDNA、フコース及び蛋白量の増加がそれぞれ抑制された4)
    3. 18.1.3 気管支拡張作用

      イヌ気管支平滑筋において、β-アドレナリン受容体刺激による筋弛緩及びisoproterenolによるcyclic AMP増加を亢進した5)in vitro)。

    4. 18.1.4 抗アレルギー作用

      ヒト好酸球において、好酸球の生存率を抑制し、卵白アルブミンによる脱顆粒を抑制した6)in vitro)。

    18.2 鎮咳作用

    1. 18.2.1 SO2ガス暴露による気管支炎モデルモルモットに経口投与したところ、気管粘膜の器械的刺激あるいは化学的刺激(クエン酸水溶液噴霧)による咳反射が抑制された。正常モルモットでは作用は認められなかった7)
    2. 18.2.2 SO2ガス暴露による気管支炎モデルモルモットに経口投与したところ、サブスタンスPによる咳反射が抑制された1)
    3. 18.2.3 SO2ガス暴露による気管支炎モデルモルモットに経口投与したところ、上喉頭神経自発放電の増大が抑制された7)

    18.3 去痰作用

    ヒト好中球エラスターゼあるいはDNAによる気道クリアランス低下モデルウズラに経口投与したところ、MCTVの低下が抑制された4)

    18.4 気管支拡張作用

    オゾン暴露気道過敏性亢進モデルモルモットに経口前投与したところ、気道過敏性を誘発するヒスタミン閾値の低下が抑制された8)

    20. 取扱い上の注意

    1. 20.1 本剤の品質を保つため、できるだけ湿気を避け、直射日光の当たらない涼しい所に保管すること。
    2. 20.2 開封後は特に湿気を避け、取扱いに注意すること。
    3. 20.3 本剤は生薬を原料としているので、色調等が異なることがある。

    22. 包装

    500g[ボトル]
    5kg(500g×10)[パウチ]
    3.0g×42包[分包]
    3.0g×189包[分包]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    株式会社ツムラ お客様相談窓口

    東京都港区赤坂2-17-11 〒107-8521

    TEL:0120-329-970 FAX:03-5574-6610

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    株式会社ツムラ

    東京都港区赤坂2-17-11

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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