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日本薬局方
クロルフェネシンカルバミン酸エステル錠
腰背痛症、変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、脊椎分離・辷り症、脊椎骨粗鬆症、頸肩腕症候群
通常成人1回クロルフェネシンカルバミン酸エステルとして250mg(錠125mg 2錠、錠250mg 1錠)を1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
ねむけ、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
The United States DISPENSATORY, 27th Ed. 301 (1973)及びMARTINDALE The Extra Pharmacopoeia, 26th Ed. 1891 (1972)に準拠した。
投与しないこと。Modern Drug Encyclopedia, 13th Ed. 155 (1975)に準拠した。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
フェノチアジン系薬剤
〔クロルプロマジン塩酸塩等〕
相互に作用を増強することがあるので、用量を調節するなど注意すること。
機序は不明である。
中枢神経抑制剤
〔バルビツール酸誘導体等〕
モノアミン酸化酵素阻害剤
アルコール
0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
精神神経系
めまい・ふらつきねむけ
頭痛・頭重感倦怠感脱力感
消化器
腹痛注1)消化不良注2)嘔気胃腸障害
下痢便秘口内乾燥舌炎悪心
血液
白血球減少血小板減少
過敏症
発疹注3)
浮腫・腫脹感そう痒感口内炎熱感
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
国内の臨床試験で8週間を超えた投与例は限られており、本剤を長期間投与する場合は、臨床検査(血液検査、尿検査及び肝機能検査等)を行うことが望ましい。
〈クロルフェネシンカルバミン酸エステル錠125mg「ツルハラ」〉クロルフェネシンカルバミン酸エステル錠125mg「ツルハラ」とリンラキサー錠125mgをクロルフェネシンカルバミン酸エステルとして250mg( 2 錠)をクロスオーバー法により、健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中濃度を測定した試験において、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法により統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された1)。
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0- 12(μg・hr/mL)
Cmax(μ g/mL)
Tmax(hr)
t 1/2(hr)
クロルフェネシンカルバミン酸エステル錠125mg「ツルハラ」
19.4±0.8
3.8±0.1
1.5±0.2
2.3±0.4
リンラキサー錠125mg
18.5±1.0
3.6±0.1
1.4±0.1
2.2±0.3
( n=12 mean±S.E. )
血漿中濃度並びにAUC、Cmax 等のパラメータは、被験者の選択、血液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
〈クロルフェネシンカルバミン酸エステル錠250mg「ツルハラ」〉
クロルフェネシンカルバミン酸エステル錠250mg「ツルハラ」とリンラキサー錠250mgをクロルフェネシンカルバミン酸エステルとして250mg(1 錠)をクロスオーバー法により、健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中濃度を測定した試験において、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法により統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された2)。
クロルフェネシンカルバミン酸エステル錠250mg「ツルハラ」
18.7±0.8
2.2±0.4
リンラキサー錠250mg
18.0±0.5
1.6±0.2
2.0±0.1
ラットに14C-クロルフェネシンカルバミン酸エステルを経口投与した場合、3時間後の放射活性は胃、小腸、肝、脊髄、副腎、腎の順に高かった。長時間にわたる特定組織への残存は認められなかった3) 。
一般臨床試験及び市販後の調査を含めた運動器疾患に伴う有痛性痙縮に対する本剤の効果は以下の通りである4),5),6),7),8),9),10),11),12) 。
疾患名
有効率(%)【有効以上】
腰背痛症
68.3(3267/4786)
変形性脊椎症
57.5(2695/4689)
椎間板ヘルニア
60.3(1425/2363)
脊椎分離・辷り症
58.9(458/778)
脊椎骨粗鬆症
55.0(516/939)
頸肩腕症候群
60.4(1349/2232)
承認用量と異なる症例を含む。
脊髄における多シナプス反射経路の介在ニューロンの選択的抑制と筋紡錘活動抑制により筋弛緩作用を示す。
回転円筒法(マウス、ラット)、傾斜板法(マウス)、握力試験(マウス、ラット)などによるクロルフェネシンカルバミン酸エステルの筋弛緩効果は、メトカルバモールより強く、その作用は持続的である13),14) 。
薬剤名
ED50(mg/kg)p. o.
持続時間(min)i. p.
クロルフェネシンカルバミン酸エステル
265.0
115(100mg/kg)
メトカルバモール
595.0
60(200mg/kg)
ネコの脊髄後根電気刺激実験において、クロルフェネシンカルバミン酸エステルは脊髄の多シナプス反射経路における介在ニューロンを選択的に遮断し、神経インパルスの伝達を抑制することにより、骨格筋の痙縮を緩解させる15) 。またラットの脊髄に対して、運動ニューロンの軸索起始部の興奮性を、シナプスの膜安定化作用により低下させ、筋弛緩作用を示す16) 。
除脳ラットのγ-運動ニューロンの自発活動をメフェネシン、メトカルバモールに比し持続的に抑制し、筋弛緩作用を示す13) 。
ラットのSherrington型除脳固縮、Pollock and Davis型貧血性固縮の緩解作用はメフェネシンより強くまた持続的である17) 。
ウサギ慢性脳波実験において、クロルフェネシンカルバミン酸エステルは著明な筋弛緩症状を呈する用量においても、脳各部位の覚醒水準に大きく影響を与えることなく、鎮静作用はごく軽度である18) 。
行動
覚醒反応
中脳網様体
視床内側中心核
後部視床下部
クロルフェネシンカルバミン酸エステル(100mg/kg i. d.)
筋弛緩著明、軽度鎮静、3時間後回復
閾値上昇率10~20%
閾値上昇率20~40%
閾値上昇率10~25%
クロルメザノン(100mg/kg i. d.)
軽度筋弛緩、鎮静状態、5~6時間後回復
軽度抑制
閾値上昇率50~70%
閾値上昇率40~60%
腰部痛、肩凝りを主訴とする患者に本剤を投与し、客観的な評価が可能な筋緊張度測定器により筋緊張度を測定した結果、緊張度の明らかな低下が認められた19) 。腰痛、背痛、頸部痛及び肩部痛を主訴とする患者に本剤を投与し、皮電点(病変部直上皮膚に生ずる疼痛の投影所見)の検索を行った結果、皮電点の減少が認められた20) 。腰痛症と診断された患者に本剤を投与し、軀幹最大前屈時の指床間距離の測定、筋電図によるAPテスト(軀幹前屈運動時におこる活動電位の出現様式による判定)を行った結果、改善が他覚的に認められた21) 。
クロルフェネシンカルバミン酸エステル(chlorphenesin carbamate)
(2RS)-3-(4-Chlorophenoxy)-2-hydroxypropyl carbamate
C10H12ClNO4
245.66
白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノール、エタノール(95)又はピリジンに溶けやすく、水に溶けにくい。本品のエタノール(95)溶液(1→20)は旋光性を示さない。
88~91℃
〈クロルフェネシンカルバミン酸エステル錠125mg「ツルハラ」〉
PTP:100 錠 (10 錠(PTP)×10)、1000 錠 (10 錠(PTP)×100)バラ[缶]:1200 錠(乾燥剤入り)
PTP:100 錠 (10 錠(PTP)×10)、1000 錠 (10 錠(PTP)×100) バラ[缶]:1200 錠
1) 社内資料:生物学的同等性試験(錠 125mg)
2) 社内資料:生物学的同等性試験(錠 250mg)
3) 野津隆司ほか:応用薬理. 1977 ; 14 (1) : 1-14
4) 伊丹康人ほか:診療と新薬. 1977 ; 14 (1) : 7-30
5) 古屋光太郎ほか:診療と新薬. 1977 ; 14 (1) : 31-43
6) 広畑和志ほか:診療と新薬. 1976 ; 13 (12) : 2669-2676
7) 青木虎吉ほか:医学のあゆみ. 1977 ; 100 (9) : 716-724
8) 佐野精司ほか:診療と新薬. 1976 ; 13 (12) : 2709-2718
9) 広畑和志ほか:診療と新薬. 1977 ; 14 (1) : 45-56
10) 広畑和志ほか:現代の診療. 1978 ; 20 (12) : 2229-2236
11) 三浦幸雄ほか:現代の診療. 1978 ; 20 (12) : 2237-2242
12) 広畑和志ほか:診療と新薬. 1981 ; 18 (8) : 1834-1848
13) 福田英臣ほか:応用薬理. 1977 ; 13 (5) : 701-708
14) 笹島道忠ほか:応用薬理. 1977 ; 13 (5) : 689-700
15) Matthews RJ, et al. : Arch int Pharmacodyn. 1963 ; 143 : 574-594
16) Kurachi M, et al. : Jpn J Pharmacol. 1984 ; 36 (1) : 7-13
17) 福田英臣ほか:日薬理誌. 1974 ; 70 : 341-358
18) 渡辺繁紀ほか:日薬理誌. 1977 ; 73 : 479-496
19) 桜井実:診療と新薬. 1976 ; 13 (12) : 2645-2652
20) 立野勝彦ほか:診療と新薬. 1976 ; 13 (12) : 2653-2656
21) 宮崎淳弘ほか:診療と新薬. 1976 ; 13 (12) : 2657-2661
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