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日本薬局方
メチルドパ錠
処方箋医薬品注)
メチルドパとして、通常、成人初期1日250~750mgの経口投与からはじめ、適当な降圧効果が得られるまで数日以上の間隔をおいて1日250mgずつ増量する。通常、維持量は1日250~2000mgで1~3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
投与しないこと。肝機能障害を悪化させることがある。
肝疾患を再発又は肝機能障害を悪化させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。浮腫による著しい鼻閉を有する児を出産した報告がある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。薬剤がヒト母乳中に移行することが報告されている1) 。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に過度の降圧は好ましくないとされており、脳梗塞等が起こるおそれがある。
本剤の作用が増強され、低血圧があらわれることがあるので、本剤の投与を受けていた患者には、麻酔剤を減量するなど、注意すること。この低血圧は、通常、昇圧剤の投与により回復する。
両薬剤ともに降圧作用を有する。
降圧作用が増強されることがある。
作用機序の異なる降圧作用により互いに協力的に作用する。
本剤の降圧作用が増強されることがある。
レボドパの降圧機序は不明であるが併用により相加的血圧低下が起こる可能性がある。
本剤の降圧作用が減弱されることがある。
本剤の消化管からの吸収が阻害されることがある。
重篤な血液障害があらわれることがある。また、直接クームス試験等の陽性があらわれることがある。
肝炎等の肝機能障害や黄疸があらわれることがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
肝臓注1)
肝機能障害(AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇等)
精神神経系
脱力感、頭痛、眠気、めまい、ふらふら感
知覚異常、抑うつ、精神活動の減退、悪夢、不眠、パーキンソン症状
循環器系
徐脈、起立性低血圧
頸動脈洞の過敏による徐脈・失神
消化器
悪心・嘔吐、食欲不振、口渇、下痢
腹部膨満
便秘、大腸炎、舌のあれ、黒舌、唾液腺炎、膵炎
過敏症
発疹
その他
鼻閉
浮腫
体重増加、性欲減退、陰萎、筋肉痛、関節痛、女性型乳房、乳房肥大、乳汁分泌、無月経、高プロラクチン血症、BUN上昇、発熱注1),注2)
脳や消化器系の機能不全による反応(鎮静、脱力、徐脈、めまい、ふらつき感、便秘、鼓腸放屁、下痢、嘔気、嘔吐)を伴う急性低血圧が起きることがある。
心拍数や心拍出量、血液量、電解質バランス、麻痺性イレウス、尿排泄機能及び脳活性に特に注意して管理すること。交感神経作用薬(ノルアドレナリン、アドレナリン、酒石酸メタラミノール)による処置も考慮する。メチルドパは透析される。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
メチルドパの経口投与後の吸収は良好であり、健康成人9人にメチルドパを500mg経口投与した場合、血中濃度は約2.9時間後に最高値3.55μg/mLに達する。血中濃度の生物学的半減期は約2.1時間である2) 。
メチルドパ及びその代謝物はほとんど腎臓から排泄される。メチルドパの腎臓からの排泄量は個人差が大きいが、健康成人に経口投与した場合、投与後24時間までの遊離体の尿中排泄率は平均16.5%であり、尿中総排泄率は平均30.2%である2) 。
軽症本態性高血圧症患者において、ヒドロクロロチアジドを対照薬とする二重盲検比較試験によりメチルドパの有用性が認められている3) 。
メチルドパの降圧作用は、その代謝物であるα-メチルノルアドレナリンによる中枢のα-アドレナリン作働性受容体の刺激4),5)、偽神経伝達、血漿レニン活性の低下等に由来するものといわれている6),7),8) 。また、メチルドパは芳香族アミノ酸脱炭酸酵素阻害作用により、ノルアドレナリン、アドレナリン、ドパミン、セロトニン等の組織内濃度を可逆的に低下させることが認められている9) 。
ネコ、イヌにおける動物実験で、メチルドパ投与により血圧が有意に低下することが認められている10),11) 。また、本態性高血圧症患者においても収縮期血圧及び拡張期血圧をともに低下させ、長期にわたる安定した降圧効果を示すことが認められている12),13) 。腎機能障害のある患者では、メチルドパの少量で降圧効果が認められている14) 。なお、高血圧症患者において、メチルドパの心機能、腎機能に対する直接作用は認められていない15) 。
メチルドパ水和物(JAN)(Methyldopa Hydrate)
(2S)-2-Amino-3-(3,4-dihydroxyphenyl)-2-methylpropanoic acid sesquihydrate
C10H13NO4・11/2H2O
238.24
白色又はわずかに灰色を帯びた白色の結晶性の粉末である。水、メタノール又は酢酸(100)に溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。
PTP:100錠(10錠×10)、1,000錠(10錠×100、乾燥剤入り)
PTP:100錠(10錠×10)、1,200錠(10錠×120、乾燥剤入り)
1) White, W.B., et al.:Clin. Pharmacol. Ther., 1985;37:387-390.
2) 猿田享男:臨床薬理. 1982;13:229-242.
3) 篠崎有三 ほか:診療と新薬. 1975;12(12):2633-2645.
4) Kaplan, N.M. and Flynn, J.T.: Lippincott Williams & Wikins, 2006; p233-236
5) 野城孝夫 ほか:日本臨床. 1992;50(増刊号2): 686-693.
6) Mohammed, S., et al.:Circ. Res., 1969;25:543-548.
7) Dollery, C.T., et al.:Lancet, 1962;1:759-763.
8) Day, M.D., et al.:J. Pharm. Pharmacol., 1963;15:221-224.
9) Porter, C.C., et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther., 1961;134:139-145.
10) Heise, A., et al.:Eur. J. Pharmacol., 1972;17:315-317.
11) Lokhandwala, M.F., et al.:Eur. J. Pharmacol., 1976;37:79-89.
12) Oates, J.A., et al.:Science, 1960;13:1890-1891.
13) 梶原長雄 ほか:臨床と研究.1982;59(5):1529-1537.
14) Cannon, P.J., et al.:J. A. M. A., 1962;179:673-681.
15) Sannerstedt, R., et al.:Acta Med. Scand., 1963;174:53-67.
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