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日本薬局方
L-カルボシステイン錠
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核
L-カルボシステインとして通常成人1回500mgを1日3回経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
1回量
投与回数
カルボシステイン錠250㎎「ツルハラ」
2錠
1日3回経口投与
カルボシステイン細粒50%「ツルハラ」
1g
類薬で心不全のある患者に悪影響を及ぼしたとの報告がある。
肝機能が悪化することがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
AST、ALT、Al-P、LDHの上昇等があらわれることがある。
呼吸困難、浮腫、蕁麻疹等があらわれることがある。
0.1~5%未満注1)
0.1%未満注1)
頻度不明
消化器
食欲不振、下痢、腹痛
悪心、嘔吐、腹部膨満感、口渇
過敏症
発疹
湿疹、紅斑
浮腫、発熱、呼吸困難
その他
そう痒感
〈錠〉
PTP包装の薬剤はPTPシー卜から取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
〈カルボシステイン錠250mg「ツルハラ」〉
カルボシステイン錠250mg「ツルハラ」とムコダイン錠250mgをクロスオーバー法によりそれぞれ2錠(L-カルボシステインとして500mg)を、健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された1)。また、カルボシステイン錠250mg「ツルハラ」の処方変更を行うにあたり、処方変更後製剤と処方変更前製剤について上記と同様の生物学的同等性試験を実施し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された1)。
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0-7.5 (μg・hr/mL)
Cmax(μg/mL)
Tmax (hr)
t1/2(hr)
カルボシステイン錠250mg「ツルハラ」
15.0±0.6
4.5±0.2
1.96±0.04
3.8±0.6
ムコダイン錠250mg
14.9±0.8
4.6±0.1
1.88±0.07
2.7±0.4
(Mean±S.E.、n=12)
AUC0-9(μg・hr/mL)
処方変更前製剤 (250mg、錠剤)
14.3±1.0
4.9±0.2
1.8±0.1
1.3±0.1
処方変更後製剤 (250mg、錠剤)
13.9±0.9
4.9±0.3
2.2±0.1
1.9±0.2
(Mean±S.E.、n=20)
〈カルボシステイン細粒 50%「ツルハラ」〉
カルボシステイン細粒 50%「ツルハラ」とムコダイン細粒50% をクロスオーバー法によりそれぞれ1g(L-カルボシステインとして 500mg)を、健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について 90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された2)。
AUC0-7.5(μg・hr/mL)
カルボシステイン細粒 50%「ツルハラ」
14.8±0.8
4.4±0.1
1.92±0.06
3.0±0.4
ムコダイン細粒50%
15.0±0.7
4.7±0.2
3.5±0.6
血漿中濃度並びに AUC、Cmax 等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
〈気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症及び肺結核の去痰〉
喀痰喀出困難を訴える慢性気管支炎、気管支拡張症、肺気腫、気管支喘息、肺結核などの慢性呼吸器疾患患者を対象に、1週間の観察期の後カルボシステイン、実薬対照であるメチルシステイン又はプラセボを2週間投与する二重盲検比較試験を実施した。解析対象集団250例での全般改善度(軽度改善以上を有効とした場合の有効率)は、カルボシステイン群72.0%(59/82例)、メチルシステイン群64.6%(53/82例)、プラセボ群48.8%(42/86例)であり、カルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.01)。また、痰の切れの改善度はカルボシステイン群58.5%(48/82例)、メチルシステイン群51.2%(42/82例)、プラセボ群40.7%(35/86例)であり、カルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.01)。その他、痰の回数、咳の頻度、咳の強さにおいてもカルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.05)。カルボシステイン群の副作用発現頻度は12.0%(11/92例)であり、主な副作用は、食欲不振、腹部不快感などの消化器症状であった3)。
慢性副鼻腔炎患者を対象に、カルボシステイン又は実薬対照であるL-システインエチル塩酸塩を4週間投与する二重盲検比較試験を実施した。解析対象集団242例での全般改善度は下表のとおりであり、カルボシステインの有用性が認められている。カルボシステイン群の副作用発現頻度は1.5%(2/134例)、嘔吐1例、口渇感1例であった4)。
薬剤
改善率
カルボシステイン
L-システインエチル塩酸塩
評価項目
著明改善
20.2%*(25/124例)
6.8%(8/118例)
中等度改善以上
53.2%*(66/124例)
32.2%(38/118例)
軽度改善以上
91.1%(113/124例)
84.7%(100/118例)
* p<0.01
カルボシステインは、粘液の調整作用及び粘膜の正常化作用により粘液線毛輸送能を改善し、喀痰、鼻汁の排泄を促進する5)。
〈上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症及び肺結核の去痰〉
慢性気道疾患患者の喀痰中のシアル酸、フコースの構成比を正常化した6)。亜硫酸ガス曝露により変化するシアル酸/フコース分解酵素及びシアル酸/フコース合成酵素活性を正常化した。同時に、その分泌粘液の主成分であるムチン(Muc-5acタンパク質)生成の増加を抑制した(ラット)7)。
亜硫酸ガス曝露モデルにおいて気道の杯細胞過形成を抑制した(ラット)8)。
亜硫酸ガス曝露により増加する気道への炎症細胞浸潤(数)、活性酸素量及びエラスターゼ活性を抑制した(ラット)8),9)。fMLPにより刺激したヒト好中球の活性化を抑制した(in vitro)10)。
慢性気管支炎患者の気管支粘膜上皮の線毛細胞の修復を促進した11)。
〈慢性副鼻腔炎の排膿〉
慢性副鼻腔炎患者で、低下した鼻粘膜粘液線毛輸送能を改善した12)。
エンドトキシン注入あるいは亜硫酸ガス曝露による副鼻腔粘膜の障害を軽減し、修復を促進した(ウサギ)13),14)。
L-カルボシステイン(L-Carbocisteine)[JAN]
(2R)-2-Amino-3-carboxymethylsulfanylpropanoic acid
C5H9NO4S
179.19
本品は白色の結晶性の粉末で、においはなく、わずかに酸味がある。本品は水に極めて溶けにくく、エタノール(95)にほとんど溶けない。本品は希塩酸又は水酸化ナトリウム試液に溶ける。
約186℃(分解)
PTP:100錠(10錠×10)、1,000錠(10錠×100)
バラ:100g、500g分包:1g×1,200包(乾燥剤入り)
1) 鶴原製薬株式会社社内資料:生物学的同等性試験(錠250mg)
2) 鶴原製薬株式会社社内資料:生物学的同等性試験(細粒50%)
3) 伊藤和彦, 他. :臨床と研究. 1980 ;57(4) :1296-1309
4) 馬場駿吉, 他. :耳鼻と臨床. 1988 ;34(1) :33-47
5) 第十八改正日本薬局方解説書,廣川書店,2021;C1415-C1420
6) 安岡劭, 他. :気管支学. 1986 ;8(3) :312-320
7) Ishibashi, Y. et al. :Eur. J. Pharmacol. 2004 ;487 :7-15
8) Sueyoshi, S. et al. :Int. Arch. Allergy Immunol. 2004 ;134 :273-280
9) 石橋祐二, 他. :日本呼吸器学会雑誌. 2001 ;39 :17-23
10) Ishii, Y. et al. :Eur. J. Pharmacol. 2002 ;449 :183-189
11) 荻原正雄, 他. :気管支学. 1982 ;4(3) :235-244
12) 間島雄-, 他. :耳鼻臨床. 1987 ;80 :1313-1319
13) 前山拓夫, 他. :耳鼻咽喉科展望. 1986 ;29 :447-457
14) 大橋淑宏, 他. :日本耳鼻咽喉科学会会報. 1985 ;88 :1056-1060
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