当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
日本薬局方
アルジオキサ顆粒
アルジオキサ錠
透析療法を受けている患者[他のアルミニウム含有製剤で、長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症があらわれたとの報告がある。]
下記疾患における自覚症状及び他覚所見の改善胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎
アルジオキサとして、通常成人1日300~400mgを3~4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
投与しないこと。
長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症があらわれるおそれがあるので、定期的に血中アルミニウム、リン、カルシウム、アルカリフォスファターゼ等の測定を行うこと。
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
一般に生理機能が低下している。
テトラサイクリン系抗生物質
テトラサイクリン系抗生物質の作用が減弱するおそれがあるので、同時に服用させないこと。
本剤に含まれるアルミニウムイオンとキレートを形成し、吸収が阻害される。
ニューキノロン系抗菌剤
ニューキノロン系抗菌剤の作用が減弱するおそれがあるので、同時に服用させないこと。
0.1~5%未満
消化器
便秘
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
アルジオキサ-14Cをラットに経口投与した場合、消化管内でアラントインと水酸化アルミニウムに加水分解され、アラントインの大部分は吸収され、血中濃度は投与後0.5~1時間で最高に達した1)。
アルジオキサ顆粒50%「ツルハラ」とイサロン顆粒50%をそれぞれ0.5g(アルジオキサ250mg注1) )、アルジオキサ顆粒25%「ツルハラ」とイサロン顆粒25%をそれぞれ1g(アルジオキサ250mg注1) )、または、アルジオキサ錠100mg「ツルハラ」とイサロン錠100mgをそれぞれ3錠(アルジオキサ300mg注1) )をクロスオーバー法により健康成人男子に絶食時単回経口投与して代謝物である血漿中アラントイン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された2),3),4) 。
AUC0-10(μg・hr/mL)
Cmax(μg/mL)
Tmax(hr)
t1/2(hr)
アルジオキサ顆粒50%「ツルハラ」
8.6±0.3
1.9±0.1
1.4±0.2
2.7±0.2
イサロン顆粒50%
8.4±0.2
1.8±0.1
2.4±0.2
(Mean±S.E.、n=12)
アルジオキサ顆粒25%「ツルハラ」
8.1±0.2
1.4±0.1
3.2±0.4
イサロン顆粒25%
7.8±0.2
2.6±0.2
アルジオキサ錠100mg「ツルハラ」
9.1±0.3
2.2±0.1
1.5±0.1
2.9±0.4
イサロン錠100mg
8.8±0.3
1.3±0.1
2.5±0.2
血漿中濃度並びにAUC、Cmax 等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
胃潰瘍患者を対象に本剤(アルジオキサとして100mg)1日4回6週間経口投与し、対照群(ゲファルナート)と比較した結果、以下のとおりであった。副作用は認められなかった5)。
n
総合評価判定(累積有効率)
Ridit検定
著効
有効
やや有効
無効
アルジオキサ
40
20(50.0%)
7(67.5%)
5(80.0%)
8
N.S.
ゲファルナート
18(45.0%)
5(57.5%)
8(77.5%)
9
十二指腸潰瘍患者74例(男性59例、女性15例)を対象に本剤(アルジオキサとして100mg)1日4回6週間経口投与した結果、以下のとおりであった。副作用は認められなかった6)。
内視鏡判定による有効率(累積有効率)
74
26(35.1%)
21(63.5%)
7(73.0%)
20
急性胃炎又は慢性胃炎の急性増悪所見を有する患者を対象に本剤(アルジオキサとして100mg)1日4回1週間経口投与し、対照群(プラセボ)と比較した結果、以下のとおりであった。副作用は認められなかった7)。
総合判定
Mann-Whitney U検定
悪化
113
23
52
24
13
1
p<0.01
プラセボ
118
10
36
17
3
急性胃炎又は慢性胃炎患者を対象に本剤4週間経口投与し、1日2回投与(アルジオキサとして1回200mg)と1日4回投与(アルジオキサとして1回100mg)を比較した結果、以下のとおりであった。副作用は認められなかった8)。
総合効果判定(累積有効率)
Wilcoxon順位和検定
1日2回投与
28
11(39.3%)
9(71.4%)
6(92.9%)
2
1日4回投与
22
10(45.5%)
3(59.1%)
5(81.8%)
4
注)承認されている用法・用量は、通常成人にアルジオキサとして1日300~400mgを3~4回に分割経口投与である。
局所傷薬であるアラントインに制酸作用を有する水酸化アルミニウムを結合させたもので、消化管内で加水分解され両者が分離する。アラントインの大部分は吸収される。持続的な制酸作用、抗ペプシン作用を現す。また、胃粘膜損傷部位に付着し被覆作用を現すと共に、肉芽形成、結合組織の増生、粘膜再生及び粘膜下血管の新生を促し、潰瘍の治癒過程を促進する9)。
酢酸潰瘍10)の実験潰瘍において内視鏡的あるいは肉眼的及び組織学的に治癒の促進が認められ、また、ストレス潰瘍11)、Shay 潰瘍,11)、レセルピン潰瘍12)、フェニルブタゾン潰瘍12)において潰瘍の発生が抑制された(ラット、ヒスタミン潰瘍のみモルモット)。これらの実験潰瘍に対する効果は次のような薬理作用に基づくものと考えられる。
酢酸潰瘍における組織学的検討から、肉芽組織の増生及び粘膜上皮の再生が早期に認められ、潰瘍の瘢痕化を促進した(ラット)10)。
酢酸潰瘍において潰瘍部周辺の粘膜下血管及び漿膜面からの放射状血管を新生させ、早期に血管構築を完成させた(ラット)13)。また、アスピリンによる胃粘膜血流低下に対し抑制作用を示した(ラット)14)。
酢酸潰瘍における組織化学的検討から、再生上皮及び潰瘍底肉芽組織の酸性ムコ多糖体を増加させた(ラット)10)。また、アスピリンにより惹起された胃粘膜中のヘキソサミンの減少を用量依存的に抑制し、同時に胃液中へのヘキソサミンの遊離抑制、すなわち粘液層の破壊抑制作用も認められた(ラット)15)。
アルコール胃粘膜障害におけるPGs(PGE、6-keto-PGF1α)の減少に対し、有意な抑制作用を示した(ラット)16)。
アスピリンによる胃障害において惹起されたH+のBack diffusionに対し、有意な抑制作用を示した(ラット)15)。
4%溶液において、10分後すでにその活性を10%以下に抑制し、その効果は100分以上持続した(K.Schaub法:in vitro)17)。
0.05N塩酸100mLに対する中和能は、水酸化アルミニウムとほぼ同等の作用を示し(in vitro)、また、ヒスタミン刺激による胃液分泌に対し、遊離酸度、総酸度を減少させ、pHを上昇させた(イヌ)17)。
アルジオキサ(Aldioxa)
Dihydroxo[(4RS)-5-oxo-4-ureido-4,5-dihydro-1H-imidazol-2-yl]oxoaluminium
C4H7AlN4O5
218.10
白色の粉末である。水又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。フッ化ナトリウム・塩酸試液溶液(1→100)は旋光性を示さない。
約230℃(分解)
バラ[缶]:100g、1,000g(乾燥剤入り)、5,000g(乾燥剤入り)
バラ[缶]:100g、1,000g(乾燥剤入り)、5,000g(乾燥剤入り)分包:0.53g×2,000包(乾燥剤入り)
PTP:100錠(10 錠×10)、1,000錠(10錠×100、乾燥剤入り)、6,000錠(10錠×100、乾燥剤入り)
1) 府川和永他:応用薬理.1976;11(4):421-428
2) 社内資料:生物学的同等性試験(顆粒50%)
3) 社内資料:生物学的同等性試験(顆粒25%)
4) 社内資料:生物学的同等性試験(錠100mg)
5) 石井信光他:診療と新薬.1975;12(4):897-923
6) 大木一郎他:基礎と臨床.1976;10(12):3429-3444
7) 山形敞一他:診療と新薬.1978;15(2):287-295
8) 馬場滝夫他:基礎と臨床.1990;24(5):2797-2807
9) 第十七改正日本薬局方解説書.廣川書店;2016.C352-355
10) 府川和永他:応用薬理.1973;7(9-10):1339-1348
11) Cahen,R.et al.:Ann.Pharm.Franc.1962;20:704-713
12) Cahen,R.et al.:Ann.Pharm.Franc.1963;21:215-222
13) 府川和永他:応用薬理.1974;8(1):45-54
14) 河野 修他:薬理と治療.1986;14(3):1367-1371
15) 府川和永他:応用薬理.1983;26(6):921-925
16) 府川和永他:応用薬理.1984;27(2):295-300
17) Cahen,R.et al.:Ann.Pharm.Franc.1962;20:693-703
鶴原製薬株式会社 医薬情報部
〒563-0036 大阪府池田市豊島北1丁目16番1号
TEL:072-761-1456(代表) FAX:072-760-5252
鶴原製薬株式会社
大阪府池田市豊島北1丁目16番1号
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.