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トリメブチンマレイン酸塩として、通常成人1日量300mg(本剤3錠)を3回に分けて経口投与する。年齢、症状により適宜増減する。
トリメブチンマレイン酸塩として、通常成人1日量300~600mg(本剤3~6錠)を3回に分けて経口投与する。
トリメブチンマレイン酸塩として、通常成人1日量300~600mg(本剤1.5g~3.0g)を3回に分けて経口投与する。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。非臨床試験で乳汁への移行が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
AST、ALT、ALP、LDH、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
0.1%未満
消化器
便秘、下痢、腹鳴、口渇、口内しびれ感、悪心、嘔吐
循環器
心悸亢進
精神神経系
眠気、めまい、倦怠感、頭痛
過敏症
発疹、蕁麻疹、そう痒感
泌尿器
排尿障害、尿閉
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男子にトリメブチンマレイン酸塩を100mg経口投与したとき血漿中トリメブチン濃度は30分前後に最高値32.5~42.3ng/mLを示す。半減期は約2時間である。
トリメブチンマレイン酸塩錠100mg「ツルハラ」とセレキノン錠100mg、あるいはトリメブチンマレイン酸塩細粒20%「ツルハラ」とセレキノン細粒20%を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠あるいは0.5g(トリメブチンマレイン酸塩として100mg)を健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について 90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された1),2) 。
AUC0-8hr(ng・hr/mL)
Cmax (ng/mL)
Tmax(hr)
t1/2(hr)
トリメブチンマレイン酸塩錠100mg「ツルハラ」
70.4±2.6
41.4±1.6
0.6±0.1
1.9±0.2
セレキノン錠100mg
69.7±2.1
41.2±1.7
(Mean±S.E.、n=12)
トリメブチンマレイン酸塩細粒20%「ツルハラ」
71.2±2.7
40.2±1.7
セレキノン細粒20%
70.5±2.9
38.4±2.0
1.5±0.1
血漿中濃度並びに AUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
ラットの小腸(空腸)結紮部に14C-トリメブチンを投与し、トリメブチンの消化管からの吸収は速やかであり、1時間までに94%の放射能が吸収された3) 。
ヒト血清において77.0%であった4) (in vitro、平衡透析法)。
ラットに14C-又は3H-トリメブチンを経口投与後30分での放射能濃度は、肝臓、消化管内容、腎臓では高く、肺、脾臓、膵臓、副腎では中程度、血液、骨格筋、脳、精巣等では低かった。3H-標識体投与時の同時点では、消化管内容、腎臓、肝臓に高く、肺、血液、心筋には中程度、精巣及び脳では低かった。いずれの標識化合物投与時でも、72時間後には極めて低い濃度となった3) 。ラットに3H/14C-トリメブチンを1日1回、7日及び14日間連続経口投与した際の組織内濃度は、14日連続投与してもそれらの値は7回連続投与群とほとんど同程度か、むしろ低くなる臓器・組織もあった。14日連続投与後72時間目の14C濃度はかなり低くなり、特定の臓器・組織に残留する傾向は認められなかった。一方、組織内3H濃度についてみると、分布パターンにおいて14C-標識体の場合と若干異なるところもあったが、14C-標識体の場合と同様に、特定の臓器・組織に残留する傾向は認められなかった5) 。
妊娠後期の雌ラットに14C-トリメブチンを経口投与した際の母体組織内濃度は投与後30分値が最も高く、以後経時的に減少していった。卵巣、子宮、胎盤の濃度は母体血中濃度にほぼ等しく、胎児、羊水の濃度は極めて低かった。胎児1匹当りの放射能移行量は母体投与量の約0.02%であった6) 。
分娩後6日目の母体ラットに14C-トリメブチン(30mg/kg)を経口投与した際、哺乳児中の放射能濃度は4時間から8時間にかけて最高値に達し、乳児1匹への放射能移行量は、8時間までに母体投与量の約0.04%と推定された6) 。
2種の二重盲検比較試験を含む臨床試験の結果、慢性胃炎(526例)における消化器症状(腹部膨満感、腹部疼痛、悪心、噯気など)に対し総合改善率(中等度改善以上)は64.1%であった。
2種の二重盲検比較試験を含む臨床試験の結果、過敏性腸症候群(642例)における便通異常及び消化器症状の総合改善率(中等度改善以上)は56.5%であった。
トリメブチンは、平滑筋細胞において、弛緩した細胞に対しては、Kチャネルの抑制に基づく脱分極作用により細胞の興奮性を高め、一方、細胞の興奮性に応じてCaチャネルを抑制することで過剰な収縮を抑制することが推測される7) 。
トリメブチンは、運動亢進状態にある腸管では、副交感神経終末にあるオピオイドμ及びκ受容体に作用して、アセチルコリン遊離を抑制し、消化管運動を抑制する。一方、運動低下状態にある腸管では、交感神経終末にあるμ受容体に作用してノルアドレナリン遊離を抑制する。その結果、副交感神経終末からのアセチルコリン遊離が増加し、消化管運動を亢進する8) 。
ヒトの消化管運動に対し、4~6mg/kgの空腸内投与で生理的な消化管連動運動の誘発が認められる12) 。
上腹部消化器不定愁訴を有する慢性胃炎患者に対し、200mgの経口投与で、胃排出能の低下している場合には亢進させる。一方、亢進している場合には抑制傾向が認められる13) 。
麻酔イヌにおけるテトラガストリン負荷誘発食道下端括約圧上昇は、0.6mg/kg静脈内投与で低下する。一方、セクレチン負荷誘発内圧低下は上昇する17) 。
イヌにおいて、アポモルヒネ誘発の嘔吐に対する抑制作用は弱いが、硫酸銅誘発の嘔吐に対し3mg/kgの静脈内投与又は60mg/kgの経口投与で嘔吐発現潜時を明らかに延長させる19) 。
トリメブチンマレイン酸塩(Trimebutine Maleate)
(2RS)-2-Dimethylamino-2-phenylbutyl 3,4,5-trimethoxybenzoate monomaleate
C22H29NO5・C4H4O4
503.54
白色の結晶又は結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミド又は酢酸(100)に溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けやすく、水又はエタノール(99.5)に溶けにくい。0.01mol/L塩酸試液に溶ける。
131~135℃
1) 社内資料:生物学的同等性試験(錠100mg)
2) 社内資料:生物学的同等性試験(細粒20%)
3) 吉川正美, 他:応用薬理. 1982; 24(2): 289-300
4) 吉川正美, 他:応用薬理. 1982; 24(2): 309-314
5) 吉川正美, 他:応用薬理. 1982; 24(2): 315-324
6) 吉川正美, 他:応用薬理. 1982; 24(2): 301-307
7) 長崎正明, 他:Therapeutic Research. 1993; 14(7): 2919-2926
8) Taniyama K, et al.:Gastroenterol. 1991; 101(6): 1579–1587
9) 竹永秀幸, 他:日本薬理学雑誌. 1982; 80(2): 163-168
10) 玉木 元, 他:日本平滑筋学会雑誌. 1984; 20(5): 407-412
11) Mazzone O, et al.:Clin Ter. 1980; 95(6): 629-635
12) 西岡利夫, 他:日本平滑筋学会雑誌. 1982; 18(2): 105-113
13) 原沢 茂, 他:臨牀と研究. 1985; 62(5): 1487-1491
14) Takenaga H, et al.:Jpn J Pharmacol. 1984; 34(2): 177-181
15) 福土 審, 他:薬理と治療. 1986; 14(9): 5841-5854
16) 佐々木大輔:Therapeutic Research. 1985; 3(5): 788-797
17) 川村 武:Therapeutic Research. 1985; 3(5): 761-766
18) 石田柳一, 他:基礎と臨床. 1982; 16(8): 4139-4152
19) 玉木 元, 他:基礎と臨床. 1982; 16(8): 4153-4160
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