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日本薬局方
アスコルビン酸注射液
処方箋医薬品注)
(3)の適応に対して、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。
アスコルビン酸として、通常成人1 日50~2,000mg を1~数回に分けて皮下、筋肉内又は静脈内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
経口投与が困難な場合や緊急の場合、また、経口投与で効果が不十分と考えられる場合にのみ使用すること。また、投与経路は静脈内注射を原則とすること。なお、経口投与が可能で効果が十分と判断された場合には、速やかに経口投与にきりかえること。
血管痛があらわれることがあるので、注射速度はできるだけ遅くすること。
組織・神経等への影響を避けるため、以下の点に注意すること。
注射部位に疼痛があらわれることがある。
アスコルビン酸注射液 100mg「ツルハラ」とビスコリン注10%を、クロスオーバー法によりそれぞれ 2mL(アスコルビン酸 200mg)を健康成人男子に絶食時単回筋肉内注射、または単回皮下注射して血漿中未変化体濃度を測定し、投与前値からの増加量を算出した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について 90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された1)。
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0-5(μg・hr/mL)
Cmax(μg/mL)
Tmax(hr)
t1/2(hr)
アスコルビン酸注射液100mg「ツルハラ」
8.7±0.3
7.4±0.4
0.7±0.1
0.4±0.0
ビスコリン注10%
9.1±0.3
7.8±0.3
0.8±0.0
(Mean±S.E.、n=12)
8.5±0.3
7.2±0.2
0.7±0.0
8.3±0.3
7.5±0.3
0.6±0.0
血漿中濃度並びにAUC、Cmax 等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
アスコルビン酸(AsA)は平面的なγ−ラクトン環をもつアシ-レダクトンの一つであり、この化合物のもつ還元力(抗酸化力)は炭素2位および3位のエンジオール基[-C(OH)=C(OH)-]に起因している。AsAの生理機能の発現には、AsA、モノデヒドロアスコルビン酸(MDAsA)、およびデヒドロアスコルビン酸(DAsA)からなる酸化還元系が重要な鍵となる。AsAが効率的に機能するために、その酸化生成物を再還元する必要がある2)。
アスコルビン酸は、結合織の主成分であるコラーゲンの生成に関与しており、アスコルビン酸の欠乏は、皮膚、骨、歯、血管等の脆弱化をもたらす3)。すなわち、アスコルビン酸はコラーゲン中のprolineからhydroxyprolineへの水酸化過程に関与し4)(in vitro)、アスコルビン酸の投与によりコラーゲンの増加がみられる5)(モルモット)。また、アスコルビン酸は骨形成を進行させ、モルモット実験的骨折の修復機転において治癒的に作用する6),7)。
アスコルビン酸は毛細血管抵抗を増強し8)(シロネズミ)、出血傾向を改善する9)(モルモット)。
アルコール中毒患者では、血中アスコルビン酸濃度が低値を示すものが多く、アスコルビン酸の欠乏が起こるとされている10)。アルコール中毒患者へのアスコルビン酸投与は、低下した尿中アスコルビン酸排泄量を回復させ11)、血中アルコール濃度の上昇を一時的に抑制する12)。また、ニコチンは副腎皮質を刺激し、副腎皮質ホルモンの分泌を促してアスコルビン酸の消費を増大させる10)。
アスコルビン酸は副腎皮質に多量に存在し、ステロイドホルモンの生合成促進又は異化抑制に関与するとされている8)。
アスコルビン酸は、チロシンからのメラニン生成過程の中で、DOPAからDOPAキノンへの酸化過程を阻害し、メラニン色素の生成を抑制する13)(in vitro)。
アスコルビン酸(Ascorbic Acid)
L-threo-Hex-2-enono-1,4-lactone
C6H8O6
176.12
白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、酸味がある。水に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
約 190℃(分解)
〔α〕 20D:+20.5~+21.5°(2.5g、水、25mL、100mm)
本品 1.0g を水 20mL に溶かした液の pH は 2.2~2.5 である。
1mL×200 管
1) 社内資料:生物学的同等性試験
2) 日本ビタミン学会編:ビタミンの事典. 朝倉書店;1996:366-367
3) 第十八改正日本薬局方解説書,廣川書店,2021;C-95-C-100
4) Levene C.I. et al.:Biochim.Biophys.Acta. 1972;257:384-388
5) Gould B.S. et al.:Ann.New York Acad.Sci. 1960;85:385-398
6) Fullmer H.M. et al.:Ann.New York Acad.Sci. 1961;92:286-294
7) 梶原 章:最新医学. 1962;17:1429-1446
8) 藤田和典 他:日本皮膚科学会雑誌. 1963;73:580-589
9) Lee R.E.:J.Nutr. 1960;72:203-209
10) 田多井吉之介:日本医事新報. 1966;No.2190:161-162
11) Lester D. et al.:J.Nutr. 1960;70:278-282
12) 飯島泰彦:精神神経学雑誌. 1960;62:862-875
13) 竹内 勝 他:ビタミン. 1963;28:501-507
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