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日本薬局方
アスコルビン酸注射液
処方箋医薬品注)
(3)の適応に対して、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。
アスコルビン酸として、通常成人1日50~2,000mgを1~数回に分けて静脈内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
血管痛があらわれることがあるので、注射速度はできるだけ遅くすること。
アスコルビン酸(AsA)は平面的なγ−ラクトン環をもつアシ-レダクトンの一つであり、この化合物のもつ還元力(抗酸化力)は炭素2位および3位のエンジオール基[-C(OH)=C(OH)-]に起因している。AsAの生理機能の発現には、AsA、モノデヒドロアスコルビン酸(MDAsA)、およびデヒドロアスコルビン酸(DAsA)からなる酸化還元系が重要な鍵となる。AsAが効率的に機能するために、その酸化生成物を再還元する必要がある1)。
アスコルビン酸は、結合織の主成分であるコラーゲンの生成に関与しており、アスコルビン酸の欠乏は、皮膚、骨、歯、血管等の脆弱化をもたらす2)。すなわち、アスコルビン酸はコラーゲン中のprolineからhydroxyprolineへの水酸化過程に関与し3)(in vitro)、アスコルビン酸の投与によりコラーゲンの増加がみられる4)(モルモット)。また、アスコルビン酸は骨形成を進行させ、モルモット実験的骨折の修復機転において治癒的に作用する5),6)。
アスコルビン酸は毛細血管抵抗を増強し7)(シロネズミ)、出血傾向を改善する8)(モルモット)。
アルコール中毒患者では、血中アスコルビン酸濃度が低値を示すものが多く、アスコルビン酸の欠乏が起こるとされている9)。アルコール中毒患者へのアスコルビン酸投与は、低下した尿中アスコルビン酸排泄量を回復させ10)、血中アルコール濃度の上昇を一時的に抑制する11)。また、ニコチンは副腎皮質を刺激し、副腎皮質ホルモンの分泌を促してアスコルビン酸の消費を増大させる9)。
アスコルビン酸は副腎皮質に多量に存在し、ステロイドホルモンの生合成促進又は異化抑制に関与するとされている7)。
アスコルビン酸は、チロシンからのメラニン生成過程の中で、DOPAからDOPAキノンへの酸化過程を阻害し、メラニン色素の生成を抑制する12)(in vitro)。
アスコルビン酸(Ascorbic Acid)
L-threo-Hex-2-enono-1,4-lactone
C6H8O6
176.12
白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、酸味がある。水に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
約 190℃(分解)
〔α〕 20D:+20.5~+21.5°(2.5g、水、25mL、100mm)
本品 1.0g を水 20mL に溶かした液の pH は 2.2~2.5 である。
外箱開封後は遮光して保存すること。
2mL×200 管
1) 日本ビタミン学会編:ビタミンの事典. 朝倉書店;1996:366-367
2) 第十八改正日本薬局方解説書,廣川書店,2021;C-95-C-100
3) Levene C.I. et al.:Biochim.Biophys.Acta. 1972;257:384-388
4) Gould B.S. et al.:Ann.New York Acad.Sci. 1960;85:385-398
5) Fullmer H.M. et al.:Ann.New York Acad.Sci. 1961;92:286-294
6) 梶原 章:最新医学. 1962;17:1429-1446
7) 藤田和典 他:日本皮膚科学会雑誌. 1963;73:580-589
8) Lee R.E.:J.Nutr. 1960;72:203-209
9) 田多井吉之介:日本医事新報. 1966;No.2190:161-162
10) Lester D. et al.:J.Nutr. 1960;70:278-282
11) 飯島泰彦:精神神経学雑誌. 1960;62:862-875
12) 竹内 勝 他:ビタミン. 1963;28:501-507
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