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通常、成人には1回オキサトミドとして30mg(1錠)を朝及び就寝前の1日2回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤投与によりステロイド減量を図る場合には十分な管理下で徐々に行うこと。
肝機能障害が悪化又は再燃するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で口蓋裂、合指症、指骨の形成不全等の催奇形作用が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(イヌ)で乳汁移行が認められている。
過量投与を避けること。幼児(特に2歳以下)において錐体外路症状が発現するおそれがある。
肝機能が低下していることが多い。本剤は、主として肝臓で代謝される。
眠気、倦怠感等が強くあらわれるおそれがある。
相加的に作用する。
AST、ALT、γ-GTP、ビリルビン、Al-P、LDHの著しい上昇等を伴う肝炎、肝機能障害、黄疸(初期症状:全身倦怠感、食欲不振、発熱、嘔気・嘔吐等)があらわれることがある。
血圧低下、呼吸困難、全身紅潮、咽頭・喉頭浮腫等の症状があらわれることがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
錐体外路症状注1)
硬直(口周囲、四肢)、眼球偏位、後屈頸、攣縮、振戦
過敏症
発疹
浮腫(顔面、手足等)
内分泌
月経障害、乳房痛
女性化乳房
精神神経系
眠気、倦怠感、口渇
頭痛・頭重、めまい・ふらつき・立ちくらみ、しびれ感
泌尿器
膀胱炎様症状(頻尿、排尿痛、血尿、残尿感等)、排尿困難
消化器
嘔気・嘔吐、胃部不快感、下痢
便秘、胃痛、腹痛、食欲不振、食欲亢進、にがみ、腹部不快感、口内炎、舌のあれ
循環器
動悸
その他
好酸球増多
ほてり、鼻出血
発熱
本剤の投与は、アレルゲン皮内反応を抑制し、アレルゲンの確認に支障を来すので、アレルゲン皮内反応検査を実施する前は本剤を投与しないこと1)。
頸部硬直等の錐体外路症状、痙攣、意識障害、傾眠、血圧低下、洞性徐脈、縮瞳等が発現した例がある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
成人の喘息患者8名(一部健常人を含む)にオキサトミド30mgを1日2回22日間連続経口投与した場合、血漿中濃度は投与6日目に定常状態に達し、6日目以降の投与直前値は20~30ng/mL、投与後4時間では約40ng/mLを示した2)(外国人データ)。
オキサトミド錠30mg「ツルハラ」とセルテクト錠30を、クロスオーバー法によりそれぞれ1 錠(オキサトミド30mg)を健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された3)。
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0 - 2 4hr(ng・hr/mL)
Cmax(ng /mL)
Tmax(hr )
t 1 / 2(hr )
オキサトミド錠30mg「ツルハラ」
41.7±24.9
8.0±4.6
1.8±0.4
5.2
セルテクト錠30
42.6±27.3
8.1±5.0
1.8±0.7
6.3
(Mean±S.D.、n=16)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
ラットに14C-オキサトミド10mg/kgを経口投与した場合、投与後30分で、肝臓、腎臓、腸間膜リンパ節、肺、副腎の順で高い分布を示し、投与後1、2及び6時間においても上記組織で放射活性が認められたが、24時間では放射能の残存する組織は少なく、96時間にはほとんどの組織で検出限界以下となった4)。
妊娠ラットに14C-オキサトミド10mg/kgを経口投与した結果、胎児内濃度は胎盤中濃度の1/4〜1/5であり、母体に投与した量の0.08%であった5)。
分娩後のイヌに14C-オキサトミド10mg/kgを経口投与し、乳汁への移行性を検討した結果、血漿中及び乳汁中の放射能の最高値は投与後1〜2時間以内に得られほぼ同程度のレベルを示した5)。
健常成人に14C-オキサトミド60mgを経口投与した場合、放射能は投与後96時間までに尿中に投与量の40.1%、糞中に54.0%が排泄された6)(外国人データ)。
承認時までに実施された二重盲検比較試験を含む臨床試験成績の概要は次のとおりである。
アレルギー性鼻炎の患者にオキサトミド錠60mgを経口投与した結果、有効率は56.8%(92/162)であり、オキサトミドの有用性が認められた。また、二重盲検比較試験において有用性が確認されている9),10),11)。オキサトミドが投与された症例(107例)のうち33例(30.8%)に副作用が発現した。眠気19例(17.8%)、倦怠感7例(6.5%)、口渇2例(1.9%)、発疹・湿疹2例(1.9%)、頭痛1例(0.9%)、体重増加1例(0.9%)、腹部不快1例(0.9%)であった。
慢性蕁麻疹の患者にオキサトミド錠60mgを2週間経口投与した二重盲検比較試験の結果、有効率は63.7%(65/102、改善以上)であり、オキサトミドの有用性が認められた12)。オキサトミドが投与された症例(111例)のうち32例(28.8%)に副作用が発現した。眠気24例(21.6%)、倦怠感5例(4.5%)、悪心2例(1.8%)、嘔吐1例(0.9%)、胃部不快感1例(0.9%)、頭重1例(0.9%)、めまい1例(0.9%)であった。
皮膚瘙痒症の患者にオキサトミド錠60mgを7日間経口投与した二重盲検比較試験の結果、有効率は67.2%(43/64、有効以上)であり、オキサトミドの有用性が認められた13)。オキサトミドが投与された症例(66例)のうち19例(28.8%)に副作用が発現した。眠気13例(19.7%)、口渇4例(6.1%)、倦怠感2例(3.0%)、悪心2例(3.0%)、嘔吐1例(1.5%)、胃痛1例(1.5%)、軟便1例(1.5%)、下痢1例(1.5%)、朦朧(1.5%)であった。
細胞内カルシウム制御作用、ケミカルメディエーターの遊離抑制作用及びケミカルメディエーター拮抗作用によりアレルギー症状を抑制する。
オキサトミドは、アレルギー反応によって誘発される細胞内カルシウム濃度の上昇を抑制する作用、いわゆる細胞内カルシウム制御作用を有することが、ラット腹腔肥満細胞を用いた実験で確認されている。このカルシウム制御作用により、オキサトミドはアレルギー反応性細胞におけるケミカルメディエーターの遊離抑制作用を発現するものと考えられている。なお、心筋細胞内へのカルシウム流入を抑制する作用は弱い14)。
オキサトミドのヒスタミン遊離抑制作用が、ラット腹腔肥満細胞、ヒト白血球、アナフィラキシー反応時のラット皮膚を用いた実験で確認されている。また、ロイコトリエンの遊離抑制が、ヒト肺、ヒト白血球、ヒト好中球、ヒト好酸球、ラット腹腔肥満細胞を用いた実験で確認されている。更に、ロイコトリエンについてオキサトミドは、その合成酵素である5-lipoxygenaseに対する阻害作用を示すことが認められている14),15),16),17)。
オキサトミドのロイコトリエン、ヒスタミン、セロトニン、アセチルコリン、ブラディキニンに対する拮抗作用が、ラット皮膚、モルモットの摘出回腸、摘出気管支を用いた実験で確認されている。また、血小板活性化因子(PAF)によるモルモット気道抵抗上昇に対しても、オキサトミドは抑制作用を示した18),19),20)。
オキサトミドは、アレルギー反応のモデルである、抗原投与時のモルモット気道収縮反応、抗原投与時のイヌ気管縮小反応、ラット受身皮膚アナフィラキシー反応、モルモット摘出回腸及び気管のシュルツ・デール反応等を抑制する16),21),22)。
オキサトミド(Oxatomide)
1-[3-[4-(Diphenylmethyl)-1-piperazinyl]propyl]-2-benzimidazol-2(3H)-one
C27H30N4O
426.55
白色~微黄白色の結晶性の粉末である。酢酸(100)又はクロロホルムに溶けやすく,エタノール(95)にやや溶けにくく,ジエチルエーテルに溶けにくく,水にほとんど溶けない。
約155~161℃
PTP:100 錠(10 錠×10)、1,000 錠(10 錠×100、乾燥剤入り)
1) 足立 満ほか:新薬と臨床.1984;33(8):1127-1129
2) Davies B.H., et al.:Pharmatherapeutica. 1983;3(6):365-369
3) 社内資料:生物学的同等性試験
4) 柴田邦彦ほか:薬理と治療.1984;12(9):3887-3903
5) Michiels M., et al.:応用薬理.1984;28(2):357-374
6) Meuldermans W., et al.:Xenobiotica. 1984;14(6):445-462
7) Goto A., et al.:Biol. Pharm. Bull. 2004;27(5):684-690
8) Goto A., et al.:Biol. Pharm. Bull. 2005;28(2):328-334
9) 奥田 稔ほか:耳展.1984;27(補3):386-405
10) 奥田稔他:耳展, 1984;27(補3):369-385
11) 古内一郎他:アレルギーの臨床, 1983;20:58-62
12) 西山茂夫他:皮膚, 1983;25(1):125-140
13) 野波英一郎他:西日本皮膚科, 1983;45(6):1042-1051
14) Tasaka K., et al.:Int. Archs. Allergy appl. Immun. 1987;83:348-353
15) Manabe H., et al.:Int. Archs. Allergy appl. Immun. 1988;87:91-97
16) 大森健守ほか:日薬理誌.1982;80(3):251-260
17) Kosaka Y., et al.:Agents and Actions. 1987;21(1):32-37
18) Ohmori K., et al.:Arch. Int. Pharmacodyn. Ther. 1985;275(1):139-150
19) 大森健守ほか:日薬理誌.1983;81(5):399-409
20) Nijkamp F. P., et al.:Arch. Pharmacol. 1989;340(1):111-118
21) 大森健守ほか:日薬理誌.1982;80(6):481-493
22) 藤井一元ほか:日平滑筋誌.1983;19(1):47-54
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