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劇薬
麻薬
処方箋医薬品注)
本剤は、他の強オピオイド鎮痛剤の投与では十分な鎮痛効果が得られない患者で、かつオピオイド鎮痛剤の継続的な投与を必要とするがん疼痛の管理にのみ使用すること。
本剤は、他の強オピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する。通常、成人に対し初回投与量は本剤投与前に使用していた強オピオイド鎮痛剤の用法・用量を勘案して、メサドン塩酸塩として1回5~15mgを1日3回経口投与する。その後の投与量は患者の症状や状態により適宜増減する。
メサドン塩酸塩(mg/日)
15mg/日(5mg/回×3回)
30mg/日(10mg/回×3回)
45mg/日(15mg/回×3回)
↑
モルヒネ経口剤(mg/日)
60≦~≦160
160<~≦390
390<
本剤服用中に疼痛が増強した場合や鎮痛効果が得られている患者で突発性の疼痛が発現した場合は、直ちに速効性のオピオイド鎮痛剤の臨時追加投与(レスキュー薬の投与)を行い鎮痛を図ること。
連用中における急激な減量は、退薬症候があらわれることがあるので行わないこと。副作用等により減量する場合は、患者の状態を観察しながら慎重に行うこと。
本剤の投与を中止する場合には、退薬症候の発現を防ぐために徐々に減量すること。副作用等により直ちに投与を中止する場合は、退薬症候の発現に注意すること。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。治療期間の延長を来すおそれがある。
循環不全を増強するおそれがある。
QT間隔を過度に延長させるおそれがある。,,,,
QT延長が起こるおそれがある。,,,,
呼吸抑制を増強するおそれがある。,,,,,
呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を起こすおそれがある。
循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。
呼吸抑制を起こすおそれがある。
痙攣を起こすおそれがある。
呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。
依存性を生じやすい。,
排尿障害を増悪することがある。
消化管運動を抑制する。
オッジ筋を収縮させ症状が増悪することがある。
排泄が遅延し副作用があらわれるおそれがある。
代謝が遅延し副作用があらわれるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット、マウス、ハムスター)で、母動物の死亡、死産、胎児の体重減少、催奇形作用(骨化異常、外脳、頭蓋裂、脊髄のねじれ等)が報告されている1),2),3),4) 。分娩前に投与した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経過敏、不眠、振戦等)があらわれることがある5) 。分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制があらわれることがある。
授乳を避けさせること。ヒト母乳中へ移行し、母親の経口投与量が10~80mg/日のとき、メサドンの乳汁中濃度は0.05~0.57μg/mLになることが報告されている6) 。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しており、特に呼吸抑制の感受性が高い。
ナルメフェン塩酸塩水和物(セリンクロ)
ナルメフェン塩酸塩水和物により本剤の鎮痛作用を減弱させるため、効果を得るために必要な用量が通常用量より多くなるおそれがある。また、退薬症候を起こすおそれがある。
ナルメフェン塩酸塩水和物はμ受容体のアンタゴニストであり、μ受容体のアゴニストである本剤に対して、競合的に阻害する。
不整脈を誘発するおそれがある。
相加的にQT延長作用を増強させる。
低カリウム血症による不整脈を誘発するおそれがある。
カリウム値の低下により心臓の不応期が延長され、さらに本剤の投与により新たな不整脈を誘発することによる。
呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こるおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
相加的に中枢神経抑制作用を増強させる。
本剤の血中濃度が増加したとの報告がある8) 。
機序不明
本剤の血中濃度が増加したとの報告がある9) 。
尿のアルカリ化により本剤の尿中排泄率が低下するため。
本剤の血中濃度が増加するおそれがある。
これらの薬剤が本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)を阻害することによる。
本剤の血中濃度が低下したとの報告がある10) 。
これらの薬剤が本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)を誘導することによる。
本剤の血中濃度が低下するおそれがある。
セイヨウオトギリソウが本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)を誘導することによる。
本剤の血中濃度が低下したとの報告がある11) 。
ジドブジンの血中濃度が増加したとの報告がある12) 。
麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こるおそれがある。
相加的に抗コリン作用を増強させる。
本剤の鎮痛作用を減弱させることがある。また、退薬症候を起こすおそれがある。
これらの薬剤は本剤の作用するμ受容体の部分アゴニストである。
顔面蒼白、血圧低下、呼吸困難、頻脈、全身発赤、血管浮腫、蕁麻疹等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
連用により薬物依存を生じることがある。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、あくび、くしゃみ、流涙、発汗、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、散瞳、頭痛、不眠、不安、せん妄、痙攣、振戦、全身の筋肉・関節痛、呼吸促迫、動悸等の退薬症候があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、1日用量を徐々に減量するなど、患者の状態を観察しながら行うこと。,
息切れ、呼吸緩慢、不規則な呼吸、呼吸異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、本剤による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が拮抗する。,,,,,,
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AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P等の著しい上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。
10%以上
10%未満
頻度不明
循環器
不整脈、二段脈、徐脈、頻脈、T波逆転、血圧変動、失神、心筋症、動悸
精神神経系
眠気・傾眠
振戦
不眠、めまい、ふらふら感、幻覚、健忘、失見当識、激越、不安、鎮静、気分不快、多幸感、感覚異常、痙攣発作、頭痛、発汗、ミオクローヌス
消化器
悪心、嘔吐、便秘
下痢
腹痛、口渇、味覚異常、食欲不振、舌炎、胆管痙攣
過敏症
発疹
そう痒症
血液
血小板減少症
泌尿器
排尿障害、尿閉
感覚器
視覚障害(霧視、複視等)
その他
血管拡張(顔面潮紅、熱感)、潮紅、浮腫、呼吸困難、無力症、脱力、倦怠感、低カリウム血症、低マグネシウム血症、静脈炎、体重増加、無月経、性欲減退、性能力減退
呼吸抑制、意識不明、痙攣、錯乱、血圧低下、重篤な脱力感、重篤なめまい、嗜眠、心拍数の減少、QT延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、神経過敏、不安、縮瞳、皮膚冷感、無呼吸、循環虚脱等を起こすことがある。
マウス(腹腔内投与)を用いた優性致死試験及び精原細胞の染色体異常試験において陽性の結果を示したとの報告がある。また、大腸菌のDNA修復機能への影響並びにマウスリンパ腫細胞遺伝子突然変異への可能性を否定できないとの報告がある13),14) 。
雄性ラット(経口投与)を用い、雌性ラットと交配させた受胎能及び着床までの初期胚発生試験において産仔の死亡率及び同腹仔の死産の割合が増加、並びに雄性ハムスター(腹腔内投与)を用いた同試験において用量依存的に生殖行動が抑制されたとの報告がある。またマウス(24ヵ月混餌投与)を用いたがん原性試験において精巣の退化が認められたとの報告がある15),16),17) 。
マウス(24ヵ月混餌投与)を用いたがん原性試験において甲状腺濾胞上皮細胞の過形成が認められたとの報告がある17) 。
メサドン塩酸塩錠5mg、10mgを健康成人男性(外国在住日本人、6例)に単回経口投与したとき、最高血漿中濃度(Cmax)及び血漿中濃度曲線下面積(AUC0-144hr)は用量に比例して増加した。なお、メサドン塩酸塩錠5mg又は10mgを単回投与したときのメサドン及び主代謝物2-ethylidene-1,5-dimethyl-3,3-diphenylpyrrolidine(EDDP)の薬物動態パラメータは表1のとおりであった18) 。
n
AUC0-144hr(ng・hr/mL)
Cmax(ng/mL)
tmax(hr)
t1/2(hr)
メサドン塩酸塩錠5mg
メサドン
6
572.0±161.0
15.6±4.1
4.9±2.1
37.2±4.6
主代謝物(EDDP)
51.4±14.0
1.5±0.5
5.9±3.6
40.3±12.3
メサドン塩酸塩錠10mg
1026.5±239.3
30.8±4.6
3.3±2.4
38.3±4.9
94.2±16.0
3.4±0.6
2.2±0.6
28.3±9.7
(Mean±S.D.)
メサドン塩酸塩錠5mgを健康成人男性(外国在住日本人、5例)に1日3回7日間、反復経口投与したときの血漿中濃度の推移は図のとおりであり、投与1日目及び7日目のCmaxはそれぞれ18.4、94.6ng/mL、tmaxはそれぞれ3.4、2.8時間であった。投与終了後、血漿中のメサドン濃度は単回投与時と同様に7日間で緩やかに減少した18) 。,
平衡透析法で測定した血漿蛋白質との結合率は、89.4%であり、主にα1-酸性糖蛋白に結合する19) (健康成人)(外国人データ)。
14C標識体メサドンを麻薬中毒患者(男性)に経口投与したとき、放射能の尿中及び糞中排泄率はそれぞれ24~79%及び18~42%であった23) (外国人データ)。
他のオピオイド鎮痛剤(モルヒネ、オキシコドン、フェンタニル)により十分な疼痛管理が得られないがん疼痛患者(目標症例数:20例)を対象とした本剤への切り替え試験において、疼痛コントロールの達成率(至適用量に到達注2) した患者)は85.0%(17例/20例)であった。また、切り替え前後の疼痛強度(NRS注3) )変化量の平均値とその95%信頼区間は-1.9[-2.7、-0.99]であった24) 。
本剤の承認時までに実施した国内臨床試験において、総症例26例中20例(76.9%)に43件の副作用(臨床検査値の異常変動を含む)が認められた。主な副作用は、傾眠13例(50.0%)、悪心6例(23.1%)、嘔吐5例(19.2%)、心電図QT延長4例(15.4%)、便秘4例(15.4%)及びせん妄2例(7.7%)等であった25) 。
使用成績調査において、安全性解析対象症例816例中 360例(44.1%)に605件の副作用(臨床検査値の異常変動を含む)が認められた。主な副作用は、傾眠205例(25.1%)、悪心63例(7.7%)、せん妄及び便秘各45例(各5.5%)、嘔吐28例(3.4%)等であった。心電図QT延長は23例(2.8%)、Torsade de pointesは1例(0.1%)認められた。また呼吸抑制は10例(1.2%)、薬剤離脱症候群は1例(0.1%)認められた26) (再審査終了時)。
モルヒネと同様にμオピオイド受容体を介して鎮痛作用を示すものと考えられており、メサドンはμオピオイド受容体に対して高い親和性が認められた27) 。
ラットを用い熱刺激法(温湯法)により鎮痛効果を検討した結果、その効果はモルヒネよりやや強くオキシコドンと同程度であった27) 。
メサドン塩酸塩(JAN)(Methadone Hydrochloride)
(6RS )-6-(Dimethylamino)-4,4-diphenylheptan-3-one monohydrochloride
C21H27NO・HCl
345.91
無色の結晶又は白色の結晶性の粉末である。エタノール(95)に溶けやすく、水にやや溶けやすく、ジエチルエーテル及びグリセリンにほとんど溶けない。
本品の水溶液(1→100)のpHは4.5~6.5である。
アルミ袋開封後は直射日光、高温、多湿を避けて保存すること。
がん性疼痛の治療に精通した医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスク等についても十分に管理・説明できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられ、それら薬局においては調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。
40錠(10錠×4)PTP100錠(10錠×10)PTP
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テルモ・コールセンター
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香川県東かがわ市三本松567番地
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