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日本薬局方
カンデサルタン シレキセチル錠
処方箋医薬品注)
通常、成人には1日1回カンデサルタン シレキセチルとして4~8mgを経口投与し、必要に応じ12mgまで増量する。ただし、腎障害を伴う場合には、1日1回2mgから投与を開始し、必要に応じ8mgまで増量する。
通常、1歳以上6歳未満の小児には1日1回カンデサルタン シレキセチルとして0.05~0.3mg/kgを経口投与する。通常、6歳以上の小児には1日1回カンデサルタン シレキセチルとして2~8mgを経口投与し、必要に応じ12mgまで増量する。ただし、腎障害を伴う場合には、低用量から投与を開始し、必要に応じて8mgまで増量する。
通常、成人には1日1回カンデサルタン シレキセチルとして2mgから経口投与を開始し、必要に応じ8mgまで増量する。
通常、成人には1日1回カンデサルタン シレキセチルとして4mgから経口投与を開始し、必要に応じ8mgまで増量できる。なお、原則として、アンジオテンシン変換酵素阻害剤以外による基礎治療は継続すること。
小児に投与する場合には、成人の用量を超えないこと。
投与開始時の収縮期血圧が120mmHg未満の患者、腎障害を伴う患者、利尿剤を併用している患者、心不全の重症度の高い患者には、2mg/日から投与を開始すること。2mg/日投与は、低血圧関連の副作用に対する忍容性を確認する目的であるので4週間を超えて行わないこと。本剤の投与により、一過性の急激な血圧低下を起こす場合があるので、初回投与時、及び4mg/日、8mg/日への増量時には、血圧等の観察を十分に行うこと。,,,,,,
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがある。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。高カリウム血症を増悪させるおそれがある。また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、血清カリウム値に注意すること。
少量より開始し、増量する場合は血圧、腎機能及び患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。まれに血圧が急激に低下し、ショック、失神、一過性の意識消失や腎機能の低下を起こすおそれがある。
血圧、腎機能、貧血の指標(ヘモグロビン等)及び患者の状態を十分に観察しながら投与を開始し、慎重に増量すること。急激な血圧低下、腎機能低下あるいは貧血を起こすおそれがある。,
少量から開始し、増量する場合は血圧、腎機能及び患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。まれに血圧が急激に低下し、ショック、失神、一過性の意識消失や腎機能の低下を起こすおそれがある。
過度の血圧低下を来すと、症状が悪化するおそれがある。
少量より開始し、増量する場合は血圧、腎機能及び患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。まれに血圧が急激に低下し、ショック、失神、一過性の意識消失や腎機能の低下を起こすおそれがある。,
血圧、腎機能、貧血の指標(ヘモグロビン等)及び患者の状態を十分に観察しながら投与を開始し、慎重に増量すること。急激な血圧低下、腎機能低下あるいは貧血を起こすおそれがある。慢性心不全の臨床試験において、腎障害の合併が腎機能低下発現の要因であった。,
少量より開始し、増量する場合は血圧及び患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。まれに血圧が急激に低下し、ショック、失神、一過性の意識消失を起こすおそれがある。
血圧、貧血の指標(ヘモグロビン等)及び患者の状態を十分に観察しながら投与を開始し、慎重に増量すること。急激な血圧低下あるいは貧血を起こすおそれがある。,
少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。肝機能が悪化するおそれがある。また、活性代謝物カンデサルタンのクリアランスが低下することが推定されている。
妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤を使用し、胎児・新生児への影響(腎不全、頭蓋・肺・腎の形成不全、死亡等)が認められた例が報告されている1),2)。本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。妊娠中期及び末期にアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤又はアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の変形、肺の低形成等があらわれたとの報告がある。,
授乳しないことが望ましい。ラットの周産期及び授乳期に本剤を強制経口投与すると、10mg/kg/日以上の群で出生児に水腎症の発生増加が認められている3)。なお、ラットの妊娠末期のみ、あるいは授乳期のみに本剤を投与した場合、いずれも300mg/kg/日で出生児に水腎症の増加が認められている。
一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。
アリスキレンフマル酸塩
非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。
レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
カリウム保持性利尿剤
エプレレノンカリウム補給剤
血清カリウム値が上昇することがある。
本剤のアルドステロン分泌抑制作用によりカリウム貯留作用が増強することによる。危険因子:特に腎機能障害のある患者
利尿剤
利尿剤で治療を受けている患者に本剤を初めて投与する場合、降圧作用が増強するおそれがあるので、少量から開始するなど慎重に投与すること。
利尿剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、本剤が奏効しやすい。危険因子:特に最近利尿剤投与を開始した患者
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
アンジオテンシン変換酵素阻害剤
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。
リチウム
リチウム中毒が報告されている。
腎尿細管におけるリチウムの再吸収が促進される。
次の薬剤により併用治療されている場合
,
慢性心不全の臨床試験では、左記の併用に加え更に本剤を併用すると、立ちくらみ、ふらつき及び低血圧の発現頻度が高く、かつ程度が高い。腎機能低下あるいは貧血を起こすおそれがある。
(1)レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。(2)利尿剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、本剤が奏効しやすい。危険因子:厳重な減塩療法中の患者、低ナトリウム血症の患者、低血圧の患者、NYHA心機能分類Ⅲ等の比較的重症度の高い慢性心不全患者、腎障害のある患者、血液透析中の患者
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
降圧作用が減弱することがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤は血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成を阻害することから、降圧作用を減弱させる可能性があると考えられている。
腎障害のある患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられている。
顔面、口唇、舌、咽・喉頭等の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがある。
冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。,,,,,,,,
AST、ALT、γ-GTPの上昇等の肝機能障害があらわれることがある。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止すること。糖尿病治療中の患者であらわれやすい。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、湿疹、蕁麻疹、そう痒、光線過敏症
循環器
めまい、ふらつき、立ちくらみ、動悸、ほてり
期外収縮、心房細動
精神神経系
頭痛、頭重感、不眠、眠気、舌のしびれ感
四肢のしびれ感
消化器
悪心、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、心窩部痛、下痢、口内炎
味覚異常
肝臓
AST、ALT、Al-P、LDH、γ-GTPの上昇
血液
貧血、白血球減少、白血球増多、好酸球増多、血小板減少
腎臓
BUN、クレアチニンの上昇、蛋白尿
*その他
倦怠感、脱力感、鼻出血、頻尿、浮腫、咳、血中カリウム上昇、総コレステロール上昇、血中CK上昇、CRP上昇、血中尿酸上昇、血清総タンパク減少
低ナトリウム血症、腰背部痛、筋肉痛
耳鳴、関節痛
慢性心不全例では高血圧例に比べ立ちくらみ、ふらつき、低血圧、腎機能異常及び貧血等があらわれやすく、血圧、腎機能及び貧血の指標(ヘモグロビン等)に留意すること。なお、高血圧症の場合の副作用にも注意が必要である。
5%以上
発疹、そう痒
立ちくらみ、低血圧、ふらつき
めまい、徐脈、動悸、期外収縮、ほてり
頭痛、眠気、不眠、頭重感、しびれ感
悪心、心窩部痛、便秘、胃潰瘍、口渇、味覚異常、嘔吐、食欲不振、胃部不快感
γ-GTP上昇
ALT、AST、LDH、Al-Pの上昇
貧血
白血球減少、好酸球増多、白血球増多、血小板減少
BUN、クレアチニンの上昇
蛋白尿
血中カリウム上昇、血中尿酸上昇、血中CK上昇
倦怠感、脱力感、咳、浮腫、視覚異常、総コレステロール上昇、低ナトリウム血症、血清総タンパク減少
関節痛
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
本態性高血圧症患者8例(38~68歳)に、1日1回4mgを朝食後に初回投与し、さらに1日休薬後連日7日間反復投与した時、いずれも血中には活性代謝物のカンデサルタン及び非活性代謝物M-Ⅱが検出されるが、未変化体はほとんど検出されない。1日目(初回投与後)及び9日目(7日間反復投与後)のカンデサルタンの血中濃度は図のとおりで、投与4~6時間後にピークに達した後、徐々に低下する4)。
健康成人男子延べ168例、本態性高血圧症及び高齢本態性高血圧症患者延べ30例、腎障害を伴う高血圧症患者18例、肝障害を伴う高血圧症患者8例、計224例から得られた2,886時点の血中カンデサルタン濃度測定値を用いて、性、年齢、体重、肝機能指標(AST、ALT)、腎機能指標(血清クレアチニン、BUN)、血中アルブミン値及び高血圧の有無とカンデサルタンのクリアランス、分布容積、相対的バイオアベイラビリティとの関連性を検討した結果、肝障害患者(AST値>40又はALT値>35)におけるクリアランスが45%低下することが推定されている。
健康成人男性にカンデサルタン錠8mg「あすか」とブロプレス錠8それぞれ1錠(カンデサルタン シレキセチルとして8mg)をクロスオーバー法により絶食単回経口投与して血漿中カンデサルタン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された5)。
AUC0-30(ng・hr/mL)
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
カンデサルタン錠8mg「あすか」
834.8±177.4
76.47±20.28
4.6±1.2
7.6±1.5
ブロプレス錠8(8mg)
918.9±200.6
87.25±23.63
4.7±1.1
7.4±1.5
(mean±S.D., n=40)
健康成人男性にカンデサルタン錠12mg「あすか」とブロプレス錠12それぞれ1錠(カンデサルタン シレキセチルとして12mg)をクロスオーバー法により絶食単回経口投与して血漿中カンデサルタン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された5)。
カンデサルタン錠12mg「あすか」
1165.4±289.8
101.47±30.93
4.9±1.3
8.5±2.4
ブロプレス錠12(12mg)
1267.1±333.9
114.16±43.06
4.8±1.6
8.3±2.6
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
[14C]カンデサルタンをヒトの血清、4%ヒト血清アルブミン溶液に添加した時の蛋白結合率は、ともに99%以上である(in vitro)。
カンデサルタン シレキセチルはカルボキシルエステラーゼにより活性代謝物カンデサルタンに代謝され、さらに一部がCYP2C9により非活性代謝物M-Ⅱに代謝されるが、本態性高血圧症患者に本剤を投与したときのM-Ⅱの血中濃度及び尿中排泄率はカンデサルタンの血中濃度及び尿中排泄率に比べ低く、CYP2C9の遺伝的多型によるカンデサルタンの血中濃度への影響は少ないと考えられる。また、カンデサルタンはCYP1A1、1A2、2A6、2B6、2C8、2C9-Arg、2C19、2D6、2E1、3A4の代謝活性を阻害しない(in vitro)。
本態性高血圧症患者(38~68歳)8例、高齢本態性高血圧症患者(65~70歳)6例、腎障害を伴う高血圧症患者18例、肝障害を伴う高血圧症患者8例に1日1回4mgを朝食後に初回投与し、さらに1日休薬後連日7日間反復投与した時、いずれも尿中には未変化体は検出されず、活性代謝物のカンデサルタン及び非活性代謝物M-Ⅱが排泄される。投与24時間までの尿中カンデサルタン及びM-Ⅱの総排泄率は本態性高血圧症患者で11~12%、高齢本態性高血圧症患者では10~12%、肝障害を伴う高血圧症患者で約10~11%であり、ほとんど差は認めない。腎障害を伴う高血圧症患者の尿中排泄率は、血清クレアチニン3.0mg/dL以上の患者では1日目1.1%、9日目1.8%で、血清クレアチニン1.5mg/dL未満の腎機能正常例では1日目6.8%、9日目9.3%であった。以上の反復投与時の血中濃度、尿中排泄率からみて、本態性高血圧症患者、高齢本態性高血圧症患者、肝障害を伴う高血圧症患者及び腎障害を伴う高血圧症患者ともに蓄積性は認められないと考えられる4),6),7),8)。
腎障害(血清クレアチニン:0.6~3.6mg/dL)を伴う高血圧症患者18例に1日1回4mgを朝食後に初回投与し、さらに1日休薬後連日7日間反復投与した場合、血中濃度は本態性高血圧症患者の場合とほとんど差は認められない7)。
肝障害(ICGR15:15.0~28.0%)を伴う高血圧症患者8例に1日1回4mgを朝食後に初回投与し、さらに1日休薬後連日7日間反復投与した場合、血中濃度は本態性高血圧症患者の場合とほとんど差は認められない8)。
高齢本態性高血圧症患者(65~70歳)6例に1日1回4mgを朝食後に初回投与し、さらに1日休薬後連日7日間反復投与した場合、血中濃度は本態性高血圧症患者の場合とほとんど差は認められない6)。
メチルジゴキシン使用中の慢性心不全患者(54~74歳)5例に本剤1日1回4mgを朝食後に初回投与し、さらに1日休薬後連日7日間反復投与した時においても、血中ジゴキシン濃度は本剤非投与時に比較して増加は認められない。また、カンデサルタンの血中濃度は本態性高血圧症患者に本剤を単独投与した場合とほとんど差は認められない9)。
カンデサルタン錠2mg「あすか」及びカンデサルタン錠4mg「あすか」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に基づき、カンデサルタン錠8mg「あすか」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた5)。
高血圧症、腎実質性高血圧症の各患者を対象に、1日1回2~12mgを一般臨床試験では8~24週間、二重盲検比較試験では12週間、長期投与試験では24~52週間、腎障害を伴う高血圧症及び重症高血圧症における試験では2~8週間、経口投与した臨床試験において、降圧効果が評価された高血圧症のタイプ別有効率は次表のとおりである10),11),12),13),14),15),16),17),18),19),20),21),22),23)。
高血圧症のタイプ
有効率(「下降」※の率)
「判定不能」を含む
「判定不能」を除く
本態性高血圧症(軽・中等症)
72.6%(606/835)
78.1%(606/776)
重症高血圧症
77.5%(31/40)
83.8%(31/37)
腎障害を伴う高血圧症
63.4%(26/41)
72.2%(26/36)
腎実質性高血圧症
66.7%(22/33)
73.3%(22/30)
合計
72.4%(663/916)
78.1%(663/849)
※収縮期血圧(-20mmHg以上)及び拡張期血圧(-10mmHg以上)を満たす場合、平均血圧(-13mmHg以上)を満たす場合、あるいは、下降傾向であっても150/90mmHg未満(ただし、腎障害を伴う高血圧症の入院患者では、140/85mmHg未満)に降圧した場合
なお、本態性高血圧症患者を対象とした二重盲検比較試験の結果、本剤の有用性が認められている。
慢性心不全の患者を対象に、本剤1日1回4mgを2~4週間投与し、その後1日1回8mgを24週間投与した二重盲検比較試験(プラセボ対照)の結果、アンジオテンシン変換酵素阻害剤で治療されているか、あるいは治療されたことがある患者に対しアンジオテンシン変換酵素阻害剤に替えて本剤又はプラセボを投与した場合の「心不全症状の明らかな悪化」※の発現は本剤投与群4.6%(3/65例)であり、プラセボ群30.3%(23/76例)に比べ有意に抑制され、本剤の有用性が認められている。なお、上記試験では、ジギタリス製剤(52%)、利尿剤(83%)等が併用されている。※心不全症状の悪化により入院・加療を要する場合、あるいは、心不全治療剤(強心剤、利尿剤、不整脈用剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤以外の血管拡張剤)の追加・増量処置を行い、約2週間後以降も同様の処置を継続する場合など主治医が悪化と判断した場合本剤投与群において58.9%、プラセボ投与群において51.0%に臨床検査値の異常を含む副作用がみられた。また、心不全の悪化に伴わない心血管系のイベントが本剤群に4例(心室細動、意識喪失、一過性意識障害、脳梗塞)、プラセボ群に2例(再狭窄部へのPTCA施行、脳梗塞)、重篤な副作用が本剤群で2例(急性腎障害、胃潰瘍)、プラセボ群で1例(十二指腸潰瘍)みられた。このうち本剤群でみられた心室細動、脳梗塞の転帰として死亡が確認された。
カンデサルタン シレキセチルの降圧作用は、生体内で吸収過程において速やかに加水分解され活性代謝物カンデサルタンとなり、主に血管平滑筋のアンジオテンシンⅡタイプ1(AT1)受容体においてアンジオテンシンⅡと拮抗し、その強力な血管収縮作用を抑制することによって生ずる末梢血管抵抗の低下による。さらに、AT1受容体を介した副腎でのアルドステロン遊離に対する抑制作用も降圧作用に一部関与していると考えられる24),25),26)(in vitro、in vivo(ラット))。
高血圧症患者74例(本態性高血圧症56例、腎障害を伴う高血圧症患者18例)を対象に、本剤1日1回1~12mgの反復投与試験の結果、血漿レニン活性、血漿アンジオテンシンⅠ濃度及び血漿アンジオテンシンⅡ濃度の上昇がみられている4),6),7),11),12)。
本態性高血圧症患者10例を対象に、本剤1日1回2~8mgの反復投与の結果、収縮期血圧、拡張期血圧の低下、左室心筋重量、末梢血管抵抗の減少がみられた他には、心拍出量、左室駆出分画等の心機能値には影響がみられない。本態性高血圧症患者11例に本剤1日1回2~8mgの反復投与の結果、降圧時にも腎血管抵抗、腎血流量、糸球体濾過値に影響はみられず、脳血管障害を有する本態性高血圧症患者15例に、本剤1日1回2~8mgの反復投与の結果、降圧時にも脳血流量に影響はみられない27),28),29)。
慢性心不全の患者を対象に、本剤1日1回4mgを2~4週間投与し、その後1日1回8mgを24週間投与した二重盲検比較試験(プラセボ対照)の結果、アンジオテンシン変換酵素阻害剤で治療されているか、あるいは治療されたことがある患者に対しアンジオテンシン変換酵素阻害剤に替えて本剤又はプラセボを投与した場合、本剤投与群で本剤投与前に比し駆出分画の有意な増加、左室収縮末期径及び心胸郭比の有意な減少がみられている。また、本剤投与群でプラセボ投与群に比し駆出分画の有意な増加、左室収縮末期径及び心胸郭比の有意な減少がみられている。
カンデサルタン シレキセチル(Candesartan Cilexetil)
(1RS)-1-(Cyclohexyloxycarbonyloxy)ethyl 2-ethoxy-1-{[2’-(1H-tetrazol-5-yl)biphenyl-4-yl]methyl}-1H-benzimidazole-7-carboxylate
C33H34N6O6
610.66
白色の結晶又は結晶性の粉末である。酢酸(100)にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。メタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。結晶多形が認められる。
100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]
100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]、1,000錠[10錠(PTP)×100]
1) 阿部真也他:周産期医学.2017;47(10):1353-1355
2) 齊藤大祐他:鹿児島産科婦人科学会雑誌.2021;29:49-54
3) 大島洋次郎他:薬理と治療.1996;24(Suppl.6):S875-S888
4) 鈴木 伸他:臨床医薬.1996;12(11):2413-2428
5) 社内資料:生物学的同等性試験
6) 青井 渉:臨床医薬.1996;12(11):2429-2441
7) 藤島正敏他:臨床医薬.1996;12(15):3333-3352
8) 梶原英二他:臨床医薬.1996;12(15):3353-3368
9) 安保泰宏他:新薬と臨牀.1996;45(9):1662-1668
10) 藤原久義他:臨床医薬.1996;12(15):3281-3297
11) 荒川規矩男他:臨床医薬.1996;12(11):2195-2211
12) 荒川正昭他:臨床医薬.1996;12(11):2267-2296
13) 荒川規矩男他:臨床医薬.1996;12(11):2213-2230
14) 荒川規矩男他:臨床医薬.1998;14(15):2765-2800
15) 猿田享男他:臨床医薬.1996;12(11):2297-2322
16) 飯村 攻他:臨床医薬.1996;12(11):2323-2341
17) 藤島正敏他:臨床医薬.1996;12(11):2343-2371
18) 阿部圭志他:臨床医薬.1996;12(11):2373-2392
19) 阿部圭志他:臨床医薬.1996;12(11):2393-2411
20) 荒川規矩男他:臨床医薬.1998;14(5):871-918
21) 梶山梧朗他:臨床医薬.1996;12(15):3299-3317
22) 荻原俊男他:臨床医薬.1996;12(15):3211-3228
23) 柊山幸志郎他:臨床医薬.1996;12(15):3229-3264
24) 野田昌邦他:薬理と治療.1996;24(10):2215-2220
25) 柴生田由美子他:薬理と治療.1996;24(10):2207-2213
26) Wada,T.et al:Eur.J.Pharmacol.1994;253(1-2):27-34
27) 三ツ浪健一他:新薬と臨牀.1996;45(9):1655-1661
28) 伊勢拓之他:臨床医薬.1996;12(15):3265-3280
29) 田川皓一他:臨床医薬.1996;12(15):3319-3331
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