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日本薬局方
フェノフィブラート錠
処方箋医薬品注)
高脂血症(家族性を含む)
通常、成人にはフェノフィブラートとして1日1回106.6mg~160mgを食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。1日160mgを超える用量は投与しないこと。
胆石形成が報告されている。
投与しないこと。横紋筋融解症があらわれることがある。,,,
投与量を減ずるか、投与間隔を延長し使用すること。横紋筋融解症があらわれることがある。,,
本剤とHMG-CoA還元酵素阻害薬を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、本剤を少量から投与開始するとともに、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。,
投与しないこと。肝障害を悪化させることがある。
肝機能検査値の異常変動があらわれるおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
投与しないこと。動物(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
プロトロンビン時間を測定して抗凝血剤の用量を調節し、慎重に投与すること。
抗凝血剤の作用を増強する。
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。
危険因子:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者
低血糖症(冷汗、強い空腹感、動悸等)があらわれるとの報告があるので、併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
血糖降下作用が増強される。
陰イオン交換樹脂剤投与前1時間あるいは投与後4~6時間以上間隔をあけて投与すること。
吸収が遅延あるいは減少する可能性がある。
外国において重症な腎機能障害が報告されているので、腎機能検査等に注意し、慎重に投与すること。
併用により腎機能への影響を増大させる。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、これに伴って急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがある。,,,
肝炎や黄疸、AST、ALT等の著しい上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。異常が認められた場合には、減量又は中止等の適切な処置を講ずるとともに、少なくとも1カ月以内に肝機能検査を実施すること。なお、AST又はALTが継続して正常上限の2.5倍あるいは100単位を超えた場合には投与を中止すること。,
重度の腹痛、嘔気、嘔吐、アミラーゼ上昇、リパーゼ上昇等を特徴とする膵炎があらわれることがある。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
肝臓
肝機能検査値異常(AST上昇、ALT上昇、ALP上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇等)
肝腫大
皮膚
発疹、そう痒感、蕁麻疹
脱毛、光線過敏症
多形紅斑
消化器
嘔気、嘔吐、便秘、下痢、食欲不振、心窩部痛、胃部不快感
腹痛、口渇、腹部膨満感
口内炎、鼓腸、胸やけ
腎臓
腎機能検査値異常(BUN上昇、クレアチニン上昇等)
筋肉
CK上昇
脱力感
筋肉痛、筋痙攣、こわばり感
血液
貧血(赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット値減少)、白血球増多、白血球減少、好酸球増多、血小板増加
血小板減少
精神神経系
頭痛、めまい
ふらつき
胆管系
胆石症、胆のう炎
その他
抗核抗体陽性
全身倦怠感、動悸
腫脹、下肢痛、味覚異常
浮腫、発熱、勃起障害、頻尿、血中ホモシステイン増加、しびれ感、ほてり
本剤は蛋白結合率が高いため、血液透析によって除去できない。
外国における「軽度の脂質代謝異常を有する2型糖尿病患者」を対象とした無作為化試験の結果、本剤投与群において膵炎及び静脈血栓塞栓症(肺塞栓症、深部静脈血栓症)の危険性がプラセボ投与群より高くなるとの報告がある1) 。
マウスの長期投与試験で雄の中間投与量群(60mg/kg)以上において肝細胞癌が、ラットの長期投与試験では、雄の中間投与量群(45mg/kg)以上において肝細胞癌と膵腺房細胞腫瘍及び精巣間細胞腫瘍が認められた。雌のラットとマウスでは、高投与量群(ともに200mg/kg)で肝細胞癌が認められた。
本剤53.3mg及び80mgは、それぞれ微粉化フェノフィブラートカプセル製剤67mg及び100mgと生物学的に同等である。健康成人男性に本剤106.6mg(53.3mg製剤2錠)又は本剤160mg(80mg製剤2錠)を食後単回経口投与したとき、活性代謝物であるフェノフィブリン酸の薬物動態パラメータ及び血漿中濃度は以下のとおりであった2),3) 。
投与量
本剤106.6mg(53.3mg×2錠)
微粉化フェノフィブラートカプセル製剤134mg(67mg×2カプセル)
Cmax(μg/mL)
8.993±1.017
9.186±1.930
AUC0-96hr(μg・hr/mL)
152.24±33.42
155.21±38.18
Tmax(hr)
3.40±0.94
4.30±0.73
T1/2(hr)
20.36±3.72
21.01±4.06
(mean±S.D., n=20)
本剤160mg(80mg×2錠)
微粉化フェノフィブラートカプセル製剤200mg(100mg×2カプセル)
11.796±1.550
12.256±3.074
207.12±42.11
216.68±54.09
3.16±1.01
4.89±1.88
22.54±3.24
24.49±4.26
(mean±S.D., n=19)
健康成人男性6例に本剤160mg(80mg製剤2錠)をクロスオーバー法にて空腹時又は食後30分に単回経口投与したとき、フェノフィブラートの活性代謝物であるフェノフィブリン酸のCmax及びAUC0-120hr(平均値)は、空腹時投与では食後投与の54.6%及び79.3%であった4) 。
フェノフィブラートの活性代謝物であるフェノフィブリン酸の血漿蛋白結合率(限外濾過法)は99%であった5) 。
ヒト血漿中には主にフェノフィブリン酸が存在し、また、ヒト尿中にはフェノフィブリン酸とその還元体が主にグルクロン酸抱合体として排泄された6) 。
健康成人男性に本剤160mgに相当する用量を食後単回経口投与したとき、投与後72時間までに投与量の64%が尿中に排泄された7) 。なお、排泄経路は腎臓であることが報告されている8) 。
軽度注2) 及び中等度注3) の腎障害患者6例(各3例)に本剤80mgに相当する用量を朝食後30分に単回経口投与したとき、活性代謝物であるフェノフィブリン酸の薬物動態パラメータは、以下のとおりであった9) 。,
腎障害患者の障害度
AUC0-∞(μg・hr/mL)
軽度
202.7±82.3
8.2±4.2
6.0±1.2
25.5±2.2
中等度
266.9±71.2
6.5±1.7
6.7±0.7
35.1±5.7
(mean±S.E., n=3)
ヒト肝ミクロソームを用いてフェノフィブリン酸のCYPの阻害について検討した結果、フェノフィブリン酸はCYP1A1、1A2、2A6、2B6、2C19、2D6、2E1及び3A4による代謝は阻害しなかったが、CYP2C9による代謝を阻害し、そのIC50は112μMであった10) 。
高脂血症患者236例を対象に、フェノフィブラートカプセル製剤とクリノフィブラート錠の有効性及び安全性を比較する二重盲検群間比較試験を実施した。本剤159.9mg~160mgに相当する用量を1日1回夕食後に12週間経口投与したとき、改善率(中等度改善以上)はフェノフィブラートカプセル製剤群76.6%(85/111例)、クリノフィブラート錠群35.1%(40/114例)であり、両群間に有意差が認められた(p<0.001)。投与前に血清脂質が異常値注4) であった症例の血清脂質の投与12週の変化率(%)は以下のとおりであり、各指標の変化率は、フェノフィブラートカプセル製剤群がクリノフィブラート錠群よりも有意に大きかった(HDLコレステロールのみp<0.05/3、他はp<0.001/3)。
総コレステロール
トリグリセライド
LDLコレステロール
HDLコレステロール
フェノフィブラートカプセル製剤群
-17.1±1.4(n=78)
-46.8±4.3(n=50)
-24.8±2.2(n=50)
26.1±5.1(n=20)
クリノフィブラート錠群
-5.0±1.2(n=82)
-12.3±5.5(n=52)
-8.5±1.5(n=54)
9.8±2.8(n=31)
(変化率(%)、mean±S.E.)
フェノフィブラートカプセル製剤群の副作用発現頻度は8.6%(10/116例)で、主な副作用は胃部不快感3.4%(4例)、胃もたれ、嘔気、嘔吐、軟便各0.9%(1例)等の消化器症状であった。臨床検査値異常の発現頻度は35.3%(41/116例)であり、主な臨床検査値異常はAST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇等であった11) 。
高脂血症患者203例を対象に、フェノフィブラートカプセル製剤とベザフィブラート徐放錠の有効性及び安全性を比較する二重盲検群間比較試験を実施した。本剤159.9mg~160mgに相当する用量を1日1回夕食後に12週間経口投与したとき、改善率(中等度改善以上)はフェノフィブラートカプセル製剤群81.9%(86/105例)、ベザフィブラート徐放錠群74.7%(71/95例)であり、両群間に有意差は認められなかった(χ2検定)。投与前に血清脂質が異常値注4) であった症例の血清脂質の投与12週の変化率(%)は以下のとおりであり、各指標について、両群間に有意差は認められなかった。
-15.2±1.6(n=71)
-41.8±4.5(n=57)
-24.5±2.3(n=47)
25.7±4.8(n=36)
ベザフィブラート徐放錠群
-10.3±1.3(n=69)
-34.6±4.7(n=47)
-17.6±2.4(n=43)
21.5±4.1(n=28)
フェノフィブラートカプセル製剤群の副作用発現頻度は3.8%(4/106例)で、副作用は胃部不快感、便秘各1.9%(2例)等の消化器症状であった。臨床検査値異常の発現頻度は41.5%(44/106例)であり、主な臨床検査値異常はγ-GTP上昇、AST上昇、ALT上昇等であった12) 。
高脂血症患者281例を対象に長期投与時の有効性及び安全性を確認した。本剤106.6mg~160mgに相当する用量を1日1回6カ月以上投与したとき、改善率は85.4%(240/281例)であった。副作用発現頻度は3.9%(13/331例)で、主な副作用は腹痛、嘔気、皮疹、そう痒感各0.6%(2例)等であった。臨床検査値異常の発現頻度は28.3%(94/332例)であり、主な臨床検査値異常はγ-GTP上昇、AST上昇、ALT上昇等であった13),14) 。
家族性複合型高脂血症患者を対象に、本剤159.9mg~160mgに相当する用量を1日1回6カ月間投与したとき、改善率は90.5%(19/21例)であった。副作用発現頻度は13.0%(3/23例)で、発現した副作用は肝腫大、嘔気、脱力感、全身倦怠感各4.3%(1例)であった15) 。
コントロール良好な糖尿病を伴う高脂血症患者を対象に、本剤159.9mg~160mgに相当する用量を1日1回6カ月間投与したとき、改善率は85.7%(18/21例)であった。また、インスリン基礎値及び糖負荷後のインスリン値が低下した。副作用発現頻度は9.5%(2/21例)で、発現した副作用は胃痛、嘔気、全身倦怠感各4.8%(1例)であった16) 。
高尿酸血症を伴う高脂血症患者を対象に、本剤159.9mg~160mgに相当する用量を1日1回8週間投与したとき、改善率は78.3%(54/69例)であった。また、投与前に約8mg/dLであった尿酸値が投与8週後には約6mg/dLまで低下した。副作用発現頻度は1.4%(1/73例)で、発現した副作用は皮疹であった17),18) 。
核内受容体 peroxisome proliferator-activated receptor α(PPARα)を活性化して種々の蛋白質の発現を調節することにより脂質代謝を総合的に改善させ、血清コレステロール濃度と血清トリグリセライド濃度を低下させるとともに、血清HDLコレステロールを上昇させる19),20),21) 。
HDLの主要構成蛋白であるアポA-I及びA-IIの産生を増加させる25),26) (in vitro)。
高脂血症患者の血清総コレステロール及び血清トリグリセライドを有意に低下させ、HDLコレステロールを有意に上昇させた27) 。
正脂血ラット、フルクトース負荷及びコレステロール負荷ラット、コレステロール負荷ハムスターへの反復経口投与において、用量依存的に血清コレステロール濃度を低下させた28),29) 。
正脂血ラット、フルクトース負荷ラット及びコレステロール負荷ハムスターへの反復経口投与において、用量依存的に血清トリグリセライド濃度を低下させた28),29) 。
フェノフィブラート(Fenofibrate)
1-Methylethyl 2-[4-(4-chlorobenzoyl)phenoxy]-2-methylpropanoate
C20H21ClO4
360.83
白色~微黄白色の結晶性の粉末である。エタノール(99.5)にやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。結晶多形が認められる。
80~83℃
100錠[10錠(PTP)×10]500錠[10錠(PTP)×50]
1) Keech,A.et al.:Lancet.2005;366:1849-1861
2) 社内資料:薬物動態比較試験、健康成人、フェノフィブラート53.3mg錠と微粉化フェノフィブラート67mgカプセル
3) 社内資料:薬物動態比較試験、健康成人、フェノフィブラート80mg錠と微粉化フェノフィブラート100mgカプセル
4) 社内資料:食事の影響に関する試験、健康成人、フェノフィブラート80mg錠
5) 社内資料:蛋白結合率、健康成人、フェノフィブラートカプセル製剤
6) 社内資料:代謝、健康成人、フェノフィブラートカプセル製剤
7) 社内資料:排泄、健康成人、微粉化フェノフィブラートカプセル製剤
8) Brodie,R.R.et al.:Arzneim.-Forsch.(Drug Res.).1976;26(5):896-901
9) 中谷矩章他:薬理と治療.1995;23(6):1617-1626
10) 社内資料:フェノフィブリン酸のCYP阻害試験
11) 馬渕 宏他:臨床評価.1995;23(2):247-305
12) 秦 葭哉他:Geriat.Med.1995;33(6):765-822
13) 板倉弘重他:Prog.Med.1997;17(3):635-659
14) 五島雄一郎他:Geriat.Med.1995;33(7):909-938
15) 馬渕 宏他:Prog.Med.1995;15(Suppl.1):1047-1067
16) 藤島正敏他:Prog.Med.1995;15(Suppl.1):1069-1086
17) 鹿住 敏他:臨床評価.1995;23(3):523-551
18) 赤岡家雄他:Prog.Med.1995;15(Suppl.1):1088-1109
19) Schoonjans,K.et al.:EMBO J.1996;15(19):5336-5348
20) Staels,B.et al.:J.Clin.Invest.1995;95(2):705-712
21) Schoonjans,K.et al.:J.Lipid Res.1996;37(5):907-925
22) 荒川礼二郎他:薬理と治療.1995;23(Suppl.4):S1055-1061
23) 永山 隆他:薬理と治療.1995;23(Suppl.4):S1071-1082
24) 永山 隆他:薬理と治療.1995;23(Suppl.4):S1063-1070
25) Vu-Dac,N.et al.:J.Biol.Chem.1994;269(49):31012-31018
26) Vu-Dac,N.et al.:J.Clin.Invest.1995;96(2):741-750
27) 佐々木淳他:臨床評価.1995;23(3):553-579
28) 土屋亜紀子他:薬理と治療.1995;23(Suppl.4):S1041-1046
29) 永山 隆他:薬理と治療.1995;23(Suppl.4):S1047-1054
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