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日本薬局方
イフェンプロジル酒石酸塩錠
頭蓋内出血発作後、止血が完成していないと考えられる患者
脳梗塞後遺症、脳出血後遺症に伴うめまいの改善
通常成人には、1回2錠(イフェンプロジル酒石酸塩として20mg)を1日3回毎食後経口投与する。
通常成人には、1回1錠(イフェンプロジル酒石酸塩として20mg)を1日3回毎食後経口投与する。
本剤の投与期間は、臨床効果及び副作用の程度を考慮しながら慎重に決定するが、投与12週で効果が認められない場合には投与を中止すること。
脳内盗血現象を起こすおそれがある。
血圧低下を増強するおそれがある。
心機能を亢進させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
出血傾向をきたすと考えられる薬剤
出血傾向が増強されるおそれがある。
本剤の血小板粘着能・凝集能抑制作用による。
ドロキシドパ
ドロキシドパの作用を減弱するおそれがある。
本剤のα1受容体遮断作用による。
0.1~5%未満
頻度不明
消化器
口渇、悪心・嘔吐、食欲不振、胸やけ、下痢、便秘、口内炎、腹痛
精神神経系
頭痛、めまい、ねむけ
不眠
過敏症
発疹、皮膚そう痒感
循環器
動悸、立ちくらみ、頻脈、顔面潮紅、のぼせ感
肝臓
AST・ALT上昇
血液
貧血
その他
顔面浮腫、上・下肢のしびれ感
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男子24名に、セロクラール錠10mg及びセロクラール錠20mgを、イフェンプロジル酒石酸塩として60mgずつ単回経口投与した場合の抱合型イフェンプロジルの血漿中濃度パラメーターを次に示す。
tmax(hr)
Cmax(ng/mL)
t1/2(hr)
AUC(ng・hr/mL)
錠10mg
1.77
70.4
1.33
200.3
錠20mg
67.3
1.40
198.9
健康成人男性にイフェンプロジル酒石酸塩錠10mg「あすか」又はイフェンプロジル酒石酸塩錠20mg「あすか」とセロクラール錠10mgそれぞれイフェンプロジル酒石酸塩として20mgを、クロスオーバー法により絶食単回経口投与して血漿中イフェンプロジル抱合体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された1)。
投与量
AUC0-4(ng・hr/mL)
Tmax(hr)
イフェンプロジル酒石酸塩錠 10mg「あすか」
20mg(2錠)
53.4±8.3
27.9±4.3
1.4±0.3
セロクラール錠10mg
48.3±5.9
26.7±4.2
1.6±0.3
(mean±S.E., n=10)
AUC0-6(ng・hr/mL)
イフェンプロジル酒石酸塩錠20mg「あすか」
20mg(1錠)
75.33±10.32
26.6±3.3
1.7±0.1
68.45±7.28
32.1±2.7
1.4±0.1
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
ラットに14C-イフェンプロジルを経口投与した場合、投与30分後に最高血中濃度に達し、肝臓及び腎臓などに分布した2)。
脳血管障害患者を対象とした、プラセボとの二重盲検比較試験における、イフェンプロジル酒石酸塩錠のめまいの改善率は64%(38/59)であり、プラセボに比し有意に高かった4)。また、めまい患者を対象とした二重盲検比較試験におけるめまい発作、めまい感の改善率は各々84%(41/49)、61%(31/51)であった5)。
イフェンプロジル酒石酸塩は血管平滑筋弛緩作用、交感神経α受容体遮断作用などに基づく脳血流増加作用、脳ミトコンドリア呼吸機能の促進による脳代謝改善作用並びに血小板凝集能の抑制による血液性状改善作用の3作用が認められる。
イフェンプロジル酒石酸塩は、脳動脈血流量特に椎骨動脈(イヌ)6)及びその流域である扁桃核、視床下部、小脳皮質(ネコ)7)、内耳(モルモット)8)の著明な血流増加を示す。脳血管障害患者を対象にした臨床薬理学的検討では、N2O法9)、133Xeクリアランス法10)、超音波ドプラー法11)にて全脳及び病巣部局所の血流増加が確認されている。これら循環改善作用は、血管平滑筋直接弛緩作用6)並びに非選択的な交感神経α受容体遮断作用によると考えられている12),13)。
イフェンプロジル酒石酸塩は、脳虚血時の乳酸、ATP、グルコースなどの脳組織における代謝異常を改善し(SHRラット)14)、脳ミトコンドリア機能の低下を改善する(脳梗塞家兎)15)。
イフェンプロジル酒石酸塩は、ADP、コラーゲン、アドレナリンなどによる血小板凝集を抑制する。この作用は、イフェンプロジル酒石酸塩がセロトニン摂取並びに放出反応を抑制することから、血小板膜の安定化作用によるものと考えられている(健康成人男子:in vitro)16)。また、アラキドン酸代謝におけるLASS(Labile Aggregation Stimulating Substance)凝集抑制作用も認められている(ヒト:in vitro)17)。さらに、血小板のα2受容体を介して凝集を抑制することが示されている(健康成人:in vitro)18)。脳血管障害患者による臨床薬理学的検討では、血小板粘着能の抑制の他、ADP等各種の血小板凝集惹起物質に対する抑制作用17),19)、血小板α2受容体遮断に基づく血小板凝集抑制作用が報告されている20)。
イフェンプロジル酒石酸塩(Ifenprodil Tartrate)
(1RS,2SR)-4-[2-(4-Benzylpiperidin-1-yl)-1-hydroxypropyl]phenol hemi-(2R,3R)-tartrate
(C21H27NO2)2・C4H6O6
800.98
白色の結晶性の粉末で、においはない。酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、水又はメタノールに溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。旋光度〔α〕20D:+11~+15°(脱水物に換算したもの1g、エタノール(95)、20mL、100mm)融点:約148℃(分解)
100錠[10錠(PTP)×10]
100錠[10錠(PTP)×10]500錠[10錠(PTP)×50]
1) 社内資料:生物学的同等性試験
2) Nakagawa,H.et al.:応用薬理.1975;10(2):283-291
3) 沢田 恂他:臨床評価.1975;3(3):357-375
4) 沓沢尚之他:臨床評価.1976;4(3):419-458
5) 松永 喬他:耳鼻臨床.1980;73(3):611-627
6) 水沢英甫他:日薬理誌.1975;71(6):597-608
7) 萩原彌四郎:日薬理誌.1975;71(7):709-725
8) 橘 正芳他:耳鼻臨床.1977;70(11):1603-1611
9) 岡田年弘他:新薬と臨床.1976;25(6):869-875
10) 貫井英明他:薬理と治療.1977;5(10):3107-3116
11) 近藤秀樹他:臨床評価.1975;3(3):377-385
12) 水沢英甫他:日薬理誌.1974;70(6):785-799
13) 仲澤幹雄他:新潟医学会雑誌.1998;112(2):81-88
14) 藤島正敏他:臨床と研究.1974;51(12):3532-3536
15) 古見耕一他:Geriat.Med.1975;13(11):1354-1358
16) 安永幸二郎他:内科宝凾.1978;25(6):213-219
17) 磯部淳一他:Geriat.Med.1982;20(2):385-393
18) 中村智実他:日本血栓止血学会誌.1999;10(2/3):141-148
19) 伊東 亨他:治療.1978;60(7):1397-1401
20) 竹迫賢一他:Geriat.Med.1987;25(4):591-597
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