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日本薬局方
注射用ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩
劇薬
処方箋医薬品注)
上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎による)、麻酔前投薬
通常、成人にはロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として1回75mgを日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液20mLにて溶解し、1日2回(12時間毎)緩徐に静脈内投与する。又は輸液に混合して点滴静注する。なお、年齢、症状により適宜増減する。一般的に1週間以内に効果の発現をみるが、内服可能となった後は経口投与に切りかえる。
通常、成人にはロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として1回75mgを日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液20mLにて溶解し、麻酔導入1時間前に緩徐に静脈内投与する。
肝機能、腎機能、血液像等に注意すること。
血中濃度が持続することがあるので、投与量を減ずるか投与間隔をあけるなど注意すること。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラット及びウサギの器官形成期投与試験におけるラットの63mg/kg投与群1) 及びウサギの32mg/kg投与群2) 、ラットの周産期・授乳期投与試験における60mg/kg投与群3) の少数例に死亡がみられている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
投与量を減ずるか投与間隔をあけるなど慎重に投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多く、血中濃度が持続するおそれがある。,
ショック(初期症状:不快感、顔面蒼白、血圧低下等)があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少(初期症状:全身倦怠、脱力、皮下・粘膜下出血、発熱等)があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
AST、ALT、γ-GTP上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
CK、LDH等の筋逸脱酵素の急激な上昇、ミオグロビン尿、筋肉痛等の異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒感等
血液
好酸球増多、白血球減少
貧血
消化器
悪心等
便秘、下痢、腹部膨満感、口渇等
肝臓
肝機能異常、AST、ALT、LDH上昇等
ALP上昇等
精神神経系
めまい、幻覚、可逆性の錯乱状態
頭痛、眠気、しびれ、不眠、痙攣等
投与部位
一過性の疼痛
その他
血圧上昇、BUN上昇
女性型乳房、乳汁分泌、倦怠感
本剤は静脈内注射にのみ使用すること。
本剤を投与する場合には、1バイアルを20mLに希釈して少なくとも2分以上かけて緩徐に注入すること。
静脈内投与により注射部位の一過性の疼痛を起こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意すること。また、注射に際しては血管外に漏出しないように注意すること。
本剤の投与が胃癌による症状を隠蔽することがあるので、悪性でないことを確認のうえ投与すること。
健康成人に1回75mgを静脈内投与した結果、最大血漿中濃度は773ng/mL、血漿中半減期は3.36時間であった。また、健康成人に75mgを1日2回3日間連続静脈内投与したときの血漿中薬物動態の解析結果から蓄積性は認められなかった4) 。
6~11%(平衡透析法、in vitro)5) 。腎機能障害患者においても同程度であった6) 。
帝王切開患者に75mgを手術前2回経口投与した結果、臍帯血漿中濃度は母体静脈血漿中濃度の約60%であり、羊水への移行量は投与量の0.3%以下であった7) 。
授乳期ラットに[14C]ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩を経口投与した結果、乳汁中濃度は血漿中の約2倍であったが、半減期は血漿中と同程度であった8) 。
健康成人に75mgを経口投与した結果、尿中代謝物は主に脱アセチル体であり、ついで多かったのはカルボン酸誘導体であった9) 。
健康成人に75mgを静脈内投与した結果、24時間以内に投与量の約67.5%が脱アセチル体として尿中に排泄された4) 。
腎機能障害患者に75mgを経口投与すると、表1に示すとおり健康成人と比較して吸収過程に変化はみられなかったが、最大血漿中濃度に到達した後の血漿からの消失は腎機能の低下とともに遅延した6) 。したがって腎機能障害患者に本剤を投与する場合には、投与量、投与間隔の適切な調節が必要である。,
クレアチニンクリアランス(mL/min)
T1/2(hr)
AUC(ng・hr/mL)
Ccr≧90
3.94±0.34
2362±160
90>Ccr≧60
5.68±0.51
4101±618
60>Ccr≧30
7.70±0.49
4981±477
30>Ccr
12.13±1.13
12993±1245
用量設定試験10)
二重盲検比較試験11)
一般臨床試験12),13),14)
1回75mg1日2回静脈内投与
3日以内の止血率
96.8%(30/31)
87.8%(72/82)
86.5%(45/52)
36時間以内の止血率
62.4%(103/165)
二重盲検比較試験により、本剤の有用性が認められた。
麻酔時における嚥下性肺炎の発生防止を目的とした二重盲検比較試験を含む臨床試験において、胃液に対する総合効果(胃液量減少、胃液pH上昇)の有効率及び有用率はともに96.8%(90/93例)であった。副作用発現頻度は2.1%(2/97例)で、いずれも注射部疼痛であった15),16) 。
胃粘膜壁細胞のヒスタミンH2受容体を選択的に遮断することにより胃酸分泌抑制作用を示す。
健康成人男性に75mgを静脈内投与した結果、投与後3時間の総酸分泌量は92.6%抑制された17) 。
健康成人男性に75mgを静脈内投与した結果、ペンタガストリン(6μg/kg)筋注による刺激後90分間の総酸分泌量は90.0%抑制された18) 。
消化性潰瘍患者に1回75mgを1日2回(12時間ごと)静脈内投与した結果、胃内のpHは著明に上昇した。24時間の平均pHは4.39とプラセボ投与時(2.66)より有意に上昇した19) 。
健康成人男性に75mgを静脈内投与した結果、投与後3時間の総ペプシン分泌量は85.5%抑制された17) 。また、健康成人男性に75mgを静脈内投与した結果、ペンタガストリン(6μg/kg)筋注による刺激後90分間の総ペプシン分泌量は65.4%抑制された18) 。
上部消化管出血患者に1日150mgを7日間静脈内投与した結果、血清ガストリン値は投与前後において有意な変動は認められなかった12) 。注射剤の第I相試験において健康成人男性に1日150mgを3日間静脈内投与した結果、1例において血清ガストリン値が投与15及び30分後に約400pg/mLに上昇した4) 。
上部消化管出血患者に1日150mgを7日間静脈内投与した結果、血清プロラクチン、血清LH、FSH、テストステロン、エストラジオール、DHEA-S及びコルチゾールは投与前後において臨床上問題となる変動を示さなかった12) 。
健康成人男性に75mgを静脈内投与した結果、胃液中のヘキソサミン濃度は有意に増加したが、ヘキソサミン分泌量には有意な変動は認められなかった17) 。
ラットの実験的急性胃出血に対し、用量依存的に胃出血量を抑制した20) 。
ラットに25mg/kgを静脈内投与した結果、基礎状態の胃粘膜電位差には影響がみられなかったが、アスピリン胃内注入による胃粘膜電位差の低下は有意に抑制された21) 。
ラットに10mg/kgを静脈内投与した結果、基礎状態の粘膜血液量及び粘膜内ヘモグロビン酸素飽和度には影響がみられなかったが、脱血ショックによるこれら指標の低下は有意に抑制された22) 。
ラットに200mg/kgを経口投与した結果、胃粘膜のプロスタグランジンE2及びプロスタグランジンI2の産生能を低下させなかった23) 。
ラットに30mg/kgを腹腔内投与した結果、無水エタノール、0.6N塩酸及び0.2N水酸化ナトリウム投与による胃粘膜障害の発生を有意に抑制した24) 。
ラット胃組織培養系において粘液生合成増加作用が認められた(in vitro)25) 。また、ラットに50、100及び200mg/kgを経口投与した結果、100mg/kg以上で胃粘液分泌を増加させた26) 。
ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩(Roxatidine Acetate Hydrochloride)
(3- {3- [(Piperidin-1-yl) methyl] phenoxy} propylcarbamoyl) methyl acetate monohydrochloride
C19H28N2O4・HCl
384.90
白色の結晶又は結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくい。
147~151℃(乾燥後)
10バイアル
1) 社内資料:ラットにおける胎児毒性試験
2) 社内資料:ウサギにおける胎児毒性試験
3) 臼井哲夫他:応用薬理.1991;42(5):449-455
4) 青井禮子他:臨床医薬.1989;5(12):2485-2512
5) 圷 玲子他:薬理と治療.1985;13(3):1435-1443
6) 高畠利一他:薬理と治療.1985;13(6):3377-3388
7) 河西 稔他:麻酔.1986;35(1):130-138
8) 岩村 敏他:応用薬理.1985;30(2):299-320
9) 本間誠次郎他:応用薬理.1985;30(3):555-563
10) 三好秋馬他:消化器科.1990;13(1):123-136
11) 三好秋馬他:臨床医薬.1991;7(12):2737-2752
12) 三澤 正他:医学と薬学.1991;25(6):1591-1596
13) 細川俊彦他:診療と新薬.1991;28(2):323-328
14) 長町幸雄他:診療と新薬.1991;28(7):1261-1267
15) 野口純一他:診療と新薬.1990;27(11):2113-2120
16) 河西 稔他:麻酔.1991;40(9):1364-1370
17) 杉山 貢他:消化器科.1990;12(1):120-134
18) 杉山 貢他:消化器科.1990;13(4):505-514
19) 長尾房大他:消化器科.1991;14(2):194-204
20) 布施宏昭他:薬理と治療.1990;18(8):2965-2972
21) 白土賢治他:薬理と治療.1985;13(3):1413-1420
22) 川野 淳他:薬理と治療.1985;13(3):1429-1433
23) Mikami,T.:薬理と治療.1988;16(9):3743-3748
24) Shiratsuchi,K.et al.:Arch.int.Pharmacodyn.Ther.1988;294:295-304
25) Ichikawa,T.et al.:Br.J.Pharmacol.1997;122(6):1230-1236
26) 高橋伸行他:薬理と治療.1998;26(10):1701-1704
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