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ゴナトロピン注用5000単位

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
承認等
一般的名称
1.警告
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
12.臨床検査結果に及ぼす影響
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2LH作用、FSH作用
18.3免疫能に対する作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ゴナトロピン注用5000単位

添付文書番号

2413402X8027_1_02

企業コード

470007

作成又は改訂年月

2022年8月改訂(第1版、効能変更、用法用量変更)

日本標準商品分類番号

872413

承認等

ゴナトロピン注用5000単位

販売名コード

YJコード

2413402X8027

販売名英語表記

GONATROPIN FOR INJECTION

販売名ひらがな

ごなとろぴんちゅうよう5000たんい

承認番号等

承認番号

22100AMX00386

販売開始年月

1973年7月

貯法・有効期間

貯法

冷所保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

注射用ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン

規制区分

一般的名称

ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン

1. 警告

*本剤を用いた不妊治療により、脳梗塞、肺塞栓を含む血栓塞栓症等を伴う重篤な卵巣過剰刺激症候群があらわれることがある。,,,,

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  • 〈効能共通〉
    1. 2.1 アンドロゲン依存性悪性腫瘍(例えば前立腺癌)及びその疑いのある患者
      [アンドロゲン産生を促進するため、腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。]
    2. 2.2 性腺刺激ホルモン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
    3. 2.3 性早熟症の患者
      [アンドロゲン産生を促進するため、性的早熟を早め、骨端の早期閉鎖を来すことがある。]
  • 〈無排卵症(不妊症)、生殖補助医療における黄体補充、生殖補助医療における卵胞成熟及び黄体化、一般不妊治療(体内での受精を目的とした不妊治療)における排卵誘発及び黄体化〉
    1. 2.4 *活動性の血栓塞栓性疾患の患者[症状が悪化するおそれがある。],

3. 組成・性状

3.1 組成

ゴナトロピン注用5000単位

有効成分日局ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(ヒト尿由来)   1バイアル中5000単位
添加剤1バイアル中 乳糖水和物3mg、pH調節剤

3.2 製剤の性状

ゴナトロピン注用5000単位

剤形・性状バイアル(白色~淡黄褐色の粉末又は塊の凍結乾燥製剤)
添付溶解液1バイアルに対し0.6%塩化ナトリウム溶液2mL 1管
本品1バイアルを添付の溶解液で溶解した場合(無色澄明)
pH5.3~7.3
浸透圧比約0.7(生理食塩液に対する比)

4. 効能又は効果

  • 無排卵症(無月経、無排卵周期症、不妊症)
  • 機能性子宮出血
  • *黄体機能不全症又は生殖補助医療における黄体補充
  • 停留睾丸
  • 造精機能不全による男子不妊症
  • 下垂体性男子性腺機能不全症(類宦官症)
  • 思春期遅発症
  • 睾丸・卵巣の機能検査
  • 妊娠初期の切迫流産
  • 妊娠初期に繰り返される習慣性流産
  • 低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症における精子形成の誘導
  • *生殖補助医療における卵胞成熟及び黄体化
  • *一般不妊治療(体内での受精を目的とした不妊治療)における排卵誘発及び黄体化

5. 効能又は効果に関連する注意

  • *〈無排卵症(不妊症)、生殖補助医療における卵胞成熟及び黄体化、一般不妊治療(体内での受精を目的とした不妊治療)における排卵誘発及び黄体化〉

    本剤の投与にあたっては、患者及びパートナーの検査を十分に行い、本剤の投与の適否を判断すること。特に、甲状腺機能低下、副腎機能低下、高プロラクチン血症及び下垂体又は視床下部腫瘍等が認められた場合、当該疾患の治療を優先すること。

6. 用法及び用量

  • 〈無排卵症(無月経、無排卵周期症、不妊症)〉

    通常、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンとして、1日3,000~5,000単位を筋肉内注射する。

  • *〈機能性子宮出血、黄体機能不全症又は生殖補助医療における黄体補充〉

    通常、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンとして、1日1,000~3,000単位を筋肉内注射する。

  • 〈停留睾丸〉

    通常、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンとして、1回300~1,000単位、1週1~3回を4~10週まで、又は1回3,000~5,000単位を3日間連続筋肉内注射する。

  • 〈造精機能不全による男子不妊症、下垂体性男子性腺機能不全症(類宦官症)、思春期遅発症〉

    通常、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンとして、1日500~5,000単位を週2~3回筋肉内注射する。

  • 〈睾丸機能検査〉

    ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンとして、10,000単位1回又は3,000~5,000単位を3~5日間筋肉内注射し、1~2時間後の血中テストステロン値を投与前値と比較する。

  • 〈卵巣機能検査〉

    ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンとして、1,000~5,000単位を単独又はFSH製剤と併用投与して卵巣の反応性をみる。

  • 〈黄体機能検査〉

    ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンとして、3,000~5,000単位を高温期に3~5回、隔日に投与し、尿中ステロイド排泄量の変化をみる。

  • 〈妊娠初期の切迫流産、妊娠初期に繰り返される習慣性流産〉
  • 通常、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンとして、1日1,000~5,000単位を筋肉内注射する。
  • 〈低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症における精子形成の誘導〉

    1)二次性徴の発現及び血中テストステロン値を正常範囲内にするため、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンとして、1,000単位を1週3回皮下注射し、血中テストステロン値が正常範囲内に達しない又は正常範囲上限を超えた場合には、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンとして、1,000~5,000単位を1週2~3回の範囲内で調整する、2)更に、精子形成の誘導のため、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンとして、1,000~5,000単位を1週2~3回皮下注射すると共に、遺伝子組換えFSH製剤を併用投与する。

本剤の用法・用量は症例、適応によって異なるので、使用に際しては厳密な経過観察が必要である。

  • *〈生殖補助医療における卵胞成熟及び黄体化、一般不妊治療(体内での受精を目的とした不妊治療)における排卵誘発及び黄体化〉

    通常、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンとして、5,000単位を単回筋肉内注射又は皮下注射するが、患者の状態に応じて投与量を10,000単位とすることができる。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • *〈生殖補助医療における卵胞成熟及び黄体化、一般不妊治療(体内での受精を目的とした不妊治療)における排卵誘発及び黄体化〉
    1. 7.1 超音波検査や必要に応じた血清エストラジオール濃度の測定により十分な卵胞の発育を確認した上で投与すること。
    2. 7.2 患者の状態等から、卵巣過剰刺激症候群の発現リスクが低く、5,000単位では十分な効果が得られないと判断される場合にのみ、10,000単位の投与を考慮すること。
  • *〈生殖補助医療における卵胞成熟及び黄体化〉
    1. 7.3 生殖補助医療での使用にあたっては、採卵の34~36時間前を目安に投与すること。

8. 重要な基本的注意

  • 〈無排卵症(不妊症)、生殖補助医療における黄体補充、生殖補助医療における卵胞成熟及び黄体化、一般不妊治療(体内での受精を目的とした不妊治療)における排卵誘発及び黄体化〉
    1. 8.1 *本剤は、不妊治療に十分な知識と経験のある医師のもとで使用すること。本剤投与により予想されるリスク及び注意すべき症状について、あらかじめ患者に説明を行うこと。
    2. 8.2 *本剤を用いた不妊治療により、卵巣過剰刺激症候群があらわれることがあるので、以下のモニタリングを実施すること。
      • 一般不妊治療においては、排卵誘発に使用する薬剤投与中及び本剤投与前の超音波検査による卵巣反応
      • 生殖補助医療においては、調節卵巣刺激に使用する薬剤投与中及び本剤投与前の超音波検査及び血清エストラジオール濃度の測定による卵巣反応
      • 患者の自覚症状(下腹部痛、下腹部緊迫感、悪心、腰痛等)
      • 急激な体重増加
      • 超音波検査等による卵巣腫大
        • なお、卵巣過剰刺激症候群のリスク因子として、多嚢胞性卵巣症候群、若年、やせ、血清抗ミュラー管ホルモン高値、卵巣過剰刺激症候群の既往、血清エストラジオール高値、発育卵胞数の高値等が知られているので、卵巣過剰刺激症候群のリスク因子を有する患者への対応は慎重に行うこと。
          卵巣過剰刺激症候群の徴候が認められた場合には、少なくとも4日間は性交を控えるように患者に指導すること。また、本剤の投与又は追加投与の延期や中止の要否を含め実施中の不妊治療の継続の可否を慎重に判断すること。卵巣過剰刺激症候群は、軽症又は中等症であっても急速に進行して重症化することがあるため、本剤投与後は少なくとも2週間の経過観察を行い、卵巣過剰刺激症候群の重症度に応じた適切な処置を行うこと。なお、卵巣過剰刺激症候群は、妊娠によって重症化し、長期化することがあることにも留意すること。,,,,
    3. 8.3 *患者に対しては、あらかじめ以下の点を説明すること。,,,,
      • 卵巣過剰刺激症候群があらわれることがあるので、自覚症状(下腹部痛、下腹部緊迫感、悪心、腰痛等)や急激な体重増加が認められた場合には直ちに医師等に相談すること。
      • 一般不妊治療においては、卵巣過剰刺激の結果として多胎妊娠の可能性があること。
  • 〈無排卵症(不妊症)、一般不妊治療(体内での受精を目的とした不妊治療)における排卵誘発及び黄体化〉
    1. 8.4 *排卵誘発を受けた患者では、自然妊娠と比較して多胎妊娠・出産(大部分は双生児)の頻度が高くなることから、本剤投与前に、超音波検査の結果から多胎妊娠が予想される場合には、治療の中止を考慮すること。
  • 〈低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症における精子形成の誘導〉
    1. 8.5 遺伝子組換えFSH製剤の添付文書に記載されている禁忌、重要な基本的注意、特定の背景を有する患者に関する注意等の使用上の注意を必ず確認すること。
    2. 8.6 本剤の投与によって精巣が発達した際に精索静脈瘤があらわれることがあるので、注意深く観察すること。
  • 〈生殖補助医療における卵胞成熟及び黄体化、一般不妊治療(体内での受精を目的とした不妊治療)における排卵誘発及び黄体化、低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症における精子形成の誘導〉
    1. 8.7 在宅自己注射(皮下注射)を行う場合は、患者に投与法及び安全な廃棄方法の指導を行うこと。
      1. 8.7.1 自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、溶解時や投与する際の操作方法を指導すること。適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な場合には、直ちに自己投与を中止させるなど適切な処置を行うこと。
      2. 8.7.2 使用済みの注射針あるいは注射器を再使用しないように患者に注意を促すこと。
      3. 8.7.3 全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。同時に、使用済みの針及び注射器を廃棄する容器を提供することが望ましい。
      4. 8.7.4 在宅自己注射を行う前に、本剤の取扱説明書を必ず読むよう指導すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 前立腺肥大のある患者

    アンドロゲン産生を促進するため、前立腺肥大が増悪するおそれがある。

  2. 9.1.2 エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば、乳癌、子宮内膜癌)及びその疑いのある患者

    腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。

  3. 9.1.3 未治療の子宮内膜増殖症のある患者

    子宮内膜増殖症は細胞異型を伴う場合がある。

  4. 9.1.4 子宮筋腫のある患者

    子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。

  5. 9.1.5 子宮内膜症のある患者

    症状が増悪するおそれがある。

  6. 9.1.6 乳癌の既往歴のある患者

    乳癌が再発するおそれがある。

  7. 9.1.7 乳癌家族素因が強い患者、乳房結節のある患者、乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者

    症状が増悪するおそれがある。

  8. 9.1.8 てんかん、片頭痛、喘息又は心疾患のある患者

    アンドロゲン産生を促進するため、体液貯留、浮腫等があらわれ、これらの症状が増悪するおそれがある。

  9. 9.1.9 骨成長が終了していない可能性がある患者、思春期前の患者

    骨端の早期閉鎖、性的早熟を来すことがある。,

  10. 9.1.10 *本人及び家族の既往歴等の一般に血栓塞栓症発現リスクが高いと認められる患者

    本剤を用いた不妊治療を女性に行う場合、本剤の投与の可否については、本剤が血栓塞栓症の発現リスクを増加させることを考慮して判断すること。なお、妊娠自体によっても血栓塞栓症のリスクは高くなることに留意すること。,,,,,

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 腎疾患のある患者

    アンドロゲン産生を促進するため、体液貯留、浮腫等があらわれ、これらの症状が増悪するおそれがある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

,

9.8 高齢者

男性高齢者ではアンドロゲン依存性腫瘍が潜在している可能性があり、また一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    *排卵誘発及び調節卵巣刺激に使用する薬剤
    ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン製剤、ヒト卵胞刺激ホルモン製剤、遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモン製剤等
    ,,,,

    卵巣過剰刺激症候群があらわれることがある。

    卵巣への過剰刺激に伴う過剰なエストロゲン分泌により、血管透過性が亢進される。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 ショック(頻度不明)

      顔面潮紅、胸内苦悶、呼吸困難等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

    2. 11.1.2 *卵巣過剰刺激症候群(頻度不明)

      本剤を用いた不妊治療により、卵巣腫大、下腹部痛、下腹部緊迫感、腹水、胸水、呼吸困難を伴う卵巣過剰刺激症候群があらわれることがあり、卵巣破裂、卵巣茎捻転、脳梗塞、肺塞栓を含む血栓塞栓症、肺水腫、腎不全等が認められることもある。本剤投与後に卵巣過剰刺激症候群が認められた場合には、重症度に応じて実施中の不妊治療の継続の可否を判断するとともに、本剤の追加投与はしないこと。また、卵巣過剰刺激症候群の重症度に応じた適切な処置を行うこと。重度の卵巣過剰刺激症候群が認められた場合には、入院させて適切な処置を行うこと。,,,,,

    11.2 その他の副作用

    頻度不明

    過敏症

    発疹等

    精神神経系

    めまい、頭痛、興奮、不眠、抑うつ、疲労感等

    内分泌

    • 女性注2)
      男性注2)

    性早熟症注1)
    嗄声、多毛、陰核肥大、ざ瘡等の男性化症状
    性欲亢進、陰茎持続勃起、ざ瘡、女性型乳房

    投与部位

    疼痛、硬結

    注1),
    注2)長期連続投与により発現することがある。

    12. 臨床検査結果に及ぼす影響

    本剤投与により、免疫学的妊娠反応が陽性を示すことがある。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤調製時の注意

    溶解後は速やかに使用すること。

    14.2 薬剤投与時の注意

    1. 14.2.1 *本剤は静脈内には投与しないこと。
    2. 14.2.2 筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、以下の点に注意すること。
      • 同一部位への反復注射は行わないこと。特に乳児、幼児、小児には注意すること。
      • 神経走行部位を避けること。
      • 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    1. 16.1.1 臨床薬理試験
      • 〈低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症における精子形成の誘導〉

        健康成人男性にゴナトロピン注用5000単位とプロファシー注5000をヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)としてそれぞれ5,000単位単回皮下投与した結果、血清中hCG濃度及び血清中テストステロン濃度、並びに薬物動態パラメータは以下のとおりであった1)

        血清中hCG濃度

        投与量

        例数

        AUC0-144
        (mU・hr/mL)

        Cmax
        (mU/mL)

        Tmax
        (hr)

        T1/2
        (hr)

        ゴナトロピン注用
        5000単位

        5,000
        単位

        12例

        6833.73
        ±1333.33

        102.68
        ±15.77

        17.3
        ±6.0

        37.39
        ±4.65

        プロファシー注5000

        5,000
        単位

        11例

        6372.81
        ±1222.96

        110.89
        ±20.03

        16.4
        ±6.1

        40.29
        ±4.88

        (mean±S.D.)

      • 血清中テストステロン濃度

        投与量

        例数

        AUC0-144
        (ng・hr/mL)

        Cmax
        (ng/mL)

        Tmax
        (hr)

        ゴナトロピン注用
        5000単位

        5,000
        単位

        12例

        945.973
        ±146.579

        8.092
        ±1.459

        70.0
        ±12.4

        プロファシー注5000

        5,000
        単位

        11例

        1062.741
        ±348.986

        8.919
        ±3.123

        72.0
        ±18.6

        (mean±S.D.)

      • 血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    • 〈低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症における精子形成の誘導〉
      1. 17.1.1 国内第Ⅲ相試験

        国内で実施した低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症の患者(17~46歳、中央値:32歳)を対象とし、精子形成誘導を目的とした臨床試験では、3~6カ月間単独投与し、血清中テストステロン濃度を正常化させ、かつ無精子であることを確認した後、遺伝子組換えFSH製剤との併用療法による治療を6~18カ月行った。
        遺伝子組換えFSH製剤との併用療法を受けた18例(20~42歳、中央値:32歳)中16例(88.9%)が精子濃度1.5×106/mL以上に到達し、17例(94.4%)において精子形成(検査した精液中に精子が1つ以上確認された場合に精子形成ありとした)が認められた。
        単独投与において、副作用評価対象例22例中14例に31件の副作用が認められた。主な副作用は、血中アルカリホスファターゼ増加7件、体重増加4件、乳房痛3件等であった。また、遺伝子組換えFSH製剤との併用療法においては、副作用評価対象例18例中14例に28件の副作用が認められた。主な副作用は、ざ瘡(2例2件)、脱毛症(2例2件)、精索静脈瘤(2例2件)、体重増加(2例2件)、不眠症(1例2件)、注意力障害(1例2件)等であった。重篤な副作用として精索静脈瘤が1例に1件認められた2)

      2. 17.1.2 海外第Ⅲ相試験

        海外(欧州・豪州・米国)で実施した低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症を対象とし、精子形成誘導を目的とした臨床試験の成績は以下のとおりである。
        遺伝子組換えFSH製剤との併用療法により46.2~79.3%が精子濃度1.5×106/mL以上に到達し、69.2~89.7%において精子形成の誘導(検査した精液中に精子が1つ以上確認された場合に精子形成ありとした)が認められた。

        精子濃度

        到達率(患者数)

        欧州

        豪州

        米国

        ≧1.5×106/mL

        46.2%
        (12/26例)

        62.5%
        (5/8例)

        79.3%
        (23/29例)

        単独投与において、副作用評価対象例78例中13例に29件の副作用が認められた。主な副作用は女性化乳房5件、ざ瘡4件、睾丸不快感4件等であった。また、遺伝子組換えFSH製剤との併用療法においては、副作用評価対象例63例中26例に85件の副作用が認められた。主な副作用はざ瘡36件、精索静脈瘤4件、乳房圧痛4件、疲労4件、女性化乳房3件、脂漏3件、注射部位疼痛3件、精巣痛2件、リビドー減退2件、注射部位挫傷2件、筋痙縮2件、消化不良2件等であった3),4),5)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    胎盤を構成する絨毛細胞から分泌される糖たん白質、特に妊娠初期の妊婦の尿から得られる。女性に対しては黄体形成作用(LH作用)と弱い卵胞刺激作用(FSH作用)を示し、男性に対しては間質細胞刺激作用(ICSH作用)を示す6)

    18.2 LH作用、FSH作用

    LH(あるいはICSH)作用とFSH作用を併有する(ラット7))。
    Leydig細胞の発育を促進し、男性ホルモンの合成と分泌並びに精子形成能を高める(ウサギ・ブタ・ヒトin vitro8)、ラット9),10)、ヒト11))。
    排卵を誘発し、黄体を形成させる。また、黄体ホルモンの産生を促進する(ヒトin vitro12)、ウサギ13))。

    18.3 免疫能に対する作用

    母体の免疫能、特に細胞性免疫能を低下させる(ヒトin vitro14),15))。

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(Human Chorionic Gonadotrophin)

    性状

    白色~淡黄褐色の粉末で、水に溶けやすい。

    20. 取扱い上の注意

    外箱開封後は遮光して保存すること。

    22. 包装

    10バイアル(0.6%塩化ナトリウム溶液2mL 10アンプル添付)

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    あすか製薬株式会社 くすり相談室

    〒108-8532 東京都港区芝浦二丁目5番1号

    TEL 0120-848-339
    FAX 03-5484-8358

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    あすか製薬株式会社

    東京都港区芝浦二丁目5番1号

    26.2 販売元

    武田薬品工業株式会社

    大阪市中央区道修町四丁目1番1号

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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