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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の適用にあたっては、甲状腺機能低下症であって、以下のいずれかに該当する患者を対象とすること。
本剤を日局生理食塩液で希釈し、通常、成人には、レボチロキシンナトリウムとして、1日目は50~400μgを緩徐に静脈内投与し、2日目以降は50~100μgを1日1回、緩徐に静脈内投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。
本剤を日局生理食塩液で希釈し、通常、成人には、レボチロキシンナトリウムとして、25μgから投与を開始し、50~150μgを維持用量として、1日1回、緩徐に静脈内投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。
血中濃度が急速に上昇し、経口投与と比べて過量投与に伴う副作用発現のリスクが高まるおそれがあることから、臨床症状、血中甲状腺ホルモン濃度等の患者の状態を観察しながら投与すること。,,
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。基礎代謝の亢進による心負荷により、病態が悪化するおそれがある。,,,
副腎皮質機能不全の改善(副腎皮質ホルモンの補充)をはかってから投与すること。粘液水腫性昏睡等で、本剤の投与が直ちに必要な場合は、副腎皮質ホルモン製剤の併用も考慮すること。副腎クリーゼを誘発し、ショック等を起こすことがある。,,
血糖コントロールの条件が変わることがある。,,
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性および母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
通常より低用量から投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しており、本剤を投与すると基礎代謝の亢進による心負荷により、狭心症等を来すおそれがある。,
クマリン系抗凝血剤1)
クマリン系抗凝血剤の作用を増強することがあるので、併用する場合にはプロトロンビン時間等を測定しながらクマリン系抗凝血剤の用量を調節するなど慎重に投与すること。
甲状腺ホルモンがビタミンK依存性凝血因子の異化を促進すると考えられている。
交感神経刺激剤
交感神経刺激剤の作用を増強し、冠動脈疾患のある患者に併用すると冠不全のリスクが増大するおそれがあるので、併用する場合には慎重に投与すること。
甲状腺ホルモンがカテコールアミン類のレセプターの感受性を増大すると考えられている。
強心配糖体製剤
甲状腺機能亢進状態では血清ジゴキシン濃度が低下し、甲状腺機能低下状態では上昇するとの報告があるため、甲状腺機能亢進状態では通常より多量の、甲状腺機能低下状態では通常より少量の強心配糖体製剤の投与を必要とすることがある。併用する場合には強心配糖体製剤の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること。
強心配糖体製剤の吸収率、分布容積、肝代謝、腎排泄速度等の増減が関与していると考えられている。
血糖降下剤
血糖降下剤を投与している患者において、本剤を投与すると血糖コントロールの条件が変わることがあるので、併用する場合には血糖値その他患者の状態を十分観察しながら両剤の用量を調節するなど慎重に投与すること。
糖代謝全般に作用し血糖値を変動させると考えられている。
コレスチラミン2)、コレスチミド、鉄剤3)、アルミニウム含有制酸剤4),5)、炭酸カルシウム6)、炭酸ランタン水和物、セベラマー塩酸塩、ポリスチレンスルホン酸カルシウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
同時投与により本剤の吸収が遅延又は減少することがあるので、併用する場合には本剤との投与間隔をできる限りあけるなど慎重に投与すること。
消化管内で本剤と結合し吸収を抑制すると考えられている。
フェニトイン製剤7)、カルバマゼピン、フェノバルビタール
これらの薬剤は本剤の血中濃度を低下させることがあるので、併用する場合には本剤を増量するなど慎重に投与すること。
これらの薬剤は甲状腺ホルモンの異化を促進すると考えられている。
アミオダロン
アミオダロンは甲状腺ホルモン値を上昇又は低下させるおそれがあるので、併用する場合には甲状腺ホルモン値に注意し、慎重に投与すること。
アミオダロンが甲状腺ホルモンの脱ヨード化を阻害することが考えられている。
経口エストロゲン製剤
経口エストロゲン製剤は甲状腺ホルモン値を低下させるおそれがあるので、併用する場合には本剤を増量するなど慎重に投与すること。
経口エストロゲン製剤がサイロキシン結合グロブリンを増加させることが考えられる。
狭心症があらわれることがある。このような場合には過剰投与のおそれがあるので、減量、休薬等適切な処置を行うこと。,
AST、ALT、γ-GTP等の著しい上昇、発熱、倦怠感等があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
全身倦怠感、血圧低下、尿量低下、呼吸困難等の症状があらわれることがある。
低出生体重児や早産児では、晩期循環不全があらわれることがある。特に極低出生体重児や超早産児で起こりやすく、また、本剤の投与後早期に起こりやすいので、血圧低下、尿量低下、血清ナトリウム低下等があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
うっ血性心不全があらわれることがある。このような場合には過剰投与のおそれがあるので、減量、休薬など適切な処置を行うこと。
頻 度 不 明
過敏症
過敏症状
肝臓
肝機能検査値異常(AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇等)
循環器注)
心悸亢進、脈拍増加、不整脈
精神神経系注)
頭痛、めまい、不眠、振戦、神経過敏・興奮・不安感・躁うつ等の精神症状
消化器注)
嘔吐、下痢、食欲不振
その他注)
筋肉痛、月経障害、体重減少、脱力感、皮膚の潮紅、発汗、発熱、倦怠感
換気維持のための酸素投与、交感神経興奮症状に対するプロプラノロール等のβ-遮断剤の投与、うっ血性心不全に対する強心配糖体の投与、発熱、低血糖及び体液喪失に対する処置等を行う。
健康成人男性8例を対象として、本剤180μgを前腕部に約20分かけて静脈内投与したとき内因性の血清中チロキシン(T4)濃度で補正した薬物動態パラメータは、以下のとおりであった8)。
AUC0-∞(μg・hr/dL)
Cmax(μg/dL)
Tmax(hr)
t1/2(hr)
174.2±62.7
3.23±0.40
0.34±0.03
65.22±31.28
(mean±S.D., n=8)
T4は血中において殆どがthyroxine-binding globulin、transthyretin及びalbuminと結合しており、ヒトにおける遊離型T4は総T4の0.02%である9)。雄性ラットに[125I]T4を静脈内投与したとき、放射能は血漿中及び肝臓、腎臓に多く分布し、脳への分布は少なかった10)。妊娠ラットに[125I]T4を静脈内投与したところ、放射能移行量は胎児のT4産生量の1%に満たなかった11)。
ヒト及び動物におけるT4の主な代謝は脱ヨード化であり、それ以外にグルクロン酸抱合、硫酸抱合、脱アミノ化などを受ける12),13)。
胆管カニュレーションを施したラット及びイヌに[131I]T4を静脈内投与したとき、いずれも投与後24時間までに胆汁中及び尿中に投与した放射能のそれぞれ約20~30%が排泄された14),15)。授乳期ラットに[131I]T4を腹腔内投与したところ、放射能の乳汁への排泄は少なかった16)。
レボチロキシンナトリウムは、生体内で甲状腺から分泌されるT4と同じ薬理作用を示す。T4は甲状腺の他、肝臓や腎臓などの末梢組織でトリヨードチロニン(T3)に代謝された後、核内に存在する甲状腺ホルモン受容体に結合することにより、標的遺伝子の転写及びタンパク質の発現を調節し、エネルギー代謝、タンパク質代謝、脂質代謝の調整等の生理作用をもたらす17)。
レボチロキシンナトリウム水和物(Levothyroxine Sodium Hydrate)
Monosodium O-(4-hydroxy-3, 5-diiodophenyl)-3,5-diiodo-L-tyrosinate hydrate
C15H10I4NNaO4・xH2O
798.85(anhydrous)
微黄白色~淡黄褐色の粉末で、においはない。エタノール(95)に溶けにくく、水又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。水酸化ナトリウム試液に溶ける。光によって徐々に着色する。
外箱から開封後は遮光して保存すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
2アンプル
1) Hansten,P.D.:Drug Intel.Clin.Pharm.1980;14:331-334
2) Northcutt,R.C.et al.:JAMA.1969;208(10):1857-1861
3) Campbell,N.R.C.et al.:Ann.Intern.Med.1992;117(12):1010-1013
4) Sherman,S.I.et al.:Am.J.Med.1994;96:531-535
5) Liel,Y.et al.:Am.J.Med.1994;97:363-365
6) Singh,N.et al.:JAMA.2000;283(21):2822-2825
7) Blackshear,J.L.et al.:Ann.Intern.Med.1983;99(3):341-342
8) 社内資料:国内臨床薬理試験(2020年1月23日承認、CTD2.5.3)
9) Schussler,G.C.:Thyroid.2000;10(2):141-149
10) van Doorn,J.et al.:Endocrinology.1985;117(3):1201-1208
11) Dussault,J.H.et al.:Pediatr.Res.1980;14(3):228-231
12) Darras,V.M.et al.:J.Endocrinol.2012;215(2):189-206
13) Wu,S.Y.et al.:Thyroid.2005;15(8):943-958
14) Flock,E.V.et al.:Endocrinology.1963;73:442-455
15) Flock,E.V.et al.:Biochem.J.1962;84:621-626
16) Potter,G.D.et al.:J.Biol.Chem.1959;234(2):350-354
17) Yen,P.M.:Physiol.Rev.2001;81(3):1097-1142
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