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ルテウム腟用坐剤400mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.6授乳婦
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2子宮内膜の分泌相への変化
18.3子宮内膜間質細胞の脱落膜化作用
18.4着床効果及び妊娠維持作用
18.5子宮筋に対する収縮抑制作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ルテウム腟用坐剤400mg

添付文書番号

2477700H3023_1_01

企業コード

470007

作成又は改訂年月

2022年4月改訂(第3版)
2022年1月改訂(第2版、再審査結果)

日本標準商品分類番号

872477

薬効分類名

黄体ホルモン製剤

承認等

ルテウム腟用坐剤400mg

販売名コード

YJコード

2477700H3023

販売名英語表記

LUTEUM VAGINAL SUPPOSITORIES

販売名ひらがな

るてうむちつようざざい400みりぐらむ

承認番号等

承認番号

22800AMX00370

販売開始年月

2016年4月

貯法・有効期間

貯法

25℃以下で保存

有効期間

3年

一般的名称

プロゲステロン

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 乳癌又は生殖器癌の既往歴又はその疑いのある患者
    [腫瘍の悪化又は顕性化を促すおそれがある。]
  3. 2.3 診断の確定していない異常性器出血のある患者
    [病因を見のがすおそれがある。]
  4. 2.4 動脈又は静脈の血栓塞栓症、重度の血栓性静脈炎又はその既往歴のある患者
    [血液凝固能が亢進され、これらの症状が悪化又は再発することがある。]
  5. 2.5 稽留流産又は子宮外妊娠の患者
    [妊娠維持作用により死亡胎児の排出が困難になるおそれがある。]
  6. 2.6 重度の肝機能障害のある患者
  7. 2.7 ポルフィリン症の患者
    [症状が悪化するおそれがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

ルテウム腟用坐剤400mg

有効成分1個中 日局プロゲステロン   400mg
添加剤ハードファット

3.2 製剤の性状

ルテウム腟用坐剤400mg

剤形白色~微黄色の紡錘形の腟用坐剤
外形
大きさ全長約29.4mm
直径(最大)約10.8mm
質量1.85g
識別コードAK329

4. 効能又は効果

生殖補助医療における黄体補充

6. 用法及び用量

プロゲステロンとして1回400mgを1日2回、採卵日(又はホルモン補充周期下での凍結胚移植ではエストロゲン投与により子宮内膜が十分な厚さになった時点)から最長10週間(又は妊娠12週まで)腟内に投与する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の投与中止により、不安、気分変化、発作感受性の増大を引き起こす可能性があるので、投与中止の際には注意するよう患者に十分説明すること。
  2. 8.2 傾眠状態や浮動性めまいを引き起こすことがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分説明すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 てんかん又はその既往歴のある患者

    副腎皮質ホルモン様作用により病態に影響を及ぼすおそれがある。

  2. 9.1.2 うつ病又はその既往歴のある患者

    注意深く観察し、症状の悪化を認めた場合は、投与を中止するなど注意すること。副腎皮質ホルモン様作用により病態に影響を及ぼすおそれがある。

  3. 9.1.3 片頭痛、喘息又はその既往歴のある患者

    病態に影響を及ぼすおそれがある。

  4. 9.1.4 心疾患又はその既往歴のある患者

    ナトリウムや体液の貯留により、症状が増悪するおそれがある。

  5. 9.1.5 糖尿病の患者

    糖尿病が悪化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 腎疾患又はその既往歴のある患者

    ナトリウムや体液の貯留により、症状が増悪するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重度の肝機能障害のある患者

    投与しないこと。代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪するおそれがある。

  2. 9.3.2 中等度以下の肝機能障害のある患者

    症状が増悪するおそれがある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤の成分は、ヒト母乳中へ移行するとの報告がある。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    他の腟剤

    • 抗真菌剤等

    本剤の作用が増強又は減弱する可能性がある。

    プロゲステロンの放出及び吸収を変化させる可能性がある。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 血栓症(頻度不明)

      心筋梗塞、脳血管障害、動脈又は静脈の血栓塞栓症(静脈血栓塞栓症又は肺塞栓症)、血栓性静脈炎、網膜血栓症があらわれたとの報告がある。

    11.2 その他の副作用

    5%以上

    5%未満

    頻度不明

    生殖器

    不正子宮出血、外陰腟そう痒症

    絨毛膜下血腫、切迫流産、外陰部腟カンジダ症

    稽留流産、自然流産、骨盤痛、卵巣腫大

    乳房

    乳房圧痛、乳房痛、乳房不快感

    精神神経系

    傾眠、頭痛、浮動性めまい、味覚異常、気分動揺、気分変化

    消化器

    下腹部痛、腹痛

    腹部不快感、腹部膨満、放屁、上腹部痛、便秘、下痢、嘔吐、胃拡張

    皮膚

    発疹、そう痒症

    その他

    適用部位そう痒感、不快感、疲労、冷感、体温変動感、寝汗、体重増加、関節痛、直腸新生物、失禁、頻尿、ほてり

    13. 過量投与

    傾眠状態があらわれることがある。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    1. 14.1.1 本剤は腟内にのみ投与し、内服しないよう指導すること。
    2. 14.1.2 本剤の基剤として使用されている油脂性成分は、コンドーム等の避妊用ラテックスゴム製品の品質を劣化・破損する可能性があるため、これらとの接触を避けさせること。
    3. 14.1.3 本剤は一度溶けた場合に品質が劣化することがあるので、涼しい場所(25℃以下)で保管し、一度溶けた製剤は使用しないよう指導すること。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    黄体ホルモン剤の使用と先天異常児出産との因果関係はいまだ確立されたものではないが、心臓・四肢等の先天異常児を出産した母親では、対照群に比して妊娠初期に黄体又は黄体・卵胞ホルモン剤を使用していた率に有意差があるとする疫学調査の結果が報告されている1),2),3),4)

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    1. 16.1.1 単回投与

      閉経前の日本人健康成人女性に本剤400mgを単回経腟投与した時の薬物動態パラメータ及び血漿中プロゲステロン濃度推移(変化量:各採血ポイントの血漿中プロゲステロン濃度から投与前の生体内血漿中プロゲステロン濃度を差し引いた値)は以下のとおりであった5)

      投与量

      AUC0-72
      (ng・hr/mL)

      Cmax
      (ng/mL)

      Tmax
      (hr)

      t1/2
      (hr)

      400mg

      267.4±152.4

      10.7±3.2

      9.8±7.8

      11.2±4.0

      (mean±S.D., n=6)

    2. 16.1.2 反復投与

      閉経前の日本人健康成人女性に、本剤800mg(1回400mgを1日2回)を5日間反復経腟投与した結果、1日目と5日目の薬物動態パラメータ及び血漿中プロゲステロン濃度推移(変化量:各採血ポイントの血漿中プロゲステロン濃度から投与前の生体内血漿中プロゲステロン濃度を差し引いた値)は以下のとおりであった6)

      投与量

      時期

      AUC0-τ(ng・hr/mL)

      Cmax(ng/mL)

      800mg/日
      (400mg×2回)

      1日目

      92.1±23.8

      11.1±3.6

      5日目

      146.8±43.9

      15.6±4.4

      (mean±S.D., n=8)

    16.3 分布

    ヒト血清中のプロゲステロンはおよそ17%がコルチコステロイド結合グロブリン(CBG)に、80%がアルブミンに結合し、2.5%が非結合型で存在する7)(外国人データ)。

    16.4 代謝

    プロゲステロンはヒトにおいて速やかに代謝され、代謝クリアランスは60L/day/kgであった8)(外国人データ)。
    プロゲステロンの代謝物としては、5α-pregnane-3α,20α-diol(allopregnanediol)、5α-pregnane-3β,20α-diol、3α-hydroxy-5β-pregnan-20-one(pregnanolone)などがある9)

    16.5 排泄

    ヒトに[14C]プロゲステロンを静脈内投与したときの尿及び糞中への排泄率は、それぞれ46~59%及び8~17%であった。胆汁中への放射能の排泄率は約30%であった10)(外国人データ)。

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    1. 17.1.1 国内第Ⅲ相試験

      体外受精-胚移植を受けた日本人不妊女性74例に、本剤1回400mgを1日2回10週間経腟投与した結果、臨床的妊娠率(投与3~4週時胎嚢確認)は35.1%(26/74例)、妊娠継続率(投与4~5週時胎児心拍確認)は27.4%(20/73例)、妊娠継続率(投与10週時胎児心拍確認)は26.4%(19/72例)、生化学的妊娠率(投与2~3週時妊娠検査陽性:血中hCG-βの基準値に基づく)は41.9%(31/74例)であった。
      本剤を投与した81例中16例(19.8%)に副作用が認められた。発現した副作用は、不正子宮出血9例(11.1%)、外陰腟そう痒症6例(7.4%)、絨毛膜下血腫、切迫流産、下腹部痛各2例(2.5%)、腹痛及び外陰部腟カンジダ症各1例(1.2%)であった11)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    プロゲステロンは主に卵巣において産生され、排卵後の着床が可能となる分泌期にその産生が高まる。一方、妊娠成立後のプロゲステロン産生は妊娠7~8週以後に卵巣から胎盤へ移行する。ヒト子宮内膜間質細胞におけるプロゲステロン受容体の発現は受精卵の着床時期である分泌期中期に最も強く発現し、また、子宮筋にもプロゲステロン受容体は存在する。プロゲステロンは、プロゲステロン受容体を介して転写活性を促進することによって作用を発現する。

    18.2 子宮内膜の分泌相への変化

    卵巣を摘出した雌性ウサギにエストロゲンとプロゲステロンを投与したときの子宮内膜の組織学的変化を検討した結果、エストロゲンにより肥厚増殖した子宮内膜に対しプロゲステロンはその増殖を止め、腺組織拡張などを惹起し、子宮内膜の組織像を分泌相へ変化させた12)

    18.3 子宮内膜間質細胞の脱落膜化作用

    受精卵が子宮内膜に着床するには、子宮内膜間質細胞の脱落膜化が必要である。脱落膜は、卵巣を摘出した雌性マウスにエストロゲン及びプロゲステロンを投与し、子宮内膜に対し物理的な刺激を加えても形成されるが、プロゲステロン受容体欠損マウスではこのような脱落膜化反応は認められないことから、プロゲステロン及びその受容体を介するシグナルが子宮内膜間質細胞における脱落膜形成に必須であることが示された13)

    18.4 着床効果及び妊娠維持作用

    雌性ウサギの卵巣を交尾48時間後に摘出し、プロゲステロンを投与して着床に対する効果を検討した結果、プロゲステロンを投与したウサギに着床が認められた。また、妊娠中期に卵巣を摘出したウサギ及びラットにプロゲステロンを投与(ラットはエストロゲンを併用)して妊娠維持に対する効果を検討した結果、プロゲステロンはウサギ及びラットいずれにおいても妊娠維持作用を示した14)

    18.5 子宮筋に対する収縮抑制作用

    卵巣を摘出した雌性ウサギに対するエストロゲンの子宮収縮の増大作用に対して、プロゲステロンはその収縮を抑制した15)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    プロゲステロン(Progesterone)

    化学名

    Pregn-4-ene-3, 20-dione

    分子式

    C21H30O2

    分子量

    314.46

    性状

    白色の結晶又は結晶性の粉末である。
    メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
    結晶多形が認められる。

    化学構造式

    融点

    128~133℃

    22. 包装

    28個[4個(プラスチック製コンテナ)×7]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    あすか製薬株式会社 くすり相談室

    〒108-8532 東京都港区芝浦二丁目5番1号

    TEL 0120-848-339
    FAX 03-5484-8358

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    あすか製薬株式会社

    東京都港区芝浦二丁目5番1号

    26.2 販売元

    武田薬品工業株式会社

    大阪市中央区道修町四丁目1番1号

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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