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処方箋医薬品注)
生殖補助医療における黄体補充
プロゲステロンとして1回400mgを1日2回、採卵日(又はホルモン補充周期下での凍結胚移植ではエストロゲン投与により子宮内膜が十分な厚さになった時点)から最長10週間(又は妊娠12週まで)腟内に投与する。
副腎皮質ホルモン様作用により病態に影響を及ぼすおそれがある。
注意深く観察し、症状の悪化を認めた場合は、投与を中止するなど注意すること。副腎皮質ホルモン様作用により病態に影響を及ぼすおそれがある。
病態に影響を及ぼすおそれがある。
ナトリウムや体液の貯留により、症状が増悪するおそれがある。
糖尿病が悪化するおそれがある。
投与しないこと。代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪するおそれがある。
症状が増悪するおそれがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤の成分は、ヒト母乳中へ移行するとの報告がある。
他の腟剤
本剤の作用が増強又は減弱する可能性がある。
プロゲステロンの放出及び吸収を変化させる可能性がある。
心筋梗塞、脳血管障害、動脈又は静脈の血栓塞栓症(静脈血栓塞栓症又は肺塞栓症)、血栓性静脈炎、網膜血栓症があらわれたとの報告がある。
5%以上
5%未満
頻度不明
生殖器
不正子宮出血、外陰腟そう痒症
絨毛膜下血腫、切迫流産、外陰部腟カンジダ症
稽留流産、自然流産、骨盤痛、卵巣腫大
乳房
乳房圧痛、乳房痛、乳房不快感
精神神経系
傾眠、頭痛、浮動性めまい、味覚異常、気分動揺、気分変化
消化器
下腹部痛、腹痛
腹部不快感、腹部膨満、放屁、上腹部痛、便秘、下痢、嘔吐、胃拡張
皮膚
発疹、そう痒症
その他
適用部位そう痒感、不快感、疲労、冷感、体温変動感、寝汗、体重増加、関節痛、直腸新生物、失禁、頻尿、ほてり
傾眠状態があらわれることがある。
黄体ホルモン剤の使用と先天異常児出産との因果関係はいまだ確立されたものではないが、心臓・四肢等の先天異常児を出産した母親では、対照群に比して妊娠初期に黄体又は黄体・卵胞ホルモン剤を使用していた率に有意差があるとする疫学調査の結果が報告されている1),2),3),4)。
閉経前の日本人健康成人女性に本剤400mgを単回経腟投与した時の薬物動態パラメータ及び血漿中プロゲステロン濃度推移(変化量:各採血ポイントの血漿中プロゲステロン濃度から投与前の生体内血漿中プロゲステロン濃度を差し引いた値)は以下のとおりであった5)。
投与量
AUC0-72(ng・hr/mL)
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
t1/2(hr)
400mg
267.4±152.4
10.7±3.2
9.8±7.8
11.2±4.0
(mean±S.D., n=6)
閉経前の日本人健康成人女性に、本剤800mg(1回400mgを1日2回)を5日間反復経腟投与した結果、1日目と5日目の薬物動態パラメータ及び血漿中プロゲステロン濃度推移(変化量:各採血ポイントの血漿中プロゲステロン濃度から投与前の生体内血漿中プロゲステロン濃度を差し引いた値)は以下のとおりであった6)。
時期
AUC0-τ(ng・hr/mL)
800mg/日(400mg×2回)
1日目
92.1±23.8
11.1±3.6
5日目
146.8±43.9
15.6±4.4
(mean±S.D., n=8)
ヒト血清中のプロゲステロンはおよそ17%がコルチコステロイド結合グロブリン(CBG)に、80%がアルブミンに結合し、2.5%が非結合型で存在する7)(外国人データ)。
プロゲステロンはヒトにおいて速やかに代謝され、代謝クリアランスは60L/day/kgであった8)(外国人データ)。プロゲステロンの代謝物としては、5α-pregnane-3α,20α-diol(allopregnanediol)、5α-pregnane-3β,20α-diol、3α-hydroxy-5β-pregnan-20-one(pregnanolone)などがある9)。
ヒトに[14C]プロゲステロンを静脈内投与したときの尿及び糞中への排泄率は、それぞれ46~59%及び8~17%であった。胆汁中への放射能の排泄率は約30%であった10)(外国人データ)。
体外受精-胚移植を受けた日本人不妊女性74例に、本剤1回400mgを1日2回10週間経腟投与した結果、臨床的妊娠率(投与3~4週時胎嚢確認)は35.1%(26/74例)、妊娠継続率(投与4~5週時胎児心拍確認)は27.4%(20/73例)、妊娠継続率(投与10週時胎児心拍確認)は26.4%(19/72例)、生化学的妊娠率(投与2~3週時妊娠検査陽性:血中hCG-βの基準値に基づく)は41.9%(31/74例)であった。本剤を投与した81例中16例(19.8%)に副作用が認められた。発現した副作用は、不正子宮出血9例(11.1%)、外陰腟そう痒症6例(7.4%)、絨毛膜下血腫、切迫流産、下腹部痛各2例(2.5%)、腹痛及び外陰部腟カンジダ症各1例(1.2%)であった11)。
プロゲステロンは主に卵巣において産生され、排卵後の着床が可能となる分泌期にその産生が高まる。一方、妊娠成立後のプロゲステロン産生は妊娠7~8週以後に卵巣から胎盤へ移行する。ヒト子宮内膜間質細胞におけるプロゲステロン受容体の発現は受精卵の着床時期である分泌期中期に最も強く発現し、また、子宮筋にもプロゲステロン受容体は存在する。プロゲステロンは、プロゲステロン受容体を介して転写活性を促進することによって作用を発現する。
卵巣を摘出した雌性ウサギにエストロゲンとプロゲステロンを投与したときの子宮内膜の組織学的変化を検討した結果、エストロゲンにより肥厚増殖した子宮内膜に対しプロゲステロンはその増殖を止め、腺組織拡張などを惹起し、子宮内膜の組織像を分泌相へ変化させた12)。
受精卵が子宮内膜に着床するには、子宮内膜間質細胞の脱落膜化が必要である。脱落膜は、卵巣を摘出した雌性マウスにエストロゲン及びプロゲステロンを投与し、子宮内膜に対し物理的な刺激を加えても形成されるが、プロゲステロン受容体欠損マウスではこのような脱落膜化反応は認められないことから、プロゲステロン及びその受容体を介するシグナルが子宮内膜間質細胞における脱落膜形成に必須であることが示された13)。
雌性ウサギの卵巣を交尾48時間後に摘出し、プロゲステロンを投与して着床に対する効果を検討した結果、プロゲステロンを投与したウサギに着床が認められた。また、妊娠中期に卵巣を摘出したウサギ及びラットにプロゲステロンを投与(ラットはエストロゲンを併用)して妊娠維持に対する効果を検討した結果、プロゲステロンはウサギ及びラットいずれにおいても妊娠維持作用を示した14)。
卵巣を摘出した雌性ウサギに対するエストロゲンの子宮収縮の増大作用に対して、プロゲステロンはその収縮を抑制した15)。
プロゲステロン(Progesterone)
Pregn-4-ene-3, 20-dione
C21H30O2
314.46
白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。結晶多形が認められる。
128~133℃
28個[4個(プラスチック製コンテナ)×7]
1) Levy, E. P. et al.:Lancet. 1973;1(7803):611
2) Nora, J. J. et al.:Lancet. 1973;1(7809):941-942
3) Janerich, D. T. et al.:New Engl. J. Med. 1974;291(14):697-700
4) Nora, J. J. et al.:New Engl. J. Med.1974;291(14):731-732
5) 社内資料:薬物動態試験、単回投与
6) 社内資料:薬物動態試験、反復投与
7) Leighton,J. et al.:First draft on the 52th meeting of the Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Additives(JECFA), Geneva, WHO. 2000
8) Little,B. et al.:Am. J. Obstet Gynecol. 1975;123(5):527-534
9) 第十七改正日本薬局方解説書.廣川書店;2016.C4770-4774
10) Sandberg,AA. et al.:J. Clin. Endocr. Metab.1958;18(3):253-265
11) 宇津宮隆史他:新薬と臨牀. 2016;65(12):1590-1601
12) DeManno, D. et al.:Steroids. 2003;68(10-13):1019-1032
13) Lydon, JP. et al.:Genes Dev. 1995;9(18):2266-2278
14) 清水清美:日本産科婦人科学会雑誌. 1959;11(7):871-880
15) 落合東朔:日本産科婦人科学会雑誌. 1970;22(1):1-9
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