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処方箋医薬品注)
初回量として、40mL(硫酸マグネシウム水和物として4g)を20分以上かけて静脈内投与した後、毎時10mL(1g)より持続静脈内投与を行う。なお、子宮収縮が抑制されない場合は毎時5mL(0.5g)ずつ増量し、最大投与量は毎時20mL(2g)までとする。子宮収縮抑制後は症状を観察しながら漸次減量し、子宮収縮の再発がみられないことが確認された場合には中止する。本剤は持続注入ポンプを用いて投与すること。
初回量として、40mL(硫酸マグネシウム水和物として4g)を20分以上かけて静脈内投与した後、毎時10mL(1g)より持続静脈内投与を行う。症状に応じて毎時5mL(0.5g)ずつ増量し、最大投与量は毎時20mL(2g)までとする。本剤は初回量投与の場合を除いて、持続注入ポンプを用いて投与すること。
マグネシウム中毒に注意し投与すること。,,,
低カルシウム血症を助長するおそれがある。
低カリウム血症が誘発されるおそれがある。
ブドウ糖を含有している。
水、電解質異常の悪化又は誘発されるおそれがある。
貧血症を助長するおそれがある。
洞房結節インパルス生成速度の遅延と伝導時間の持続のおそれがある。
マグネシウム排泄障害による高マグネシウム血症を惹起するおそれがある4),8) 。,,,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤の投与中止後24時間は乳汁中のマグネシウム濃度が増大することがあるので注意すること4) 。
用量に留意して慎重に投与すること。本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では、腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。
スルファミン剤
スルフヘモグロビン血症を起こすことがある。
機序不明
競合性(ツボクラリン等)及び脱分極性(サクシニルコリン等)筋弛緩剤
作用持続時間を延長することがある。
CK上昇11) 、悪心、嘔吐、呼吸抑制12) 、循環器関連の副作用(心室頻拍、胸痛、心筋虚血13) )があらわれることがある。
出生した早産児の高カリウム血症のリスクが高いことが報告されている7) 。
カルシウム拮抗剤(ニフェジピン)
高度の低血圧3) 及び神経筋伝達遮断14) が増大する。
併用により神経筋遮断作用が増強される。
カルシウム塩
マグネシウムの作用を減弱させる15) 。
マグネシウム拮抗作用による。
バルビツレート、催眠剤、麻酔剤
呼吸抑制作用が増強することがある15) 。
併用により呼吸抑制作用が増強される。
アミノグリコシド系抗生剤
神経筋遮断作用が増強される。マグネシウムを投与した母体から出生した新生児において、併用により呼吸停止を来たした症例の報告がある15),16) 。
,,,,,,
高用量の硫酸マグネシウム水和物急速投与により発現した報告があり、投与に際しては用法及び用量を遵守すること1),2) 。,,,,,,
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと17) 。
呼吸困難、胸部圧迫感、頻脈等に十分に注意すること18),19) 。
嘔吐、腹部膨満等の症状に十分に注意すること20) 。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
血液
鼻出血
凝血異常
呼吸器
呼吸困難
循環器
心悸亢進(動悸)、不整脈、胸痛、潮紅
うっ血性心不全
消化器
口渇、嘔気、嘔吐、食欲不振
肝臓
肝機能障害[AST、ALTの上昇]
肝不全
腎臓
急性腎不全
精神神経系
熱感、倦怠感
無力症、頭痛、視力異常、調節障害、複視、反射減退、知覚減退(しびれ)、浮動性めまい、振戦
意識障害
代謝異常
高マグネシウム血症
低カルシウム血症、高カリウム血症、電解質異常
過敏症
中毒疹
投与部位
血管痛
女性生殖
乳房うっ滞、乳汁漏出、外陰浮腫
その他
尿崩症、乏尿、踵骨骨折
母体及び新生児に高マグネシウム血症を引き起こし、熱感、潮紅、口渇、血圧低下、中枢神経抑制、心機能抑制、呼吸麻痺、骨格筋弛緩等の症状があらわれることがある1),2) 。,血清マグネシウム濃度と中毒症状には下表の相関が知られている3),6),8),9),20),21),22) 。
濃度(mg/dL)
症状
4~7.5
切迫早産の治療域
8.4~12
膝蓋腱反射消失
12~14.4
呼吸抑制
14.4以上
呼吸麻痺、呼吸停止、不整脈(房室ブロック、伝導障害)
治療にはカルシウム剤(グルコン酸カルシウム水和物)が有効であるとの報告がある23),24) 。,
本剤とサルファ剤、アルカリ炭酸塩・重炭酸塩、酒石酸塩、可溶性リン酸塩、ヒ酸塩、臭化カリウム、臭化アンモニウム、水酸化アルカリ、カルシウム塩、サリチル酸塩、アミノフィリン水和物等を含む製剤と混合した場合、沈殿を生じることがあるので混合を避けること3) 。
急速、大量投与により電解質喪失又は血栓性静脈炎を起こすことがあるので、徐々に静脈内投与すること。
皮下大量投与により、血漿中から電解質が移動して循環不全を招くおそれがあるので皮下投与しないこと。
時期
例数
(mg/dL):平均±SD(範囲)
投与前
81
2.2±0.7(1.3~5.0)
初回量(4g)
71
4.0±0.8(1.6~6.0)
維持量:1.0g/時
48
4.0±0.8(2.4~6.6)
維持量:1.5g/時
38
4.3±0.7(2.4~5.7)
維持量:2.0g/時
30
5.0±0.8(3.2~7.0)
維持量:2.5g/時注1)
12
6.0±2.5(3.9~13.4)
維持量:3.0g/時注1)
8
6.4±1.4(4.8~9.5)
ウサギに投与されたMg28は容易に胎盤組織に移行し、次いで胎児の各組織に取り込まれる。胎児組織におけるMg28の取り込みは、骨、腎臓、筋肉、肝臓、そして肺の順に高かった35) 。
切迫早産患者を対象とした国内臨床試験20) において効果判定の基準となった子宮収縮回数の推移及び投与開始後4時間及び8時間の子宮収縮の状態(子宮収縮回数及び程度)を投与前と比較し5段階で評価判定された子宮収縮抑制効果の改善率は、下表のとおりであった。
判定時間
子宮収縮回数(平均±SD)
改善率(%)〔中等度改善以上〕
開始時
11.0±8.8回/時
-
4時間
3.7±4.3回/時
67.8%(59/87例)
8時間
2.4±3.0回/時
83.5%(71/85例)
副作用集計の対象となった124例に対し89例(71.8%)、延べ195件の副作用が発現した。このうち、主なものは従来よりマグネシウムの作用として知られている熱感63件(50.8%)、口渇36件(29.0%)、潮紅33件(26.6%)、倦怠感・無力症25件(20.2%)で全体の80.5%を占め、その多くは投与開始日に発現した12),20) 。
マグネシウムはCaチャネルを遮断し、細胞外から細胞内へのカルシウム流入を抑制する36) 。Na+、K+-ATPaseやCa2+-ATPaseを活性化し、細胞内から細胞外へのカルシウム流出を促進する37) 。イノシトール三リン酸(IP3)特異的なホスホリパーゼCの活性を抑制し、IP3産生を抑制して、細胞内カルシウム貯蔵部位(小胞体)からのIP3によるカルシウム放出を抑制する38) 。Ca2+-ATPaseを活性化し、細胞内で小胞体へのカルシウム取り込みを促進する37) 。細胞内遊離カルシウムが減り、カルモジュリンを介するミオシン軽鎖キナーゼが活性化されず、アクチンとミオシンの滑り込みによる筋収縮が抑制される39),40) 。
硫酸マグネシウム水和物を筋注又は静注すると、血中のMg2+が増加してCa2+との平衡が破れて、中枢神経系の抑制と骨格筋弛緩が起こる。本剤の急速静注の際に見られる麻酔様状態は、Mg2+が神経筋接合部におけるアセチルコリンの放出を阻害し、神経インパルスの伝達を遮断して骨格筋弛緩を起こすことによると考えられている。また、この神経筋に対する作用は、カルシウムで拮抗される41) 。
硫酸マグネシウム水和物は単独投与で妊娠後期ラットの子宮自動運動及びアセチルコリン又はPGF2αによる誘発子宮収縮を抑制した。更に硫酸マグネシウム水和物とリトドリン塩酸塩の併用により、子宮平滑筋の収縮抑制作用は増強された(in vitro, in situ)42) 。
硫酸マグネシウム水和物(Magnesium Sulfate Hydrate)
MgSO4・7H2O
246.47
無色又は白色の結晶で、味は苦く、清涼味及び塩味がある。水に極めて溶けやすく、エタノール(95)にほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。
ブドウ糖(Glucose)
D-Glucopyranose
C6H12O6
180.16
白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は甘い。水に溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
α-D-グルコピラノースR1=H,R2=OHβ-D-グルコピラノースR1=OH,R2=H
100mL×5瓶[プラスチック瓶入り製剤]
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