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処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
肝性脳症における高アンモニア血症の改善
本剤は抗酸菌に対しても抗菌活性を示し、他のリファマイシン系抗菌薬と交差耐性を示す可能性がある。他のリファマイシン系抗菌薬に対する結核菌の耐性化を防ぐため、肺結核及びその他の結核症を合併している肝性脳症患者における高アンモニア血症に対しては、他の治療法を選択すること。
**通常、成人及び小児にはリファキシミンとして1回400mgを1日3回食後に経口投与する。
国内臨床試験において、本剤の12週間を超える使用経験はないため、12週間を超えて投与する際はその必要性を慎重に判断すること。
本剤は難吸収性製剤であるが、耐性菌の発現等を防ぐため、治療に際しては効果を十分に確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
本剤は主に肝で代謝されるため、 AUCが増大することがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット及びウサギ)において、胎盤通過性1),2)及び胎児の骨格異常3),4)(不完全骨化、過剰肋骨の発生頻度増加等)が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている5)。
シクロスポリン
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の効果が増強するおそれがある。
シクロスポリンのP-gp、CYP3A4、OATP阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する。
エチニルエストラジオール
エチニルエストラジオールの血中濃度を低下させるおそれがある。
本剤のCYP3A4誘導作用により、エチニルエストラジオールの代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられる。
腹痛、頻回な下痢があらわれた場合には、直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
1~5%未満
1%未満
過敏症
発疹、湿疹
**消化器
便秘、下痢、悪心、腹痛
上腹部痛、腹部不快感、痔出血
**肝臓
高ビリルビン血症
ALP上昇
精神神経系
めまい、味覚異常、肝性脳症の悪化、頭蓋内動脈瘤
循環器
高血圧、動悸
その他
声帯の炎症、敗血症、背部痛、発熱、尿中血陽性
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
本剤の投与により、尿が橙赤色となることがある。
健康成人男性に、本剤550mg、1,100mg及び1,650mgを空腹時単回投与した結果、最大血漿中濃度到達時間及び血漿中半減期等の薬物動態パラメータは以下のとおりであった6)。注)本剤の承認された用法及び用量は、リファキシミンとして1回400mgを1日3回食後に経口投与である。
投与量
例数
AUC0-∞(ng・hr/mL)
Cmax(ng/mL)
Tmaxa)(hr)
t1/2(hr)
550mg
8
11.32±5.32
3.055±1.631
1.0(0.5-1.5)
4.21±2.12
1,100mg
29.47±12.87b)
7.09±4.25
1.5(0.5-4)
4.73±1.53b)
1,650mg
16.08±3.52
5.521±2.746
0.8(0.5-4)
4.20±1.56
a)中央値(範囲), b)7例(平均値±標準偏差)
日本人肝性脳症患者に、本剤400mgを1日3回14日間食後経口投与した臨床試験における、Child-Pugh分類別の薬物動態パラメータ(投与8~14日目に測定)を下表に示す7)。
Child-Pugh
AUC0-4(ng・hr/mL)
A
4
73.12±55.27
27.04±17.36
2.5(1-4)
B
25
82.41±44.62
32.3±21.0
2.0(0-4)
C
9
110.52±80.64
37.36±22.18
4.0(0-4)
a)中央値(範囲) (平均値±標準偏差)
日本人小児肝性脳症患者21例に、本剤400mgを1日3回12週間投与し、得られた103点の血漿中薬物濃度データを用いて母集団薬物動態解析を行った。その結果、薬物動態に影響を及ぼす共変量はなく、1回400mgを1日3回投与したときの定常状態のシミュレーションにより推定された1日のうちの1回目投与時の薬物動態パラメータは以下のとおりであった8)。
21
75.7±33.7
21.4±9.5
2.0(1.8-2.0)
a)中央値(範囲)(平均値±標準偏差)
健康成人男性8例に、本剤550mgを食後(高脂肪食:900kcal以上、脂質35%以上)又は空腹時に投与した結果、Cmaxは同様であったが、食後投与で吸収(Tmax)が遅延し(空腹時:1.0時間、食後:3.0時間)、AUC0-∞が58.1%増加した。本検討は本剤とは異なる製剤(275mg錠)にて実施した6)。注)本剤の承認された用法及び用量は、リファキシミンとして1回400mgを1日3回食後に経口投与である。
健康被験者及び肝性脳症の既往がある肝機能障害患者に本剤550mgを反復経口投与した後のリファキシミンの血漿タンパク結合率は健康被験者で67.5±3.7%、肝機能障害患者で62.0±4.4%であった9)(外国人データ)。注)本剤の承認された用法及び用量は、リファキシミンとして1回400mgを1日3回食後に経口投与である。
in vitro試験において、以下が報告されている。
併用薬
併用薬の投与量
本剤の投与量
リファキシミンの薬物動態パラメータ比(併用時/単独投与時)[90%信頼区間]
AUC
Cmax
シクロスポリン20)(外国人データ)
600mg単回
550mg単回
27
149[119~187]
88.3[76.2~102]
併用薬の薬物動態パラメータ比(併用時/単独投与時)[90%信頼区間]
ミダゾラム21)(外国人データ)
2mg単回
550mgTID
24
0.913[0.750~1.11]
0.948[0.800~1.12]
経口避妊薬22)エチニルエストラジオール(EE)・ノルゲスチメート(NGM)(外国人データ)
EE:0.025mg単回
NGM:0.25mg単回
39
1.02[0.915~1.13]
0.753[0.671~0.843]
17-デアセチルノルゲスチメートa)
0.930[0.856~1.01]
0.869[0.784~0.963]
ノルゲストレルa)
0.890[0.747~1.06]
0.858[0.744~0.988]
TID:1日3回、a)ノルゲスチメートの活性代謝物
注)本剤の承認された用法及び用量は、リファキシミンとして1回400mgを1日3回食後に経口投与である。
肝性脳症患者を対象とし、ラクチトールを対照とした無作為化並行群間比較試験(評価者盲検)を実施した(本剤の用法・用量は、本剤400mgを1日3回14日間食後経口投与)。血中アンモニア濃度、PSE指数及び肝性脳症昏睡度の変化は以下のとおりであった7)。
本剤群
ラクチトール群
血中アンモニア濃度(μg/dL)
ベースライン
134.89±49.24(84)
136.44±42.72(87)
最終評価時
119.46±59.45(81)
125.40±56.63(85)
PSE指数a)
0.33±0.11(84)
0.33±0.10(87)
0.20±0.14(80)
0.23±0.17(84)
肝性脳症昏睡度b)
1.2±0.4(84)
1.2±0.4(87)
0.6±0.6(80)
0.6±0.7(84)
平均値±標準偏差(例数)a)肝性脳症昏睡度、血中アンモニア、羽ばたき振戦及び精神神経機能(Number connection test-A)の結果を一元化した指数b)犬山シンポジウム昏睡度分類
国内第Ⅱ/Ⅲ相試験及び国内第Ⅲ相試験において本剤を投与した157例中21例(13.4%)に副作用が認められた。発現した主な副作用は、便秘4例(2.5%)、下痢2例(1.3%)等であった7),23)。
18歳未満の小児肝性脳症患者[肝硬変、胆道閉鎖症、門脈圧亢進症(バンチ症候群を含む)、先天性門脈欠損症(門脈大循環短絡を含む)、Wilson病、尿素サイクル異常症(慢性期)、リジン尿性蛋白不耐症のいずれかを有する者]を対象とし、非対照非盲検試験を実施した(本剤の用法・用量は、本剤400mgを1日3回12週間経口投与)。5歳以上の患者が組み入れられ、血中アンモニア濃度及び肝性脳症昏睡度の変化は以下のとおりであった24)。
96.99±33.40(20)
86.04±30.82(20)
肝性脳症昏睡度a)
0.70±0.25(20)
0.45±0.32(20)
平均値±標準偏差(例数) a)小児肝性脳症昏睡度分類又は犬山シンポジウム昏睡度分類
国内第Ⅱ/Ⅲ相試験(小児)において本剤を投与した21例中3例(14.3%)に副作用が認められた。発現した副作用は、腹痛、悪心、血中ビリルビン増加各1例(4.8%)であった。
リファキシミンは、細菌のDNA依存性RNAポリメラーゼに結合し、RNA合成を阻害することが示唆されている25)。
リファキシミンは、好気性グラム陽性菌、通性嫌気性グラム陰性菌などに対し抗菌活性を示した26),27)。
ラット肝性脳症モデルにおいて、リファキシミンは昏睡の発症及び静脈血中アンモニア濃度を用量依存的に抑制した28)。
リファキシミン(Rifaximin)
(2S,16Z,18E,20S,21S,22R,23R,24R,25S,26R,27S,28E)-5,6,21,23-Tetrahydroxy-27-methoxy-2,4,11,16,20,22,24,26-octamethyl-1,15-dioxo-1,2-dihydro-2,7-(epoxypentadeca-[1,11,13]trienoimino)furo[2",3":7',8']naphtho-[1',2':4,5]imidazo[1,2-a]pyridin-25-yl acetate
C43H51N3O11
785.88
赤橙色の結晶性の粉末である。アセトニトリル又はメタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
開封後は湿気、光を避けて保存すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1) 社内資料:妊娠ラットに14C標識リファキシミンを経口投与後の胎盤通過性(2016年9月28日承認、CTD2.6.4.4.3)
2) 社内資料:ウサギにリファキシミンを反復経口投与後の胎盤通過性試験(2016年9月28日承認、CTD2.6.4.4.4)
3) 社内資料:ラットを用いた受胎能及び胚・胎児発生毒性に関する試験(2016年9月28日承認、CTD2.6.6.6.3)
4) 社内資料:ウサギを用いた胚・胎児発生毒性試験(2016年9月28日承認、CTD2.6.6.6.5)
5) 社内資料:ラットに14C標識リファキシミンを単回経口投与した時の乳汁移行性(2016年9月28日承認、CTD2.6.4.6.4)
6) 社内資料:国内薬物動態試験、健康成人男性単回投与(2016年9月28日承認、CTD2.7.6.2.1)
7) 社内資料:国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験(2016年9月28日承認、CTD2.7.6.3.1)
8) **社内資料:小児国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験 母集団薬物動態解析報告書(2024年3月26日承認、CTD2.7.2.2.1)
9) 社内資料:限外ろ過法によるリファキシミンのヒト血漿中タンパク結合(2016年9月28日承認、CTD2.6.4.4.2)
10) 社内資料:ヒト肝ミクロソームにおけるリファキシミンのCYP代謝酵素の同定(2016年9月28日承認、CTD2.6.4.5.1(3),(4))
11) 社内資料:ヒト初代培養肝細胞におけるリファキシミン及びリファンピシンの酵素誘導能評価(2016年9月28日承認、CTD2.6.4.5.3(2))
12) 社内資料:ヒト肝ミクロソームにおけるリファキシミンによるCYP代謝酵素に対する阻害試験(2016年9月28日承認、CTD2.6.4.5.3(1))
13) 社内資料:海外薬物動態試験:健康被験者男性、14C標識リファキシミン単回経口投与、血漿中濃度、代謝及び排泄(2016年9月28日承認、CTD2.7.6.2.5)
14) 社内資料:海外臨床試験:肝性脳症患者、多施設二重盲検用量設定試験(2016年9月28日承認、CTD2.7.6.3.3)
15) 社内資料:Caco-2細胞を用いたP-糖タンパク質に対するリファキシミンの基質特異性及び阻害能評価(2016年9月28日承認、CTD2.6.4.7.1、2.6.4.7.2)
16) 社内資料:OATP1A2、OATP1B1、OATP1B3及びOATP2B1に対するリファキシミンの基質特異性及び阻害能評価(2016年9月28日承認、CTD2.6.4.7.4)
17) 社内資料:排出トランスポーター:ヒトP-糖タンパク質におけるリファキシミンの相互作用試験(2016年9月28日承認、CTD2.6.4.7.2)
18) 社内資料:排出トランスポーター:ヒトP-糖タンパク質、MRP2、MRP4及びBCRPを用いたリファキシミンの相互作用試験(2016年9月28日承認、CTD2.6.4.7.3)
19) 社内資料:排出トランスポーター:ヒトBSEPにおけるリファキシミン及びリファンピシンの相互作用試験(2016年9月28日承認、CTD2.6.4.7.3)
20) 社内資料:海外薬物動態試験:健康被験者、本剤550mg単回投与、シクロスポリンとの薬物相互作用(2016年9月28日承認、CTD2.7.6.3.8)
21) 社内資料:海外薬物動態試験:健康被験者、本剤550mg反復投与、ミダゾラムとの薬物相互作用(2016年9月28日承認、CTD2.7.6.3.4)
22) 社内資料:海外薬物動態試験:健康女性、本剤550mg反復投与、経口避妊薬との薬物相互作用(2016年9月28日承認、CTD2.7.6.3.6)
23) 社内資料:国内第Ⅲ相臨床試験(2016年9月28日承認、CTD2.7.6.4.4)
24) **社内資料:小児国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験(2024年3月26日承認、CTD2.7.3.2.1)
25) 社内資料:細菌におけるリファキシミンのRNA合成阻害(2016年9月28日承認、CTD2.6.2.2.1(1))
26) Hoover,W.W.et al.:Diagn.Microbiol.Infect.Dis.1993;16(2):111-118
27) Sierra,J.M.et al.:Antimicrob.Agents Chemother.2001;45(2):643-644
28) Tamaoki,S.et al.:Eur.J.Pharmacol.2016;779:168-176
29) Vitali,B.et al.:Res.Microbiol.2007;158(4):355-362
30) Telenti,A.et al.:Lancet.1993;341(8846):647-650
31) Lucchesi,M.et al.:Chemioterapia.1984;3(6):371-372
32) Malvisi Stracciari,J.et al.:Chemioterapia.1987;6(2):82-84
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