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劇薬
処方箋医薬品注)
胃・十二指腸潰瘍における分泌並びに運動亢進、胃腸の痙攣性疼痛、痙攣性便秘、胆管・尿管の疝痛、有機燐系殺虫剤・副交感神経興奮剤の中毒、迷走神経性徐脈及び迷走神経性房室伝導障害、麻酔前投薬、その他の徐脈及び房室伝導障害、ECTの前投与
アトロピン硫酸塩水和物として、通常成人0.5mgを皮下又は筋肉内に注射する。場合により静脈内に注射することもできる。なお、年齢、症状により適宜増減する。
症状により次のように用いる。軽 症:アトロピン硫酸塩水和物として、0.5~1mgを皮下注射するか、又は0.5~1mgを経口投与する。中等症:アトロピン硫酸塩水和物として、1~2mgを皮下・筋肉内又は静脈内に注射する。必要があれば、その後20~30分毎に繰り返し注射する。重 症:初回アトロピン硫酸塩水和物として、2~4mgを静脈内に注射し、その後症状に応じてアトロピン飽和の徴候が認められるまで繰り返し注射を行う。
アトロピン硫酸塩水和物として、通常成人1回0.5mgを皮下、筋肉内又は静脈内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
視調節障害、散瞳等を起こすことがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないなど注意すること。
抗コリン作用による膀胱平滑筋の弛緩、膀胱括約筋の緊張により、排尿困難を悪化させるおそれがある。
抗コリン作用により、心拍数が増加し、心臓に過負荷をかけることがあるため、症状を悪化させるおそれがある。
心筋梗塞に併発する徐脈、房室伝導障害には、アトロピンはときに過度の迷走神経遮断効果として心室頻脈、細動を起こすことがある。
中毒性巨大結腸があらわれることがある。
抗コリン作用により、頻脈、体温上昇等の交感神経興奮様症状が増強するおそれがある。
抗コリン作用により発汗抑制が起こり、体温調節が困難になるおそれがある。
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。胎児に頻脈等を起こすことがある。
授乳しないことが望ましい。新生児に頻脈等を起こすことがある。また、乳汁分泌が抑制されることがある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
慎重に投与すること。抗コリン作用による緑内障、記銘障害、口渇、排尿困難、便秘等があらわれやすい。
抗コリン作用(口渇、便秘、麻痺性イレウス、尿閉等)が増強することがある。
併用する場合には、定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する。
相加的に作用(抗コリン作用)を増強させる。
本剤の作用が増強することがある。
異常が認められた場合には、本剤を減量するなど適切な処置を行う。
MAO阻害剤は抗コリン作用を増強させる。
ジギタリス中毒(嘔気、嘔吐、めまい、徐脈、不整脈等)があらわれることがある。
定期的にジギタリス中毒の有無、心電図検査を行い、必要に応じてジギタリス製剤の血中濃度を測定し、異常が認められた場合には、ジギタリス製剤の減量若しくは投与を中止する。
ジギタリス製剤の血中濃度を上昇させる。
混注により本剤の薬効発現が遅延することがある。
併用する場合には、混注を避け定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する。
プラリドキシムヨウ化メチルの局所血管収縮作用が本剤の組織移行を遅らせる。
頻脈、全身潮紅、発汗、顔面浮腫等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
頻度不明
眼
散瞳、視調節障害、緑内障
消化器
口渇、悪心、嘔吐、嚥下障害、便秘
泌尿器
排尿障害
精神神経系
頭痛、頭重感、記銘障害
呼吸・循環器
心悸亢進、呼吸障害
過敏症
発疹
その他
顔面潮紅
頻脈、心悸亢進、口渇、散瞳、近接視困難、嚥下困難、頭痛、熱感、排尿障害、腸蠕動の減弱、不安、興奮、せん妄等を起こすことがある。
重度な抗コリン症状には、コリンエステラーゼ阻害薬ネオスチグミンの0.5~1mgを筋注する。必要に応じて2、3時間ごとに繰り返す。
使用時には、以下の点に注意すること。
皮膚・筋肉壊死、筋肉障害等があらわれることがあるので、皮下、筋肉内注射に当たっては、組織・神経等への影響を避けるため、下記の点に留意すること。
開封後の使用は1回限りとし、使用後の残液はシリンジとともに速やかに廃棄すること。
ヒトにアトロピン硫酸塩水和物を2mg筋肉内投与したとき、血漿中濃度は投与後20分以内に最高(11.1μg/mL)に達し、3.8時間の半減期で減少する1)。
ヒトにアトロピン硫酸塩水和物を2mg筋肉内投与したとき、24時間以内に投与量の85%が尿中に排泄されるが、尿中排泄物の約50%は未変化体であり、加水分解により生成するトロパ酸の排泄は2%以下である2)。
アセチルコリン、ムスカリン様薬物に対し競合的拮抗作用をあらわす(抗コリン作用)。この作用は、平滑筋、心筋及び外分泌腺のムスカリン受容体に対し特に選択性が高く、消化管、胆管、膀胱、尿管等の攣縮を緩解するとともに、唾液、気管支粘膜、胃液、膵液等の分泌を抑制する。心臓に対し、低用量では通常徐脈があらわれるが、高用量では心拍数を増加させる3),4),5)。
アトロピン硫酸塩水和物(Atropine Sulfate Hydrate)
(1R,3r,5S)-8-Methyl-8-azabicyclo[3.2.1]oct-3-yl[(2RS)-3-hydroxy-2-phenyl]propanoate hemisulfate hemihydrate
(C17H23NO3)2・H2SO4・H2O
694.83
無色の結晶又は白色の結晶性の粉末で、においはない。水又は酢酸(100)に極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。光によって変化する。
1mLシリンジ×10本
1) Metcalfe RF.:Biochem Pharmacol. 1981 ; 30 : 209-212
2) Gosselin RE. et al.:Clin Pharmacol Ther. 1960 ; 1(5): 597-603
3) 橋本敬太郎ほか:グッドマン・ギルマン薬理書[上]第13版. 廣川書店. 2022;233-254
4) 藤原元始:臨床薬理学大系第5巻. 中山書店. 1965 ; 71-81
5) 貫文三郎:臨床薬理学大系第6巻. 中山書店. 1969 ; 333-337
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