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ビタジェクト注キット

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.4生殖能を有する者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
12.臨床検査結果に及ぼす影響
14.適用上の注意
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ビタジェクト注キット

添付文書番号

3179517G1035_1_02

企業コード

470034

作成又は改訂年月

2023年4月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873179

承認等

ビタジェクト注キット

販売名コード

YJコード

3179517G1035

販売名英語表記

VITAJECT Injection Kit

承認番号等

承認番号

21900AMX01607

販売開始年月

1999年12月

貯法・有効期間

貯法

遮光・室温保存

有効期間

18箇月

一般的名称

高カロリー輸液用総合ビタミン剤

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤又は本剤配合成分に過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 血友病の患者[パンテノールを含有しているため、出血時間を延長するおそれがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

ビタジェクト注キットは、使用時に下記A液・B液を高カロリー輸液剤に連続注入して用いる組合わせ注射剤である。

ビタジェクト注キット

A液 1シリンジ5mL中

有効成分レチノールパルミチン酸エステル   3300ビタミンA 単位
エルゴカルシフェロール   10μg
トコフェロール酢酸エステル   15mg
フィトナジオン   2mg
シアノコバラミン   10μg
葉酸   0.4mg
ビオチン   0.1mg
パンテノール   14.04mg
(パントテン酸として)   (15mg)
アスコルビン酸   100mg
添加剤プロピレングリコール(溶解補助剤)   1.0g
ポリソルベート80(可溶剤)   80mg
水酸化ナトリウム(pH調節剤)   適量
クエン酸水和物(pH調節剤)   適量

B液 1シリンジ5mL中

有効成分チアミン塩化物塩酸塩   3mg
リボフラビンリン酸エステルナトリウム   5.08mg
(リボフラビンとして)   (4mg)
ピリドキシン塩酸塩   4mg
ニコチン酸アミド   40mg
添加剤希塩酸(pH調節剤)   適量

3.2 製剤の性状

ビタジェクト注キット

A液

剤形
色調微黄色澄明
pH5.5~6.5
浸透圧比約11(生理食塩液に対する比)

B液

剤形
色調黄色澄明
pH3.0~4.0
浸透圧比約0.4(生理食塩液に対する比)

4. 効能又は効果

経口、経腸管栄養補給が不能又は不十分で高カロリー静脈栄養に頼らざるを得ない場合のビタミン補給。

6. 用法及び用量

A液およびB液を、高カロリー経静脈輸液に専用の器具を用いて注入し、点滴静注する。用量は、通常成人1日1キットとする。なお、年齢・症状により適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

本剤は高カロリー静脈栄養輸液添加用ビタミン剤であるため、単独投与及び末梢静脈内投与は避けること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 高カルシウム血症の患者

    血液・尿検査を行い、異常が認められた場合には、投与を中止すること。エルゴカルシフェロールを含有している。

  2. 9.1.2 本人又は両親・兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギーを起こしやすい体質を持つ患者

9.2 腎機能障害患者

副作用が強くあらわれるおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

9.5 妊婦

  1. 9.5.1 妊娠3カ月以内又は妊娠を希望する女性

    投与する場合には、用法・用量に留意し、本剤によるビタミンAの投与は5000IU/日未満に留めるなど必要な注意を行うこと。外国において、妊娠前3カ月から妊娠初期3カ月までにビタミンAを10000IU/日以上摂取した女性から出生した児に、頭蓋神経堤などを中心とする奇形発現の増加が推定されたとする疫学調査結果がある。

  2. 9.5.2 妊婦(妊娠3カ月以内の女性を除く)

    治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  3. 9.5.3 妊婦又は妊娠している可能性のある女性

    ビタミンD過剰にならないように、慎重に投与すること。

9.6 授乳婦

  1. 9.6.1 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
  2. 9.6.2 ビタミンD過剰にならないように、慎重に投与すること。

9.7 小児等

  1. 9.7.1 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
  2. 9.7.2 ビタミンD過剰にならないように、慎重に投与すること。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
    • パーキンソン病治療薬
      • レボドパ

    レボドパの作用を減弱させるおそれがある。

    ピリドキシン塩酸塩は、レボドパの脱炭酸酵素の補酵素であり、併用によりレボドパの末梢での脱炭酸化を促進し、レボドパの脳内作用部位への到達量を減少させる。

    • ワルファリン

    ワルファリンの作用を減弱させるおそれがある。

    フィトナジオン(ビタミンK1)がワルファリンの作用に拮抗する。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

      血圧低下、意識障害、呼吸困難、チアノーゼ、悪心、胸内苦悶、顔面潮紅、そう痒感、発汗等があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

    11.2 その他の副作用

    頻度不明

    過敏症

    蕁麻疹、発疹、顔面潮紅

    消化器

    悪心、下痢、腹痛、食欲不振

    12. 臨床検査結果に及ぼす影響

    1. 12.1 アスコルビン酸を含有しているため、尿糖の検出を妨害することがある。また、各種の尿検査(潜血、ビリルビン、亜硝酸塩)・便潜血反応検査で、偽陰性を呈することがある。
    2. 12.2 リボフラビンリン酸エステルナトリウムを含有しているため、尿を黄変させ、臨床検査値に影響を与えることがある。

    14. 適用上の注意

    14.1 全般的な注意

    使用時には、以下の点に注意すること。

    • 感染に対する配慮をすること。
    • シリンジが破損するおそれがあるので、シリンジを鉗子等で叩くなど、強い衝撃を与えないこと。
    • 押子(プランジャー)が外れたり、ガスケットが変形し薬液が漏出したりするおそれがあるので押子のみを持たないこと。
    • 押子を引かないこと。

    14.2 薬剤調製時の注意

    1. 14.2.1 アミノ酸製剤とのみ混合した場合、ビタミンの分解が促進されることがある。また、本剤を高カロリー静脈栄養輸液に混合後、通常12時間以内に投与を終了すること。
    2. 14.2.2 配合薬剤によってビタミンの分解が促進されることがあるので、注意すること。

    14.3 薬剤投与時の注意

    1. 14.3.1 シリンジポンプでは使用しないこと。
    2. 14.3.2 使用に際しては、ブリスター包装を開封口からゆっくり開け、外筒(バレル)を持って取り出すこと。
    3. 14.3.3 急速に静脈内投与すると、一過性の血圧低下を起こすおそれがあるので、必ず用法・用量に従って投与すること。
    4. 14.3.4 ビタミンの光分解を防ぐため、遮光カバーを用いるなど十分に注意すること。
    5. 14.3.5 可塑剤としてDEHP[di-(2-ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)]を含むポリ塩化ビニル製の輸液セット等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない輸液セット等を使用することが望ましい。

    14.4 薬剤投与後の注意

    開封後の使用は1回限りとし、使用後の残液はシリンジとともに速やかに廃棄すること。

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    1. 17.1.1 国内第Ⅲ相一般試験

      経口、経腸管栄養補給が不能または不十分なため高カロリー輸液療法に頼らざるを得ない患者を対象に、本剤1日1キットを高カロリー輸液剤に添加し、中心静脈より7日間持続点滴静注した。解析対象症例は52例で、自他覚症状総合改善度は「症状なし」100%(52/52例)、ビタミンの欠乏・過剰症状は「なし」100%(52/52例)、有用性は「有用」以上が92.3%(48/52例)であった。

      本剤を投与した58例全例において、副作用は認められなかった1)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    本剤はビタミンの補給効果を示す。

    20. 取扱い上の注意

    1. 20.1 外箱開封後は遮光して保存すること。
    2. 20.2 脱酸素剤を入れて安定性を保持しているので、ブリスター包装は使用時まで開封しないこと。
    3. 20.3 以下の場合には使用しないこと。
      • 包装フィルム表面に減圧によるへこみがない場合
      • シリンジから薬液が漏れている場合
      • 性状その他薬液に異状が認められる場合
      • シリンジに破損等の異状が認められる場合
      • キャップが外れている場合
      • シリンジ先端部のシールがはがれている場合

    22. 包装

    1キット(A液5mLシリンジ、B液5mLシリンジ)×10 [脱酸素剤入り]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    テルモ・コールセンター

    〒259-0151 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500

    TEL 0120-12-8195

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    テルモ株式会社

    東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目44番1号



    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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