医療用医薬品 詳細表示

テルモ血液バッグMAP液(200mL採血用)/テルモ血液バッグMAP液(400mL採血用)

添付文書番号

333950CX2035_1_04

企業コード

470034

作成又は改訂年月

2023年8月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873339

承認等

テルモ血液バッグMAP液(200mL採血用)

販売名コード

YJコード

333950CX2035

承認番号等

承認番号

20400AMZ00060

販売開始年月

1992年4月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

36ヶ月

基準名

生物学的製剤基準

血液保存液A液
赤血球保存液

テルモ血液バッグMAP液(400mL採血用)

販売名コード

YJコード

333950CX2035

承認番号等

承認番号

20400AMZ00060

販売開始年月

1992年4月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

36ヶ月

基準名

生物学的製剤基準

血液保存液A液
赤血球保存液

一般的名称

-

3. 組成・性状

3.1 組成

テルモ血液バッグMAP液(200mL採血用)

採血バッグ中に血液保存液A液(ACD-A液)を30mL(200mL採血用)及び60mL(400mL採血用)を含有する。
血液保存液A液(ACD-A液)
成分  クエン酸ナトリウム水和物 2.20
  クエン酸水和物 0.80
  ブドウ糖 2.20
濃度(w/v%)

MAPバッグ中に赤血球保存液MAP液(MAP液)を50mL(200mL採血用)及び95mL(400mL採血用)を含有する。
赤血球保存液MAP液(MAP液)
成分  D-マンニトール 1.457
  アデニン 0.014
  リン酸二水素ナトリウム水和物 0.094
  クエン酸ナトリウム水和物 0.150
  クエン酸水和物 0.020
  ブドウ糖 0.721
  塩化ナトリウム 0.497
濃度(w/v%)

テルモ血液バッグMAP液(400mL採血用)

採血バッグ中に血液保存液A液(ACD-A液)を30mL(200mL採血用)及び60mL(400mL採血用)を含有する。
血液保存液A液(ACD-A液)
成分  クエン酸ナトリウム水和物 2.20
  クエン酸水和物 0.80
  ブドウ糖 2.20
濃度(w/v%)

MAPバッグ中に赤血球保存液MAP液(MAP液)を50mL(200mL採血用)及び95mL(400mL採血用)を含有する。
赤血球保存液MAP液(MAP液)
成分  D-マンニトール 1.457
  アデニン 0.014
  リン酸二水素ナトリウム水和物 0.094
  クエン酸ナトリウム水和物 0.150
  クエン酸水和物 0.020
  ブドウ糖 0.721
  塩化ナトリウム 0.497
濃度(w/v%)

3.2 製剤の性状

テルモ血液バッグMAP液(200mL採血用)

血液保存液A液(ACD-A液)
剤形
色調無色澄明~微黄色澄明
pH4.5~5.5

赤血球保存液MAP液(MAP液)
剤形
色調無色澄明~微黄色澄明
pH5.4~5.8

テルモ血液バッグMAP液(400mL採血用)

血液保存液A液(ACD-A液)
剤形
色調無色澄明~微黄色澄明
pH4.5~5.5

赤血球保存液MAP液(MAP液)
剤形
色調無色澄明~微黄色澄明
pH5.4~5.8

4. 効能又は効果

血液保存及び赤血球成分の保存

6. 用法及び用量

生物由来原料基準 第2血液製剤総則 1輸血用血液製剤総則(2)ア全血採血により採血バッグ(A液)に採血し、遠心分離後、赤血球成分と本品の子バッグ内の液(MAP液)を混和する。なお、採血量は200mL及び400mLとする。

8. 重要な基本的注意

本品はポリ塩化ビニル(可塑剤:DEHP[di-(-2-ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)])を使用しているので、保存血液中に可塑剤が溶出するおそれがある。

14. 適用上の注意

14.1 全般的な注意

  1. 14.1.1 使用時には、感染に対する配慮をすること。
  2. 14.1.2 本品の外表面及び包装内は無菌ではないため、操作には注意し、すべての操作を無菌的に行うこと。
  3. 14.1.3 チューブに液漏れ、空気の混入、破断が生じる可能性があるため、チューブを鉗子やはさみ、刃物等で傷をつけないこと。
  4. 14.1.4 チューブ破損や接合部が外れる可能性があるため、接合している箇所を過度に引っ張るような負荷や、チューブを押し込むような負荷、チューブを折り曲げるような負荷を加えないこと。
  5. 14.1.5 油性ペンのインク成分がバッグ内の血液に移行する可能性があるため、バッグ本体に書き込まないこと。

14.2 血液製剤調製時の注意

  1. 14.2.1 採血には重力による落差式採血法のほか、採血装置を利用した方法がある。
  2. 14.2.2 チューブ内に残った血液の凝固を避ける為には、ローラペンチでチューブをしっかり挟み、針側からバッグに向けてチューブをしごき、チューブ内の血液を採血バッグに移し、薬液と丁寧に混ぜてからローラペンチを緩めると、混和された血液がチューブ内に充満する。この操作を2~3回繰り返すこと。
  3. 14.2.3 チューブシーラー(バッテリー式ハンドシーラーを除く)を用いてチューブを溶着・切断する場合、人体に針を刺し、チューブが接続されたままで使用しないこと。感電の可能性がある。
  4. 14.2.4 パイロットチューブは、チューブに付けられている番号と番号の間をチューブシーラーで溶着して作ること。
  5. 14.2.5 分離スタンドの代わりに、血液自動分離装置を使用することができる。
  6. 14.2.6 MAP液は、遠心分離により製した濃厚赤血球にのみ入れること。
  7. 14.2.7 本品を用いて調製した製剤は、2~6℃の冷蔵庫内に保存すること。MAP液を用いて調製した製剤は採血後42日間保存できるが、細菌混入のおそれがある場合はこの限りではない。

20. 取扱い上の注意

  1. 20.1 品質保持のためにガスバリア性の包材で包装し、脱酸素剤を封入しているので、アルミ包装は使用時まで開封しないこと。
  2. 20.2 包装袋より取り出したまま保管すると、薬液が蒸散する可能性があるので、開封後は、速やかに使用すること。
  3. 20.3 蒸気滅菌工程の水蒸気のため、バッグが不透明になる、又は、空バッグやチューブ内に微量の水分が残留することがあるが品質・使用上問題はない。ただし、以下の場合には使用しないこと。
    • 著しい水濡れや薬液のリークが疑われる場合
    • 包装袋が破損、汚損している場合
    • 性状その他薬液に異状が認められる場合
  4. 20.4 バッグの素材は低温下では軽い衝撃によっても破損しやすくなるので、赤血球成分、血漿成分保存等のためにバッグを低温または凍結保存する際には、取扱いに十分注意すること。

22. 包装

  • 〈200mL採血用、先端形状:オスコネクター、メスコネクター付〉

    30セット(10セット×3)[脱酸素剤入り]

  • 〈400mL採血用、先端形状:オスコネクター、メスコネクター付〉

    30セット(10セット×3)[脱酸素剤入り]

  • 〈400mL採血用、先端形状:採血針(17G)、メスコネクター付〉

    30セット(10セット×3)[脱酸素剤入り]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

テルモ・コールセンター

〒259-0151 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500

TEL 0120-12-8195

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

テルモ株式会社

東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目44番1号



  • 【操作方法】
  • (初回採血の場合)
  • 各部の名称


    ①補液を行う場合は、バッグと輸液セットを以下の手順で接続する。補液を行わない場合は②へ進む。

    1)スライドクレンメまたは鉗子を用いて、分岐部と採血バッグ間のチューブを閉じる。

    2)メスコネクター(青)部をねじって切断・開放し、あらかじめ輸液剤を接続しプライミング済みの輸液セットの先端(オスコネクター)を速やかに接続する。

    3)分岐部と採血バッグ間のチューブを閉じていたスライドクレンメまたは鉗子を外し、接続済みの輸液セットのローラークレンメを徐々に開き、分岐部まで輸液剤を満たした後、輸液セットのローラークレンメを閉じる。

    ②駆血帯を上腕にかけて、静脈穿刺位置を決める。

    ③-1. 先端形状が採血針の場合

    外気がバッグ内に入ることを防ぐために分岐部と採血針間のクレンメを閉じてから、採血針のプロテクターを回して外す。採血針を静脈に穿刺し、血液がチューブ内に入るのを確認したら、分岐部と採血針間のクレンメを開く。

    ③-2. 先端形状がオスコネクターの場合

    外気がバッグ内に入ることを防ぐために分岐部とオスコネクター間のクレンメを閉じてから、オスコネクター部をねじって切断・開放し、翼付静注針等を接続し、針プロテクターを外す。(接続部にゆるみが無いことを確認する。)翼付静注針等を静脈に穿刺し、血液がチューブ内に入るのを確認したら、分岐部とオスコネクター間のクレンメを開く。(すでに翼付静注針等で静脈を確保されている場合には、チューブ先端のオスコネクターを翼付静注針等に接続し、接続不十分等による漏れがないことを確認してから、分岐部とオスコネクター間のクレンメを開放し採血を開始する。)

    ④採血中、採血装置はゆるやかに揺動し、血液と薬液を混和する。重力による落差式採血では、穿刺部位から40~50cm落差を設け、台秤等で重量を計りながら採血する。採血中、定期的(約30秒ごと、ただし、妊婦など凝固系が亢進している供血者が対象である場合は更に頻繁に)にバッグを両手で持って血液と薬液を丁寧に混和させる。

    ⑤採血の所定量は、以下のとおりである。

    200mL採血用:200mL

    400mL採血用:400mL

    ⑥採血完了後、補液を行う場合は、スライドクレンメまたは鉗子を用いて、分岐部と採血バッグ間のチューブを閉じた後に、以下の手順で補液を行う。

    採血完了後に補液を行わない場合は、採血針と分岐部間のクレンメを閉じて、手順⑦へ進む。

    1)既に接続済の輸液セットのローラークレンメを徐々に開き、流速を調整しながら、補液を行う。

    2)補液完了後は、輸液セットのローラークレンメを閉じ、採血針と分岐部間のクレンメを閉じる。

    ⑦静脈から採血針等を抜く。

    ⑧分岐部と採血バッグの間のチューブを、分岐部寄りのところでチューブシーラーを用い、溶着して切断する。

    ⑨バッグを数回転倒し、血液と薬液を丁寧に混和させる。

    ⑩遠心分離して赤血球を沈殿させた後、採血バッグを分離スタンドにセットする。

    ⑪子バッグ1の連結チューブを鉗子で止め、採血バッグのクリックチップを折った後、分離スタンドのレバーを離し、血漿部分を子バッグ2へ移行させる。

    血漿部分の子バッグ2への移行が終わったら子バッグ2の連結チューブを鉗子で止める。

    ⑫子バッグ1の鉗子を外し、バフィーコート部分を子バッグ1へ移行させる。

    バフィーコート部分の子バッグ1への移行が終わったら子バッグ1の連結チューブを鉗子で止め、バッグを分離スタンドから外す。

    ⑬子バッグ3(MAP液入りバッグ)のクリックチップを折り、薬液(MAP液)を採血バッグに移行させる。

    ⑭MAP液の採血バッグヘの移行が終わったら、採血バッグ側の連結チューブを鉗子で止め、チューブシーラーで溶着して切断する。

    ⑮バッグを数回転倒し、赤血球とMAP液を丁寧に混和させる。


  • (採血した後、貯血済みの自己血を返血し、さらに採血する場合)


    静脈穿刺の回数を少なくするために以下の方法をすすめる。

    ①採血に使用する血液バッグ(2バッグ)と、貯血済みの自己血入り血液バッグ(1バッグ)と輸血セットとを以下の手順で接続する。

    1)返血する血液バッグ(貯血済みの自己血入り)に輸血セットを接続し、あらかじめプライミングした後、ローラークレンメを閉じる。

    2)スライドクレンメまたは鉗子を用いて、先端コネクタータイプ血液バッグ(以下バッグⅠとする。)の分岐部と採血バッグ間のチューブ及び分岐部とオスコネクター間のチューブを閉じる。 〔図のスライドクレンメA〕(または鉗子)及び〔図のクレンメB〕

    3)バッグⅠのメスコネクター(青)部をねじって切断・開放し、プライミング済みの輸血セットの先端(オスコネクター)を速やかに接続する。

    4)バッグⅠの分岐部と採血バッグ間のチューブを閉じていたスライドクレンメAまたは鉗子を外し、接続済の輸血セットのローラークレンメを徐々に開き、分岐部まで血液を満たした後、輸血セットのローラークレンメを閉じる。

    5)スライドクレンメまたは鉗子を用いて、別に用意した先端静脈針タイプ血液バッグ(以下バッグⅡとする。)の分岐部と採血バッグ間のチューブを閉じる。〔図のスライドクレンメD〕(または鉗子)

    6)バッグⅡのメスコネクター(青)部をねじって切断・開放し、バッグⅠのオスコネクター部を切断・開放し、その先端を速やかにバッグⅡのメスコネクター(青)部に接続する。

    ②以上のように接続した血液バッグ及び輸血セットのクレンメ(または鉗子)は閉じたままにしておく。

    ③駆血帯を上腕にかけて、静脈穿刺位置を決める。

    ④バッグⅡの採血針のプロテクターを回して外す。

    ⑤以下の3つのクレンメ(または鉗子)を開いて、採血針先端まで薬液をプライミングする。

    1)バッグⅠの分岐部と採血バッグ間のスライドクレンメ〔図のスライドクレンメA〕(または鉗子)

    2)バッグⅠのオスコネクターと分岐部間のクレンメ〔図のクレンメB〕  

    3)バッグⅡの分岐部と採血針間のクレンメ〔図のクレンメC〕

    ⑥クレンメCを閉じる。

    ⑦採血針を静脈に穿刺し、血液がチューブ内に入るのを確認したら、クレンメCを開く。

    ⑧(初回採血の場合)の手順④~⑤に準じて、バッグⅠに採血する。

    ⑨バッグⅠへの採血が完了したら、スライドクレンメA(または鉗子)を閉じる。

    ⑩バッグⅠを数回転倒し、血液と薬液を丁寧に混和させる。

    ⑪輸血セットのローラークレンメを徐々に開き、流速を調整しながら返血する。

    ⑫返血終了後は輸血セットのローラークレンメを閉じ、更にクレンメBも閉じる。

    ⑬バッグⅡの分岐部と採血バッグ間のスライドクレンメ〔図のスライドクレンメD〕(または鉗子)を開いて(初回採血の場合)の手順④~⑤に準じてバッグⅡに採血する。

    ⑭バッグⅡへの採血が完了したら、スライドクレンメD(または鉗子)を閉じる。

    ⑮バッグⅡを数回転倒し、血液と薬液を丁寧に混和させる。

    ⑯補液を行わない場合は、クレンメCを閉じる。

    補液を行う場合は、バッグと輸液セットを以下の手順で接続して行う。

    1)バッグⅠのメスコネクター(青)部に接続されていた輸血セットのオスコネクターを外す。

    2)あらかじめ輸液剤を接続しプライミング済みの輸液セットの先端(オスコネクター)をバッグⅠのメスコネクター(青)部に速やかに接続する。

    3)輸液セットのローラークレンメ及びクレンメBを開く。

    4)輸液セットのローラークレンメで流速を調整しながら、補液を行う。

    5)補液終了後は、輸液セットのローラークレンメ、クレンメB及びクレンメCを閉じる。

    ⑰採血針を抜く。

    ⑱バッグⅠ及びバッグⅡそれぞれの分岐部と採血バッグ間のチューブを、分岐部寄りのところでチューブシーラーを用い、溶着して切断する。

    ⑲バッグⅠ及びバッグⅡに得られた血液について、(初回採血の場合)の手順⑩~⑮に準じて処理を行う。

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