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沈降破傷風トキソイド「生研」

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)
3.製法の概要及び組成・性状
3.1製法の概要
3.2組成
3.3製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する者に関する注意
9.1接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
9.2腎機能障害を有する者
9.3肝機能障害を有する者
9.5妊婦
9.8高齢者
11.副反応
11.1重大な副反応
11.2その他の副反応
14.適用上の注意
17.臨床成績
17.2製造販売後調査等
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2発症防御レベル
18.3効果の持続
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

沈降破傷風トキソイド「生研」

添付文書番号

6322400X2048_4_05

企業コード

470154

作成又は改訂年月

**2024年9月改訂(第2版)
2022年4月改訂

日本標準商品分類番号

876322

薬効分類名

トキソイド類

承認等

沈降破傷風トキソイド「生研」

販売名コード

YJコード

6322400X2048

販売名英語表記

Adsorbed Tetanus Toxoid “SEIKEN”

販売名ひらがな

ちんこうはしょうふうときそいど せいけん

承認番号等

承認番号

16100EZZ01211000

販売開始年月

1967年11月

貯法・有効期間

貯法

凍結を避け、10℃以下で保存

有効期間

**製造日から2年

基準名

日本薬局方

沈降破傷風トキソイド

生物学的製剤基準

沈降破傷風トキソイド

規制区分

一般的名称

沈降破傷風トキソイド

2. 接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)

  1. 2.1 明らかな発熱を呈している者
  2. 2.2 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
  3. 2.3 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
  4. 2.4 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

3. 製法の概要及び組成・性状

3.1 製法の概要

本剤は、破傷風菌(Harvard A-47株)を培養した培養液を除菌ろ過し、得られた毒素液にホルマリンを加えて無毒化した後、精製濃縮した破傷風トキソイド原液にリン酸塩緩衝塩化ナトリウム液を加えて希釈し、規定濃度になるように調製し、更にアルミニウム塩を加えて不溶性にした液剤である。
なお、本剤は製造工程でウシの乳由来成分(スキムミルク)及びウシの心臓由来成分(ハートエキス)並びにブタの胃由来成分(ペプトン)を使用している。

3.2 組成

本剤は、0.5mL中に次の成分を含有する。

沈降破傷風トキソイド「生研」

有効成分破傷風トキソイド   5Lf以下
添加剤塩化アルミニウム(III)六水和物   1.12mg
ホルマリン(ホルムアルデヒド換算)   0.05mg以下
チメロサール   0.002mg
塩化ナトリウム   4.25mg
リン酸水素ナトリウム水和物   0.863mg
リン酸二水素カリウム   0.125mg

3.3 製剤の性状

沈降破傷風トキソイド「生研」

pH5.4~7.4
浸透圧比約1(生理食塩液に対する比)
性状不溶性で、振り混ぜるとき均等に白濁する液剤

4. 効能又は効果

  • 破傷風の予防

6. 用法及び用量

初回免疫:通常、1回0.5mLずつを2回、3〜8週間の間隔で皮下又は筋肉内に注射する。

追加免疫:通常、初回免疫後6箇月以上の間隔をおいて、(標準として初回免疫終了後12箇月から18箇月までの間に)0.5mLを1回皮下又は筋肉内に注射する。ただし、初回免疫のとき、副反応の強かった者には、適宜減量する。以後の追加免疫のときの接種量もこれに準ずる。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 接種対象者・接種時期
    1. 7.1.1 初回免疫と追加免疫を完了した者には、数年ごとに再追加免疫として、通常、1回0.5mLを皮下又は筋肉内に注射する。なお、再追加免疫の接種間隔は職業、スポーツ等の実施状況を考慮すること。
    2. 7.1.2 初回免疫、追加免疫又は再追加免疫を受けた者で、破傷風感染のおそれのある負傷を受けたときは、直ちに本剤を通常、1回0.5mLを皮下又は筋肉内に注射する。
  2. 7.2 同時接種

    医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
  2. 8.2 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
  3. 8.3 本剤は添加剤としてチメロサール(水銀化合物)を含有している。チメロサール含有製剤の投与(接種)により、過敏症(発熱、発疹、蕁麻疹、紅斑、そう痒等)があらわれたとの報告があるので、問診を十分に行い、接種後は観察を十分に行うこと。
  4. 8.4 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、けいれん等の異常な症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。

9. 特定の背景を有する者に関する注意

9.1 接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)

被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。

  1. 9.1.1 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者

    ,

  2. 9.1.2 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
  3. 9.1.3 過去にけいれんの既往のある者
  4. 9.1.4 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
  5. 9.1.5 本剤の成分に対して、アレルギーを呈するおそれのある者
  6. 9.1.6 血小板減少症、凝固障害のある者、抗凝固療法を施行している者

    *筋肉注射部位の出血のおそれがある。

9.2 腎機能障害を有する者

接種要注意者である。

9.3 肝機能障害を有する者

接種要注意者である。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、本剤の接種による有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。なお、新生児破傷風の予防のために接種を行う場合、予診等を慎重に行い妊娠20〜36週頃に、通常、0.5mLずつ2回3〜8週間の間隔で皮下又は筋肉内に注射することが望ましい。

9.8 高齢者

接種に当たっては、予診等を十分に行い、被接種者の健康状態を観察すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副反応

次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副反応

  1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    全身発赤、呼吸困難、血管性浮腫等があらわれることがある。

11.2 その他の副反応

頻度不明

全身症状 1)

発熱、悪寒、頭痛、倦怠感、下痢、めまい、関節痛

局所症状(注射部位)2)

発赤、腫脹、疼痛、硬結

1) 一過性で2〜3日中に消失する。
2) 一過性で2〜3日中に消失する。ただし、硬結は1〜2週間残存することがある。また、2回以上の被接種者には、ときに著しい局所反応を呈することがあるが、通常、数日中に消失する。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤接種時の注意

  1. 14.1.1 接種時
    1. (1) 接種用器具は、ガンマ線等により滅菌されたディスポーザブル品を用い、被接種者ごとに取り換えること。
    2. (2) 冷蔵庫から取り出し室温になってから、必ず振り混ぜ均等にして使用すること。
    3. (3) 本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと。
    4. (4) 容器の栓及びその周囲をアルコールで消毒した後、注射針をさし込み、所要量を注射器内に吸引する。この操作に当たっては雑菌が迷入しないよう注意する。また、栓を取り外し、あるいは他の容器に移し使用しないこと。
    5. (5) 注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。
    6. (6) 一度針をさしたものは、当日中に使用すること。
  2. 14.1.2 接種部位
    1. (1) 接種部位は、通常、上腕伸側とし、アルコールで消毒する。なお、同一接種部位に反復して接種しないこと。
    2. (2) 筋肉内注射に当たっては、組織・神経などへの影響を避けるため以下の点に注意すること。
      • 神経走行部位を避けること。
      • 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。

17. 臨床成績

17.2 製造販売後調査等

  1. 17.2.1 国内臨床研究

    沈降破傷風トキソイド0.5mLを4週間隔で2回接種による初回免疫で、接種終了後4週の抗毒素量を測定すると、乳幼児52/52例 (100%)、学童・中学生168/178例 (94.4%)、成人・高齢者93/123例(75.6%)が感染防御に有効といわれている0.01IU/mL以上であった1)

  2. 17.2.2 国内臨床研究(小・中学生)

    小学生1561名、中学生311名に沈降破傷風トキソイド接種後の副反応についてアンケート調査を実施した。小学生1537名、中学生311名から回答を回収し、次の副反応が観察された2)

    小学生

    中学生

    調査例数

    1537

    311

    発赤(5cm以上)

    76例 (4.9%)

    7例 (2.3%)

    腫脹(5cm以上)

    70例 (4.6%)

    6例 (1.9%)

    肘関節を超えた発赤、腫脹は、小学生に1例(0.1%未満)のみであった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

本剤の接種により、破傷風トキソイドに対する血中抗体が産生され、防御抗体として働くことで、疾患の予防が期待される。

18.2 発症防御レベル

破傷風の予防には、本剤接種後、血中抗毒素が一定量以上産生される必要がある。破傷風の発症防御には0.01IU/mL以上の抗毒素量が必要と考えられている3),4)

18.3 効果の持続

一般的には、本剤を2回接種後、4週間で感染防御に必要な抗毒素量が得られるが、経時的に抗毒素量が低下する。感染防御効果を持続(抗毒素量の維持)するためにはさらに6〜12月、あるいは1年半後に3回目の追加免疫を行えば約4〜5年間は免疫状態が続くとされている5)

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は遮光して保存すること。

22. 包装

バイアル 0.5mL 1本

24. 文献請求先及び問い合わせ先

田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター

〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10

電話 0120-753-280

25. 保険給付上の注意

外傷後の破傷風予防に使用した場合は、保険給付の対象となる。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

デンカ株式会社

新潟県五泉市木越字鏡田1359番地1

26.2 販売元

田辺三菱製薬株式会社

大阪市中央区道修町3-2-10

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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