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処方箋医薬品注)
気管支喘息
本剤の投与開始前には、患者の喘息症状を比較的安定な状態にしておくこと。特に、喘息発作重積状態又は喘息の急激な悪化状態のときには原則として本剤は使用しないこと。
成人通常、成人にはシクレソニドとして100~400μgを1日1回吸入投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日の最大投与量は800μgとする。また、1日に800μgを投与する場合は、朝、夜の1日2回に分けて投与する。小児通常、小児にはシクレソニドとして100~200μgを1日1回吸入投与する。なお、良好に症状がコントロールされている場合は50μg1日1回まで減量できる。
症状を増悪するおそれがある。
本剤の肺内での作用を確実にするため本剤の吸入に先立って、分泌がある程度減少するまで他剤を使用することが望ましい。
本剤投与後の全身性ステロイド剤の減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払うこと。また、必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行うこと。これらの患者では副腎皮質機能不全となっていることが考えられる。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。本薬は動物実験(ラット、ウサギ)で胎盤通過性が報告されている1)。また、本薬は動物実験(ウサギ)で副腎皮質ステロイド剤に共通した催奇形作用が報告されている2)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本薬は動物実験(ラット)で乳汁中に移行(静脈内投与において投与量の0.044%以下)することが報告されている1)。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。高齢者での薬物動態試験で、活性代謝物である脱イソブチリル体の血中濃度が非高齢者に比べて高くなることが認められている。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある。
CYP3A4による代謝が阻害されることにより、本剤の活性代謝物である脱イソブチリル体の血中濃度が上昇する可能性がある。
1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒
血管浮腫等の過敏症状
口腔・呼吸器
咽喉頭症状(不快感、疼痛)、嗄声、口渇、口腔カンジダ症、味覚異常、声のかすれ
咳嗽
消化器
悪心
肝臓
ASTの増加、ALTの増加
精神神経系
倦怠感、頭痛
その他
呼吸困難注5)、尿中蛋白、胸部不快感注5)、胸痛注5)、気分不快、浮腫、動悸、気管支痙攣注5)
長期間の過量投与(用法及び用量の範囲を超えた量等)により、副腎皮質機能抑制等の全身性の作用がみられることがある。
患者の症状を観察しながら徐々に減量するなど適切な処置を行うこと。
患者には添付の携帯袋及び使用説明書を渡し、使用方法を指導すること。
本剤吸入後に、うがいを実施するよう指導すること(口腔内カンジダ症又は嗄声の予防のため)。ただし、うがいが困難な患者には、うがいではなく、口腔内をすすぐよう指導すること。
健康成人に本剤200又は400μgを単回吸入投与したときの血清中活性代謝物(脱イソブチリル体)の濃度推移及び動態パラメータを以下に示す3)。
用量
200μg(n=11)
400μg(n=11)
平均
標準偏差
AUCinf[μg・h/L]
0.669
0.213
1.485
0.650
Cmax[μg/L]
0.177
0.063
0.384
0.106
t1/2[h]
2.63
1.07
2.84
0.80
tmax[h]
0.53
0.59
0.38
0.25
健康成人に本剤800μgの用量を1日2回(1600μg/日)注7)、1週間反復吸入投与したとき、血清中脱イソブチリル体濃度は投与開始後4日でほぼ定常状態に達し、シクレソニド及び脱イソブチリル体共に蓄積性は認められなかった4)。
健康成人にシクレソニドをクロスオーバー法にて単回静脈内投与及び経口投与したとき、血漿中脱イソブチリル体のAUCに基づく経口バイオアベイラビリティーは1%未満であった(外国人データ)5)。
健康成人及び気管支喘息患者において99mTc標識した本剤を吸入投与し、シンチグラフィーにて分布を求めたところ、吸入されたシクレソニドのそれぞれ52%が肺に沈着した(外国人データ)6),7)。
シクレソニド(0.01~10μg/mL)のヒト血清蛋白結合率は98.9~99.4%であった(in vitro 試験)8)。脱イソブチリル体(0.5~500ng/mL)のヒト血漿蛋白結合率は98.1~98.8%であり、ワルファリン及びサリチル酸の影響を受けなかった(in vitro 試験)8)。
健康成人に14C-シクレソニド0.64mgを静脈内投与したとき、216時間までに66%が糞中に、20%が尿中に排泄された(外国人データ)13)。
肝機能障害患者(Child-Pugh分類A又はB)では、本剤1600μg注7)を単回吸入したとき、脱イソブチリル体のAUCinf及びCmaxは健康成人に比較して、中等症の肝機能障害患者でそれぞれ2.7倍及び2.0倍、重症の肝機能障害患者でそれぞれ1.8倍及び1.4倍に上昇した(外国人データ)14)。
小児気管支喘息患者(5~15歳)に本剤200μgを1日1回、1週間反復吸入投与したとき、最終投与時の血清中脱イソブチリル体の動態パラメータは下表のとおりであった15)。
200μg(n=8)
AUCτ注6)[μg・h/L]
0.670
0.409
0.168
0.105
3.24
1.47
0.62
0.23
健康高齢者(65~77歳)では、本剤1600μg注7)を単回吸入投与したとき、脱イソブチリル体のAUCinf及びCmaxは健康非高齢者(24~43歳)に比較して、それぞれ2.1倍及び2.4倍に上昇した(外国人データ)16)。
成人気管支喘息患者(軽・中等症)311例におけるプラセボ対照の二重盲検比較試験において、対照観察期間(4週間)にクロロフルオロカーボン(CFC)を噴射剤に使用したベクロメタゾンプロピオン酸エステル吸入剤(BDP-CFC)400μg/日を投与し、治験薬投与期間に本剤100、200、400μg又はプラセボを1日1回、8週間投与した結果は、下表のとおりであった18)。
投与群
変化量注8)
プラセボ群との差注8)[95%信頼区間]
プラセボ(79例)
-24.95±4.34
-
100μg(78例)
4.23±4.79
28.58±6.46[15.72,41.44]
200μg(71例)
3.75±4.80
28.67±6.35[16.01,41.33]
400μg(83例)
-0.40±4.26
24.55±5.85[12.92,36.18]
本試験における本剤の自他覚症状の副作用は、100μg群で3/78例(3.8%)、200μg群で5/71例(7.0%)、400μg群で6/83例(7.2%)に認められた。内訳は、100μg群で傾眠、発疹、口渇が各1例、200μg群で発疹2例、口腔カンジタ症、発声障害、口唇炎が各1例、400μg群で口の錯感覚、呼吸困難、嗄声、咽喉頭疼痛、異常感、浮腫が各1例であった。臨床検査値異常の副作用は、100μg群で1/78例(1.3%)、200μg群で0/71例(0.0%)、400μg群で3/83例(3.6%)に認められた。内訳は、100μg群で好酸球百分率増加が1例、400μg群で尿中蛋白陽性2例、血中クレアチニン増加、血小板数減少、AST増加、ALT増加が各1例であった。
成人気管支喘息患者(中等・重症)319例におけるクロロフルオロカーボン(CFC)を噴射剤に使用したベクロメタゾンプロピオン酸エステル吸入剤(BDP-CFC)対照の非盲検比較試験において、対照観察期間(4週間)にBDP-CFC 800μg/日を投与し、治験薬投与期間に本剤を1回400μgの用量で1日1回又は2回(400又は800μg/日)、又はBDP-CFCを1回400μgの用量で1日2回(800μg/日)、8週間投与した結果は、下表のとおりであった19)。
変化量注9)
対照群との差注9)[95%信頼区間]
対照群(BDP-CFC)(106例)
5.91±3.75
400μg(106例)
16.02±3.78
10.11±5.61[-1.02,21.24]
800μg(107例)
23.98±3.74
18.07±5.60[6.97,29.17]
本試験における本剤の自他覚症状の副作用は、400μg群で9/106例(8.5%)、800μg群で4/107例(3.7%)に認められた。内訳は、400μg群で胸部不快感、呼吸困難が各2例、頭痛、感覚減退、嗅覚錯誤、動悸、嗄声、ざ瘡、胸痛、口渇が各1例、800μg群で嗄声2例、咽頭不快感、口腔内不快感が各1例であった。臨床検査値異常の副作用は、400μg群で0/106例(0.0%)、800μg群で3/107例(2.8%)に認められた。内訳は、800μg群でAST増加、ALT増加、オステオカルシン減少、血中コルチゾール値上昇、尿中蛋白陽性が各1例であった。
成人気管支喘息患者143例を対象にした長期投与試験において、本剤(200~800μg/日)を12ヵ月間投与したときの結果は下図のとおりであった20)。
本試験における本剤の安全性評価対象143例中8例(5.6%)に自他覚症状の副作用が認められた。2例以上の副作用は、呼吸困難、倦怠感が各2例であった。臨床検査値異常の副作用は、143例中5例(3.5%)に認められた。内訳は、AST増加、ALT増加、リンパ球百分率減少、好中球百分率増加、血中ビリルビン増加、尿中蛋白陽性、尿中ブドウ糖陽性が各1例であった。
変化量注10)[95%信頼区間]
参照群(BDP-HFA)(40例)
19.68±5.18[9.20,30.15]
50μg(43例)
19.67±4.73[10.14,29.21]
100μg(41例)
34.26±4.08[26.02,42.50]
200μg(42例)
24.05±4.02[15.93,32.16]
本試験における本剤の副作用(臨床検査値の異常を含む)は、50μg群で0/43例(0.0%)、100μg群で0/41例(0.0%)、200μg群で2/42例(4.8%)に認められた。内訳は、200μg群で喘息及び肝機能異常が各1例であった。
本試験における安全性評価対象69例に副作用(臨床検査値の異常を含む)は認められなかった。
活性代謝物である脱イソブチリル体のグルココルチコイド受容体に対する結合親和性は未変化体(シクレソニド)の100倍以上高く、脱イソブチリル体が薬理活性の本体と考えられる23)。
ヒト末梢血Tリンパ球を用いたin vitro試験において、脱イソブチリル体は喘息の気道炎症反応において重要なIL-4やIL-5などの各種炎症性サイトカイン産生を抑制した23)。また卵白アルブミン感作したラットにおいて、シクレソニドは気道内への好酸球浸潤及びTNFα産生を抑制した23)。
シクレソニド(Ciclesonide)
16α,17-[(1R)-Cyclohexylmethylidenedioxy]-11β,21-dihydroxypregna-1,4-diene-3,20-dione 21-(2-methylpropionate)
C32H44O7
540.69
白色~黄白色の結晶性の粉末で、N, N-ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール(99.5)及びアセトンに溶けやすく、ヘキサンに極めて溶けにくく、水にはほとんど溶けない。
209℃
6.6g×1、6.6g×10(専用アダプター付)
3.3g×1、3.3g×10(専用アダプター付)
1) 社内報告: 薬物動態(妊娠ラット、妊娠ウサギ). 2007.(2007年4月18日承認、CTD2.6.4.4.3、2.6.4.6.6)
2) 社内報告: 生殖発生毒性(ラット、ウサギ). 2007.(2007年4月18日承認、CTD2.6.6.6)
3) 深瀬広幸.: 薬理と治療. 2006; 34(11): 1191-9.
4) 深瀬広幸.: 薬理と治療. 2006; 34(11): 1201-8.
5) Nave R, et al.: Clin Pharmacokinet. 2004; 43(7): 479-86.
6) Leach CL, et al.: J Aerosol Med. 2006; 19(2): 117-26.
7) Newman S, et al.: Respir Med. 2006; 100(3): 375-84.
8) Rohatagi S, et al.: Am J Ther. 2005; 12(3): 201-9.
9) Nave R, et al.: Biopharm Drug Dispos. 2006; 27(4): 197-207.
10) 社内報告: 代謝(ラット肺組織). 2007.(2007年4月18日承認、CTD2.6.4.5.1)
11) 社内報告: 代謝(ヒト肝細胞、肝ミクロソーム). 2007.(2007年4月18日承認、CTD2.7.2.2.2)
12) Peet CF, et al.: Eur J Drug Metab Pharmacokinet. 2005; 30(4): 275-86.
13) 社内報告: 排泄(健康成人). 2007.(2007年4月18日承認、CTD2.7.1.2.1.2)
14) 社内報告: 薬物動態(肝機能障害患者). 2007.(2007年4月18日承認、CTD2.7.2.2.5.2)
15) 社内報告: 薬物動態(小児気管支喘息患者). 2010.(2011年1月21日承認、CTD2.7.2.2.1)
16) 社内報告: 薬物動態(健康高齢者). 2007.(2007年4月18日承認、CTD2.7.2.2.5.1)
17) 社内報告: 薬物動態(健康成人、CYP3A4阻害剤併用). 2007.(2007年4月18日承認、CTD2.7.2.2.5.4)
18) 社内報告: プラセボとの二重盲検比較試験(気管支喘息患者). 2007.(2007年4月18日承認、CTD2.7.3.2)
19) 社内報告: 対照薬との非盲検比較試験(気管支喘息患者). 2007.(2007年4月18日承認、CTD2.7.3.2)
20) Adachi M, et al.: Ther Res. 2008; 29(5): 821-32.
21) 社内報告: 用量確認試験(小児気管支喘息患者). 2010.(2011年1月21日承認、CTD2.7.3.2.1)
22) 社内報告: 長期投与試験(小児気管支喘息患者). 2010.(2011年1月21日承認、CTD2.7.3.2.2)
23) Stoeck M, et al.: J Pharmacol Exp Ther. 2004; 309(1): 249-58.
24) 社内報告: 喘息抑制作用(卵白アルブミン感作ラット). 2007.(2007年4月18日承認、CTD2.6.2.2.2)
25) Kanniess F, et al.: Pulm Pharmacol Ther. 2001; 14(2): 141-7.
26) 社内報告: 血清コルチゾール及びオステオカルシン濃度への影響(気管支喘息患者). 2007.(2007年4月18日承認、CTD5.3.5.1.2)
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