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処方箋医薬品注)
骨折の危険性の高い骨粗鬆症
本剤の適用にあたっては、低骨密度、既存骨折、加齢、大腿骨頚部骨折の家族歴等の骨折の危険因子を有する患者を対象とすること。
通常、成人には1日1回アバロパラチドとして80μgを皮下に注射する。なお、本剤の投与は18ヵ月間までとすること。
本剤は、一過性に血清カルシウム及び尿中カルシウムを変動させるため、症状を悪化させる可能性がある。
患者の状態を観察し、病態の悪化がないか注意しながら本剤を投与すること。副甲状腺ホルモンは血管平滑筋の拡張作用や心筋への陽性変時・陽性変力作用を示すことが報告されている。
閉経前の骨粗鬆症患者を対象とした臨床試験は実施していない。
定期的に腎機能検査を行うこと。
臨床薬理試験において、重度の腎機能障害患者では、血中からのアバロパラチドの消失に遅延が認められている。
重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊娠する可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与期間中は有効な避妊を行うように指導すること。妊娠が認められた場合には、本剤の投与を中止すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。本剤を用いた雌の生殖発生毒性試験は実施されていないが、類薬[テリパラチド(遺伝子組換え)製剤又はテリパラチド酢酸塩製剤]ではウサギにおいて胎児毒性(胎児死亡等)、マウスにおいて胎児の骨格変異又は異常のわずかな増加、ラットにおいて出生児の体重増加抑制及び自発運動量の低下が報告されている。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤がヒト乳汁中に移行するかどうかは不明である。
小児等及び若年者で骨端線が閉じていない患者には投与しないこと。小児等を対象とした臨床試験は実施していないが、これらの患者では、一般に骨肉腫発生のリスクが高いと考えられている。
活性型ビタミンD製剤
血清カルシウム値が上昇するおそれがあるため、併用は避けることが望ましい。
相加作用による。
ジギタリス製剤
,
高カルシウム血症に伴い不整脈があらわれることがある。
血清カルシウム値が上昇すると、ジギタリスの作用が増強される。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
心臓
動悸
頻脈
*胃腸
悪心
上腹部痛、嘔吐
腹部膨満
*全身および投与部位
注射部位反応(紅斑、発赤、内出血、疼痛、そう痒感、出血、腫脹、浮腫、変色)、無力症
疲労、倦怠感
代謝・栄養障害
高カルシウム血症
*筋骨格
筋痙縮
四肢痛、背部痛
神経系
浮動性めまい
頭痛
腎および尿路
高カルシウム尿症
尿路結石症
*皮膚
そう痒症、発疹
その他
尿中カルシウム/クレアチニン比増加
血清尿酸増加、起立性低血圧、心拍数増加、回転性めまい
高カルシウム血症、起立性低血圧、悪心、嘔吐、めまい、無力症、頻脈及び頭痛が起こる可能性がある。
特異的解毒薬はない。過量投与が疑われる場合は、本剤の投与を中止すること。血清カルシウム濃度を測定し、輸液等の適切な処置を行うこと。
男性患者に対する使用経験は少ない。
日本人閉経後健康女性8例に本剤80μgを単回皮下投与したとき、血漿中アバロパラチド濃度は速やかにピークに達し、また消失も速やかであった2)。
Cmax(pg/mL)
tmax(h)
t1/2(h)
AUCt(pg・h/mL)
431.61±126.54
0.500(0.25-1.07)
1.007±0.254
666.67±134.09
平均値±標準偏差、tmaxは中央値(最小値-最大値)
日本人閉経後健康女性8例に本剤80μgを1日1回、7日間反復皮下投与したとき、Cmax及びAUCtの反復投与による累積は認められなかった2)。日本人閉経後骨粗鬆症患者に本剤80μgを1日1回、48週間反復皮下投与したときの薬物動態パラメータは下記のとおりであった3)。
PK評価時期(n)
CL/F(L/h)
9週(n=19)
523.57±118.59
0.500(0.22-1.50)
1.372±0.618
921.81±304.48
88.20±44.41
36週(n=17)
264.00±182.23
0.500(0.25-0.63)
1.649±1.385
407.38±278.03
194.36±122.06
CL/F:見かけの全身クリアランス
母集団薬物動態解析により外国人骨粗鬆症女性患者817例(第Ⅲ相試験)に本剤80μgを反復皮下投与したときのバイオアベイラビリティは約70%と推定された4)。
ヒト血漿蛋白結合率は70~74%であった(in vitro)5)。
ヒト肝及び腎ホモジネートを用いた検討より、アバロパラチドはペプチド断片へ代謝されることが示された(in vitro)6)。
ラットに125I-アバロパラチドを単回皮下投与した結果、投与放射能の約80%以上が尿中へ排泄された7)。
外国人腎機能障害患者及び腎機能正常被験者に本剤80μgを単回皮下投与したとき、曝露量は腎機能障害の程度に応じて増加した。腎機能が正常な被験者に対し重度の腎機能障害患者ではCmaxの幾何平均値は1.4倍、AUCinfの幾何平均値は2.1倍に増加した。投与後24時間の血漿中薬物濃度はいずれの患者でも定量下限(20pg/mL)未満であり、血漿からの消失は十分に速やかであると考えられた8)。したがって、腎機能の程度によって、用法及び用量を変更する必要はないと考えられた。なお、透析患者を対象とした試験は実施していない。
Ccr(mL/min)
n
AUCinf(pg・h/mL)
正常(90以上)
8
431.0±142.0
0.38(0.25-0.50)
1.13±0.35
576.4±213.6
軽度(60以上90未満)
444.0±153.4
0.26(0.25-0.55)
1.20±0.77
652.1±201.7
中等度(30以上60未満)
7
574.9±135.6
0.28(0.25-1.02)
1.48±0.43
955.6±306.8
重度(15以上30未満)
639.0±270.6
0.25(0.25-0.50)
1.85±0.81
1240.5±514.9
Ccr:クレアチニンクリアランス
骨折の危険性の高い骨粗鬆症患者を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験において、206例(うち男性20例)にプラセボ又は本剤80μgを18ヵ月間皮下投与した。その結果、ベースラインからの腰椎(L1-L4)骨密度の変化率の最小二乗平均値注1)は、最終観察時においてプラセボ群及び本剤80μg群でそれぞれ3.8%(70例)及び16.3%(136例)であり、本剤80μg群はプラセボ群に対して有意な骨密度増加作用を示した(p<0.001)9),10)。副作用発現頻度は32.1%(45/140例)であった。主な副作用は悪心5.7%(8例)、動悸5.0%(7例)、注射部位内出血4.3%(6例)、血中カルシウム増加4.3%(6例)、血中尿酸増加3.6%(5例)等であった10)。,
骨折の危険性の高い閉経後骨粗鬆症患者2,463例を対象としたプラセボ対照無作為化並行群間比較試験においてプラセボ、本剤80μg又はテリパラチド20μgを、プラセボ及び本剤は二重盲検下で、テリパラチドは非盲検下で、1日1回、18ヵ月間皮下投与した。プラセボ群及び本剤群における、新規椎体骨折、非椎体骨折、臨床骨折及び主要な骨粗鬆症性骨折の結果は下記のとおりであり、主要評価項目である新規椎体骨折の骨折発生率について、プラセボ群に対する本剤群の優越性注5)が示された(p<0.0001)。
骨折発生率
相対リスク減少又はハザード比(95%信頼区間)
アバロパラチド
プラセボ
椎体骨折
0.58(4/690)
4.22(30/711)
-0.86(-0.95~-0.61)
非椎体骨折注2)
2.2(18/824)
4.0(33/821)
0.57(0.32~1.00)
臨床骨折注3)
3.3(27/824)
6.0(49/821)
0.57(0.35~0.91)
主要な骨粗鬆症性骨折注4)
1.2(10/824)
4.1(34/821)
0.30(0.15~0.61)
相対リスク減少(95%信頼区間):椎体骨折
ハザード比(95%信頼区間):非椎体骨折、臨床骨折、主要な骨粗鬆症性骨折[Cox比例ハザードモデルを用いて算出した]
投与18ヵ月後におけるベースラインからの腰椎(L1-L4)骨密度の変化率(平均値±標準偏差)は、本剤80μg群で9.20±7.54%(823例)、プラセボ群で0.48±3.82%(821例)であった。副作用発現頻度は38.0%(312/822例)であった。主な副作用は、高カルシウム尿症9.9%(81例)、浮動性めまい6.3%(52例)、悪心5.4%(44例)、頭痛3.8%(31例)、動悸3.2%(26例)等であった11)。
アバロパラチドはヒト副甲状腺ホルモン関連タンパク質のN末端から34個のアミノ酸配列の一部を改変したポリペプチドであり、骨芽細胞の副甲状腺ホルモン1型受容体に選択的に作用する。本薬を1日1回の投与頻度で皮下投与すると、骨芽細胞が増加して骨形成が促進され、骨量が増加する12)。
卵巣摘除ラットに本薬を1日1回、12ヵ月間皮下投与した結果、1µg/kg/day以上の投与用量で腰椎の骨密度及び骨強度、大腿骨の骨密度及び骨強度が増加した12),13)。また、卵巣摘除サルに本薬を1日1回、16ヵ月間皮下投与した結果、0.2µg/kg/day以上の投与用量で大腿骨の骨密度、1µg/kg/day以上の投与用量で腰椎の骨密度、5µg/kg/dayの投与用量で腰椎の骨強度が増加した14)。
アバロパラチド酢酸塩(Abaloparatide Acetate)
C174H300N56O49・xC2H4O2
3960.59(遊離塩基として)
白色の粉末
(Ala-Val-Ser-Glu-His-Gln-Leu-Leu-His-Asp-Lys-Gly-Lys-Ser-Ile-Gln-Asp-Leu-Arg-Arg-Arg-Glu-Leu-Leu-Glu-Lys-Leu-Leu-Aib-Lys-Leu-His-Thr-Ala-NH2)・xC2H4O2Aib:2-methylalanine
アバロパラチド酢酸塩は、34個のアミノ酸残基からなるアバロパラチドの酢酸塩である。アバロパラチドはヒト副甲状腺ホルモン関連タンパク質(hPTHrP)類縁体で、hPTHrPのアミノ酸配列の1~34番目に相当し、そのうち22、23、25、26、28、29、30、31及び34番目のアミノ酸残基はそれぞれGlu、Leu、Glu、Lys、Leu、2-methylAla、Lys、Leu及びAla-NH2に置換されている合成ペプチドである。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
0.75mL(1カートリッジ)
1) 社内報告: がん原性(ラット). 2021.(3mg製剤: 2021年3月23日承認、CTD2.6.6.5)
2) 社内報告: 血漿中濃度(閉経後健康女性、単回及び反復). 2021.(3mg製剤: 2021年3月23日承認、CTD2.7.2.2)
3) 社内報告: 血漿中濃度(閉経後骨粗鬆症患者、反復). 2021.(3mg製剤: 2021年3月23日承認、CTD2.7.2.2)
4) 社内報告: 母集団薬物動態解析(骨粗鬆症女性患者、健康成人). 2021.(3mg製剤: 2021年3月23日承認、CTD2.7.2.2)
5) 社内報告: 薬物動態(血漿蛋白結合率). 2021.(3mg製剤: 2021年3月23日承認、CTD2.6.4.4)
6) 社内報告: 薬物動態(ヒト肝及び腎ホモジネート). 2021.(3mg製剤: 2021年3月23日承認、CTD2.6.4.5)
7) 社内報告: 薬物動態(ラット排泄). 2021.(3mg製剤: 2021年3月23日承認、CTD2.6.4.6)
8) 社内報告: 薬物動態(腎機能障害患者). 2021.(3mg製剤: 2021年3月23日承認、CTD2.7.2.2)
9) Matsumoto T, et al.: J Clin Endocrinol Metab. 2022; 107(10): e4222-e4231.(doi: 10.1210/clinem/dgac486)
10) 社内報告: 国内プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験(骨折の危険性の高い骨粗鬆症). 2021.(3mg製剤: 2021年3月23日承認、CTD2.7.6)
11) Miller PD, et al.: JAMA. 2016; 316(7): 722-733.
12) Varela A, et al.: J Bone Miner Res. 2017; 32(1): 24-33.
13) Varela A, et al.: Bone. 2017; 95: 143-50.
14) Doyle N, et al.: Osteoporos Int. 2018; 29(3): 685-97.
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