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日本薬局方
**フェブキソスタット錠
処方箋医薬品注)
成人通常、成人にはフェブキソスタットとして1日10mgより開始し、1日1回経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1日1回40mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回60mgとする。
*小児通常、小児には体重に応じてフェブキソスタットとして下記の投与量を1日1回経口投与する。体重40kg未満:通常、1日5mgより開始し、1日1回経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1日1回20mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回30mgとする。体重40kg以上:通常、1日10mgより開始し、1日1回経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1日1回40mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回60mgとする。
通常、成人にはフェブキソスタットとして60mgを1日1回経口投与する。
重度の腎機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。
肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で本剤が乳汁中に移行することが報告されている。また、動物実験(ラットにおける出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験)の12mg/kg/日(60mg/日でのヒトの血漿中曝露量の11.1倍)以上で出生児の腎臓にキサンチンと推定される結晶沈着あるいは結石、48mg/kg/日(60mg/日でのヒトの血漿中曝露量の39.3倍)で離乳率の低下、体重低値などの発育抑制、甲状腺の大型化及び甲状腺重量増加の傾向が認められている1)。
*成長に伴う血中尿酸値の変動を考慮し、定期的に用量調節の必要性を検討すること。低出生体重児、新生児、乳児、幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察し、十分に注意しながら本剤を投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
メルカプトプリン水和物(ロイケリン)
アザチオプリン(イムラン、アザニン)
骨髄抑制等の副作用を増強する可能性がある。
アザチオプリンの代謝物メルカプトプリンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼの阻害により、メルカプトプリンの血中濃度が上昇することがアロプリノール(類薬)で知られている。本剤もキサンチンオキシダーゼ阻害作用をもつことから、同様の可能性がある。
ビダラビン
幻覚、振戦、神経障害等のビダラビンの副作用を増強する可能性がある。
ビダラビンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼの阻害により、ビダラビンの代謝を抑制し、作用を増強させることがアロプリノール(類薬)で知られている。本剤もキサンチンオキシダーゼ阻害作用をもつことから、同様の可能性がある。
ジダノシン
ジダノシンの血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は、ジダノシンの投与量に注意すること。
ジダノシンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼの阻害により、健康成人及びHIV患者においてジダノシンのCmax及びAUCが上昇することがアロプリノール(類薬)で知られている。本剤もキサンチンオキシダーゼ阻害作用をもつことから、同様の可能性がある。
ロスバスタチン
ロスバスタチンの血中濃度が上昇する可能性がある。
本剤がBCRPを阻害することにより、ロスバスタチンのAUCが約1.9倍、Cmaxが約2.1倍上昇したとの報告がある2)。
AST、ALT等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。
全身性皮疹、発疹などの過敏症があらわれることがある。
1~5%未満
1%未満
頻度不明
血液
白血球数減少
血小板数減少、貧血
内分泌系
TSH増加
神経系
手足のしびれ感、浮動性めまい、傾眠
頭痛、味覚異常
心臓
心電図異常
動悸
胃腸
下痢、腹部不快感、悪心、腹痛
肝・胆道系
肝機能検査値異常(AST増加、ALT増加、γ-GTP増加等)
皮膚
発疹、そう痒症、紅斑
蕁麻疹、脱毛
筋骨格系
関節痛
四肢痛、四肢不快感、CK増加、筋肉痛
腎及び尿路
β-NアセチルDグルコサミニダーゼ増加、尿中β2ミクログロブリン増加、血中クレアチニン増加、血中尿素増加、頻尿
尿量減少
その他
倦怠感、口渇、血中トリグリセリド増加、CRP増加、血中カリウム増加
浮腫
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
海外で実施された心血管疾患を有する成人の痛風患者を対象とした二重盲検非劣性試験において、主要評価項目(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、不安定狭心症に対する緊急血行再建術の複合エンドポイント)についてはアロプリノール群に対しフェブキソスタット群で非劣性が示されたものの、副次評価項目のうち心血管死の発現割合はフェブキソスタット群及びアロプリノール群でそれぞれ4.3%(134/3,098例)、3.2%(100/3,092例)でありフェブキソスタット群で高かった(ハザード比[95%信頼区間]: 1.34[1.03, 1.73])。心血管死の中では両群ともに心突然死が最も多かった(フェブキソスタット群2.7%(83/3,098例)、アロプリノール群1.8%(56/3,092例))。また、全死亡の発現割合についても、フェブキソスタット群及びアロプリノール群でそれぞれ7.8%(243/3,098例)、6.4%(199/3,092例)でありフェブキソスタット群で高かった(ハザード比[95%信頼区間]: 1.22[1.01, 1.47])。
げっ歯類を用いた104週間投与によるがん原性試験において、最高用量群(ラット24mg/kg/日[60mg/日でのヒトの血漿中曝露量の約25(雄)及び26(雌)倍]、マウス18.75mg/kg/日[60mg/日でのヒトの血漿中曝露量の約4(雄)及び12(雌)倍])の膀胱にキサンチンと推定される結晶沈着・結石が認められ、マウスの18.75mg/kg/日(雌)及びラットの24mg/kg/日(雄)に膀胱腫瘍(移行上皮乳頭腫及び移行上皮癌)の発生頻度の増加が認められた。マウスでは膀胱にキサンチン結晶・結石が生成しない条件下で、膀胱移行上皮の過形成は認められなかった。げっ歯類では、結晶・結石などによる機械的刺激が長時間持続することにより、膀胱粘膜の腫瘍性変化が誘発されるとの報告がある。また、臨床試験において、キサンチン結晶・結石を疑わせる尿沈渣所見はなかった3)。
健康成人男性30例に、フェブキソスタットとして10、20、40及び80mg注1)を絶食下で単回経口投与したとき、血漿中フェブキソスタットの濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりである4),5)。
用量
薬物動態パラメータ
AUCinf(ng・h/mL)
Cmax(ng/mL)
t1/2(h)
tmax(h)
10mg(N=8)
1537.0±430.9
496.2±166.0
6.2±0.9
1.4±1.1
20mg(N=8)
3296.2±751.9
1088.3±178.9
6.2±1.1
1.3±0.5
40mg(N=8)
7085.2±1341.2
2270.3±866.7
7.3±1.8
1.2±0.8
80mg(N=6)
13300.5±3032.3
3765.3±1008.3
6.9±1.8
1.9±1.0
(平均値±標準偏差)
健康成人男性6例に、フェブキソスタットとして40mgを朝食後に1日1回7日間反復経口投与したとき、血漿中フェブキソスタット濃度は投与開始後3日で定常状態に達し、反復投与による蓄積性は認められなかった6)。
観察日
AUC0,24h(ng・h/mL)
40mg/日(N=6)
1日目
1019.1±343.2
1.8±0.8
3658.5±625.6
6.3±1.6
7日目
1299.8±312.6
1.5±0.3
4442.1±729.5
8.8±2.2
成人の高尿酸血症患者10例にフェブキソスタット10mg/日で2週間、20mg/日を4週間1日1回朝食後に投与したとき、投与開始後6週における薬物動態パラメータは以下のとおりであった7)。
20mg(N=10)
541.8±227.8
2.2±1.6
2092.3±463.2
8.2±2.4
健康成人、腎機能低下患者及び小児高尿酸血症患者142例から得られた血漿中フェブキソスタット濃度に基づく母集団薬物動態解析を実施した。小児高尿酸血症患者に本剤を食後に1日1回反復経口投与したとき、各体重区分(40kg未満及び40kg以上)での定常状態における薬物動態パラメータの推定値は以下のとおりであった8)。
体重区分
例数
Cmax,ss(ng/mL)
AUCτ,ss(ng・h/mL)
40kg未満
5mg
10
193±54
1199±371
10mg
386±107
2398±743
20mg
6
797±282
4798±1902
30mg
2
788, 1432
4251, 11305
40kg以上
19
301±90
1686±709
18
604±184
3426±1439
40mg
12
1252±343
6724±2343
60mg
4
1719±495
7582±559
(平均値±標準偏差、2例以下の場合は個別値)
健康成人16例に、フェブキソスタット40mgを食後に単回経口投与したとき、空腹時投与に比べて、Cmax及びAUCinfはそれぞれ28及び18%低下した4)。
投与群
絶食下投与(N=16)
2049.1±782.3
6538.3±1263.0
6.8±1.7
食後投与(N=16)
1456.0±514.8
1.8±1.0
5321.6±910.4
6.3±1.5
フェブキソスタット(0.4~10μg/mL添加時)のヒト血漿蛋白結合率は97.8~99.0%であり、主な結合蛋白はアルブミンであった(in vitro試験)9)。
フェブキソスタットの主な代謝経路はグルクロン酸抱合反応であった。また、その他に複数の酸化代謝物、それらの硫酸抱合体及びグルクロン酸抱合体に代謝された10)。フェブキソスタットのCYP1A2、CYP2B6、CYP2C9、CYP2C19、及びCYP3A4/5に対する阻害は認められなかった。一方、フェブキソスタットのCYP2C8及びCYP2D6に対するKi値はそれぞれ20及び40μmol/Lであった(ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験)9),11)。フェブキソスタットはCYP1A1/2、CYP2B6、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1及びCYP3A4/5を誘導しなかった(ヒト初代肝細胞を用いたin vitro試験)11)。
成人の軽度(5例)及び中等度(7例)の腎機能低下患者にフェブキソスタット20mgを1日1回朝食後に7日間反復経口投与したとき、投与後7日における軽度腎機能低下群のフェブキソスタットのCmaxは腎機能正常群(9例)と変わらなかったが、AUC0,24hは腎機能正常群に比較して53%増加した。中等度腎機能低下群のCmax及びAUC0,24hは腎機能正常群に比較して、それぞれ26及び68%増加した12)。成人の軽度(6例)、中等度(7例)及び重度(7例)の腎機能低下患者にフェブキソスタット80mg注1)を1日1回朝食前に7日間反復経口投与したとき、投与後7日におけるフェブキソスタットのCmax及びAUC0,24hは、腎機能正常群(11例)に比較して軽度、中等度、重度腎機能低下群でそれぞれ41及び48%、2及び48%、4及び76%上昇した(外国人のデータ)13)。
成人の軽度(8例)及び中等度(8例)の肝機能低下患者(Child-Pugh A、B)にフェブキソスタット80mg注1)を1日1回朝食前に7日間反復経口投与したとき、軽度肝機能低下群の投与後7日におけるフェブキソスタットのCmax及びAUC0,24hは、肝機能正常群(11例)と比較してそれぞれ24及び30%上昇した。また、中等度肝機能低下群のCmax及びAUC0,24hはそれぞれ53及び55%上昇した(外国人のデータ)14)。
高齢者(65歳以上、24例)と若年者(18~40歳、24例)にフェブキソスタット80mg注1)を1日1回朝食前に7日間反復経口投与したとき、投与後7日における高齢者のCmax及びAUC0,24hは若年者に対してそれぞれ1%低下及び12%上昇した(外国人のデータ)15)。
フェブキソスタット80mg注1)を1日1回朝食前に7日間反復経口投与したとき、投与後7日における成人の女性被験者群(24例)のCmax及びAUC0,24hは成人の男性被験者群(24例)に比較してそれぞれ24及び12%高かった(外国人のデータ)15)。
健康成人24例に制酸剤(5mL中に水酸化マグネシウム200mg及び水酸化アルミニウム225mgを含有する配合剤)を単回経口投与後にフェブキソスタット80mg注1)を単回経口投与したとき、フェブキソスタットのCmax及びAUCinfはそれぞれ32及び15%低下した(外国人のデータ)16)。
健康成人22例にフェブキソスタット40mgを1日1回7日間反復経口投与し、更に4~7日目にコルヒチンを1.2mg/日で1日2回反復経口投与したとき、フェブキソスタットのCmax及びAUC0,24hはそれぞれ12及び7%上昇した(外国人のデータ)17)。健康成人26例にフェブキソスタット120mg注1)を1日1回及びコルヒチンを1.2mg/日で1日2回14日間反復経口投与したとき、コルヒチンの朝食前投与後もしくは夕食後投与後のCmaxはそれぞれ12%低下及び2%上昇した。また、AUC0,24hは3%低下した17)。
健康成人26例にフェブキソスタット80mg注1)を1日1回及びインドメタシン100mg/日で1日2回5日間反復経口投与したとき、フェブキソスタットのCmaxは7%低下し、AUC0,24hは2%上昇した。また、インドメタシンのCmax及びAUC0,24hの低下は2%以内であった(外国人のデータ)18)。
健康成人25例にフェブキソスタット80mg注1)を1日1回及びナプロキセン1000mg/日を1日2回7日間反復経口投与したとき、ナプロキセンの併用により、フェブキソスタットのCmax及びAUC0,24hはそれぞれ28及び40%上昇した。一方、フェブキソスタットの併用によるナプロキセンのCmaxの上昇及びAUC0,24hの低下は1%以内であった(外国人のデータ)18)。
健康成人18例にフェブキソスタット120mg注1)を1日1回9日間反復経口投与し、投与開始後6日にデシプラミン(国内未承認)25mgを単回経口投与したとき、デシプラミンのCmax及びAUCinfはそれぞれ16及び22%上昇した(外国人のデータ)19)。
健康成人13例にフェブキソスタット120mg注1)とワルファリンナトリウム(国内未承認)(用量はINRを基準に設定)を1日1回14日間反復経口投与したとき、R-及びS-ワルファリンのCmax及びAUC0,24hの上昇は5%以内であった。また、ワルファリンの薬力学の変化(INRmaxの上昇、INRmean,24hの低下及び第Ⅶ因子活性平均値の上昇)は7%以内であった(外国人のデータ)20)。健康成人27例にフェブキソスタット80mg注1)とワルファリンナトリウム(国内未承認)(用量はINRを基準に設定)を1日1回14日間反復経口投与したとき、R-ワルファリンのCmax及びAUC0,24hの低下は2%以内であった。また、S-ワルファリンのCmaxの低下及びAUC0,24hの上昇は1%以内であった。また、ワルファリンの薬力学の変化(INRmaxとINRmean,24hの低下及び第Ⅶ因子活性平均値の上昇)は4%以内であった(外国人のデータ)20)。
健康成人33例にフェブキソスタット80mg注1)とヒドロクロロチアジド50mgを単回経口投与したとき、フェブキソスタットのCmax及びAUCinfの上昇は4%以内であった(外国人のデータ)21)。
健康成人23例にフェブキソスタット80mg注1)を1日1回7日間反復経口投与し、投与開始後5日にテオフィリン400mgを単回経口投与したとき、テオフィリンのCmax及びAUCinfの上昇は5%以内であった(外国人のデータ)22)。
健康成人36例にフェブキソスタット120mg注1)を1日1回9日間反復経口投与し、投与開始後5日にロシグリタゾン(国内未承認)4mgを単回経口投与したとき、ロシグリタゾンのCmaxの低下及びAUCinfの上昇は6%以内であった23)。
痛風を含む高尿酸血症患者202例を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲検用量反応比較試験を行った。本剤10mg/日から投与を開始し、各群の固定維持用量(20、40、60又は80mg注4)/日)まで用量を段階的に増量した。増量のタイミングは投与開始後2、6及び10週とし、これ以降16週まで用量を維持した。なお、女性患者はプラセボ群1/38例、本剤20mg/日群2/43例、本剤40mg/日群0/41例、本剤60mg/日群1/36例、本剤80mg/日群1/41例であった。投与開始後16週時(各群の維持用量まで用量を段階的に増量した期間を含む)に、血清尿酸値が6.0mg/dL以下に到達した患者の割合(達成率)及び各投与期間での痛風関節炎の発現割合は、下表のとおりであった24)。
血清尿酸値6.0mg/dL以下達成率
プラセボ群との差
95%信頼区間(%)
プラセボ(38例)
2.6%
―
20mg/日(43例)
46.5%
43.9%
28.1~59.6
40mg/日(41例)
82.9%
80.3%
67.7~92.9
60mg/日(36例)
83.3%
80.7%
67.5~93.9
80mg/日(41例)
87.8%
85.2%
73.9~96.4
0~2週以下
2週超6週以下
6週超10週以下
10週超16週以下
0.0%
5.3%
2.7%
0.6%(10mg/日)
2.5%(20mg/日)
4.9%(20mg/日)
2.4%(20mg/日)
3.4%(40mg/日)
7.5%(40mg/日)
8.8%(60mg/日)
17.9%(80mg/日)
( )内は当該時期の本剤の用量
本試験における本剤の安全性評価対象199例中、副作用(臨床検査値の異常を含む)の発現頻度は、プラセボ群18.4%(7/38例)、本剤20mg/日群23.3%(10/43例)、本剤40mg/日群29.3%(12/41例)、本剤60mg/日群13.9%(5/36例)、本剤80mg/日群29.3%(12/41例)であった。本剤群における主な副作用は、本剤20mg/日群で痛風関節炎4例(9.3%)、倦怠感2例(4.7%)、本剤40mg/日群で痛風関節炎3例(7.3%)、TSH増加2例(4.9%)、本剤60mg/日群で痛風関節炎3例(8.3%)、本剤80mg/日群で痛風関節炎8例(19.5%)、関節痛2例(4.9%)、四肢不快感2例(4.9%)、ALT増加2例(4.9%)、CK増加2例(4.9%)であった。
痛風を含む高尿酸血症患者244例を対象としたアロプリノール対照無作為化二重盲検比較試験を行った。本剤10mg/日又はアロプリノール100mg/日を12日間投与し、その後、それぞれ40mg/日又は200mg/日に増量し44日間投与した。なお、女性患者は本剤群3/122例、アロプリノール群3/121例であった。投与開始後8週の血清尿酸値変化率(主要評価項目)において、本剤40mg/日群のアロプリノール200mg/日群に対する非劣性が示された(P<0.001: 非劣性マージンは5%)。また、投与開始後8週の血清尿酸値6.0mg/dL以下達成率(副次評価項目)は、本剤40mg/日群82.0%、アロプリノール200mg/日群70.0%であった。各投与期間での痛風関節炎の発現割合は下表のとおりであった25)。
血清尿酸初期値(mg/dL)
血清尿酸値変化率注2)(%)
変化率の群間差[95%信頼区間](%)
共分散分析
平均(標準偏差)
アロプリノール200mg/日(120例)
8.89(1.24)
-35.2(14.7)
-6.24[-9.65,-2.84]
P<0.001注3)
本剤40mg/日(122例)
8.83(1.32)
-41.5(12.1)
0~12日以下
12日超6週以下
6週超8週以下
アロプリノール200mg/日(121例)
1.7%(100mg/日)
3.3%(200mg/日)
0.9%(200mg/日)
1.6%(10mg/日)
5.7%(40mg/日)
3.3%(40mg/日)
( )内は当該時期のアロプリノール又は本剤の用量
本試験における本剤の安全性評価対象243例中、副作用(臨床検査値の異常を含む)の発現頻度は、本剤群8.2%(10/122例)、アロプリノール群11.6%(14/121例)であった。本剤群における主な副作用は、痛風関節炎4例(3.3%)であった。
血清尿酸値9.0mg/dL以上の痛風を含む高尿酸血症患者171例を対象とした長期投与試験を実施した。本剤10mg/日から投与を開始し、投与開始後3週目に本剤20mg/日、投与開始後7週目に本剤40mg/日に増量した。投与開始後10週目の血清尿酸値が6.0mg/dLを超えていた場合は投与開始後15週目より本剤60mg/日に増量し、血清尿酸値が6.0mg/dL以下の場合は本剤40mg/日を維持した。なお、女性患者は本剤40mg/日群5/131例、本剤60mg/日群1/40例であった。投与開始後18週、26週、52週で血清尿酸値が6.0mg/dL以下に到達した患者の割合(達成率)は、本剤40mg/日群では、それぞれ93.5、91.5、86.4%、また、本剤60mg/日群では、それぞれ74.4、71.4、87.5%であった26)。本試験における本剤の安全性評価対象171例中、副作用(臨床検査値の異常を含む)の発現頻度は、本剤40mg/日群37.4%(49/131例)、本剤60mg/日群35.0%(14/40例)であった。本剤群における主な副作用(臨床検査値の異常を含む)は、本剤40mg/日群で痛風関節炎26例(19.8%)、関節痛7例(5.3%)、四肢痛4例(3.1%)、本剤60mg/日群で痛風関節炎9例(22.5%)、関節痛3例(7.5%)、四肢痛3例(7.5%)、四肢不快感2例(5.0%)であった。
6~18歳の痛風を含む高尿酸血症患者30例を対象とした非盲検非対照試験を行った。実際に組み入れられた患者の年齢は8~18歳であった。体重別に本剤の投与量(低用量、中用量、高用量及び最高用量として、体重40kg未満では5、10、20及び30mg、体重40kg以上では10、20、40及び60mg)を設定し、1日1回34週間投与した。投与開始後6週までは低用量、投与開始後7週~14週までは中用量とし、投与開始後15週~22週及び23週~34週では、それぞれ投与開始後10週及び18週の血清尿酸値が6.0mg/dL以下を達成していない場合に、順次高用量、最高用量へ増量した。その結果、投与開始後26週における主な有効性の結果は下表のとおりであった27)。
体重40kg未満
体重40kg以上
全体
血清尿酸値6.0mg/dL以下達成割合
60.0%(6/10例)[26.2, 87.8%]
65.0%(13/20例)[40.8, 84.6%]
63.3%(19/30例)[43.9, 80.1%]
血清尿酸値のベースラインからの変化率
-36.60±14.31%(10例)
-36.80±10.76%(20例)
-36.73±11.81%(30例)
達成割合(達成例数/評価例数)[95%信頼区間]、LOCF(Last observation carried forward)平均値±標準偏差
上述の試験で34週間の投与を完了した患者は、最終用量で継続投与試験に移行した(試験期間は先行試験と合わせて52週間)。先行試験で低下した血清尿酸値は投与開始後52週まで維持された28)。本剤の安全性評価対象30例中、投与開始後52週までの副作用(臨床検査値の異常を含む)の発現頻度は16.7%(5/30例)であった。副作用は、甲状腺機能亢進症、高トリグリセリド血症、関節痛、ALT増加、及び心電図異常が各1例(3.3%)であった28)。
化学療法施行予定の悪性腫瘍患者99例を対象にアロプリノール対照非盲検無作為化比較試験を行った。本剤60mg/日又はアロプリノールは300mg/日[腎機能障害のある患者(30≦eGFR<45mL/min/1.73m2)では200mg/日]を化学療法施行開始24時間前から6日間投与した。投与開始6日後までの血清尿酸値AUC(主要評価項目)は、アロプリノール群に対する本剤群の非劣性が示された(非劣性マージンは150mg・h/dL)。また、本剤60mg/日の投与により血清尿酸値は投与開始6日後まで経時的に減少した29)。本試験における本剤60mg/日の安全性評価対象49例中1例(2.0%)に副作用が認められた。その副作用は、AST増加、ALT増加であった。
血清尿酸値AUC(mg・h/dL)
群間差[95%信頼区間]
最小二乗平均値±標準誤差
アロプリノール200~300mg/日(50例)
513.44±13.13
-33.61[-70.67,3.45]
本剤60mg/日(49例)
479.82±13.26
群間差: 本剤群-アロプリノール群
ラット(正常、高尿酸血症モデル)でフェブキソスタットは経口投与により、血中尿酸値を低下させた31)。
ラットでフェブキソスタットは経口投与により、尿中尿酸値を低下させた31)。
フェブキソスタット(Febuxostat)
**2-[3-Cyano-4-(2-methylpropoxy)phenyl]-4-methyl-1,3-thiazole-5-carboxylic acid
C16H16N2O3S
316.37
**白色の結晶又は結晶性の粉末である。エタノール(99.5)にやや溶けにくく、アセトニトリルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。結晶多形が認められる。
**約209℃(分解、ただし乾燥後)
*医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
PTP: 100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)瓶: 500錠(プラスチック製瓶入り)
PTP: 100錠(10錠×10)
1) 社内報告: 生殖発生毒性(ラット). 2010.(2011年1月21日承認、CTD2.6.6.6)
2) Lehtisalo M, et al.: Clin Transl Sci. 2020; 13(6): 1236-43.
3) 社内報告: がん原性(マウス、ラット). 2010.(2011年1月21日承認、CTD2.6.6.5)
4) 社内報告: 血漿中濃度及び排泄(健康成人、単回). 2010.(2011年1月21日承認、CTD2.7.6.1)
5) 社内報告: 血漿中濃度(健康成人、単回). 2010.(2011年1月21日承認、CTD2.7.6.5)
6) 社内報告: 血漿中濃度(健康成人、反復). 2010.(2011年1月21日承認、CTD2.7.6.8)
7) 社内報告: 血漿中濃度(高尿酸血症患者、反復). 2010.(2011年1月21日承認、CTD2.7.6.31)
8) *社内報告: 母集団薬物動態解析(健康成人、腎機能低下患者及び小児高尿酸血症患者). 2023.(2023年6月26日承認、審査報告書)
9) Mukoyoshi M, et al.: Xenobiotica. 2008; 38(5): 496-510.
10) Grabowski BA, et al.: J Clin Pharmacol. 2011; 51(2): 189-201.
11) 社内報告: 代謝(ヒト). 2010.(2011年1月21日承認、CTD2.7.2.2.1)
12) 社内報告: 血漿中濃度(腎機能低下患者、反復). 2010.(2011年1月21日承認、CTD2.7.6.13)
13) Mayer MD, et al.: Am J Ther. 2005; 12(1): 22-34.
14) Khosravan R, et al.: J Clin Pharmacol. 2006; 46(1): 88-102.
15) Khosravan R, et al.: J Clin Pharmacol. 2008; 48(9): 1014-24.
16) Khosravan R, et al.: Br J Clin Pharmacol. 2008; 65(3): 355-63.
17) 社内報告: 薬物相互作用(コルヒチン). 2010.(2011年1月21日承認、CTD2.7.6.18、2.7.6.19)
18) Khosravan R, et al.: J Clin Pharmacol. 2006; 46(8): 855-66.
19) 社内報告: 薬物相互作用(デシプラミン). 2010.(2011年1月21日承認、CTD2.7.6.16)
20) 社内報告: 薬物相互作用(ワルファリン). 2010.(2011年1月21日承認、CTD2.7.6.23、2.7.6.24)
21) Grabowski BA, et al.: Br J Clin Pharmacol. 2010; 70(1): 57-64.
22) 社内報告: 薬物相互作用(テオフィリン). 2010.(2011年1月21日承認、CTD2.7.6.25)
23) 社内報告: 薬物相互作用(ロシグリタゾン). 2010.(2011年1月21日承認、CTD2.7.6.26)
24) 社内報告: プラセボ対照無作為化二重盲検用量反応比較試験(痛風を含む高尿酸血症患者). 2010.(2011年1月21日承認、CTD2.7.6.33)
25) 社内報告: アロプリノール対照無作為化二重盲検比較試験(痛風を含む高尿酸血症患者). 2010.(2011年1月21日承認、CTD2.7.6.35a)
26) 社内報告: 長期投与試験(痛風を含む高尿酸血症患者). 2010.(2011年1月21日承認、CTD2.7.6.40)
27) *社内報告: 国内第Ⅱ相試験(痛風を含む高尿酸血症の小児患者). 2023.(2023年6月26日承認、CTD2.7.6.8)
28) *社内報告: 国内第Ⅱ相継続投与試験(痛風を含む高尿酸血症の小児患者). 2023.(2023年6月26日承認、CTD2.7.6.9)
29) Tamura K, et al.: Int J Clin Oncol. 2016; 21(5): 996-1003.
30) Takano Y, et al.: Life Sci. 2005; 76(16):1835-47.
31) 社内報告: 血中及び尿中尿酸低下作用(ラット). 2010.(2011年1月21日承認、CTD2.6.2.2.2)
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