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劇薬
処方箋医薬品注)
2型糖尿病ただし、アログリプチン安息香酸塩及びメトホルミン塩酸塩の併用による治療が適切と判断される場合に限る。
通常、成人には1日1回1錠(アログリプチン/メトホルミン塩酸塩として25mg/500mg)を食直前又は食後に経口投与する。
メトホルミンにより乳酸アシドーシスを起こすおそれがある。,
アログリプチンにより腸閉塞を起こすおそれがある。
腎臓における排泄が減少しメトホルミンの血中濃度が上昇するため、乳酸アシドーシス等の発現リスクが高くなる可能性がある。また、アログリプチンの血中濃度が上昇する。,,,,
投与しないこと。
本剤を使用せず、各単剤の併用を検討すること。,
肝臓における乳酸の代謝能が低下し、乳酸アシドーシスの発現リスクが高くなる可能性がある。,,,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。メトホルミンでは、動物試験(ラット、ウサギ)で胎児への移行が認められており、一部の動物試験(ラット)で催奇形作用が報告されている2)。また、妊婦は乳酸アシドーシスを起こしやすい。アログリプチンでは、動物試験(ラット)において、胎盤通過が報告されている。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。メトホルミン及びアログリプチンでは、動物試験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
高齢者では、腎機能、肝機能等が低下していることが多く、また脱水症状を起こしやすい。これらの状態では乳酸アシドーシスを起こしやすいので、以下の点に注意すること。,,,,,,,
アルコール(過度の摂取),,
乳酸アシドーシスを起こすことがある。本剤投与中は過度のアルコール摂取(飲酒)を避けること。
肝臓における乳酸の代謝能が低下する。また、脱水状態を来すことがある。
ヨード造影剤,
乳酸アシドーシスを起こすことがある。併用する場合は本剤の投与を一時的に中止する等適切な処置を行うこと。
併用により腎機能が低下し、メトホルミンの排泄が低下する。
腎毒性の強い抗生物質
利尿作用を有する薬剤
,
脱水により乳酸アシドーシスを起こすことがあるため、脱水症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
利尿作用を有する薬剤により、体液量が減少し脱水状態になることがある。
糖尿病用薬
低血糖を発現するおそれがある。特に、スルホニルウレア剤又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがある。これらの薬剤の減量を検討すること。
併用により血糖降下作用が増強するおそれがある。
チアゾリジン系薬剤
浮腫を発現するおそれがあるので観察を十分に行い、浮腫が認められた場合には、患者の状態に応じてチアゾリジン系薬剤を減量あるいは中止し、ループ利尿剤(フロセミド等)を投与するなど適切な処置を行うこと。
併用により循環血漿量が増加するおそれがある。
糖尿病用薬の血糖降下作用を増強する薬剤
血糖が低下するおそれがある。
糖尿病用薬の血糖降下作用を減弱する薬剤
血糖が上昇するおそれがある。
併用により血糖降下作用が減弱するおそれがある。
**OCT2、MATE1、又はMATE2-Kを阻害する薬剤
メトホルミンの作用が増強するおそれがある。
OCT2、MATE1、又はMATE2-Kを介したメトホルミンの腎排泄が阻害され、血中濃度が上昇するおそれがある。
**イメグリミン
消化器症状の発現に注意すること。
特に併用初期に多く発現する傾向が認められている。
血中乳酸値の上昇、乳酸/ピルビン酸比の上昇、血液pHの低下等を示す。予後不良のことが多い。一般的に発現する臨床症状は様々であるが、胃腸症状、倦怠感、筋肉痛、過呼吸等の症状がみられることが多く、これらの症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、必要な検査を行うこと。なお、乳酸アシドーシスの疑いが大きい場合には、乳酸の測定結果等を待つことなく適切な処置を行うこと。,,,,,,,,,,,,,,,
低血糖があらわれることがある。DPP-4阻害剤で、スルホニルウレア剤又はインスリン製剤との併用で重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失を来す例も報告されている。低血糖症状(初期症状:脱力感、高度の空腹感、発汗等)が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取させるなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤の併用時はブドウ糖を投与すること。,,,,,
持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
AST、ALT、AL-P等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。
高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒、じん麻疹
消化器注1)
胃腸障害、便秘
下痢、食欲不振、腹痛、悪心、嘔吐、腹部膨満感、鼓腸、消化不良、胃炎、胃腸炎、放屁増加
血液
貧血、白血球減少、血小板減少、白血球増加、好酸球増加
肝臓
肝機能異常
腎臓
BUN上昇、クレアチニン上昇
精神神経系
四肢のしびれ
代謝異常
CK上昇、ケトーシス、乳酸上昇、血中カリウム上昇、血中尿酸増加
その他
倦怠感注1)
頭痛、頭重、眠気、筋肉痛注1)、めまい・ふらつき、味覚異常、鼻咽頭炎、浮腫、発汗、脱力感、関節痛、動悸、空腹感、ビタミンB12減少注2)
メトホルミンにより乳酸アシドーシスが起こることがある。
本剤とオルメサルタン メドキソミル製剤等との一包化は避けること。一包化して高温高湿度条件下にて保存した場合、本剤が変色することがある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある。
健康成人(32例)にアログリプチン/メトホルミン塩酸塩として25mg/500mg配合錠とアログリプチン25mg及びメトホルミン塩酸塩として500mg(単剤併用)をクロスオーバー法により絶食下で単回経口投与した時のアログリプチン及びメトホルミンの血漿中濃度推移及び薬物動態学的パラメータは以下のとおりであり、生物学的同等性が認められた3)。
Cmax(ng/mL)
Tmax(h)
AUC0-72(ng・h/mL)
T1/2(h)
アログリプチン(配合錠)
122.3(29.25)
3.00(1.50,6.00)
1,280.2(146.69)
18.50(3.06)
アログリプチン(単剤併用)
120.1(22.95)
3.00(1.00,4.00)
1,264.6(148.14)
18.31(3.40)
平均値(標準偏差)、ただし、Tmaxは中央値(最小値,最大値)、n=32
AUC0-48(ng・h/mL)
メトホルミン(配合錠)
1,722.5(373.66)
2.50(1.00,4.00)
10,624.4(1,933.78)
4.61(0.62)
メトホルミン(単剤併用)
1,700.9(309.21)
3.00(1.50,4.00)
10,690.3(1,710.52)
5.37(3.86)
健康成人(12例)にアログリプチン/メトホルミン塩酸塩として25mg/500mg配合錠を絶食下又は朝食開始30分後に単回経口投与した時、アログリプチンのCmax、AUC0-infは絶食下投与と比較して食後投与でそれぞれ12.5%増加、1.4%減少し、メトホルミンのCmax、AUC0-infは絶食下投与と比較して食後投与でそれぞれ14.1%減少、1.8%減少した4)。
[14C]アログリプチンを0.01〜10μg/mLの濃度でヒト血漿に添加した時の蛋白結合率は、28.2〜38.4%であった(in vitro)5)。
アログリプチンはCYP2D6によりN-脱メチル化体の活性代謝物M-Ⅰに、また、N-アセチル化により非活性代謝物M-Ⅱに代謝されるが、M-Ⅰ及びM-ⅡのAUCはそれぞれ血漿中アログリプチンの1%未満及び6%未満であり、いずれも微量代謝物であった6),7)。また、アログリプチンはCYP3A4/5に対して弱い阻害作用と弱い誘導作用を示したが、CYP1A2、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6を阻害せず、CYP1A2、CYP2B6、CYP2C9、CYP2C19を誘導しなかった(in vitro)8)。メトホルミンはヒト体内では代謝されず、また、チトクロームP450 1A2、2C8、2C9、2C19、2D6、2E1、3A4に影響を与えなかった(in vitro)9)。
健康成人(12例)にアログリプチン/メトホルミン塩酸塩として25mg/500mg配合錠を絶食下又は朝食開始30分後に単回経口投与した時、投与72時間後までのアログリプチンの累積尿中排泄率は、それぞれ73.7%、74.5%であった。また、投与48時間後までのメトホルミンの累積尿中排泄率は、それぞれ50.6%、50.1%であった4)。
腎機能の程度が異なる成人にアログリプチンとして50mgを単回経口投与した時注1)のAUCは、年齢と性別を対応させた健康成人と比較して、中等度腎機能障害者(Ccr=30〜50mL/min、6例)では2.1倍、高度腎機能障害者(Ccr<30mL/min、6例)では3.2倍、末期腎不全罹患者(6例)では3.8倍増加した。また、アログリプチンは血液透析3時間後に投与量の7.2%が除去された10)(外国人データ)。,,,注1)本剤はアログリプチンとして25mg/メトホルミン塩酸塩500mgの配合剤である。
中等度肝機能障害者(Child-Pugh注2)スコアが7〜9、8例)及び健康成人(8例)にアログリプチンとして25mgを単回経口投与した時、中等度肝機能障害者のCmax、AUCは、健康成人と比較してそれぞれ7.7%、10.1%減少した11)(外国人データ)。注2)ビリルビン、アルブミン、PT又はINR、肝性脳症、腹水症の状態からスコア化する分類
健康な高齢者(65歳以上85歳以下、8例)及び非高齢者(20歳以上35歳以下、8例)にアログリプチンとして25mgを単回経口投与した時、高齢者のCmax、AUCは、非高齢者と比較してそれぞれ47.7%、30.3%増加した12)。
健康成人(17例)にアログリプチンとして100mgを1日1回及びメトホルミン塩酸塩として1,000mgを1日2回6日間反復経口併用投与した時注1)(3×3クロスオーバー試験)、アログリプチンのCmax及びAUCに併用投与による影響はみられなかった。一方、メトホルミンのCmaxに影響はみられず、AUCは単独投与時に比較して18.9%増加した13)(外国人データ)。注1)本剤はアログリプチンとして25mg/メトホルミン塩酸塩500mgの配合剤である。
アログリプチンとピオグリタゾン(CYP2C8基質)、ゲムフィブロジル(CYP2C8、CYP2C9阻害剤)、フルコナゾール(CYP2C9阻害剤)、ケトコナゾール(CYP3A4阻害剤)、シクロスポリン(P-糖蛋白阻害剤)、カフェイン(CYP1A2基質)、ワルファリン(CYP1A2基質、CYP2C9基質、CYP3A4基質)、グリベンクラミド(CYP2C9基質)、トルブタミド(CYP2C9基質)、デキストロメトルファン(CYP2D6基質)、ミダゾラム(CYP3A4基質)、アトルバスタチン(CYP3A4基質)、エチニルエストラジオール(CYP3A4基質)、ノルエチンドロン(CYP3A4基質)、フェキソフェナジン(P-糖蛋白基質)、ジゴキシン(P-糖蛋白基質、腎排泄)又はシメチジン(腎排泄)、ボグリボース注3)との薬物間相互作用を検討したが、いずれも併用投与の影響はみられなかった14),15),16),17),18),19),20),21),22),23),24)(外国人データ)。注3)ボグリボースのみ日本人データ
健康成人(7例)にメトホルミン塩酸塩として250mgを1日1回及びシメチジンとして400mgを1日2回併用経口投与した時注1)、シメチジンの薬物動態には併用投与による影響がみられなかったが、メトホルミンのAUCが約50%増加した25)(外国人データ)。注1)本剤はアログリプチンとして25mg/メトホルミン塩酸塩500mgの配合剤である。
健康成人(30例)に対しメトホルミン塩酸塩とドルテグラビル50mg/日又は100mg/日を併用して反復経口投与した時注1)、メトホルミンのCmaxがそれぞれ66%及び111%上昇し、AUCがそれぞれ79%及び145%増加した26)。注1)本剤はアログリプチンとして25mg/メトホルミン塩酸塩500mgの配合剤である。
健康成人(13例)に対しメトホルミン塩酸塩とバンデタニブを併用して単回経口投与した時注1)、メトホルミンのCmax及びAUC0-∞がそれぞれ50%及び74%増加し、腎クリアランスが52%減少した27)。注1)本剤はアログリプチンとして25mg/メトホルミン塩酸塩500mgの配合剤である。
食事療法、運動療法に加えてメトホルミン塩酸塩として250mgを1日2回又は3回を12週間経口投与するも血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象にアログリプチンとして25mgを1日1回、12週間併用経口投与した二重盲検比較試験の結果は下表のとおりであった28)。
投与群
HbA1c(NGSP値)(%)
投与前値注1)
投与前からの変化量注2)
メトホルミン塩酸塩単独投与(n=100)
8.00(0.856)
0.22(0.056)
アログリプチン25mg1日1回併用投与(n=96)
8.02(0.732)
-0.64(0.057)
注1)平均値(標準偏差)注2)治療期終了時(12週)のHbA1c変化量を従属変数、観察期終了時(0週)のメトホルミンの1日投与量(500mg/日又は750mg/日)、観察期終了時(0週)のHbA1c、投与群を独立変数とした共分散分析モデルに基づいて算出した調整済み平均値(標準誤差)n:解析対象集団の例数
投与前からの変化量の投与群間差注1)
点推定値
両側95%信頼区間
下限
上限
アログリプチン25mg1日1回併用投与-メトホルミン塩酸塩単独投与
-0.86
-1.015
-0.702
注1)治療期終了時(12週)のHbA1c変化量を従属変数、観察期終了時(0週)のメトホルミンの1日投与量(500mg/日又は750mg/日)、観察期終了時(0週)のHbA1c、投与群を独立変数とした共分散分析モデルに基づいて算出した調整済み平均値の投与群間差
治療期終了時(12週)のHbA1c変化量について、上述の共分散分析モデルを適用し、対比検定を行った結果、メトホルミン単独群に対し25mg併用群において有意な差がみられた(p<0.0001)。副作用発現頻度は25mg併用群で8.3%(8/96)であり、低血糖の副作用はみられなかった。主な副作用は便秘3.1%(3/96)であった。
アログリプチンとして25mgを1日1回、メトホルミン塩酸塩として250mgを1日2回又は3回、12週間併用経口投与した2型糖尿病患者を対象に、さらに、アログリプチンとして25mgを1日1回、メトホルミン塩酸塩として250mgを1日2回又は3回、40週間継続併用経口投与した非盲検試験の結果は下表のとおりであった29)。
投与前からの変化量注1)
アログリプチン25mg1日1回、メトホルミン塩酸塩250mg1日2回又は3回併用投与(n=145)
8.09(0.852)
-0.59(0.787)
注1)平均値(標準偏差)n:解析対象集団の例数
副作用発現頻度は25mg併用群で20.0%(29/145)であり、低血糖の副作用発現頻度は0.7%(1/145)であった。主な副作用は、便秘、肝機能異常が各2.8%(4/145)、血中乳酸増加、白血球数増加、血中尿酸増加が各2.1%(3/145)であった。
食事療法、運動療法に加えてアログリプチンとして25mgを1日1回12週間経口投与するも血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象にメトホルミン塩酸塩として500mgを1日1回又は250mgを1日2回、24週間経口併用投与した二重盲検比較試験の結果は下表のとおりであった30)。
アログリプチン単独投与(n=71)
7.77(0.780)
0.16(0.072)
メトホルミン塩酸塩500mg1日1回併用投与(n=152)
7.82(0.820)
-0.49(0.049)
メトホルミン塩酸塩250mg1日2回併用投与(n=151)
7.89(0.791)
-0.60(0.049)
注1)平均値(標準偏差)注2)治療期終了時(24週)のHbA1c変化量を従属変数、観察期終了時(0週)のHbA1c、投与群を独立変数とした共分散分析モデルに基づいて算出した調整済み平均値(標準誤差)n:解析対象集団の例数
メトホルミン塩酸塩500mg1日1回併用投与-アログリプチン単独投与
-0.65
-0.821
-0.480
メトホルミン塩酸塩500mg1日1回併用投与-メトホルミン塩酸塩250mg1日2回併用投与
0.11
-0.026
0.247
注1)治療期終了時(24週)のHbA1c変化量を従属変数、観察期終了時(0週)のHbA1c、投与群を独立変数とした共分散分析モデルに基づいて算出した調整済み平均値(標準誤差)
治療期終了時(24週)のHbA1c変化量について、上述の共分散分析モデルを適用し、メトホルミン塩酸塩500mg 1日1回併用群とアログリプチン単独群の比較及びメトホルミン塩酸塩500mg 1日1回併用投与群とメトホルミン塩酸塩250mg 1日2回併用投与群の比較を行った結果、メトホルミン塩酸塩500mg 1日1回併用群のアログリプチン単独群に対する優越性及びメトホルミン塩酸塩500mg 1日1回併用投与群のメトホルミン塩酸塩250mg 1日2回併用投与群に対する非劣性(非劣性の許容限界値:0.30%)が検証された。副作用発現頻度は、メトホルミン塩酸塩500mg 1日1回併用投与群で2.6%(4/152)であり、低血糖の副作用はみられなかった。
アログリプチンは食事の経口摂取刺激により腸管から血中に分泌されるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)を不活性化するジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)活性を阻害することにより、GLP-1の血中濃度を上昇させ、糖濃度依存的に膵臓からのインスリン分泌を促進させる31),32)。
メトホルミン塩酸塩は膵β細胞のインスリン分泌を介することなく血糖降下作用を示す。以下のものが血糖降下作用の主要な作用として提唱されている33)。
食事療法、運動療法を実施するも血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象にアログリプチンとして25mgを12週間経口投与(1日1回朝食前)したプラセボ対照二重盲検比較試験(用量設定試験)において、プラセボ投与群と比べて、活性型GLP-1濃度の有意な増加が認められた36)。
メトホルミン塩酸塩は各種動物(マウス38)、ラット39),40)、ウサギ40)等)において血糖低下作用を示す。この血糖低下作用はエタノール(ウサギ41))、クロルプロマジン、クロルプロチキセン(ラット39))により抑制され、水素化麦角アルカロイド(ウサギ42))により増強された。
アログリプチン安息香酸塩(Alogliptin Benzoate)〔JAN〕
2-({6-[(3R)-3-Aminopiperidin-1-yl]-3-methyl-2,4-dioxo-3,4-dihydropyrimidin-1(2H)-yl}methyl)benzonitrile monobenzoate
C18H21N5O2・C7H6O2
461.51
アログリプチン安息香酸塩は白色~帯黄白色の結晶性の粉末である。ジメチルスルホキシドにやや溶けやすく、水又はメタノールにやや溶けにくく、アセトニトリル又はエタノール(99.5)に溶けにくい。
182.5℃
メトホルミン塩酸塩(Metformin Hydrochloride)〔JAN〕
1,1-Dimethylbiguanide monohydrochloride
C4H11N5・HCl
165.62
メトホルミン塩酸塩は白色の結晶又は結晶性の粉末である。水に溶けやすく、酢酸(100)にやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくい。
約221℃(分解)
PTP 100錠(10錠×10)
1) **Dubourg J, et al.:Diabetes Obes Metab.2022;24(4):609-619.
2) Tuchmann-Duplessis H, et al.:Compt Rend.1961;253:321-323.
3) アログリプチン/メトホルミン配合剤の薬物動態試験成績①(2016年9月28日承認:CTD2.7.6.2)
4) アログリプチン/メトホルミン配合剤の薬物動態試験成績②(2016年9月28日承認:CTD2.7.6.1)
5) アログリプチンの蛋白結合に関する検討(2010年4月16日承認:CTD2.7.2.2)
6) アログリプチンの代謝に関する検討①(2010年4月16日承認:CTD2.7.2.1)
7) アログリプチンの代謝に関する検討②(2010年4月16日承認:CTD2.7.2.2)
8) アログリプチンの代謝に関する検討③(2010年4月16日承認:CTD2.7.2.3)
9) Study No.AE-4997-G, Final Report(Takeda Pharmaceutical Company Limited. 社内資料)
10) アログリプチンの腎機能障害患者における薬物動態試験成績(2010年4月16日承認:CTD2.7.6.14)
11) アログリプチンの肝機能障害患者における薬物動態試験成績(2010年4月16日承認:CTD2.7.6.15)
12) アログリプチンの高齢者における薬物動態試験成績(2010年4月16日承認:CTD2.7.6.13)
13) アログリプチン/メトホルミン配合剤とメトホルミンとの薬物相互作用試験成績(2016年9月28日承認:CTD2.7.6.3)
14) アログリプチンとピオグリタゾンとの薬物相互作用試験成績(2010年4月16日承認:CTD2.7.2.2)
15) アログリプチンとボグリボースとの薬物相互作用試験成績(2010年4月16日承認:CTD2.7.2.3)
16) アログリプチンとアトルバスタチンとの薬物相互作用試験成績(2010年4月16日承認:CTD2.7.2.2)
17) アログリプチンとフルコナゾール、ケトコナゾール又はゲムフィブロジルとの薬物相互作用試験成績(2010年4月16日承認:CTD2.7.2.2)
18) アログリプチンとシクロスポリンとの薬物相互作用試験成績(2010年4月16日承認:CTD2.7.2.2)
19) アログリプチンとカフェイン、トルブタミド、デキストロメトルファン、ミダゾラム及びフェキソフェナジンとの薬物相互作用試験成績(2010年4月16日承認:CTD2.7.2.2)
20) アログリプチンとワルファリンとの薬物相互作用試験成績(2010年4月16日承認:CTD2.7.2.2)
21) アログリプチンとエチニルエストラジオール及びノルエチンドロンとの薬物相互作用試験成績(2010年4月16日承認:CTD2.7.2.2)
22) アログリプチンとジゴキシンとの薬物相互作用試験成績(2010年4月16日承認:CTD2.7.2.3)
23) アログリプチンとグリベンクラミドとの薬物相互作用試験成績(2010年4月16日承認:CTD2.7.6.21)
24) アログリプチンとシメチジンとの薬物相互作用試験成績(2010年4月16日承認:CTD2.7.2.3)
25) Somogyi A, et al.:Br J Clin Pharmacol.1987;23:545-551.
26) Song I H, et al.:J Acquir Immune Defic Syndr.2016;72:400-407.
27) Johansson S, et al.:Clin Pharmacokinet.2014;53:837-847.
28) アログリプチン/メトホルミン配合剤の臨床試験成績①(2016年9月28日承認:CTD2.7.6.5)
29) アログリプチン/メトホルミン配合剤の臨床試験成績②(2016年9月28日承認:CTD2.7.6.6)
30) アログリプチン/メトホルミン配合剤の臨床試験成績③(2016年9月28日承認:CTD2.7.6.4)
31) アログリプチンの耐糖能改善作用に関する検討①(2010年4月16日承認:CTD2.4.2)
32) アログリプチンの耐糖能改善作用に関する検討②(2010年4月16日承認:CTD2.6.2)
33) Lee A J.:Pharmacotherapy.1996;16:327-351.
34) アログリプチンの酵素阻害活性に関する検討(2010年4月16日承認:CTD2.6.2.1)
35) アログリプチンの薬物動態試験成績①(2010年4月16日承認:CTD2.7.6.6)
36) アログリプチンの薬物動態試験成績②(2010年4月16日承認:CTD2.7.6.27)
37) アログリプチンの耐糖能改善作用に関する検討③(2010年4月16日承認:CTD2.6.2.2)
38) Proske G, et al.:Arzneimittel-Forsch.1962;12:314-318.
39) Opitz K, et al.:Deut Med Wochenschr.1962;87:105-106.
40) Sterne J.:Thérapie.1958;13:650-659.
41) 小澤光 他:日薬理誌.1971;67:12-13.
42) Kroneberg G, et al.:Arzneimittel-Forsch.1958;8:470-475.
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