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劇薬
処方箋医薬品注)
骨粗鬆症
本剤の適用にあたっては、日本骨代謝学会の診断基準等を参考に、骨粗鬆症との診断が確定している患者を対象とすること。
通常、成人にはアレンドロン酸として35mgを1週間に1回、朝起床時に水約180mLとともに経口投与する。なお、服用後少なくとも30分は横にならず、飲食(水を除く)並びに他の薬剤の経口摂取も避けること。
上部消化管粘膜に対し、刺激作用を示すことがあるので基礎疾患を悪化させるおそれがある。,
妊娠する可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出される。全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)でアレンドロン酸が乳汁中に移行することが報告されている。
小児等の骨粗鬆症を対象とした臨床試験は実施していない。
カルシウム、マグネシウム等の金属を含有する経口剤:
制酸剤
マグネシウム製剤等
本剤の服用後少なくとも30分経ってから服用すること。
本剤は多価の陽イオン(Ca、Mg等)とキレートを形成することがあるので、併用すると本剤の吸収を低下させる。
食道障害[食道穿孔(頻度不明)、食道狭窄(頻度不明)、食道潰瘍(頻度不明)、食道炎(0.3%)、食道びらん(頻度不明)があらわれ、出血を伴う場合がある。]、口腔内潰瘍(頻度不明)があらわれることがある。徴候又は症状(吐血、下血、貧血、嚥下困難、嚥下痛、胸骨下痛、胸やけ、口腔内異和感、口内痛の発現・悪化等)に注意すること。,,
(出血性)胃・十二指腸潰瘍(0.3%)、出血性胃炎(0.2%)があらわれることがある。徴候又は症状(吐血、下血、貧血、上腹部痛、心窩部痛、上腹部不快感の発現・悪化等)に注意すること。,
AST、ALTの上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
痙攣、テタニー、しびれ、失見当識、QT延長等を伴う低カルシウム血症があらわれることがある。異常が認められた場合にはカルシウム剤の点滴投与等を考慮すること。,,,
1~5%未満
1%未満
頻度不明
消化器
胃痛・心窩部痛、胃不快感・胃重感・腹部不快感
腹痛、嘔吐、食欲不振、腹部膨満感、口内炎、胃酸逆流、咽喉頭痛、咽喉頭不快感、おくび、嘔気、便秘、下痢、胃炎、消化不良
鼓腸放屁、口内乾燥、嚥下困難、歯肉腫脹
皮膚・皮膚付属器
発疹、かゆみ、脱毛、蕁麻疹
紅斑、湿疹
血液
貧血(赤血球数減少、ヘモグロビン低下等)、白血球数減少、血小板数減少
肝臓
肝機能異常(AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇等)
腎臓
BUN上昇
頻尿、排尿困難
中枢・末梢神経系
浮動性めまい、頭痛
回転性めまい、知覚減退
筋・骨格系
関節痛注1)、背(部)痛注1)、筋肉痛注1)、骨痛注1)、筋痙攣
精神・神経系
不眠(症)
電解質代謝
血清リン低下、血清カリウム上昇
眼
眼症状(かすみ、異和感等)、強膜炎
ぶどう膜炎、上強膜炎
その他
胸痛、倦怠(感)、味覚倒錯、末梢性浮腫、顔面浮腫、動悸、脱力(感)、発熱、気分不良、ほてり(顔面紅潮、熱感等)、CK上昇、血圧上昇
血管浮腫、LDH上昇、総コレステロール値上昇、血清アルブミン低下、下肢痛
低カルシウム血症、低リン酸血症、並びに上部消化管障害(胃不調、胸やけ、食道炎、胃炎、又は潰瘍等)が発現することがある。
アレンドロン酸と結合させるために、ミルクあるいは制酸剤等の投与を考慮する。食道に対する刺激の危険性があるので嘔吐を誘発してはならず、患者を立たせるか、上体を起こして座らせること。
健康成人男性(n=32)にアレンドロン酸として35mgを含有する本剤(経口ゼリー剤)とボナロン錠35mg(35mg錠剤)を、非盲検無作為化2剤2期クロスオーバー法によりそれぞれ絶食単回経口投与した。血清中アレンドロン酸濃度を測定し、薬物動態パラメータ(AUCt、Cmax)について統計解析を行った結果、対数値の平均値の差がlog(0.90)~log(1.11)の範囲内であり、かつ溶出試験で溶出挙動が類似していると判定されたことから両剤の生物学的同等性が確認された2)。また、本剤及び35mg錠剤の投与後48時間までの尿中排泄率(幾可平均値)は、それぞれ0.38%、0.36%であった2)。
投与量
AUCt注2)(ng・hr/mL)
Cmax注2)(ng/mL)
tmax注3)(hr)
t1/2注2)(hr)
本剤
19.1
8.4
0.8
1.5
35mg錠剤
18.2
8.0
1.4
n=32、t1/2のみn=31
血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
アレンドロン酸ナトリウム水和物投与により、動物又はヒトで代謝物は認められていない。
(注)本剤の承認された用法及び用量はアレンドロン酸として週1回35mgである。
退行期骨粗鬆症患者(有効性評価対象297例)における52週間の二重盲検試験において、35mg錠剤(35mg/週)投与の腰椎(L1-L4)骨密度の増加率(投与52週後)は6.3%であり、対照薬の5mg錠剤(5mg/日)投与の5.8%と比較して骨密度増加効果は同等であった。また、大腿骨骨密度(投与52週後)においても、それぞれ3.0%(35mg/週)及び2.8%(5mg/日)と同程度の骨密度増加効果を示した。なお、安全性において、35mg錠剤(35mg/週)投与の副作用発現率は、5mg錠剤(5mg/日)投与と同程度であった4)。本試験における35mg錠剤(35mg/週)の安全性評価対象168例中22例(13.1%)に28件の副作用が認められた。主な症状は消化管障害であり、24件[上腹部痛4件(2.4%)、胃不快感4件(2.4%)、胃潰瘍3件(1.8%)、胃炎3件(1.8%)等]であった。また、臨床検査値異常変動は168例中6例(3.6%)に10件認められた。主なものはγ-GTP上昇4件(2.4%)、AST上昇2件(1.2%)、ALT上昇2件(1.2%)であった。なお、5%を超える頻度の副作用は認められなかった。
閉経後骨粗鬆症患者1,258例における12ヵ月間の二重盲検比較試験において、70mg/週投与による腰椎(L1-L4)の骨密度の増加率は5.1%であり、10mg/日投与の5.4%と同等性を示した。また、大腿骨骨密度(12ヵ月後)においても、それぞれ2.9%(70mg/週)及び3.1%(10mg/日)と同程度の骨密度増加効果を示した。なお、安全性において、それぞれの投与法における副作用発現率は同程度であった5)。
退行期骨粗鬆症患者365例における2年間の二重盲検比較試験(骨折発生頻度)において、胸腰椎の新規骨折発生率は5mg錠剤(5mg/日)投与で12.2%、対照薬(アルファカルシドール、1μg/日)で16.7%であり、対照薬に対する5mg錠剤(5mg/日)の非劣性が検証された。この試験において、投与6ヵ月以降に発生した胸腰椎の新規骨折発生率は、5mg錠剤(5mg/日)投与では対照薬に比して8.4%低く統計的に有意差を認めた(相対危険減少率66%)。また、2年間における胸腰椎での複数の新規骨折発生率は5mg錠剤(5mg/日)投与では対照薬に比して4.9%低かった(相対危険減少率67%)6)。さらに、延長試験として実施された3年間の成績においても投与6ヵ月以降に発生した胸腰椎の新規骨折発生率は、5mg錠剤(5mg/日)投与で7.8%、対照薬で18.8%であり、5mg錠剤(5mg/日)の有意な椎体骨折抑制効果が3年間にわたり確認された7)。
閉経後骨粗鬆症患者2,027例における3年間のプラセボ対照二重盲検比較試験において、最初の2年間は5mg/日、3年目は10mg/日投与した結果は下表のとおりである8)。
骨折の種類
骨折抑制率(%)
胸腰椎の新規骨折注4)
47%
2個以上の胸腰椎の新規骨折注4)
90%
新規大腿骨近位部骨折
51%
なお、5mg錠剤(5mg/日)投与後の平均腰椎骨密度増加率は、海外における10mg/日投与12ヵ月後の値と国内における5mg/日投与48週後の値に類似性が認められた9),10)。また、骨密度増加効果と骨折抑制効果は相関することが確認されている11)。
アレンドロン酸は骨のハイドロキシアパタイトに強い親和性を持ち、ラットでは破骨細胞が存在する骨表面に選択的に分布した。アレンドロン酸は破骨細胞に取り込まれた後その活性を抑制することにより、骨吸収を減少させる12),13)。
動物種
方法
結果
卵巣摘出ラット14)
アレンドロン酸として0.04~5mg/kg/日を卵巣摘出の翌日から2ヵ月間経口投与
卵巣摘出による骨量減少をアレンドロン酸として1mg/kg/日以上の投与量で骨石灰化に障害を与えずに抑制した。
卵巣摘出ラット
アレンドロン酸として0.1、0.5mg/kg/日を卵巣摘出の翌日から12ヵ月間経口投与
アレンドロン酸として0.5mg/kg/日の1年間の経口投与により、卵巣摘出による腰椎の骨量の減少を抑制し、卵巣非摘出ラットと同様の骨強度を維持した。
卵巣摘出ヒヒ15)
アレンドロン酸として0.04、0.19mg/kgを、卵巣摘出後2週に1回、2年間静脈内投与
アレンドロン酸として0.04mg/kg以上で骨代謝回転亢進が卵巣非摘出群レベルまで抑制されることが、生化学的マーカー及び骨形態により示された。また、海綿骨量を骨石灰化を障害せずに増加させ、皮質骨の粗鬆性の亢進を防止した。腰椎の海綿骨の強度はアレンドロン酸ナトリウム水和物投与により増加し、骨量と骨強度には正の相関が認められた。
アレンドロン酸ナトリウム水和物は、上記の骨量減少モデルにおいて1年以上の投与(ラット: 1年、ヒヒ: 2年)を行ったとき、骨量減少を抑制する投与量では骨石灰化障害を示唆する結果が得られていない15)。成長過程のラット(Schenk評価系)において、骨吸収を抑制する投与量は骨石灰化を障害する投与量の約1/6000であり、広い安全域が示されている。
正常イヌ16),17)
アレンドロン酸として0.25~1mg/kgを1日1回、3年間経口投与
正常イヌに臨床用量の約10倍量に相当するアレンドロン酸ナトリウム水和物を3年間経口投与したところ、骨強度に対する影響、微小骨折、骨軟化症を示す所見は認められなかった。
骨折イヌ18)
アレンドロン酸として2mg/kgを1日1回、骨折前9週間、骨折後16週間経口投与
臨床用量の約20倍量に相当する投与によっても、骨折修復部位の骨強度に変化は認められず、骨折の治癒過程に対し影響を与えないことが示された。
アレンドロン酸ナトリウム水和物(Alendronate Sodium Hydrate)
Monosodium trihydrogen 4-amino-1-hydroxybutane-1, 1-diyldiphosphonate trihydrate
C4H12NNaO7P2・3H2O
325.12
白色の結晶性の粉末である。水にやや溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。0.1mol/Lクエン酸三ナトリウム試液に溶ける。
約252℃(分解、ただし乾燥後)
1) **MID-NET®を用いた調査結果の概要(MID-NET®を用いたビスホスホネート製剤の腎機能障害患者における低カルシウム血症のリスク評価に関するデータベース調査):https://www.pmda.go.jp/files/000249186.pdf
2) *深瀬広幸ほか.: 新薬と臨牀. 2012; 61(9): 1833-47.
3) Gertz BJ, et al.: Clin Pharmacol Ther. 1995; 58(3): 288-98.
4) Uchida S, et al.: J Bone Miner Metab. 2005; 23(5): 382-8.
5) Schnitzer T, et al.: Aging Clin Exp Res. 2000; 12(1): 1-12.
6) Kushida K, et al.: Curr Ther Res. 2002; 63(9): 606-20.
7) Kushida K, et al.: J Bone Miner Metab. 2004; 22(5): 462-8.
8) Black DM, et al.: Lancet. 1996; 348(9041): 1535-41.
9) Shiraki M, et al.: Osteoporos Int. 1999; 10(3): 183-92.
10) Liberman UA, et al.: N Engl J Med. 1995; 333(22): 1437-43.
11) Hochberg MC, et al.: Arthritis Rheum. 1999; 42(6): 1246-54.
12) Masarachia P, et al.: Bone. 1996; 19(3): 281-90.
13) Sato M, et al.: J Clin Invest. 1991; 88(6): 2095-105.
14) Azuma Y, et al.: J Pharmacol Exp Ther. 1998; 286(1): 128-35.
15) Balena R, et al.: J Clin Invest. 1993; 92(6): 2577-86.
16) Peter CP, et al.: J Pharmacol Exp Ther. 1996; 276(1): 271-6.
17) Balena R, et al.: J Pharmacol Exp Ther. 1996; 276(1): 277-83.
18) Peter CP, et al.: J Orthop Res. 1996; 14(1): 74-9.
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