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劇薬
処方箋医薬品注)
頻脈性不整脈
通常、成人には1回0.1mL/kg(シベンゾリンコハク酸塩として1.4mg/kg)を必要に応じて生理食塩液又はブドウ糖液にて希釈し、血圧及び心電図監視下2~5分間かけて静脈内に注射する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
心不全を来すおそれのある患者では、少量を投与するなど投与量に注意し、慎重に観察しながら投与すること。心停止に至ることがある。心室頻拍、心室細動が発現するおそれが高い。
血糖値に注意すること。低血糖があらわれるおそれがある。
心電図変化に注意すること。催不整脈作用が誘発されやすい。
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
少量を投与するなど投与量に注意し、慎重に観察しながら投与すること。心停止に至ることがある。併用時の有効性、安全性は確立していない。
投与しないこと。急激な血中濃度上昇により意識障害を伴う低血糖などの重篤な副作用を起こしやすい。本剤は透析ではほとんど除去されない。
少量を投与するなど投与量に十分に注意し、慎重に観察しながら投与すること。心停止に至ることがある。本剤は腎臓からの排泄により体内から消失する薬剤であり、血中濃度が高くなりやすい。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で本剤の乳汁中移行が報告されている1)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
腎機能障害のある患者に準じて投与すること。腎機能が低下していることが多く、血中濃度が高くなることがある。必ず血圧及び心電図の連続監視を行い、少量(例えば、0.05mL/kg)を投与するなど投与量に注意し、慎重に観察しながら投与すること。心停止に至ることがある。肝・腎機能が低下していることが多く、また、体重が少ない傾向があるなど副作用が発現しやすい。,,
バルデナフィル塩酸塩水和物
モキシフロキサシン塩酸塩
*ラスクフロキサシン塩酸塩(注射剤)
*(ラスビック点滴静注)
トレミフェンクエン酸塩
フィンゴリモド塩酸塩
エリグルスタット酒石酸塩
心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)、QT延長を起こすおそれがある。
本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により相加的に作用が増強するおそれがある。
β-受容体遮断剤
本剤の作用が増強される可能性がある。
機序は明らかではないが、動物実験において本剤とこれらの薬剤との併用による作用増強の可能性が報告されている。
糖尿病用薬
等
低血糖があらわれるおそれがある。
動物実験において、本剤高用量投与時にインスリン分泌亢進が認められるとの報告があり、これらの薬剤との併用により血糖降下作用が増強される可能性がある。
心室細動、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)(いずれも頻度不明)、上室性不整脈(1%未満)があらわれ、心停止に至る場合もある。心電図に異常な変動が観察された場合には、投与を中止し、抗不整脈薬を投与するなど適切な処置を行うこと。
胸内苦悶、冷汗、呼吸困難、血圧低下、発疹、浮腫等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心機能に異常な変動が観察された場合には、投与を中止し、ドパミンの投与等適切な処置を行うこと。
本剤の心機能抑制作用及び催不整脈作用に起因する循環不全によって重篤な肝障害(トランスアミナーゼ、LDHの急激な上昇を特徴とするショック肝)があらわれることがある。このような場合には、投与を中止し、早急にドパミンの投与等心機能改善のための処置を行うとともに、必要に応じ肝庇護療法など適切な処置を行うこと。なお、このような症例では、腎障害を伴うことがある。
AST、ALT、γ-GTP等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
1~3%未満
1%未満
頻度不明
循環器
QRS幅延長、脚ブロック、動悸
QTc延長、徐脈、血圧低下、PQ延長、房室ブロック
代謝注1)
低血糖
肝臓
AST上昇、ALT上昇
血液
白血球減少、血小板減少
泌尿器
尿閉、排尿困難等の排尿障害
腎臓
BUN上昇、クレアチニン上昇
眼
霧視等の視調節障害
消化器
口渇
悪心、腹痛
精神神経系
しびれ
頭痛、めまい、発汗
その他
ほてり
胸痛
下肢冷感、血管痛
本剤の投与により、ブロモフェノールブルー系試験紙法での尿蛋白検査では偽陽性を呈することがあるので、スルホサリチル酸法を用いること。
主として心電図の変化、特にQRS幅の著しい延長と心原性ショック等の心抑制症状の併発がみられる。また、腎不全があり、本剤の血中濃度が非常に高い場合は低血糖を起こしやすい。
心電図、呼吸、血圧の監視及び一般的維持療法を行う。
本剤は透析ではほとんど除去されないので、中毒時の治療法としては透析は有効ではない。
・過量投与の治療法としては、乳酸ナトリウムを必要に応じカリウムとともに持続注入する。
・心抑制症状に対しては必要に応じてドパミン、ドブタミン、イソプレナリン等の投与を行う。
・ブロックがあればペースメーカーを装着する。また、薬剤で効果がみられない心電図異常に対してはペースメーカーを装着するか電気ショックを行うなど必要に応じた処置を行う。
・低血糖がみられている場合は、ブドウ糖の投与を行う。
不整脈患者(12例)にシベンゾリンコハク酸塩1.4mg/kgを静脈内投与した場合、血漿中濃度は見掛け上3相性で消失し、最終相の消失半減期は7.0時間であった2)。基礎疾患として急性心筋梗塞を有する不整脈患者(7例)と有さない不整脈患者(4例)に、シベンゾリンコハク酸塩1.4mg/kgを静脈内投与し、その体内動態を比較したところ、血漿中濃度は両群ともほぼ同様の推移を示し、急性心筋梗塞の有無に影響されなかった3)。
14C標識シベンゾリンをヒト肝ミクロゾーム又はヒトCYP発現系ミクロゾームと反応させ、代謝反応に関与するP450分子種を検討した結果、p-ヒドロキシ体及びデヒドロ体の生成にはそれぞれCYP2D6及びCYP3A4(一部CYP2D6)が主に関与していることが示唆された4)。
健康成人(6例)にシベンゾリンコハク酸塩1.4mg/kgを静脈内投与した場合、尿中への未変化体の平均排泄率は65.1%であった5)。また、外国において健康成人(5例)に、14C標識シベンゾリンコハク酸塩153mgを単回経口投与した場合、尿中への放射能排泄率は最初の24時間で投与量の75.4%、6日間では85.7%であった。糞便中へは6日間で投与量の13.2%が排泄された。なお、ヒトでの代謝物は最初の24時間尿中にデヒドロ体とp-ヒドロキシ体がそれぞれ2.8%及び3.4%(抱合体を含む)排泄された6)。
高齢患者では、若年患者に比べてシベンゾリンの血漿中濃度の消失半減期は延長し、AUCは増大し、全身クリアランスは減少した7)。,
ジソピラミドリン酸塩を対照薬とした二重盲検試験として心室性期外収縮患者を対象に、試験製剤0.15mL/kg(シベンゾリンコハク酸塩の場合1.4mg/kg、ジソピラミドの場合1.5mg/kgに相当)を静脈内投与した結果、本剤の有用性が認められた。副作用発現頻度は両群間に差を認めなかった8)。
プラセボを対照とした二重盲検試験として発作性上室性頻拍患者を対象に、試験製剤0.1mL/kg(シベンゾリンコハク酸塩1.4mg/kgに相当)を静脈内投与した結果、本剤の有用性が示された。副作用発現頻度はプラセボにやや劣ったが、臨床的に問題となる重篤な副作用は認められなかった9)。
プラセボを対照とした二重盲検試験として発作性心房細・粗動患者を対象に、試験製剤0.1mL/kg(シベンゾリンコハク酸塩1.4mg/kgに相当)を静脈内投与した結果、本剤は発作性心房細・粗動に対して有用であることが検証された。副作用発現頻度は本剤群でやや高い傾向にあり、意識消失(1/46例)及び動悸の悪化(1/46例)が認められた10)。
Vaughan Williamsの分類による第I群の抗不整脈薬。Na+チャネルを抑制して、活動電位の最大脱分極速度を抑制することによって抗不整脈作用を現す。細分類ではIa群に属し、Na+チャネルとの結合解離速度は中程度で、活動電位持続時間を延長する。本薬はまた、I群抗不整脈薬としての作用に加えて、特に高濃度では、Ca2+チャネルの抑制作用(第IV群の抗不整脈作用)を有する11)。
麻酔ネコにおいて、心室細動を生ずる電気刺激閾値を増加させる。また、冠動脈結紮により心筋梗塞を作成したイヌにおいても、電気刺激による心室細動を抑制する。
麻酔ラットないし麻酔イヌにおいて、アコニチン、ウワバイン及びアドレナリンにより惹起された心室性不整脈を抑制する。
イヌにおいて、冠動脈二段階結紮により惹起される心室性不整脈を抑制し、その効果はジソピラミドに比べ強く、持続的である。
ウサギ、イヌ、モルモット及びカエルの各種摘出心筋標本で、Vaughan Williamsらの分類でのクラスI型(心筋活動電位の最大脱分極速度の抑制)の作用を示し、この抑制開始速度のキネティックスは中程度である。なお、活動電位の持続時間の延長及び高濃度において内向きCa2+電流の抑制作用を示す。また、低酸素によって惹起される心房活動電位の持続時間の短縮を抑制する。
麻酔イヌにおいて、心筋虚血による心筋ATP含量の低下、乳酸含量の増加及び心筋アシド-シスに対して改善作用を示す。
腎動脈及び冠動脈血流量に対しても特に明らかな影響を及ぼさない(イヌ)20),21)。
シベンゾリンコハク酸塩(Cibenzoline Succinate)
2-[(1RS)-2,2-Diphenylcyclopropan-1-yl]-4,5-dihydro-1H-imidazole monosuccinate
C18H18N2・C4H6O4
380.44
シベンゾリンコハク酸塩は白色の結晶性の粉末である。メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、水又はエタノール(99.5)にやや溶けにくい。本品のメタノール溶液(1→10)は旋光性を示さない。
163~167℃
1.26×10-1(1-オクタノール/水系)
アンプル:5mL×10管
1) トーアエイヨー社内資料:ラット・薬物動態(乳汁中移行)
2) 新博次ほか:呼吸と循環.1988;36(10):1119-1124
3) 加藤貴雄ほか:臨床薬理.1988;19(4):707-716
4) Niwa T,et al.:Drug Metab Dispos.2000;28(9):1128-1134
5) 中島光好ほか:薬理と治療.1988;16(8):3297-3309
6) Massarella J W,et al.:Drug Metab Dispos.1986;14(1):59-64
7) 坂井誠ほか:臨床薬理.1993;24(2):397-406
8) 加藤和三ほか:臨床評価.1991;19(4):439-459
9) 加藤和三ほか:臨床評価.1991;19(4):461-476
10) 加藤和三ほか:臨床評価.1991;19(4):477-490
11) 第十八改正日本薬局方解説書.廣川書店.2021:C-2368
12) トーアエイヨー社内資料:イヌ不整脈モデル他・薬理作用
13) トーアエイヨー社内資料:イヌ不整脈モデル・薬理作用
14) Hashimoto K,et al.:J Cardiovasc Pharmacol.1987;9(2):148-153
15) Millar J S,et al.:Br J Pharmacol.1982;75(3):469-478
16) Satoh H,et al.:Jpn J Pharmacol.1987;44(2):113-119
17) Holck M,et al.:Br J Pharmacol.1986;87(4):705-711
18) 大見広規ほか:日本薬理学雑誌.1988;92(5):325-335
19) トーアエイヨー社内資料:冠動脈狭窄イヌ・薬理作用
20) トーアエイヨー社内資料:イヌ・薬理作用(1)
21) トーアエイヨー社内資料:イヌ・薬理作用(2)
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