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室温保存
5年
劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の使用は致死的不整脈治療の十分な経験のある医師に限り、かつ諸検査の実施が可能で、緊急時に十分対応できる設備・装置を備えている医療機関でのみ使用すること。
他の抗不整脈薬が無効か、副作用により使用できないか、又は心機能が低下しているために使用できない致死的心室性不整脈患者にのみ使用すること。
[本剤の作用によりQT時間が更に延長し、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)を誘発させるおそれがある。]
生命に危険のある下記の不整脈で他の抗不整脈薬が無効か、又は使用できない場合
心室頻拍、心室細動
通常、成人にはニフェカラント塩酸塩として1回0.3mg/kgを5分間かけて心電図の連続監視下に静脈内に投与する。
単回静注が有効で効果の維持を期待する場合には、通常、成人にはニフェカラント塩酸塩として1時間あたり0.4mg/kgを等速度で心電図の連続監視下に静脈内に投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。投与に際しては、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で溶解して使用する。
徐脈を助長させるおそれがある。
刺激伝導障害を増悪させるおそれがある。
心室頻拍(Torsades de pointesを含む)等の催不整脈作用が発現するおそれがある。
本剤の血漿中未変化体濃度の上昇又は血中半減期の延長が生じるおそれがある。また、腎機能障害を増悪させるおそれがある。
本剤の血漿中未変化体濃度の上昇又は血中半減期の延長が生じるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。動物(ラット)に50mg/kgを反復投与した場合、胎児の短尾等の催奇形作用が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
血漿中未変化体濃度の上昇又は血中半減期の延長が生じるおそれがある。肝・腎機能が低下していることが多い。,,
アミオダロン注射剤
(アンカロン注150)
併用により、Torsades de pointesを起こす可能性が高くなる。
共にK+チャネル遮断を主な作用とする注射剤であり、併用によりQT時間延長作用が増強する。
フィンゴリモド塩酸塩
(イムセラ)
(ジレニア)
併用により、Torsades de pointes等の重篤な不整脈を生じるおそれがある。
フィンゴリモド塩酸塩の投与により心拍数が低下するため、併用により不整脈を増強するおそれがある。
エリグルスタット酒石酸塩
(サデルガ)
併用によりQT延長等を生じるおそれがある。
併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。
Ⅰa群不整脈用剤
プロカインアミド
キニジン
ジソピラミド
Ⅲ群不整脈用剤
アミオダロン経口剤
ソタロール
本剤の作用が増強する可能性がある。
動物実験でⅠa群薬(ジソピラミド)又はⅢ群薬(ソタロール)との併用によって心筋活動電位持続時間の延長が増強されたことから、これらの薬剤との併用によってQT時間延長作用が増強する可能性が高い。これに伴って、心室頻拍等の催不整脈作用が発現する可能性が増大する。
プロブコール
フェノチアジン系薬剤
三環系抗うつ剤
四環系抗うつ剤
交感神経作動薬
QT時間延長作用が知られている薬剤との併用によってQT時間延長が増強する。これに伴って、心室頻拍等の催不整脈作用が発現する可能性が増大する。
バルデナフィル塩酸塩水和物
モキシフロキサシン塩酸塩
トレミフェンクエン酸塩
本剤の作用が増強するおそれがある。
これらの薬剤でQT時間延長作用がみられているので、併用によって本剤のQT時間延長が増強するおそれがある。
利尿剤
低カリウム血症が惹起された場合、本剤のQT時間延長作用が増強する。
心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、心室細動、心室性期外収縮、心房細動、心房粗動等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止するとともにリドカイン、硫酸マグネシウムの静注、直流通電等適切な処置を行うこと。
1~3%未満
0.1~1%未満
頻度不明
循環器注2)
QT時間延長
洞停止、QRS拡大
洞性徐脈、徐脈、房室ブロック
皮膚
発疹
皮膚潰瘍形成、皮下組織膿瘍
肝臓
ALT上昇、LDH上昇
γ-GTP上昇、Al-P上昇、総ビリルビン上昇
AST上昇
腎臓
BUN上昇、血中クレアチニン上昇
血液
血小板減少、白血球増加、リンパ球減少、好中球増多
貧血(赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット値減少)
代謝異常
総蛋白低下、アルブミン低下、Cl低下、K上昇、Na低下、K低下、尿酸上昇
消化器
下痢、口渇
その他
ほてり
胸部不快感、胸内熱感、注射部疼痛、あくび、頭重感
CK上昇、静脈炎、注射部炎症、注射部発赤腫脹、注射部硬結、注射部膿瘍
QT時間の過度の延長、心拍数の低下又は洞停止が出現するおそれがある。また、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、心室細動等の催不整脈作用が発現する場合がある。,
異常が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止するとともに心電図等で経過観察を十分に行うこと。また、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、心室細動等の催不整脈作用が発現した場合は、直ちにリドカイン、硫酸マグネシウムの静注、直流通電等適切な処置を行うこと。,
溶解後は速やかに使用すること。やむを得ず保存する場合、又は維持静注に供する場合、溶解後24時間を経過したものは使用しないこと(生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液にて溶解した液は、室温散乱光下で調製後24時間まで安定であった)。
健康成人男子に本剤0.1~0.4mg/kg注3)を5分間かけて単回静注したところ(各5~6例)、血漿中未変化体濃度は投与終了直後に最高値を示し、その後二相性に消失した。0.3mg/kg静注時のβ相の消失半減期は1.53時間であった。AUCは投与量に比例して増加し、その他のパラメータは投与量によらずほぼ一定であり、線形性が認められた1)。
健康成人男子(6例)に本剤0.4mg/kg/時間を維持静注した場合、血漿中未変化体濃度は投与開始後約4時間で定常状態に達し、投与終了後は単回静注時と同様に二相性に消失した2)。,,
投与群
T1/2β
(hr)
Vc
(L/kg)
Cl
(L/hr/kg)
AUC0-∞
(ng・hr/mL)
単回静注※1)
1.53±0.23
0.13±0.01
0.85±0.09
321±37
維持静注※2)
1.15±0.08
0.14±0.04
0.78±0.05
3776±345
平均値±標準偏差(n=6)
※1)0.3mg/kgを5分間かけて静注した。
※2)0.4mg/kg注3)を5分間かけて静注し、引き続き0.4mg/kg/時間を6時間静注した。
86.4~94.6%1)
健康成人男子に本剤を静注したところ、主たる血漿中代謝物はグルクロン酸抱合体(M-GC)であった1),2)。
健康成人男子に本剤0.1~0.4mg/kg注3)を5分間かけて単回静注したところ(各5~6例)、24時間後までの未変化体及び代謝物の尿中排泄率の合計は投与量の46.9~55.5%であった1)。未変化体が投与量の27.8~31.7%、M-GCが14.8~18.9%であり、チトクロームP450が関与すると考えられるその他の代謝物の排泄率は合計3.3~5.5%であった1)。なお、チトクロームP450の分子種は、CYP3A4、2D6、1A1が主であり、他にCYP2B6、2C9、2C18、2C19も関与することが確認されている3)。健康成人男子(6例)に本剤0.4mg/kg/時間を維持静注した場合の尿中排泄率は、単回静注時とほぼ同様であった2)。
多剤無効の重症心室頻拍患者の自然発作に対して本剤の単回静注によって頻拍停止効果が認められた4),5)。「改善」以上と判定された5例のうち3例は静注によって自然発作が停止し、他の2例は直流通電によっても停止し得なかった発作が本剤静注後に直流通電により停止可能となった。
全般改善度(改善以上)
心室頻拍発作の停止
71.4%(5/7例)
副作用は8例中2例に認められ、下痢と単形性VTから多形性VTへの移行が1例ずつであった。
本剤の維持静注中に電気生理学的検査法を用いて心室頻拍の誘発性に及ぼす影響を3試験で検討したところ、いずれの試験においても予防効果が確認された5),6),7)。3試験の全般改善度の判定基準が若干異なることから、統一評価基準に基づいて有効率をまとめたところ以下のとおりであった。
著効:誘発の完全抑制又は15連発未満の非持続性心室頻拍の誘発
有効:15連発以上30秒未満の非持続性心室頻拍の誘発
無効:心室頻拍の誘発性不変
悪化:新たな心室頻拍の誘発など
著効
有効
無効
悪化
合計
有効率
(有効以上)
心室頻拍発作の予防
8
7
15
1
31
48.4%
(15/31例)
副作用は36例の全例に認められなかった。
臨床検査値異常変動が2例4件あり、LDH上昇、K減少、Cl減少が1例、総ビリルビン上昇が1例であった。
イヌのプルキンエ線維の活動電位立ち上がり速度に影響することなく、活動電位持続時間を濃度依存性に延長させた8)。
イヌの心房筋及び心室筋の有効不応期を用量依存性に延長させた9)。
イヌのプルキンエ線維の活動電位持続時間を延長させる濃度でK+チャネルを遮断した(ウサギ心室筋)10)が、Na+及びCa++チャネルには作用しなかった(モルモット心室筋)11)。
心室性期外収縮患者に本剤を投与したところ、心室の単相活動電位持続時間及び有効不応期の有意な延長が認められたが、心室内伝導速度には影響を及ぼさなかった12)。
イヌのリエントリー性不整脈である心筋梗塞後の心室頻拍及び心室細動の誘発を抑制し13)、心臓突然死の発生を予防した14)。一方、自動能亢進型のモデル不整脈に対する効果は弱かった13)。
イヌにおいて用量依存性に心拍数を低下させ、またQT時間を延長させた。血圧及び心筋収縮性(左心室内圧上昇速度)には影響を及ぼさなかった9)。
基礎心疾患に伴う低心機能を呈する難治性心室頻拍例においては、心拍出量及び心係数を有意に上昇させた5)。また、心筋梗塞後の患者において、心機能への影響は認められなかった15),16)。
ニフェカラント塩酸塩
(Nifekalant Hydrochloride)
6-[2-[(N-2-hydroxyethyl)-3-(4-nitrophenyl)propylamino]ethylamino]-1,3-dimethyl-1H,3H-pyrimidine-2,4-dione monohydrochloride
C19H27N5O5・HCl
441.91
淡黄色~黄色の結晶又は結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
171~175℃
外箱開封後は遮光して保存すること。
1バイアル
1) 加藤貴雄ほか:臨床医薬.1997;13(7):1659-1674
2) 加藤貴雄ほか:臨床医薬.1997;13(7):1675-1687
3) トーアエイヨー社内資料:代謝に関するヒトP450分子種の同定
4) 加藤和三ほか:臨床医薬.1997;13(7):1689-1710
5) 大西 哲ほか:臨床医薬.1997;13(7):1759-1771
6) 桜田春水ほか:臨床医薬.1997;13(7):1773-1787
7) 青沼和隆ほか:臨床医薬.1997;13(7):1789-1797
8) トーアエイヨー社内資料:心筋活動電位に対する作用
9) Kamiya J,et al.:Drug Dev Res.1993;30(1):37-44
10) Nakaya H,et al.:Br J Pharmacol.1993;109(1):157-163
11) Sato R,et al.:J Pharmacol Exp Ther.1995;274(1):469-474
12) 坂東重信ほか:日本臨床生理学会雑誌.1997;27(5):305-310
13) Kamiya J,et al.:Jpn J Pharmacol.1992;58(2):107-115
14) Friedrichs G S,et al.:J Cardiovasc Pharmacol.1995;25(2):314-323
15) 加藤貴雄ほか:臨床医薬.1997;13(7):1821-1833
16) 織田裕之ほか:臨床医薬.1997;13(7):1811-1819
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