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処方箋医薬品注)
[本剤の効果が期待できない。]
[電解質失調を起こすおそれがある。]
通常、成人には、トラセミドとして、1日1回4~8mgを経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
痛風発作を起こすおそれがある。糖尿病を悪化するおそれがある。
電解質失調を起こすおそれがある。
低ナトリウム血症を起こすおそれがある。
腎機能障害が増悪することがある。また、排泄遅延により血中濃度が上昇するおそれがある。
投与しないこと。低カリウム血症によるアルカローシスの増悪により肝性昏睡が悪化するおそれがある。
肝性昏睡を起こすおそれがある。
妊娠初期又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で、生後には消失する一過性の骨格異常、胎児の化骨遅延及び出生児の体重増加抑制が、また、ウサギで母体毒性が認められている1),2)。
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で本剤の乳汁移行が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。乳児では電解質バランスがくずれやすい。
次の点に注意し、少量(4mg)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
デスモプレシン酢酸塩水和物
(ミニリンメルト)(男性における夜間多尿による夜間頻尿)
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
いずれも低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
昇圧アミン
(ノルアドレナリン等)
昇圧アミンの作用を減弱するおそれがあるので、手術前の患者に使用する場合には、一時休薬等の処置を講ずること。
本剤が昇圧アミンに対する血管壁の反応性を低下させるためと考えられている。
ツボクラリン及びその類似物質
(ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物)
麻痺作用を増強することがあるので、手術前の患者に使用する場合には、一時休薬等の処置を講ずること。
血清カリウム値の低下により、これらの薬剤の神経・筋遮断作用が増強されると考えられている。
降圧剤
(ACE阻害剤、β遮断剤等)
併用する降圧剤の用量調節に注意する。
併用により降圧作用を増強するおそれがある。
アミノグリコシド系抗生物質
(ゲンタマイシン硫酸塩、アミカシン硫酸塩等)
併用を避けることが望ましい。やむを得ず投与する場合には、アミノグリコシド系抗生物質の血中濃度をモニターし、投与量、投与間隔を調節する。
アミノグリコシド系抗生物質の腎障害及び第8脳神経障害(聴力障害)を増強するおそれがある。
セファロスポリン系抗生物質
併用する場合には、慎重に投与する。
尿細管でのナトリウムの再吸収の増加に伴い、セファロスポリン系抗生物質の再吸収も増加し、腎毒性を増強するおそれがある。
ジギタリス剤
(ジギトキシン、ジゴキシン等)
不整脈を起こすおそれがある。血清カリウム値をモニターし、カリウム剤の補充を行う。
低カリウム血症を起こし、ジギタリスの心臓毒性を増強する可能性が考えられる。
糖質副腎皮質ホルモン剤
ACTH
グリチルリチン製剤
過剰のカリウム放出を起こすおそれがあるので、併用する場合には、慎重に投与する。
ともにカリウム排泄作用を有する。
糖尿病用剤
糖尿病用剤の作用を著しく減弱するおそれがある。
細胞内外のカリウム喪失がインスリン分泌の抑制、末梢でのインスリン感受性の低下をもたらすと考えられている。
リチウム
(炭酸リチウム)
リチウム中毒を起こすおそれがあるので、血中リチウム濃度に注意すること。
リチウムの腎における再吸収を促進し、リチウムの血中濃度が上昇するおそれがある。
サリチル酸誘導体
(サリチル酸ナトリウム、アスピリン等)
サリチル酸中毒が発現するおそれがある。
腎の排泄部位において両剤の競合が起こり、サリチル酸誘導体の排泄が遅れるおそれがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤
(インドメタシン等)
本剤の利尿作用が減弱されるおそれがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成抑制による水、ナトリウム体内貯留傾向が、本剤の水、ナトリウム排泄作用に拮抗するためと考えられている。
尿酸排泄促進剤
(プロベネシド等)
尿酸排泄促進剤の尿酸排泄作用を減弱するおそれがある。
尿酸再吸収の間接的増大により、尿酸排泄促進剤の作用が抑制される。
カルバマゼピン
症候性低ナトリウム血症があらわれることがある。
ナトリウム排泄作用が増強され、低ナトリウム血症が起こる。
AST、ALT、ALPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
血清カリウム値の異常変動に伴い、不整脈、全身倦怠感、脱力等が発現するおそれがある。,,,,
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
血液
血液障害(血小板数減少、白血球数減少、赤血球数減少、ヘマトクリット値減少等)
代謝異常
電解質失調(低ナトリウム血症、低カリウム血症、低クロール性アルカローシス)、血清尿酸値上昇、高カリウム血症
血清脂質増加、高血糖症
過敏症
発疹、そう痒
消化器
口渇
食欲不振、下痢、腹痛、嘔気・嘔吐、胸やけ
肝臓
AST、ALTの上昇
γ-GTP、ALPの上昇
腎臓
BUN、クレアチニンの上昇、頻尿
精神神経系
頭痛、めまい
手足のしびれ、聴覚障害
その他
倦怠感
動悸、痛風様発作、関節痛、筋痙攣、CK上昇、LDH上昇
女性化乳房
電解質及び体液喪失により血圧低下、心電図異常、血栓塞栓症、急性腎障害、譫妄状態等を起こす可能性がある。
本剤は血液透析によって除去できない。
特殊毒性:変異原性及び抗原性は認められていない。がん原性試験において、ラット18mg~9mg/kg群※(浮腫の臨床最高用量の約68倍)の雌にのみ腎臓腫瘍の発生率の上昇が認められた。その他の器官・組織では特異的な腫瘍発生は認められていなかった3),4),5)。
(※52週まで18mg/kgを、それ以降は9mg/kgを投与した。)
健康成人男子にトラセミド2、5、10mg注1)を空腹時に単回経口投与したとき、投与後約1時間で最高血漿中濃度に達し、消失半減期は約2時間であった6)。
投与量
(mg)
投与
条件
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(h)
T1/2β
AUC0-∞
(μg・h/mL)
2
1mg
×2
0.23
±0.04
0.6
±0.2
2.0
±0.8
0.45
±0.05
5
5mg
×1
0.48
±0.14
0.8
±0.3
2.4
±0.6
1.28
±0.32
10
1.40
±0.26
0.9
2.2
±0.4
3.55
±0.52
(平均±標準偏差、n=5)
トラセミドOD錠8㎎「TE」とルプラック錠8mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(トラセミドとして8㎎)、健康成人男子に絶食単回経口投与(水で服用及び水なしで服用)して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された7)。
AUC0-12
(ng・hr/mL)
(ng/mL)
(hr)
T1/2
トラセミド
OD錠8㎎
「TE」
3327
±765.8
1427
±323.7
0.65
±0.22
2.98
±0.51
ルプラック
錠8㎎
3281
±684.5
1443
±371.1
0.88
±0.62
3.08
±0.42
(平均値±標準偏差、n=20)
OD錠
8㎎「TE」
3158
±683.9
1373
±322.6
0.87
±0.37
2.92
±0.53
3145
±650.2
1430
±377.5
±0.39
2.96
±0.46
(平均値±標準偏差、n=19)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
健康成人男子6例にトラセミド8㎎をクロスオーバー法で単回経口投与したとき、食後投与時には未変化体のTmaxの遅延が認められたが、その他の薬物動態パラメータは変化せず、食事の影響は少なかった8)。
血漿蛋白結合率は97~99%9)。
健康成人にトラセミド2、5、10mg注1)を単回経口投与したとき、24時間後の代謝物及び未変化体尿中排泄率は50~80%であった。このうち20~30%が未変化体(トラセミド)であった6)。
トラセミド8mgを食後に単回経口投与したとき、24時間後の未変化体尿中排泄率は約15%であり10)、健康成人8)と比較し低下した。
トラセミド8mgを食後に単回経口投与したとき、健康成人8)と比較し、血漿中未変化体濃度の半減期が長くなりAUCが増加した10)。
若年者(19~28歳)及び高齢者(65~83歳)の健康成人男子にトラセミド5㎎を1日1回、8日間反復経口投与し、初日及び8日目の血漿中濃度推移及び尿中排泄率を比較した。その結果、血漿中未変化体の薬物動態パラメータには高齢者と若年者で差がなかった。一方、未変化体の腎クリアランスは高齢者で低下傾向があった。未変化体の腎クリアランスはクレアチニンクリアランスと良好な相関関係が認められ、高齢者においては腎機能の低下により、尿中への排泄が減少したものと推定された。しかし、トラセミドの腎クリアランスは全身クリアランスの約1/4であるため血中薬物動態パラメータに差がなかったと考えられた11)(外国人のデータ)。
浮腫患者を対象にトラセミド8mgを1日1回6日間経口投与した二重盲検比較試験の結果は次のとおりであった。
副作用発現頻度は3.5%(4/115例)であった。副作用の内訳は、頭重感、耳鳴、血清尿酸値上昇及び血清カリウム値低下いずれも0.9%(1/115例)であった12)。
疾患
全般改善率(中等度改善以上)
心性浮腫
21/28(75.0%)
腎性浮腫
35/46(76.1%)
肝性浮腫
26/37(70.3%)
3/4(75.0%)
計
85/115(73.9%)
麻酔イヌの腎クリアランス試験13)、ストップフロー試験13)、ラットマイクロパンクチャー試験14)及びウサギマイクロパーフュージョン試験15)の結果から、他のループ利尿剤と同様にヘンレ係蹄の上行脚における電解質の再吸収抑制による利尿作用を示す。また、ラット腎細胞質画分における、受容体結合の阻害による抗アルドステロン作用が認められた16)。
正常血圧ラット、高血圧自然発症ラット、腎性高血圧ラット、病態モデル動物(一側腎摘出後デオキシコルチコステロン酢酸塩皮下投与-食塩負荷高血圧ラット及び肝硬変ラット)において、トラセミド0.3、1、3mg/kgの単回経口投与により用量依存的な利尿作用を示した。
また、正常ラットにおけるトラセミドの尿中Na/K比改善効果は、既存のループ利尿剤と抗アルドステロン剤を併用した場合とほぼ同等の作用を示した17),18),19)。
ラットにトラセミド0.3~10mg/kgの単回経口投与したとき、カラゲニン足蹠浮腫、カラゲニン胸膜炎及びヒスタミン誘発毛細血管透過性の亢進を用量依存的に抑制した20)。
また、麻酔イヌのうっ血性急性心不全モデルにおいて、トラセミド0.3mg/kgの静脈内投与により、病態の進行を抑制した21)。
トラセミド(Torasemide)
N-(1-methylethylaminocarbonyl)-4-(3-methylphenylamino)-3-pyridinesulfonamide
C16H20N4O3S
348.42
白色の結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、アセトニトリルに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
159~164℃
アルミピロー包装又は容器の開封後は湿気を避けて保存すること。
100錠[PTP(10錠×10)]
500錠[PTP(10錠×50)]
500錠[バラ]
1) 太田隆雄ほか:薬理と治療.1994;22(Suppl.5):1113-1132
2) 太田隆雄ほか:薬理と治療.1994;22(Suppl.5):1133-1142
3) 安藤信明ほか:薬理と治療.1994;22(Suppl.5):1171-1174
4) 永澤佳子ほか:薬理と治療.1994;22(Suppl.5):1175-1178
5) 梅村昭男ほか:薬理と治療.1994;22(Suppl.5):1159-1170
6) 東純一ほか:臨床医薬.1994;10(Suppl.4):3-18
7) 信岡史将ほか:診療と新薬.2018;55(2):100-114
8) 東純一ほか:臨床医薬.1994;10(Suppl.4):31-40
9) 田中千賀子ほか:NEW薬理学 改訂第7版.南江堂.2017:434-436
10) 阿部裕ほか:臨床医薬.1994;10(Suppl.5):29-61
11) Barr WH,et al.:Prog Pharmacol Clin Pharmacol. 1990;8(1): 15-28
12) 阿部裕ほか:臨床医薬.1997;13(10):2701-2739
13) 内田武ほか:基礎と臨床.1994;28(8):2257-2266
14) Hermes H,et al.:Arzneimittelforschung.1985;35(10): 1532-1535
15) Wittner M,et al.:Pflugers Arch.1986;407(6):611-614
16) 内田武ほか:基礎と臨床.1994;28(8):2267-2276
17) 内田武ほか:基礎と臨床.1994;28(8):2233-2238
18) 内田武ほか:基礎と臨床.1994;28(8):2239-2247
19) 内田武ほか:基礎と臨床.1996;30(3):471-477
20) 井上理ほか:基礎と臨床.1996;30(3):489-496
21) 木戸秀明ほか:基礎と臨床.1996;30(3):479-487
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