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フラビタン注5mg/フラビタン注射液10mg/フラビタン注射液20mg

添付文書番号

3131400A3127_1_11

企業コード

480008

作成又は改訂年月

2024年7月改訂(第2版)
2024年3月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873131

薬効分類名

補酵素型ビタミンB2製剤

承認等

フラビタン注5mg

販売名コード

YJコード

3131400A3127

販売名英語表記

Flavitan Injection 5mg

販売名ひらがな

ふらびたんちゅう5mg

承認番号等

承認番号

13107KUZ08495001

販売開始年月

1961年12月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

フラビタン注射液10mg

販売名コード

YJコード

3131400A4182

販売名英語表記

Flavitan Injection 10mg

販売名ひらがな

ふらびたんちゅうしゃえき10mg

承認番号等

承認番号

13800AZZ01979000

販売開始年月

1963年8月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

フラビタン注射液20mg

販売名コード

YJコード

3131400A5146

販売名英語表記

Flavitan Injection 20mg

販売名ひらがな

ふらびたんちゅうしゃえき20mg

承認番号等

承認番号

13800AZZ01980000

販売開始年月

1965年5月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

フラビンアデニンジヌクレオチド注射液

3. 組成・性状

3.1 組成

フラビタン注5mg

有効成分(1管1mL中)
日本薬局方・フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウムをフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)として   5mg
添加剤(1管1mL中)  
塩化ナトリウム      7mg  
クエン酸水和物      適量  
クエン酸ナトリウム水和物 適量  
ベンジルアルコール    10mg  

フラビタン注射液10mg

有効成分(1管1mL中)
日本薬局方・フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウムをフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)として   10mg
添加剤(1管1mL中)  
塩化ナトリウム      5mg  
クエン酸水和物      適量  
クエン酸ナトリウム水和物 適量  
ベンジルアルコール    10mg  

フラビタン注射液20mg

有効成分(1管2mL中)
日本薬局方・フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウムをフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)として   20mg
添加剤(1管2mL中)  
塩化ナトリウム      10mg  
クエン酸水和物      適量  
クエン酸ナトリウム水和物 適量  
ベンジルアルコール    20mg  

3.2 製剤の性状

フラビタン注5mg

性状黄色澄明な水性注射液
pH5.1~6.1
浸透圧比約1
(生理食塩液に対する比)

フラビタン注射液10mg

性状黄色~だいだい黄色澄明な水性注射液
pH5.1~6.1
浸透圧比約1
(生理食塩液に対する比)

フラビタン注射液20mg

性状黄色~だいだい黄色澄明な水性注射液
pH5.1~6.1
浸透圧比約1
(生理食塩液に対する比)

4. 効能又は効果

(1)ビタミンB2欠乏症の予防及び治療

(2)ビタミンB2の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給

  • (消耗性疾患、妊産婦、授乳婦、はげしい肉体労働時など)

(3)下記疾患のうち、ビタミンB2の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合

  • ・口角炎、口唇炎、舌炎、口内炎
  • ・肛門周囲及び陰部びらん
  • ・急・慢性湿疹、脂漏性湿疹
  • ・ペラグラ
  • ・尋常性痤瘡、酒さ
  • ・日光皮膚炎
  • ・結膜炎
  • ・びまん性表層角膜炎、角膜部周擁充血、角膜脈管新生

「(3)」の適応(効能又は効果)に対して、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。

6. 用法及び用量

FADとして、通常成人1日1~40mgを1~2回に分けて皮下、筋肉内又は静脈内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.7 小児等

  1. 9.7.1 低出生体重児、新生児に使用する場合には十分注意すること。外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99~234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。本剤は添加剤としてベンジルアルコールを含有している。
  2. 9.7.2 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

尿を黄変させ、臨床検査値に影響を与えることがある。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意

  1. 14.1.1 静脈内注射時

    注射速度が速すぎると一過性の胸部不快感を訴えることがあるので、できるだけゆっくり注射すること。ゆっくり注射しても胸部不快感を訴える場合は、輸液等で希釈し点滴するか、又は皮下・筋肉内投与に切替えるなど適切な処置を行うこと。

    (静脈内投与時の胸部不快感について)

    • FADの静脈内投与により胸部不快感が出現した3例を含む健常人8例に対し、FADとして20mgを5%ブドウ糖液500mLに希釈して、2時間かけて点滴静注した結果、胸部不快感が出現した例はみられなかった1)
      しかし、健常人にFADとして10mgを1~2秒間で静脈内投与あるいはFADとして30mgを20%ブドウ糖液20mLに希釈して約30秒かけて静脈内投与したところ、延べ17例中6例にFAD投与開始後20~30秒で胸部不快感が出現し、投与開始後90~120秒で消失した2)。また、FADとして20mgを20%ブドウ糖液20mLに希釈し、2分間かけて静脈内投与した試験においても一過性の胸部不快感出現例が認められた1)
      したがって、静脈内投与時の胸部不快感を防止するためには点滴静注法が望ましい。
  2. 14.1.2 筋肉内注射時

    組織・神経等への影響を避けるため、以下の点に注意すること。

    • 同一部位への反復注射は行わないこと。また、低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児には特に注意すること。
    • 神経走行部位を避けるよう注意すること。
    • 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

    健常人9例にフラビタン注射液10mg1管(FADとして10mg)又は、フラビタン注射液20mg1管(FADとして20mg)を静脈内投与したときの血中総ビタミンB2濃度の推移は下図のとおりであった3)

    健常人に本剤を静脈内投与したときの血中総ビタミンB2濃度推移
    (平均値±標準偏差、n=9)
    :フラビタン注射液10mg 1管投与
    :フラビタン注射液20mg 1管投与
    投与開始時と比較して **:p<0.01 *:p<0.05

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

FADはフラビン酵素の補酵素として細胞内の酸化還元系やミトコンドリアにおける電子伝達系に働き、糖質、脂質、たん白質等の生体内代謝に広く関与し、重要な役割を果している。

18.2 赤血球グルタチオン還元酵素活性に及ぼす作用

FADを補酵素とする赤血球グルタチオン還元酵素(EGR)活性を測定した試験において、重症感染症患者のEGR活性は対照とした正常者のEGR活性と比較すると低下傾向が認められ、抗生物質の1週間以上の投与により有意に低下した(p<0.001)。この重症感染症患者に抗生物質とともにFADを1週間投与(FADとして20~40mg/dayを点滴静注)した後のEGR活性は正常な値まで回復した4)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム
(Flavin Adenine Dinucleotide Sodium)

化学名

Disodium adenosine 5'-[(2R,3S,4S)-5-(7,8-dimethyl-2,4-dioxo-3,4-dihydrobenzo[g]pteridin-10(2H)-yl)-2,3,4-trihydroxypentyl diphosphate]

分子式

C27H31N9Na2O15P2

分子量

829.51

性状

だいだい黄色~淡黄褐色の粉末で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがあり、味はわずかに苦い。水に溶けやすく、メタノール、エタノール(95)、エチレングリコール又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
吸湿性であり、光によって分解する。

化学構造式

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は遮光して保存すること。

22. 包装

  • 〈フラビタン注5mg〉

    アンプル:1mL×50管

  • 〈フラビタン注射液10mg〉

    アンプル:1mL×50管

  • 〈フラビタン注射液20mg〉

    アンプル:2mL×50管

24. 文献請求先及び問い合わせ先

トーアエイヨー株式会社 信頼性保証部

*〒104-0032 東京都中央区八丁堀3-10-6

電話 0120-387-999

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

トーアエイヨー株式会社

福島県福島市飯坂町湯野字田中1番地

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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