当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
処方箋医薬品注)
本剤の耐性菌の発現を防ぐため、「5.効能・効果に関連する注意」、「7.用法・用量に関連する注意」、「8.重要な基本的注意」の項を熟読の上、適正使用に努めること。
本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
バンコマイシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌(MRSE)
既存治療で効果不十分な下記疾患結膜炎、眼瞼炎、瞼板腺炎、涙嚢炎
本剤の投与にあたっては、耐性菌の発現を防ぐため、原則として他の抗菌薬及び本剤に対する感受性を確認し、他の薬剤による効果が期待できず、かつ、本剤に感性のMRSAあるいはMRSEが起炎菌と診断された感染症である場合に投与すること。
通常、適量を1日4回塗布する。
なお、感染部位、重症度、患者の症状等を考慮し、適切な時期に、本剤の継続投与が必要か否か判定し、疾病の治療上必要な最低限の期間の投与にとどめること。
本剤の投与にあたっては、耐性菌の発現を防ぐため、感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導の下で投与すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。静脈内投与により、ヒト母乳中への移行が認められている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、浮腫等)を起こすことがある。
びらん等の角膜上皮障害が発現することがある。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
眼
眼瞼浮腫、結膜充血
眼の異常感、そう痒感、分泌物増加
眼瞼発赤
その他
顔面腫脹
創傷治癒の遅延
眼科用にのみ使用すること。
バンコマイシン眼軟膏0.3%~3%製剤注1) を健康成人男性各10例に単回又はバンコマイシン眼軟膏1%及び2%製剤注1) を健康成人男性各10例に1日4回14日間反復塗布したところ、いずれにおいても塗布後1時間及び24時間の血漿中バンコマイシン濃度は定量限界(0.01μg/mL)以下であった1) 。
有色ウサギにバンコマイシン眼軟膏1%~3%製剤注1) を単回塗布したとき、結膜及び角膜へはバンコマイシンの速やかな移行(Tmax0.25~1時間)が認められ、結膜では塗布8時間後までほぼ一定レベルの推移を示し、その後減少した。一方、角膜では塗布8時間後のバンコマイシン濃度はCmaxの1/20~1/4程度であった。また、眼房水、虹彩・毛様体、脈絡膜・網膜色素上皮・網膜中及び硝子体へのバンコマイシンの移行は結膜や角膜に比べ低値であった2),3),4) 。
バンコマイシン眼軟膏2%及び3%製剤注1) を健康成人男性各10例に単回又はバンコマイシン眼軟膏1%及び2%製剤注1) を健康成人男性各10例に1日4回14日間反復塗布したところ、一部の被験者の尿中よりバンコマイシンがわずかながら検出された1) 。
有色ウサギにバンコマイシン眼軟膏1%製剤を1日4回14日間、反復塗布したときのバンコマイシン(未変化体)の尿及び糞への1日排泄率は、それぞれ1日投与量の1%未満及び約98%であった5) 。
MRSAまたはMRSEに起因する眼感染症患者25例を対象として、バンコマイシン眼軟膏1%製剤の有効性及び安全性を検討した。用法用量は1回約1cm(約50mg)、1日4回(朝、昼、夕、就寝前)投与した。投与期間は治験責任医師等が菌消失と判断した時点で投与を終了した。なお、バンコマイシン眼軟膏1%の投与は、14日間を超えないものとした。菌種別にはMRSA 19例、MRSE 2例であった。疾患別には、結膜炎 14例(66.7%)、眼瞼炎3例(14.3%)、涙嚢炎2例(9.5%)、瞼板腺炎および角膜炎各1例(4.8%)であった。結果、臨床効果判定で66.7%(14/21例:95%信頼区間43.0~85.4%)の有効率が認められた。菌種別には、MRSAに対する有効率は63.2%(12/19例)、MRSEに対する有効率は100.0%(2/2例)であった。副作用発現頻度は、28.0%(7/25例)であった。主な副作用は、眼瞼浮腫12.0%(3/25例)及び結膜充血12.0%(3/25例)等であった6) 。
MRSAまたはMRSEに起因する眼感染症患者632例を対象にした使用成績調査において、バンコマイシン眼軟膏1%製剤の有効性及び安全性を検討した。臨床効果判定での有効率は85.1%(639/751眼:95%信頼区間82.4~87.5%)であり、細菌学的効果判定でのMRSA消失率は68.6%(378/551眼:95%信頼区間64.6~72.3%)、MRSE消失率は88.7%(55/62眼:95%信頼区間78.5~94.4%)であった。
安全性解析対象632例における臨床検査値異常を含む副作用発現割合は7.3%(46/632例)であった。その主なものは、角膜びらん0.8%(5/632例)、眼瞼発赤、好酸球数高値が各0.6%(4/632例)、眼瞼腫脹、点状表層角膜症、適用部位疼痛、CRP増加が各0.5%(3/632例)であった7) 。
好気性のグラム陽性球菌であるブドウ球菌、腸球菌、レンサ球菌属、肺炎球菌、嫌気性のグラム陽性菌であるクロストリジウム、ラクトバチルスなどにすぐれた抗菌力を示す。
その作用は細胞壁ペプチドグリカンの合成阻害と細胞膜の変性及びRNA合成阻害であり、殺菌的である。特に最近臨床において深刻な問題となっているメチシリン耐性ブドウ球菌に対して、in vitro及びin vivoですぐれた効果が認められているが、バンコマイシン耐性菌も出現している8) 。
バンコマイシン眼軟膏は、ウサギMRSA角膜炎モデルにおいて1%以上の濃度で治療効果が認められた9) 。
バンコマイシン塩酸塩(Vancomycin Hydrochloride)
(1S,2R,18R,19R,22S,25R,28R,40S)-50-[3-Amino-2,3,6-trideoxy-3-C-methyl-α-L-lyxo-hexopyranosyl-(1→2)-β-D-glucopyranosyloxy]-22-carbamoylmethyl-5,15-dichloro-2,18,32,35,37-pentahydroxy-19-[(2R)-4-methyl-2-(methylamino)pentanoylamino]-20,23,26,42,44-pentaoxo-7,13-dioxa-21,24,27,41,43-pentaazaoctacyclo[26.14.2.23,6.214,17.18,12.129,33.010,25.034,39]pentaconta-3,5,8,10,12(50),14,16,29,31,33(49),34,36,38,45,47-pentadecaene-40-carboxylic acid monohydrochloride
C66H75Cl2N9O24・HCl
1485.71
バンコマイシン塩酸塩は白色の粉末である。水に溶けやすく、ホルムアミドにやや溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。吸湿性である。
VCM
5gチューブ×1本
1) 深瀬広幸ほか:臨床医薬.2011;27(3):227-235
2) 社内資料:ウサギに点眼投与したときの体内動態試験(角膜,結膜及び眼房水中濃度)に関する資料(承認年月日:2009年10月16日、CTD2.6.4.4)
3) 社内資料:ウサギに単回点眼投与したときの体内動態試験(2%製剤での眼組織内分布及び尿糞中排泄)に関する資料(承認年月日:2009年10月16日、CTD2.6.4.4)
4) 社内資料:ウサギに点眼投与したときの体内動態試験(眼組織内分布)に関する資料(承認年月日:2009年10月16日、CTD2.6.4.4)
5) 社内資料:ウサギ尿及び糞中排泄率に関する資料(承認年月日:2009年10月16日、CTD2.6.4.6)
6) Chie Sotozono, et al.:BMJ Open.2013;3:e001206
7) 社内資料:使用成績調査
8) 第十七改正日本薬局方解説書(廣川書店).2016:C4017
9) 社内資料:ウサギMRSA角膜炎モデルにおける有用性に関する資料(承認年月日:2009年10月16日、CTD2.6.2.2)
日東メディック株式会社 おくすり相談窓口
**〒104-0031 東京都中央区京橋1-10-7
**電話:03-3523-0345FAX:03-6264-4086
東亜薬品株式会社
富山県富山市水橋開発277番10
日東メディック株式会社
富山県富山市八尾町保内1-14-1
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.