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ビオスリー配合散/ビオスリー配合錠/ビオスリー配合OD錠

添付文書番号

2316017B1041_1_08

企業コード

480019

作成又は改訂年月

2022年4月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872316

薬効分類名

活性生菌製剤

承認等

ビオスリー配合散

ビオスリー配合散はビオスリーとして1963年5月販売開始

販売名コード

YJコード

2316017B1041

販売名英語表記

BIO-THREE

承認番号等

承認番号

22100AMX01635000

販売開始年月

2009年9月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

ビオスリー配合錠

ビオスリー配合錠はビオスリー錠として1987年10月販売開始

販売名コード

YJコード

2316017F1035

販売名英語表記

BIO-THREE Tablets

承認番号等

承認番号

22100AMX01636000

販売開始年月

2009年9月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

ビオスリー配合OD錠

販売名コード

YJコード

2316017F2023

販売名英語表記

BIO-THREE OD Tablets

承認番号等

承認番号

22700AMX00737000

販売開始年月

2016年2月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

酪酸菌配合剤

3. 組成・性状

3.1 組成

ビオスリー配合散

有効成分1g中
ラクトミン   10mg
1g中
酪酸菌   50mg
1g中
糖化菌   50mg
添加剤ポリビニルアルコール(完全けん化物)、ポビドン、バレイショデンプン、乳糖水和物
*ビオスリー配合散1gとビオスリー配合錠2錠及びビオスリー配合OD錠2錠がほぼ等しい生菌数となるように調製している。

ビオスリー配合錠

有効成分1錠中
ラクトミン   2mg
1錠中
酪酸菌   10mg
1錠中
糖化菌   10mg
添加剤バレイショデンプン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース、軽質無水ケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム
*ビオスリー配合散1gとビオスリー配合錠2錠及びビオスリー配合OD錠2錠がほぼ等しい生菌数となるように調製している。

ビオスリー配合OD錠

有効成分1錠中
ラクトミン   2mg
1錠中
酪酸菌   10mg
1錠中
糖化菌   10mg
添加剤タルク、フマル酸ステアリルナトリウム、無水リン酸水素カルシウム、バレイショデンプン、乳糖水和物、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、軽質無水ケイ酸
*ビオスリー配合散1gとビオスリー配合錠2錠及びビオスリー配合OD錠2錠がほぼ等しい生菌数となるように調製している。

3.2 製剤の性状

ビオスリー配合散

剤形散剤
色調白色~わずかに黄褐色
識別コードToYK202(分包品)
においにおいはないか、又はわずかに特異なにおい
やや甘い

ビオスリー配合錠

剤形素錠
色調白色~わずかに黄褐色
外形表面
裏面
側面
大きさ直径8mm
厚さ4.2mm
質量200mg/錠
識別コードTK03
においにおいはないか、又はわずかに特異なにおい
やや甘い

ビオスリー配合OD錠

剤形素錠(口腔内崩壊錠)
色調白色~わずかに黄褐色
外形表面
裏面
側面
大きさ直径6.5mm
厚さ2.5mm
質量100mg/錠
識別コードTK04
においにおいはないか、又はわずかに特異なにおい
やや甘い

4. 効能又は効果

腸内菌叢の異常による諸症状の改善

6. 用法及び用量

  • 〈散〉

    通常成人1日1.5~3gを3回に分割経口投与する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 〈錠、OD錠〉

    通常成人1日3~6錠を3回に分割経口投与する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • 〈OD錠〉

    本剤は口腔内で崩壊するが、口腔粘膜から吸収されることはないため、唾液又は水で呑みこむこと。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  • 〈錠、OD錠〉
    1. 14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
  • 〈OD錠〉
    1. 14.1.2 本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である。また、水で服用することもできる。

16. 薬物動態

16.5 排泄

  • 〈錠、OD錠〉
    1. 16.5.1 分布試験

      ラットを用いてビオスリー配合錠、配合OD錠を経口投与し5時間後の各消化管内分布を調べたところ、Enterococcus faecium T-110、Bacillus subtilis TO-Aについて小腸で4.0 log CFU/g、盲腸で5.0 log CFU/g、大腸で5.0 log CFU/g程度、Clostridium butyricum TO-Aについては各部位で4.0 log CFU/g程度観察された1)

  • 〈錠、OD錠〉
    1. 16.5.2 排泄試験

      ラットを用いてビオスリー配合錠、配合OD錠を7日間経口投与し糞便中の菌数を調べたところ、Enterococcus faecium T-110と Bacillus subtilis TO-Aは、day8(休薬24時間後)は投与中同様の菌数であったが、day9(48時間後)は大半が検出限界以下であり、day10(72時間後)には全て検出限界以下であった。Clostridium butyricum TO-Aは、day8(休薬24時間後)は大半が検出限界以下であり、day9(48時間後)には全て検出限界以下となった1)

16.8 その他

  1. 16.8.1 人工胃液及び人工腸液に対する安定性

    Clostridium butyricum TO-A、Bacillus subtilis TO-Aは人工胃液及び人工腸液共に150分処理しても安定であった。また、Enterococcus faecium T-110は、人工胃液pH1.2で20分処理後菌数が4.00 log CFU/mL以下に、pH2.0で150分処理すると4.15 log CFU/mLと減少したもののpH3.0以上及び腸液では安定であった2)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内一般臨床試験
    • 〈散〉

      ビオスリー配合散を用いた一般臨床成績336例の結果は次のとおりであった3),4),5),6),7),8),9),10),11)
      (幼小児)
      総症例数285例、概要は以下のとおりであった。

      疾患名

      症例数

      有効率(%)

      胃腸炎

      13/13

      100

      下痢症

      82/88

      93.2

      消化不良性下痢症

      142/160

      88.8

      便秘症

      20/24

      83.3

      (成人)
      総症例数51例、概要は以下のとおりであった。

      疾患名

      症例数

      有効率(%)

      便秘症

      1/1

      100

      急性・慢性腸炎

      44/45

      97.8

      下痢便秘交代症

      3/5

      60.0

    • 〈錠〉

      ビオスリー配合錠を用いた一般臨床成績19例の結果は次のとおりであった12)
      (成人)

      疾患名

      症例数

      有効率(%)

      便秘症

      8/15

      53.3

      過敏性腸症候群

      2/4

      50.0

      なお、上記症例355例中、特にビオスリー配合散、ビオスリー配合錠によると思われる副作用は報告されていない。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

糖化菌がビフィズス菌の増殖を促進させ、乳酸菌と酪酸菌の共存下で腸管病原菌の増殖を抑制することにより、腸内細菌叢を正常化させる。

18.2 腸内細菌叢の正常化3)

細菌性下痢症の乳幼児にビオスリー配合散を投与し糞便内細菌叢を検索したところ、ビフィズス菌は増加し、腸内細菌叢の改善度の指標とされる好気性総菌数に対する嫌気性総菌数の比率は有意に増加することが認められた。

18.3 共生による増殖性向上13)

本剤の酪酸菌と乳酸菌の混合培養では、酪酸菌の菌数は単独培養時に比較し、約10倍に増加した。また、糖化菌培養ろ液を添加して培養するとき、乳酸菌の菌数は約10倍に増加した。

18.4 共生による整腸作用3),14)

本剤は、三種の活性菌の共生により、ヒト腸管内において増殖し、有害菌の発育を阻止して腸内細菌叢の正常化を図り整腸作用を発揮する。

18.5 共生による病原性細菌に対する抑制作用

  1. 18.5.1 連続流動培養において、酪酸菌と乳酸菌を混合培養し、病原性細菌(大腸菌、腸炎ビブリオ菌、ディフィシール菌、ボツリヌス菌、MRSA)に対する拮抗作用を確認したところ、各菌の単独培養時より顕著に認められた。
    一方、ビフィズス菌、ラクトバチルスに対しては抑制せず、共生関係を維持した14),15),16),17)
  2. 18.5.2 小児のサルモネラによる下痢症において、ビオスリー配合散を構成する菌株は、共生作用によりサルモネラ菌に対して抑制作用を有した18)
  3. 18.5.3 本剤の投与により内分泌系及びリウマチ性疾患由来の便通異常に対してBifidobacteriumの増加、Clostridium perfringensの減少等が観察され、腸内細菌叢の正常化による症状改善が認められた19)

18.6 有用菌の助長作用3),20),21),22)

本剤の投与によりBifidobacteriumの助長作用が認められ、また、Bacillus subtilis TO-Aの代謝産物にBifidobacteriumの分裂促進作用が認められた。

18.7 薬力学的試験

  1. 18.7.1 糞中菌数比較試験

    SPFラット(1群10匹)において、試験製剤群(ビオスリー配合OD錠投与)及び標準製剤群(ビオスリー配合錠投与)に分け、糞中のEnterococcus faecium T-110の生菌数、Clostridium butyricum TO-Aの生菌数及びBacillus subtilis TO-Aの生菌数を比較検討した。両剤はラット糞中菌数推移に差はなく、生物学的に同等であると判断された1)

  2. 18.7.2 3菌の消化管内分布比較試験

    SPFラット(1群10匹)において、ビオスリー配合OD錠と標準製剤(ビオスリー配合錠)の消化管内での3菌の分布を比較検討した。各測定部位での3菌の菌数は、両剤において差はなく、生物学的に同等であると判断された1)

18.8 in vitro試験

胃モデルでのpH経時推移及び胃の通過時間を加味したin vitro試験でビオスリー配合錠とビオスリー配合OD錠を比較した結果、90%信頼区間で挙動に差はなく、生物学的に同等であると判断された。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1 ラクトミン(乳酸菌)
Enterococcus faeciumEnterococcus faecium T-110の生菌菌体、又はそれらの生菌菌体を含む培養物の乾燥粉末)

性状

白色~わずかに黄褐色の粉末で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある23)
(2019年にStreptococcus faecalisからEnterococcus faeciumに菌種名の変更を実施した。なお、名称のみの変更であり、菌株自体に変更はなく承認時より同一菌株である。承認時の菌種名は、Streptococcus faecalis

形態

双球菌又は単球菌

19.2 酪酸菌
Clostridium butyricumClostridium butyricum TO-Aの生菌菌体、又はそれらの生菌菌体を含む培養物の乾燥粉末)

性状

白色~わずかに灰褐色の粉末で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。

形態

桿菌

19.3 糖化菌
Bacillus subtilisBacillus subtilis TO-Aの生菌菌体、又はそれらの生菌菌体を含む培養物の乾燥粉末)

性状

白色~わずかに灰褐色の粉末で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある23)
(2019年にBacillus mesentericusからBacillus subtilisに菌種名の変更を実施した。なお、名称のみの変更であり、菌株自体に変更はなく承認時より同一菌株である。承認時の菌種名は、Bacillus mesentericus

形態

桿菌

22. 包装

  • ビオスリー配合散

    630包[1g×630包(HS)]
    500g(バラ)、1kg(バラ)

  • ビオスリー配合錠

    630錠[21錠(PTP)×30]
    1000錠(バラ)

  • ビオスリー配合OD錠

    630錠[21錠(PTP)×30]
    1000錠(バラ)

23. 主要文献

1) 江口弘道他:医薬と薬学. 2014;71(4):635-641

2) 社内資料:Enterococcus faecium T-110、Clostridium butyricum TO-A、Bacillus subtilis TO-Aの人工胃液・人工腸液に対する安定性(1988)

3) 城宏輔他:Progress in Medicine. 1993;13(3):621-626

4) 小川正夫他:小児科領域に於けるBio-threeの使用経験. 1964;未発表

5) 木村隆夫:小児科臨床. 1964;17(5):723-726

6) 鐘ヶ江精一他:小児科臨床. 1964;17(10):1339-1341

7) 山田生郷他:臨床内科小児科. 1963;18(12):1479-1482

8) 山中大五郎他:新薬と臨床. 1966;15(6):695-698

9) 巷野悟郎他:乳幼児下痢症及び便秘に対するビオスリーの使用経験. 1965;未発表

10) 有滝世界爺他:小児科臨床. 1964;17(9):1228-1231

11) 岡本健治他:小児科臨床. 1964;17(4):571-574

12) 猪狩弘之他:医薬の門. 1989;29(4):221-224

13) 社内資料:共生による増殖性向上について(1984)

14) Seo, G. et al.:Microbios Letters. 1989;40:151-160

15) 瀬尾元一郎他:医薬の門. 1991;31(3):202-204

16) 田子兼重他:医薬の門. 1993;33(2):155-158

17) 瀬尾元一郎他:日本細菌学雑誌. 1989;44(1):144

18) 城宏輔他:医学と薬学. 1993;29(4):1027-1030

19) 加藤弘巳他:医学と薬学. 1994;31(6):1483-1487

20) 城宏輔他:医学と薬学. 1994;31(6):1475-1481

21) Iino, H. et al.:Microbios. 1994;80:49-53

22) Iino, H. et al.:Biomedical Letters. 1993;48:73-78

23) 日本薬局方外医薬品規格. 2002.

24. 文献請求先及び問い合わせ先

東亜新薬株式会社 お客様相談室

〒160-0023 東京都新宿区西新宿3丁目2番11号

TEL 03(3347)0770
FAX 03(3347)0780

東亜薬品工業株式会社 お客様相談室

〒151-0073 東京都渋谷区笹塚2丁目1番11号

TEL 03(3375)0511
FAX 03(3375)0539

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

東亜薬品工業株式会社

東京都渋谷区笹塚2丁目1番11号

26.2 発売元

東亜新薬株式会社

東京都新宿区西新宿3丁目2番11号

26.3 販売

鳥居薬品株式会社

東京都中央区日本橋本町3-4-1

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