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セルニルトン錠

添付文書番号

2590003F1023_1_14

企業コード

480143

作成又は改訂年月

2023年8月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

87259

薬効分類名

前立腺疾患治療剤

承認等

セルニルトン錠

販売名コード

YJコード

2590003F1023

販売名英語表記

Cernilton Tablets

承認番号等

承認番号

14300AMY00323

販売開始年月

1969年1月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

5年

一般的名称

セルニチンポーレンエキス

3. 組成・性状

3.1 組成

セルニルトン錠

有効成分1錠中 セルニチンポーレンエキス   63mg
(セルニチンT60 60mg、
   セルニチンGBX 3mg )
添加剤グルコン酸カルシウム水和物、乳糖水和物、リン酸水素カルシウム水和物、バレイショデンプン、アルギン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、黄色4号(タートラジン)、青色2号
備考  セルニチンポーレンエキスは植物の花粉の混合物を微生物消化した後、水で抽出して得た粉末エキス(セルニチンT60)と、有機溶媒抽出の軟エキス(セルニチンGBX)を、20:1の比率で含む。

3.2 製剤の性状

セルニルトン錠

外形表面
裏面
側面
大きさ直径9.8mm
厚さ4.9mm
質量約400mg
識別コードFS/C03
色・剤形淡緑色の素錠である。

4. 効能又は効果

  • 慢性前立腺炎
  • 初期前立腺肥大症による次の諸症状

    排尿困難、頻尿、残尿及び残尿感、排尿痛、尿線細小、会陰部不快感

6. 用法及び用量

1回2錠、1日2~3回経口投与する。
症状に応じて適宜増減する。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

0.1~5%未満

頻度不明

皮膚

発疹、蕁麻疹等の過敏症状

消化器

嘔気、食欲不振、胃部不快感、便秘等

注)発現頻度は文献報告を含む。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内臨床試験

    比較試験を含む国内臨床試験報告23報、総計498症例における有効率は前立腺肥大症67.5%(135/200)、慢性前立腺炎63.8%(190/298)で、排尿困難、残尿感、排尿痛等の自覚症状及び他覚所見に改善が認められた1),2),3),4),5),6),7),8),9),10),11),12),13),14),15),16),17),18),19),20),21),22),23)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

作用機序は明確になっていない。

18.2 抗炎症作用

  1. 18.2.1 前立腺炎に対する作用

    去勢ラットに17β-エストラジオールを投与し誘発した非細菌性前立腺炎モデルにおいて、腺上皮細胞の低下した分泌機能を回復させ、腺腔内・間質への炎症性細胞の浸潤を抑制した24)

  2. 18.2.2 炎症に対する作用

    ラットにおける卵白アルブミンによる急性足蹠浮腫並びにろ紙ペレット法による肉芽増殖を抑制した。
    In vitroの試験において、ウシ血清アルブミンの熱変性、ラット赤血球の熱溶血をそれぞれ抑制した25)

18.3 排尿促進作用

  1. 18.3.1 膀胱機能に対する作用

    無麻酔ラットを用いて測定した膀胱内圧曲線(シストメトログラム)において、排尿時の膀胱最大内圧を増大させた。なお、排尿回数、排尿直前の排尿閾値圧にはほとんど影響しなかった26)

  2. 18.3.2 下部尿路平滑筋に対する作用

    In vitroの試験において、マウスの摘出膀胱筋を収縮させ、この作用はセルニチンT60に基づくものであった。一方、マウスの尿道筋ではノルエピネフリン収縮を抑制し、また、セルニチンGBXはブタの摘出尿道筋を直接弛緩させた27)

18.4 抗前立腺肥大作用

正常ラット及びテストステロンを投与した去勢ラットで前立腺の重量増加をそれぞれ抑制した。一方、精嚢、睾丸、副腎等の他臓器の重量及び病理組織学的所見に著変はなかった28)

19. 有効成分に関する理化学的知見

性状

  • (セルニチンT60)
    黄白色の粉末で、特異なにおいがあり、わずかに酸味がある。水に溶けやすく、エタノール、ジエチルエーテル、アセトン又はクロロホルムにほとんど溶けない。水溶液(1→10)のpHは3.5~5.0である。吸湿性である。
  • (セルニチンGBX)
    暗緑色~緑かっ色で常温では粘稠性の液で、冷所で凝固する。特異なにおいがあり、味は苦い。エタノール、ジエチルエーテル、クロロホルム又はアセトンに溶けやすく、水にほとんど溶けない。

20. 取扱い上の注意

本剤は吸湿性が強いので、アルミピロー包装開封後は湿気を避けて保存し、服用直前までPTPシートから取り出さないこと。吸湿により変色する。

22. 包装

100錠[10錠(PTP)×10]
500錠[10錠(PTP)×50]
1000錠[10錠(PTP)×100]
1050錠[21錠(PTP)×50]

23. 主要文献

1) 斉藤 泰:臨床と研究. 1967;44(6):1301-1305

2) 斉藤 泰:臨床と研究. 1967;44(12):2688-2689

3) 社内資料:前立腺炎に対する花粉製剤セルニルトンの使用経験

4) 社内資料:慢性前立腺炎に於けるCerniltonの使用知見

5) 社内資料:慢性前立腺炎に対するセルニルトンの使用経験(1)

6) 社内資料:慢性前立腺炎に対するセルニルトンの使用経験(2)

7) 社内資料:慢性前立腺炎に対するCerniltonの臨床経験

8) 大北健逸 他:新薬と臨床. 1968;17(10):1361-1364

9) 社内資料:花粉製剤セルニルトンの前立腺肥大症に対する効果に就いて

10) 社内資料:花粉製剤セルニルトンの前立腺肥大症に対する効果について(追補)

11) 稲田 務 他:泌尿器科紀要. 1967;13(6):466-469

12) 社内資料:セルニルトンの使用経験

13) 社内資料:前立腺炎に対するCerniltonの使用経験

14) 社内資料:慢性前立腺炎に対するCerniltonの使用経験

15) 加藤哲郎 他:泌尿器科紀要. 1970;16(4):192-195

16) 川倉宏一:診療と新薬. 1970;7(6):1215-1218

17) 城代明仁 他:泌尿器科紀要. 1988;34(3):561-568

18) 竹内弘幸 他:泌尿器科紀要. 1981;27(3):317-326

19) 北野太路 他:泌尿器科紀要. 1982;28(3):325-331

20) 上田公介 他:泌尿器科紀要. 1985;31(1):187-191

21) 堀井明範 他:泌尿器科紀要. 1985;31(4):739-746

22) 林 淳二 他:泌尿器科紀要. 1986;32(1):135-141

23) 鈴木孝憲 他:泌尿器科紀要. 1992;38(4):489-494

24) 花本美津恵 他:薬理と治療. 1998;26(11):1807-1815

25) 伊藤隆太 他:応用薬理. 1984;28(1):55-65

26) 永嶌晃子 他:薬理と治療. 1998;26(11):1801-1806

27) 木村正康 他:医学と薬学. 1986;15(2):521-532

28) 伊藤隆太 他:応用薬理. 1986;31(1):1-11

24. 文献請求先及び問い合わせ先

東菱薬品工業株式会社 安全性情報課

〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-3-1

TEL 03-6304-5403
FAX 03-6304-5932

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

東菱薬品工業株式会社

東京都新宿区西新宿6丁目3番1号

26.2 販売元

扶桑薬品工業株式会社

大阪市城東区森之宮二丁目3番11号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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