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エルカトニン筋注20単位「TBP」

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能・効果
5.効能・効果に関連する注意
6.用法・用量
7.用法・用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
15.2非臨床試験に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2抗侵害受容作用(鎮痛作用)
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

エルカトニン筋注20単位「TBP」

添付文書番号

3999401A3180_3_04

企業コード

480143

作成又は改訂年月

2023年12月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873999

薬効分類名

骨粗鬆症治療剤

承認等

エルカトニン筋注20単位「TBP」

販売名コード

YJコード

3999401A3180

販売名英語表記

ELCATONIN Intramuscular Injection 20units“TBP”

販売名ひらがな

えるかとにんきんちゅう20たんい「TBP」

承認番号等

承認番号

22600AMX00659000

販売開始年月

2005年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

エルカトニン

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

エルカトニン筋注20単位「TBP」

有効成分1アンプル(1mL)中
日局 エルカトニン   20エルカトニン単位
添加剤塩化ナトリウム9.4mg、pH調節剤

3.2 製剤の性状

エルカトニン筋注20単位「TBP」

剤形水性注射剤
pH5.0~6.5
浸透圧比0.8~1.2(生理食塩液に対する比)
性状無色澄明の液

4. 効能・効果

骨粗鬆症における疼痛

5. 効能・効果に関連する注意

本剤の適用にあたっては、日本骨代謝学会の診断基準等を参考に、骨粗鬆症との診断が確立し、疼痛がみられる患者を対象とすること。

6. 用法・用量

通常、成人には1回エルカトニンとして20エルカトニン単位を週1回筋肉内注射する。

7. 用法・用量に関連する注意

本剤の投与は、6ヵ月間を目安とし、長期にわたり漫然と投与しないこと。,

8. 重要な基本的注意

本剤はポリペプチド製剤であり、ショックを起こすことがあるので、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。,

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 発疹(紅斑、膨疹等)等の過敏症状を起こしやすい体質の患者

    ,

  2. 9.1.2 気管支喘息又はその既往歴のある患者

    喘息発作を誘発するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
動物実験(ラット)で、乳汁分泌量が減少し、新生児の体重増加の抑制が報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

用量に注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    ビスホスホネート系製剤

    • パミドロン酸二ナトリウム水和物等

    血清カルシウムが急速に低下するおそれがある。
    高度の低カルシウム血症があらわれた場合には投与を中止し、注射用カルシウム剤の投与等適切な処置を行うこと。

    両剤のカルシウム低下作用により、血清カルシウムが急速に低下するおそれがある。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

      血圧低下、気分不良、全身発赤、蕁麻疹、呼吸困難、咽頭浮腫等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。,

    2. 11.1.2 テタニー(頻度不明)

      低カルシウム血症性テタニーを誘発することがあるので、症状があらわれた場合には投与を中止し、注射用カルシウム剤の投与等適切な処置を行うこと。

    3. 11.1.3 喘息発作(0.1%未満)

    4. 11.1.4 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

      AST、ALT、ALPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

    11.2 その他の副作用

    0.1~5%未満

    0.1%未満

    頻度不明

    過敏症

    発疹

    蕁麻疹

    循環器

    顔面潮紅、熱感

    胸部圧迫感、動悸、血圧上昇、血圧低下

    消化器

    悪心、嘔吐、腹痛

    食欲不振、下痢、口渇、胸やけ、口内炎、腹部膨満感

    神経系

    ふらつき、めまい、頭痛、耳鳴、視覚異常(かすみ目等)、口内しびれ感

    しびれ感

    肝臓

    AST、ALTの上昇

    電解質代謝

    低リン血症、低ナトリウム血症

    注射部位

    疼痛

    発赤、腫脹

    その他

    そう痒感、全身倦怠感、赤血球減少、BUN上昇、ALP上昇

    発汗、頻尿、浮腫、咽喉部異和感(咽喉部ハッカ様爽快感等)、発熱、悪寒、脱力感、ヘモグロビン減少、あくび、尿白濁

    乳房肥大、乳房痛

    注)発現頻度は使用成績調査を含む

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤投与時の注意

    • 筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、以下の点に配慮すること。
      • 神経走行部位を避けるよう注意すること。
      • 繰り返し注射する場合には、例えば左右交互に注射するなど、注射部位を変えて行うこと。
      • 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合には、直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    1. 15.1.1 類薬であるカルシトニン(サケ)の経口剤及び点鼻剤を用いた海外臨床試験(投与期間:6ヵ月~5年)のメタアナリシスにおいて、がんの発生割合はカルシトニン(サケ)群では4.2%(254/6,105例)、プラセボ群では2.9%(135/4,687例)(リスク差1.0%[95%信頼区間0.3, 1.7])であったとの報告がある1),2)
    2. 15.1.2 骨粗鬆症患者を対象に実施した2つの国内臨床試験において、いずれも椎体の骨折抑制効果が認められなかったとの報告がある。

    15.2 非臨床試験に基づく情報

    1. 15.2.1 ラット(SD系)に1年間大量皮下投与した慢性毒性試験において、下垂体腫瘍の発生頻度の増加がみられたとの報告がある。
    2. 15.2.2 マウスに92週間大量皮下投与した癌原性試験において、癌原性はみられなかったとの報告がある。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    1. 16.1.1 生物学的同等性試験

      エルカトニン筋注20単位「TBP」とエルシトニン注20Sを、クロスオーバー法によりそれぞれ1アンプル(20エルカトニン単位)を健康成人男子に、絶食単回筋肉内投与して血漿中未変化体を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された3)

      AUC
      (pg・hr/mL)

      Cmax
      (pg/mL)

      Tmax
      (hr)

      T1/2
      (hr)

      エルカトニン筋注20単位「TBP」

      38.2±7.5

      35.9±8.8

      0.33±0.13

      0.60±0.16

      エルシトニン注20S

      36.8±6.6

      36.9±7.0

      0.34±0.08

      0.58±0.14

      (Mean±S.D., n=15)

      血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    エルカトニンは、末梢神経の周囲組織に発現するカルシトニン受容体を介して4)、末梢神経のナトリウムチャネル4)及びセロトニン受容体5)の発現異常を改善し、さらに中枢のセロトニン神経系を賦活して6)鎮痛作用を発揮することが示唆されている7)

    18.2 抗侵害受容作用(鎮痛作用)

    エルカトニンの反復皮下投与は、ホルマリン誘発性痛覚過敏ならびに卵巣摘出により惹起された痛覚過敏に対し抗侵害受容作用(鎮痛作用)を認め、疼痛抑制系のセロトニン神経系を介した機序が明らかになっている6),8),9)(ラット)。
    また、エルカトニンは、筋萎縮と末梢での血流低下を示す神経因性疼痛モデル(坐骨神経絞扼ラット)に対し抗侵害受容作用(鎮痛作用)と血流改善作用を認めた10),11)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    エルカトニン(Elcatonin)

    分子式

    C148H244N42O47

    分子量

    3363.77

    性状

    本品は白色の粉末である。
    本品は水に極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶けやすく、アセトニトリルにほとんど溶けない。
    本品は吸湿性である。
    本品の水溶液(1→500)のpHは4.5~7.0である。

    化学構造式

    22. 包装

    1mL×10アンプル

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    東菱薬品工業株式会社 安全性情報課

    〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-3-1

    TEL 03-6304-5403
    FAX 03-6304-5932

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    東菱薬品工業株式会社

    東京都新宿区西新宿6丁目3番1号

    26.2 販売元

    株式会社ビオメディクス

    東京都港区港南2-15-2

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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