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日本薬局方
イコサペント酸エチルカプセル
適用の前に十分な検査を実施し、高脂血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。
イコサペント酸エチルとして、通常、成人1回600mg(2カプセル)を1日3回、毎食直後に経口投与する。なお、年齢、症状により、適宜増減する。
イコサペント酸エチルとして、通常、成人1回900mg(3カプセル)を1日2回又は1回600mg(2カプセル)を1日3回、食直後に経口投与する。ただし、トリグリセリドの異常を呈する場合には、その程度により、1回900mg(3カプセル)、1日3回まで増量できる。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
ミフェプリストン・ミソプロストールによる子宮出血の程度が悪化するおそれがある。
イコサペント酸エチルの抗血小板作用により出血が増強するおそれがある。
出血傾向をきたすおそれがある。
イコサペント酸エチルは抗血小板作用を有するので、抗凝固剤、血小板凝集を抑制する薬剤との併用により相加的に出血傾向が増大すると考えられる。
AST、ALT、Al-P、γ-GTP、LDH、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
イコサペント酸エチル(4g/日注1))の海外臨床試験において、入院を要する心房細動又は心房粗動のリスク増加が認められたとの報告がある1)。また、イコサペント酸エチルを含むオメガ-3脂肪酸の国内外臨床試験において、心房細動のリスク増加が認められたとの報告がある2),3)。
0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒感等
出血傾向
皮下出血
血尿、歯肉出血、眼底出血、鼻出血、消化管出血等
血液
貧血等
消化器
悪心、胸やけ、腹部不快感、下痢、便秘、腹部膨満感、腹痛
嘔吐、食欲不振、口内炎、口渇、鼓腸等
肝臓
AST・ALT・Al-P・γ-GTP・LDH・ビリルビンの上昇等の肝機能障害
腎臓
BUN・クレアチニンの上昇
呼吸器
咳嗽、呼吸困難
精神神経系
頭痛・頭重感、ふらつき、しびれ
めまい、眠気、不眠
筋骨格系
関節痛、筋肉痛、四肢痛、筋痙攣(こむら返り等)
その他
浮腫、尿酸上昇、CKの上昇、動悸
顔面潮紅、ほてり、発熱、頻尿、全身倦怠感、血圧上昇、女性化乳房、耳鳴、発汗、ざ瘡
コントロール不良の高血圧症を有し、他の抗血小板剤を併用した症例において、脳出血があらわれたとの報告がある。
健康成人男性各群8例にイコサペント酸エチル1回900mg、1日2回(朝・夕)又は1回600mg、1日3回(朝・昼・夕)、食直後に8日間反復経口投与注2)したときの薬物動態は類似しており、血漿中EPAの濃度は投与日数に従い徐々に上昇し、いずれの群においても投与5~6日目に定常状態に達した4)。
イコサペント酸エチルカプセル300mg「杏林」とエパデールカプセル300を、クロスオーバー法によりそれぞれ6カプセル(イコサペント酸エチルとして1,800mg注3))健康成人男子に単回経口投与して血漿中イコサペント酸濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された5)。なお、解析においては個人の食習慣の違いに由来する血中EPA濃度の違いを補正するために、投与後の各時期のEPA濃度から、投与前の濃度を引いた数値を用いて解析した。
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0-48hr(μg・hr/mL)
Cmax(μg/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
イコサペント酸エチルカプセル300mg「杏林」
421.9±212.6
27.1±13.6
7.5±2.2
13.9±6.1
エパデールカプセル300
451.8±208.8
28.4±13.5
7.4±2.8
14.5±6.0
(Mean±S.D. n=23)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
雌雄ラットに14C標識EPA-Eを単回経口投与したときの組織内分布率は、観察期間を通じて肝、白色脂肪、筋肉及び皮膚で高値であった6)。
雄ラット及び雄イヌに14C標識EPA-Eを単回経口投与したときの血漿蛋白結合率は、86.7~98.8%及び96.7~98.7%であった6)。
雄ラットに14C標識EPA-Eを経口投与したところ、投与168時間までの尿中への排泄は2.7%、糞中へは16.7%であった。なお、呼気中へ放射活性の44.4%が排泄された6)。
トリグリセリドが高値の患者476例を対象として、イコサペント酸エチル1回900mg、1日2回(朝・夕)又は1回600mg、1日3回(朝・昼・夕)、食直後に12週間経口投与した二重盲検比較試験を行った。1日2回投与群(230例、血清トリグリセリドの投与前値256.7mg/dL)及び1日3回投与群(224例、血清トリグリセリドの投与前値249.4mg/dL)の最終評価時の血清トリグリセリド変化率は、それぞれ-12.62%及び-10.65%であり、事前に設定した非劣性限界値10%を下回ったことから、1日2回投与群の1日3回投与群に対する有効性(血清トリグリセリド変化率)の非劣性が確認された。副作用発現頻度は、1日2回投与群3.7%(9/241例)、1日3回投与群3.8%(9/235例)であった。副作用のうちいずれかの投与群で2件以上発現した事象は便秘、消化不良およびALT増加であった4)。
既に食事指導を行い、血清総コレステロール値が250mg/dL以上で、HMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が必要とされる高脂血症患者(安定している虚血性心疾患合併患者を含む)19,466例を、HMG-CoA還元酵素阻害剤(プラバスタチン10mg/日又はシンバスタチン5mg/日)とイコサペント酸エチル1,800mg/日の併用による治療(イコサペント酸エチル群)又はHMG-CoA還元酵素阻害剤のみによる治療(対照群)に無作為に割り付けた。非盲検下で平均4.6年追跡した有効性評価対象18,645例(イコサペント酸エチル群:9,326例、対照群:9,319例)において、心血管イベント(突然心臓死、致死性及び非致死性心筋梗塞、不安定狭心症、心血管再建術)は、イコサペント酸エチル群で262例(2.8%)、対照群で324例(3.5%)に認められ、ハザード比は0.81(95%信頼区間:0.69-0.95、以下同様)であり、イコサペント酸エチル群で有意に減少した。心血管死(突然心臓死又は致死性心筋梗塞)は、イコサペント酸エチル群で29例(0.3%)、対照群で31例(0.3%)、ハザード比は0.94(0.57-1.56)、総死亡は、イコサペント酸エチル群で286例(3.1%)、対照群で265例(2.8%)、ハザード比は1.09(0.92-1.28)であり、いずれも有意差は認められなかった7)。
EPA-Eは以下の作用を示す8),9)。
経口投与により、アラキドン酸静注による血栓形成に基づく突然死15)(ラット)を抑制し、動静脈シャントの血栓性閉塞15)(ラット)、エラジン酸誘発血栓16)(ウサギ)に対し、血栓形成を抑制する。また、ラウリン酸誘発末梢壊疽16)(ラット)の進行を抑制する。
イコサペント酸エチル(Ethyl Icosapentate)
Ethyl(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-icosa-5,8,11,14,17-pentaenoate
C22H34O2
330.50
イコサペント酸エチルは無色~微黄色の澄明な液で、僅かに特異なにおいがある。エタノール(99.5)、酢酸(100)、ヘキサンと混和する。水又はエチレングリコールにほとんど溶けない。
開封後は、高温・湿気・光を避けて保存すること。高温・高湿下ではカプセルが軟化することがある。
100カプセル[10カプセル(PTP)×10]1000カプセル[10カプセル(PTP)×100]
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2) **Miyauchi, K. et al.:Circulation. 2024;150(6):425-434
3) **Nicholls, S. J. et al.:JAMA. 2020;324(22):2268-2280
4) 村﨑かがり 他:Prog. Med. 2012;32(9):1941-1946
5) 社内資料:生物学的同等性試験
6) 石黒淳三 他:薬物動態 1987;2(6):683-702
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8) Mizuguchi, K. et al.:Eur. J. Pharmacol. 1993;231(1):121-127
9) Mizuguchi, K. et al.:Eur. J. Pharmacol. 1993;235(2-3):221-227
10) 五島雄一郎 他:臨床医薬 1992;8(6):1293-1309
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12) Hamazaki, T. et al.:Prostaglandins. 1982;23(4):557-567
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21) 松沢佑次 他:臨床医薬 1991;7(8):1801-1816
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24) 水口清 他:動脈硬化 1990;18(5):471
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26) 水口清 他:動脈硬化 1990;18(5):536
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