医療用医薬品 詳細表示

ステリゾール液2%/ステリゾール液20%

添付文書番号

732170AQ1051_5_04

企業コード

480199

作成又は改訂年月

2023年10月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

877321

薬効分類名

化学的滅菌・殺菌消毒剤(医療器具・機器・装置専用)

承認等

ステリゾール液2%

販売名コード

YJコード

732170AQ1051

販売名英語表記

STERISOL SOLUTION

販売名ひらがな

すてりぞーるえき2%

承認番号等

承認番号

20300AMZ00206000

販売開始年月

1992年6月

貯法・有効期間

貯法

30℃以下で保存

有効期間

3年

規制区分

劇薬

ステリゾール液20%

販売名コード

YJコード

732170AQ2058

販売名英語表記

STERISOL SOLUTION

販売名ひらがな

すてりぞーるえき20%

承認番号等

承認番号

20400AMZ00235000

販売開始年月

1992年6月

貯法・有効期間

貯法

30℃以下で保存

有効期間

3年

規制区分

劇薬

一般的名称

グルタラール製剤

3. 組成・性状

3.1 組成

ステリゾール液は、グルタラール2w/v%濃度液に、添付の緩衝化剤(液体)を加えて使用する用時調製の組合わせ医薬品である。

ステリゾール液2%

有効成分1L中 
グルタラール40.4g
(グルタルアルデヒドとして20.6g)  
添加剤ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、香料
緩衝化剤
(液体)
  酢酸カリウム、無水リン酸一水素ナトリウム、青色1号、黄色4号(タートラジン)

ステリゾール液20%

有効成分1L中
グルタラール404g
(グルタルアルデヒドとして206g)  
添加剤ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、香料
緩衝化剤
(液体)
  酢酸カリウム、無水リン酸一水素ナトリウム、青色1号、黄色4号(タートラジン)

3.2 製剤の性状

ステリゾール液2%

性状無色~淡黄色の澄明な液である。ハッカようのにおいがある。
pH3.0~5.0
緩衝化剤(液体)
性状緑色~緑青色の澄明な液である。においがないか、又はわずかに酢酸臭がある。
pH8.8~10.0
2w/v%実用液
性状淡緑色~淡緑青色の澄明な液である。ハッカようのにおいがある。
pH約8

ステリゾール液20%

性状無色~淡黄色の澄明な液である。やや刺激臭及びハッカようのにおいがある。
pH2.5~4.7
緩衝化剤(液体)
性状緑色~緑青色の澄明な液である。においがないか、又はわずかに酢酸臭がある。
pH8.8~10.0
2w/v%実用液
性状淡緑色~淡緑青色の澄明な液である。ハッカようのにおいがある。
pH約8

4. 効能又は効果

医療器具の化学的滅菌又は殺菌消毒

6. 用法及び用量

  • (調製法)
    • 本品は用時調製の製剤で、使用目的に応じて次の用法により製する。
  • 〇ステリゾール液2%実用液
    • 〈ステリゾール液2%〉
      • ステリゾール液2%1Lに対し、緩衝化剤(液体)30mLを加えて混和し、淡緑色~淡緑青色の液とする。
    • 〈ステリゾール液20%〉
      • ステリゾール液20%100mLを注意してとり、精製水900mLに徐々に加えて混和し、2w/v%液1Lとし、この液に緩衝化剤(液体)30mLを加えて混和し、淡緑色~淡緑青色の液とする。
  • 〇ステリゾール液0.5%実用液
    • ステリゾール液2%実用液1Lに精製水3Lを加えて希釈する。
  • ただし、精製水に代えて硬度の高くない常水を使用することができる。
  • (使用目的)
    • 使用濃度

      用途

      対象器具

      ステリゾール液2%実用液

      微生物若しくは有機物により高度に汚染された器具又は皮下組織、粘膜に直接適用される器具の化学的滅菌、及びHBウイルスの汚染が予想される器具の消毒に使用する。

      レンズ装着の装置類、内視鏡類、麻酔装置類、人工呼吸装置類、人工透析装置類、メス・カテーテルなどの外科手術用器具、産科・泌尿器科用器具、歯科用器具又はその補助的器具、注射筒、体温計及び加熱滅菌できないゴム・プラスチック器具、リネン等。

      ステリゾール液0.5%実用液

      上記以外の用途の殺菌消毒に使用する。

      麻酔装置類、人工透析装置類等。

  • (使用方法)
    • 〇被消毒物を液に完全に浸漬して行う。細孔のある器具類は注意して液と十分に接触させること。
      〇通常、次の時間浸漬する。
      • ・体液等の付着した器具 1時間以上
        ・体液等の付着しない器具 30分以上
    • 〇浸漬後、取り出した器具類は付着物があれば除き、多量の滅菌水で十分に洗浄すること。なお、使用目的により水を使用することもできる。また、細孔のある器具類は内孔を注意して洗うこと。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 人体に使用しないこと。
  2. 8.2 本剤にて内視鏡消毒を行った後十分なすすぎが行われなかったために薬液が内視鏡に残存し、大腸炎等の消化管の炎症が認められた報告があるので、消毒終了後は多量の水で本剤を十分に洗い流すこと。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

頻度不明

過敏症1)

発疹、発赤等の過敏症状

皮膚1)

接触皮膚炎

1) このような症状があらわれた場合には、換気、防護が十分でない可能性があるので、グルタラールの蒸気を吸入またはグルタラールと接触しないよう十分に換気、防護を行うこと。また、このような症状が継続して発生している場合、症状が全身に広がるなど増悪することがあるので、直ちに本剤の取り扱いを中止すること。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

  1. 14.1.1 緩衝化剤(液体)は、成分・分量、特性の関係で過飽和溶液の状態になっているので、ときに結晶が析出することがある。このような場合には加温溶解して使用すること。
  2. 14.1.2 本剤を用時調製する時、ピペット等で直接吸引して調製しないこと。
  3. 14.1.3 実用液を調製する場合、精製水に代えて硬度の高くない常水を使用することができる。
  4. 14.1.4 調製後(緩衝化剤添加後)の液は直ちに使用すること。

14.2 薬剤使用前の注意

グルタラールには一般に、たん白凝固性がみられるので、器具に付着している体液等を除去するため予備洗浄を十分に行ってから薬液に浸漬すること。

14.3 薬剤使用時の注意

  1. 14.3.1 手術室等における汚染された部分の清拭や、環境殺菌の目的での手術室等への噴霧などは行わないこと。
  2. 14.3.2 本剤の成分またはアルデヒドに対し過敏症の既往歴のある者は、本剤を取り扱わないこと。
  3. 14.3.3 グルタラール水溶液との接触により、皮膚が着色することがあるので、液を取り扱う場合には必ずゴーグル、防水エプロン、マスク、ゴム手袋等の保護具を装着すること。また、皮膚に付着したときは直ちに水で洗い流すこと。
  4. 14.3.4 眼に入らぬようゴーグル等の保護具をつけるなど、十分注意して取り扱うこと。誤って眼に入った場合には、直ちに多量の水で洗ったのち、専門医の処置を受けること。
  5. 14.3.5 グルタラールの蒸気は眼、呼吸器等の粘膜を刺激するので、必ずゴーグル、マスク等の保護具をつけ、吸入または接触しないよう注意すること。換気が不十分な部屋では適正な換気状態の部屋に比べて、空気中のグルタラール濃度が高いとの報告があるので、窓がないところや換気扇のないところでは使用せず、換気状態の良いところでグルタラールを取り扱うこと。
  6. 14.3.6 浸漬の際にはグルタラール蒸気の漏出防止のために、ふた付容器を用い、浸漬中はふたをすること。また、局所排気装置を使用することが望ましい。
  7. 14.3.7 炭素鋼製器具は24時間以上浸漬しないこと。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

グルタラールを取り扱う医療従事者を対象としたアンケート調査では、眼、鼻の刺激、頭痛、皮膚炎等の症状が報告されている。また、グルタラール取り扱い者は非取り扱い者に比べて、眼、鼻、喉の刺激症状、頭痛、皮膚症状等の発現頻度が高いとの報告がある。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

グルタラール分子[OHC-(CH2)3-CHO]の両端に位置するアルデヒド基が菌体構成アミノ酸のスルフヒドリル基(-SH)あるいはアミノ基(-NH2)と反応し、また、微生物のDNA合成・蛋白合成を阻害し、死滅させると考えられている。

18.2 各種細菌に対する効果

グルタラールは、グラム陽性菌(黄色ブドウ球菌、MRSA、結核菌、化膿性連鎖球菌等)、グラム陰性菌(緑膿菌、大腸菌、尋常変形菌等)、細菌芽胞及び真菌等に殺菌効果を示す。

18.3 各種ウイルスに対する不活化作用

インフルエンザA-2型、単純ヘルペスウイルス、ポリオウイルス1型・2型、アデノウイルス2型を10分以内に不活化し、HBウイルスに対しても効果が認められている。

18.4 生物学的同等性

  • 〈ステリゾール液2%〉
    • ステリゾール液2%とステリハイドL2W/V%液の殺菌効力試験〔最小発育阻止濃度(MIC)測定法、フェノール係数測定法、Kelsey-Sykes法〕を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された1)
  • 〈ステリゾール液20%〉
    • ステリゾール液20%とステリハイドL20W/V%液の殺菌効力試験〔最小発育阻止濃度(MIC)測定法、フェノール係数測定法、Kelsey-Sykes法〕を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された2)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

グルタラール(Glutaral)

化学名

グルタルアルデヒド(Glutaraldehyde)

分子式

C5H8O2

分子量

100.12

化学構造式

性状

無色~淡黄色澄明の液で、そのガスは粘膜を刺激する。
水、エタノールまたはアセトンと混和する。

20. 取扱い上の注意

  1. 20.1 誤飲を避けるため、保管及び取り扱いに十分注意すること。
  2. 20.2 開栓後の残余の液は密栓して保管すること。
  3. 20.3 寒冷地では氷結することがある。このような場合、常温で放置して自然に溶かすこと。

22. 包装

  • 〈ステリゾール液2%〉
    • 1L[ポリエチレン容器](緩衝化剤30mL添付)
      5L[ポリエチレン容器](緩衝化剤150mL添付)
  • 〈ステリゾール液20%〉
    • 500mL[ポリエチレン容器](緩衝化剤150mL添付)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

日医工株式会社 お客様サポートセンター

〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21

TEL (0120)517-215
FAX (076)442-8948

25. 保険給付上の注意

本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

東洋製薬化成株式会社

大阪市鶴見区鶴見2丁目5番4号

26.2 販売元

日医工株式会社

富山市総曲輪1丁目6番21

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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