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ステリゾールS液3%

添付文書番号

732170AQ3054_5_04

企業コード

480199

作成又は改訂年月

2023年10月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

877321

薬効分類名

内視鏡専用殺菌消毒剤

承認等

ステリゾールS液3%

販売名コード

YJコード

732170AQ3054

販売名英語表記

STERISOL S SOLUTION

販売名ひらがな

すてりぞーるえすえき3%

承認番号等

承認番号

21000AMZ00627000

販売開始年月

1998年7月

貯法・有効期間

貯法

30℃以下で保存

有効期間

3年

規制区分

劇薬

一般的名称

グルタラール製剤

3. 組成・性状

3.1 組成

ステリゾールS液3%は、グルタラール溶液に、添付の緩衝化剤(液体)を加えて使用する用時調製の組合わせ医薬品である。

ステリゾールS液3%

有効成分1L中 グルタラール60.6g
(グルタルアルデヒドとして30.9g)  
添加剤pH調節剤、ブチルヒドロキシアニソール、その他2成分
緩衝化剤
(液体)
  酢酸カリウム、無水リン酸一水素ナトリウム、青色1号

3.2 製剤の性状

ステリゾールS液3%

性状無色~淡黄色の澄明な液である。わずかに特異なにおいがある。
水又はエタノール(95)と混和する。
pH3.2~4.2
緩衝化剤(液体)
性状青色~青紫色の澄明な液である。においがないか、又はわずかに酢酸臭がある。
pH8.8~10.0
3w/v%実用液
性状淡青色の澄明な液である。わずかに特異なにおいがある。
pH約7.6

4. 効能又は効果

内視鏡の殺菌消毒

6. 用法及び用量

  • (調製法)
    • 本品は用時調製の製剤で、次の用法により製する。
      溶液1Lに対し、緩衝化剤(液体)30mLを加えて混和し、淡青色澄明の液として製する。この液を用いる。
  • (使用方法)
    • あらかじめ洗浄、水洗を行った内視鏡を液に完全に浸漬させ、液との接触が十分行われるよう注意し、通常、15分以上浸漬させる。浸漬後、取り出した内視鏡を十分に水洗する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 人体に使用しないこと。
  2. 8.2 本剤にて内視鏡消毒を行った後十分なすすぎが行われなかったために薬液が内視鏡に残存し、大腸炎等の消化管の炎症が認められた報告があるので、消毒終了後は多量の水で本剤を十分に洗い流すこと。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

頻度不明

過敏症1)

発疹、発赤等の過敏症状

皮膚1)

接触皮膚炎

1) このような症状があらわれた場合には、換気、防護が十分でない可能性があるので、グルタラールの蒸気を吸入またはグルタラールと接触しないよう十分に換気、防護を行うこと。また、このような症状が継続して発生している場合、症状が全身に広がるなど増悪することがあるので、直ちに本剤の取り扱いを中止すること。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

  1. 14.1.1 緩衝化剤(液体)は、成分・分量、特性の関係で過飽和溶液の状態になっているので、ときに結晶が析出することがある。このような場合には加温溶解して使用すること。
  2. 14.1.2 本剤を用時調製する時、ピペット等で直接吸引して調製しないこと。
  3. 14.1.3 調製後(緩衝化剤添加後)の実用液(3W/V%)は、希釈しないで直ちに使用すること。

14.2 薬剤使用前の注意

グルタラールには一般に、たん白凝固性がみられるので、内視鏡に付着している体液等を除去するため予備洗浄を十分に行ってから薬液に浸漬すること。

14.3 薬剤使用時の注意

  1. 14.3.1 本剤の成分またはアルデヒドに対し過敏症の既往歴のある者は、本剤を取り扱わないこと。
  2. 14.3.2 グルタラール水溶液との接触により、皮膚が着色することがあるので、液を取り扱う場合には必ずゴーグル、防水エプロン、マスク、ゴム手袋等の保護具を装着すること。また、皮膚に付着したときは直ちに水で洗い流すこと。
  3. 14.3.3 眼に入らぬようゴーグル等の保護具をつけるなど、十分注意して取り扱うこと。誤って眼に入った場合には、直ちに多量の水で洗ったのち、専門医の処置を受けること。
  4. 14.3.4 グルタラールの蒸気は眼、呼吸器等の粘膜を刺激するので、必ずゴーグル、マスク等の保護具をつけ、吸入または接触しないよう注意すること。換気が不十分な部屋では適正な換気状態の部屋に比べて、空気中のグルタラール濃度が高いとの報告があるので、窓がないところや換気扇のないところでは使用せず、換気状態の良いところでグルタラールを取り扱うこと。
  5. 14.3.5 浸漬の際にはグルタラール蒸気の漏出防止のために、ふた付容器を用い、浸漬中はふたをすること。また、局所排気装置を使用することが望ましい。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

グルタラールを取り扱う医療従事者を対象としたアンケート調査では、眼、鼻の刺激、頭痛、皮膚炎等の症状が報告されている。また、グルタラール取り扱い者は非取り扱い者に比べて、眼、鼻、喉の刺激症状、頭痛、皮膚症状等の発現頻度が高いとの報告がある。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

グルタラール分子[OHC-(CH2)3-CHO]の両端に位置するアルデヒド基が菌体構成アミノ酸のスルフヒドリル基(-SH)あるいはアミノ基(-NH2)と反応し、また、微生物のDNA合成・蛋白合成を阻害し、死滅させると考えられている。

18.2 各種細菌に対する効果

グルタラールは、グラム陽性菌(黄色ブドウ球菌、MRSA、結核菌、化膿性連鎖球菌等)、グラム陰性菌(緑膿菌、大腸菌、尋常変形菌等)、細菌芽胞及び真菌等に殺菌効果を示す。

18.3 各種ウイルスに対する不活化作用

インフルエンザA-2型、単純ヘルペスウイルス、ポリオウイルス1型・2型、アデノウイルス2型を10分以内に不活化し、HBウイルスに対しても効果が認められている。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

グルタラール(Glutaral)

化学名

グルタルアルデヒド(Glutaraldehyde)

分子式

C5H8O2

分子量

100.12

化学構造式

性状

無色~淡黄色澄明の液で、そのガスは粘膜を刺激する。
水、エタノールまたはアセトンと混和する。

20. 取扱い上の注意

  1. 20.1 誤飲を避けるため、保管及び取り扱いに十分注意すること。
  2. 20.2 開栓後の残余の液は、密栓して保管すること。
  3. 20.3 寒冷地では氷結することがある。このような場合、常温で放置して自然に溶かすこと。

22. 包装

5L[ポリエチレン容器](緩衝化剤150mL添付)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

日医工株式会社 お客様サポートセンター

〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21

TEL (0120)517-215
FAX (076)442-8948

25. 保険給付上の注意

本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

東洋製薬化成株式会社

大阪市鶴見区鶴見2丁目5番4号

26.2 販売元

日医工株式会社

富山市総曲輪1丁目6番21

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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