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エピナスチン塩酸塩点眼液0.05%「杏林」

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.5妊婦
9.7小児等
11.副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
16.8その他
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2抗ヒスタミン作用
18.3メディエーター遊離抑制作用
18.4実験的アレルギー性結膜炎モデルに対する効果
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

エピナスチン塩酸塩点眼液0.05%「杏林」

添付文書番号

1319762Q1060_1_03

企業コード

480209

作成又は改訂年月

2024年5月改訂(第2版)
2023年11月改訂

日本標準商品分類番号

871319

薬効分類名

抗アレルギー点眼剤

承認等

エピナスチン塩酸塩点眼液0.05%「杏林」

販売名コード

YJコード

1319762Q1060

販売名英語表記

EPINASTINE HYDROCHLORIDE Ophthalmic Solution 0.05%“KYORIN”

販売名ひらがな

えぴなすちんえんさんえんてんがんえき0.05%「きょーりん」

承認番号等

承認番号

30300AMX00142000

販売開始年月

2021年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

エピナスチン塩酸塩

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

エピナスチン塩酸塩点眼液0.05%「杏林」

1mL中
有効成分エピナスチン塩酸塩 0.5mg  
添加剤リン酸二水素ナトリウム水和物、リン酸水素ナトリウム水和物、ホウ酸、塩化ナトリウム、エデト酸ナトリウム水和物、pH調節剤

3.2 製剤の性状

エピナスチン塩酸塩点眼液0.05%「杏林」

識別コードKRM013
pH6.7~7.3
浸透圧比0.9~1.1(生理食塩液に対する比)
性状無色澄明、無菌水性点眼剤

4. 効能又は効果

アレルギー性結膜炎

6. 用法及び用量

通常、1回1滴、1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)点眼する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の使用により効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないよう注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠前及び妊娠初期試験(ラット:経口)では受胎率の低下が、器官形成期試験(ウサギ:経口)では胎児致死作用が、いずれも高用量で認められている 1)

9.7 小児等

12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

1~5%未満

0.1~1%未満

頻度不明

眼刺激

眼の異物感、羞明

眼瞼炎、眼痛、流涙、点状角膜炎、眼のそう痒感、結膜充血、眼脂

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
・薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・患眼を開瞼して結膜囊内に点眼し、1~5分間閉瞼して涙囊部を圧迫させた後、開瞼すること。
・点眼したときに液が眼瞼皮膚等についた場合には、すぐにふき取ること。
・他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人男性6例に0.3%エピナスチン塩酸塩点眼液を片眼に1回2滴1)、1日4回7日間反復点眼したときの血漿中エピナスチン濃度は、最終点眼後10分において、すべての被験者で定量下限(1ng/mL)未満であった2)

1) 本剤が承認されている濃度は0.05%であり、用法・用量は1回1滴、1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)点眼である。

16.3 分布

サルの両眼に0.05%14C-エピナスチン塩酸塩点眼液を単回点眼したとき、14C濃度は主に外眼部組織で高く、眼瞼、虹彩、結膜、角膜、強膜、毛様体の順であった。また、メラニン含有組織である虹彩、毛様体及び網脈絡膜中14C濃度の経時的な減少は、点眼後24時間以内において認められなかった3)

16.4 代謝

  • 健康成人男性に経口投与した場合の尿及び糞抽出物中の代謝物量を検討したところ、ほとんど未変化体であった4)(外国人データ)。
  • エピナスチンの代謝にCYP3A4、CYP2D6及びCYP2B6の関与が示唆された5)in vitro)。

16.5 排泄

健康成人男性に経口投与したとき、主に尿中及び糞中に排泄され、排泄率はそれぞれ25.4%及び70.4%であった4)(外国人データ)。

16.8 その他

  1. 16.8.1 生物学的同等性試験

    アレジオン点眼液0.05%の分析結果に基づき、添加剤の種類及び含量(濃度)がアレジオン点眼液0.05%と同一となるよう処方設計を行ったものであり、pH、粘度、浸透圧などの物理化学的性質が近似することから、生物学的に同等とみなされた。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内第Ⅲ相試験(抗原誘発試験)
  • (1)無症状期のアレルギー性結膜炎患者(87例)を対象に、3群(両眼0.05%エピナスチン塩酸塩点眼液、片眼0.05%エピナスチン塩酸塩点眼液/他眼プラセボ点眼液、両眼プラセボ点眼液)に無作為に割付け、各眼に各点眼液を1回1滴点眼した。各点眼液点眼4時間後にスギ花粉抗原溶液を点眼し、症状について評価した。その結果、0.05%エピナスチン塩酸塩点眼液はプラセボ点眼液に比較して、眼そう痒感スコア及び結膜充血スコアを有意に抑制した。
    表17-1 点眼4時間後に抗原誘発を行ったときの眼そう痒感スコア及び結膜充血スコア(眼単位比較、3時点平均スコア)

    0.05%エピナスチン
    塩酸塩点眼液

    プラセボ

    群間差
    [95%信頼区間]
    P値

    眼そう痒感
    スコア

    0.4±0.7
    (87)

    1.7±0.7
    (87)

    -1.3
    [-1.52,-1.11]
    P<0.001

    結膜充血
    スコア

    2.7±1.1
    (87)

    4.1±1.5
    (87)

    -1.3
    [-1.71,-0.92]
    P<0.001

    平均±標準偏差(眼数)

  • (2)無症状期のアレルギー性結膜炎患者(86例)を対象に、2群(片眼0.05%エピナスチン塩酸塩点眼液/他眼プラセボ点眼液、片眼0.1%オロパタジン点眼液/他眼プラセボ点眼液)に無作為に割付け、各眼に各点眼液を1回1滴点眼した。各点眼液点眼4時間後にスギ花粉抗原溶液を点眼し、症状について評価した結果、0.05%エピナスチン塩酸塩点眼液の有効性は0.1%オロパタジン点眼液と同程度であった。
    図17-1 点眼4時間後に抗原誘発を行ったときの眼そう痒感スコア(被験者間比較、3時点別スコア、平均±標準誤差)
    図17-2 点眼4時間後に抗原誘発を行ったときの結膜充血スコア(被験者間比較、3時点別スコア、平均±標準誤差)

治験期間を通じて、副作用は認められなかった6),7),8)

  1. 17.1.2 国内第Ⅲ相試験(環境試験)

アレルギー性結膜炎患者(130例)を対象に、環境下で0.05%エピナスチン塩酸塩点眼液を1回1滴、1日4回(朝、昼、夕方、就寝前)8週間点眼する非盲検非対照試験(長期投与試験)を実施した結果、眼そう痒感スコア(平均値±標準偏差)はベースライン2.8±0.5(130例)、 7日目2.2±0.9(130例)、14日目1.9±1.0(126例)、28日 目1.5±0.9(125例)、42日 目1.2±0.9(125例)、56日 目0.6±0.7(124例)であった。
副作用は2.3%(3/130例)に認められ、副作用は眼刺激1.5%(2/130例)、眼の異物感0.8%(1/130例)及び羞明0.8%(1/130例)であった7),9)
なお、アレルギー性結膜炎患者を対象に環境下で実施したプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験では、有効性についてプラセボに対する優越性は示されなかった10)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

エピナスチン塩酸塩は、ヒスタミンH1受容体拮抗作用を主作用とし、更に肥満細胞からのメディエーター遊離抑制作用を有する11),12),13),14)

18.2 抗ヒスタミン作用

  • ラット脳-膜標本を用いた受容体結合実験でヒスタミンH1受容体に対する高い親和性を示した11)in vitro)。
  • モルモットでのヒスタミン誘発による結膜の血管透過性亢進を抑制した12)

18.3 メディエーター遊離抑制作用

ラットのアレルギー性結膜炎モデルで肥満細胞の脱顆粒及びヒスタミンの遊離を抑制した13),14)

18.4 実験的アレルギー性結膜炎モデルに対する効果

マウスのアレルギー性結膜炎モデルで結膜の血管透過性亢進を抑制した15)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

エピナスチン塩酸塩(Epinastine Hydrochloride)

化学名

(R,S)-3-Amino-9,13b-dihydro-1H-dibenz[c,f]imidazo[1,5-a]azepine hydrochloride

分子式

C16H15N3・HCl

分子量

285.77

性状

白色〜微黄色の結晶性の粉末である。
水、メタノール、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくい。
メタノール溶液(1→20)は旋光性を示さない。

化学構造式

融点

約270℃(分解)

22. 包装

プラスチック点眼容器 5mL×10本

23. 主要文献

1) Niggeschulze A,et al.:応用薬理. 1991;41:355-369

2) DE-114点眼液臨床第Ⅰ相試験-連続投与試験(アレジオン点眼液0.05%:2013年9月20日承認、申請資料概要2.7.6.2)

3) サル単回投与試験(アレジオン点眼液0.05%:2013年9月20日承認、申請資料概要2.6.4.4)

4) 吸収・分布・代謝・排泄に関する資料(アレジオンドライシロップ1%:2005年1月19日承認、申請資料概要へ.3.1.3)

5) Kishimoto W,et al.:Res Commun Mol Pathol Pharmacol. 1997;98:273-292

6) Fujishima H, et al.:Ann Allergy Asthma Immunol. 2014;113:476-481

7) アレジオン点眼液0.05%:2013年9月20日承認、審査報告書

8) 第Ⅲ相CAC試験(01141101)(アレジオン点眼液0.05%:2013年9月20日承認、申請資料概要2.7.6.7)

9) 中川 やよい, 他:あたらしい眼科.2014;31:97-104

10) 第Ⅲ相試験(N801-DFT)(アレジオン点眼液0.05%:2013年9月20日承認、申請資料概要2.7.6.6)

11) Fügner A,et al.:Arzneimittel-Forschung/Drug Research. 1988;38:1446-1453

12) モルモットのヒスタミン誘発による結膜炎モデルの血管透過性亢進に対する作用(アレジオン点眼液0.05%:2013年9月20日承認、申請資料概要2.6.2.2)

13) 正常又は受動感作アレルギー性結膜炎モデルラットの結膜肥満細胞の脱顆粒に対する作用(アレジオン点眼液0.05%:2013年9月20日承認、申請資料概要2.6.2.2)

14) ラット受動感作アレルギー性結膜炎モデルの摘出結膜からのヒスタミン遊離に対する作用(アレジオン点眼液0.05%:2013年9月20日承認、申請資料概要2.6.2.2)

15) マウス能動感作アレルギー性結膜炎モデルの血管透過性亢進に対する作用(アレジオン点眼液0.05%:2013年9月20日承認、申請資料概要2.6.2.2)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

キョーリンリメディオ株式会社 学術部

〒920-0017 金沢市諸江町下丁287番地1

TEL 0120-960189

FAX 0120-189099

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

キョーリンリメディオ株式会社

富山県南砺市井波885番地

26.2 *販売元

杏林製薬株式会社

東京都千代田区大手町一丁目3番7号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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