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ベクロメタゾン点鼻液50μg「杏林」

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2抗炎症作用
18.3生物学的同等性試験
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ベクロメタゾン点鼻液50μg「杏林」

添付文書番号

1329702R3225_1_05

企業コード

480209

作成又は改訂年月

2024年5月改訂(第2版)
2023年12月改訂

日本標準商品分類番号

871329

薬効分類名

吸入式鼻過敏症治療剤

承認等

ベクロメタゾン点鼻液50μg「杏林」

販売名コード

YJコード

1329702R3225

販売名英語表記

BECLOMETASONE Nasal Solution 50μg“KYORIN”

販売名ひらがな

べくろめたぞんてんびえき50μg「きょーりん」

承認番号等

承認番号

30200AMX00702000

販売開始年月

2008年12月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

ベクロメタゾンプロピオン酸エステル

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 有効な抗菌剤の存在しない感染症・全身の真菌症の患者[症状を増悪するおそれがある。]
  2. 2.2 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ベクロメタゾン点鼻液50μg「杏林」

有効成分1g中 日局ベクロメタゾンプロピオン酸エステル 1mg
1回噴射中 日局ベクロメタゾンプロピオン酸エステル 0.05mg  
添加剤プロピレングリコール、グリセリン、ポリソルベート80、ベンザルコニウム塩化物、結晶セルロース・カルメロースナトリウム

3.2 製剤の性状

ベクロメタゾン点鼻液50μg「杏林」

剤形定量噴射式懸濁剤
性状白色~灰白色の不透明な懸濁液

4. 効能又は効果

アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎

6. 用法及び用量

擤鼻後十分の呼吸を行わせ、吸気の際に本剤を1側鼻孔より1回噴霧し、この際他側の鼻孔は指で閉鎖する。次いで他側鼻孔に同様の操作を行う。
成人は、通常1回上記1操作の吸入(ベクロメタゾンプロピオン酸エステルとして100μg)を、1日4回鼻腔内に噴霧吸入する。小児は、通常1回上記1操作の吸入(ベクロメタゾンプロピオン酸エステルとして100μg)を、1日2回鼻腔内に噴霧吸入する。なお、年齢・体重・症状により適宜増減するが、1日の最大投与量は、成人では16吸入、小児では8吸入を限度とする。
また、症状の緩解がみられた場合は、その後の経過を観察しながら減量する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の投与期間中に鼻症状の悪化がみられた場合には、抗ヒスタミン剤あるいは、全身性ステロイド剤を短期間併用し、症状の軽減にあわせて併用薬剤を徐々に減量すること。
  2. 8.2 本剤には持続効果が認められるので、特に通年性の患者において長期に使用する場合は、症状の改善状態が持続するようであれば、本剤の減量又は休薬につとめること。
  3. 8.3 全身性ステロイド剤の減量は本剤の吸入開始後症状の安定をみて徐々に行う。減量にあたっては一般のステロイド剤の減量法に準ずる。
  4. 8.4 全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って、気管支喘息、ときに湿疹、蕁麻疹、眩暈、動悸、倦怠感、顔のほてり、結膜炎等の症状が発現・増悪することがある。このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 結核性疾患又は感染症(有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症を除く)の患者

    症状を増悪するおそれがある。

  2. 9.1.2 反復性鼻出血の患者

    出血を増強するおそれがある。

  3. 9.1.3 高血圧の患者

    血圧上昇を起こすおそれがある。

  4. 9.1.4 糖尿病の患者

    症状を増悪するおそれがある。

  5. 9.1.5 重症な肥厚性鼻炎や鼻茸の患者

    本剤の鼻腔内での作用を確実にするため、これらの症状がある程度減少するよう他の療法を併用するとよい。

  6. 9.1.6 長期又は大量の全身性ステロイド療法を受けている患者

    全身性ステロイド剤の減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払うこと。また、必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行うこと。これらの患者では副腎皮質機能不全となっていることが考えられる。

  7. 9.1.7 喘息発作重積状態又は喘息の急激な悪化状態の患者

    原則として本剤は使用しないこと。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で催奇形作用が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

  1. 9.7.1 本剤はステロイド剤であることを考慮し、非ステロイド系薬剤によって諸症状の緩解が得られない場合に使用すること。
  2. 9.7.2 使用に当たっては、使用法を正しく指導し、経過の観察を十分行うこと。長期、大量使用により発育障害をきたすおそれがある。
  3. 9.7.3 低出生体重児、新生児、乳児又は5才以下の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら投与期間に注意するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 眼圧亢進、緑内障(頻度不明)

11.2 その他の副作用

頻度不明

過敏症

蕁麻疹等の発疹、紅斑、そう痒、浮腫

鼻腔

鼻症状(刺激感、そう痒感、乾燥感、不快感)1)、くしゃみ発作、鼻出血1)、感染1)、異臭感、嗅覚障害

口腔並びに呼吸器

咽喉頭症状(刺激感、異物感)、感染1)

消化器

食欲不振、悪心、嘔吐、下痢

循環器

高血圧

精神神経系

頭痛、めまい

その他

気管支喘息の発現・増悪、鼻中隔穿孔

1) 吸入回数を減少させるか、吸入を中止すること。

13. 過量投与

  1. 13.1 症状

    下垂体・副腎皮質系機能抑制があらわれることがある。この抑制が長期にわたった場合、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様な症状があらわれることがある。

  2. 13.2 処置

    全身性ステロイド療法を中止する手順で本剤を徐々に減量すること。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  1. 14.1.1 使用前
    1. (1) 患者には添付の携帯袋を渡し、使用方法を指導すること。
    2. (2) 吸入前に容器をよく振ること。ただし強く振りすぎないこと。
  2. 14.1.2 使用時
    1. (1) 初回使用時のみ空打ちを行うこと。
    2. (2) 噴霧口を針やピンなどで突かないこと。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

レセルピン系製剤、α-メチルドパ製剤等の降圧剤には、副作用として鼻閉がみられることがある。このような降圧剤服用中のアレルギー性鼻炎又は血管運動性鼻炎の患者に、本剤を投与すると、鼻閉症状に対する本剤の効果が隠蔽されるおそれがあるので、臨床的観察を十分に行いながら投与すること。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

合成糖質副腎皮質ホルモンで局所炎症作用はベタメタゾンよりも強い。したがって糖質コルチコイドとしての一般作用、すなわち糖新生、消炎、抗アレルギー作用、抗エオジン白血球減少作用を有する1)

18.2 抗炎症作用

ベクロメタゾンプロピオン酸エステルは、ヒト皮膚における血管収縮試験においてトリアムシノロンアセトニドの5倍、デキサメタゾンの約600倍の局所抗炎症作用を示した2)

18.3 生物学的同等性試験

抗鼻炎作用及び抗鼻閉作用を指標とした薬効薬理試験を実施し、生物学的同等性を検討した結果、ベクロメタゾン点鼻液50μg「杏林」とアルデシンAQネーザルは生物学的に同等であると判断された3)

  1. 18.3.1 抗鼻炎作用

抗原卵白アルブミンで感作した雄性ラットに色素(Pontamine Sky Blue 6B)を静脈注射後、鼻腔内へ抗原液を灌流し、その灌流による鼻粘膜表面での抗原抗体反応に基づく鼻汁中への漏出色素量及びライソゾーム酵素活性を指標として、ベクロメタゾン点鼻液50μg「杏林」及びアルデシンAQネーザルのプラセボに対するアレルギー性鼻炎抑制効果を比較検討した。なお、被験薬は、抗原液灌流の前後に各1回1噴霧させた。
その結果、ベクロメタゾン点鼻液50μg「杏林」及びアルデシンAQネーザルともにプラセボに対して明らかなアレルギー性鼻炎抑制効果を示し、かつ、両剤の抑制効果の間に有意差を認めなかった。

  1. 18.3.2 抗鼻閉作用

抗卵白アルブミンウサギ血清で感作した雄性モルモットの鼻腔内に抗原液を滴下し、抗原抗体反応に基づく鼻閉によるインピーダンス変化を指標とし、ベクロメタゾン点鼻液50μg「杏林」及びアルデシンAQネーザルのプラセボに対する鼻閉抑制効果を比較検討した。なお、被験薬は、抗原液滴下の前後に各1回左右鼻腔内に1噴霧させた。
その結果、ベクロメタゾン点鼻液50μg「杏林」及びアルデシンAQネーザルともにプラセボに対して明らかな鼻閉抑制効果を示し、かつ、両剤の抑制効果の間に有意差を認めなかった。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

ベクロメタゾンプロピオン酸エステル
(Beclometasone Dipropionate)

化学名

9-Chloro-11β,17,21-trihydroxy-16β-methylpregna-1,4-diene-3,20-dione 17,21-dipropanoate

分子式

C28H37ClO7

分子量

521.04

性状

白色~微黄色の粉末である。
メタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)又は1,4-ジオキサンにやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
融点:約208℃(分解)。
結晶多形が認められる。

化学構造式

22. 包装

8.5g×10

24. 文献請求先及び問い合わせ先

キョーリンリメディオ株式会社 学術部

〒920-0017 金沢市諸江町下丁287番地1

TEL 0120-960189

FAX 0120-189099

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

キョーリンリメディオ株式会社

富山県南砺市井波885番地

26.2 *販売元

杏林製薬株式会社

東京都千代田区大手町一丁目3番7号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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