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アレルギー性鼻炎
通常、成人には、各鼻腔に2噴霧ずつ1日1回投与する(モメタゾンフランカルボン酸エステルとして1日200μg)。
通常、12歳未満の小児には、各鼻腔に1噴霧ずつ1日1回投与する(モメタゾンフランカルボン酸エステルとして1日100μg)。通常、12歳以上の小児には、各鼻腔に2噴霧ずつ1日1回投与する(モメタゾンフランカルボン酸エステルとして1日200μg)。
症状を増悪させるおそれがある。
出血を増悪させるおそれがある。
患部が治癒するまで本剤を投与しないこと。ステロイド剤は創傷治癒を抑制する作用がある。
副腎皮質機能不全又は離脱症状(関節あるいは筋肉の疼痛、倦怠感及びうつ等)の徴候、症状があらわれた場合には、適切な処置を行うこと。また、全身性ステロイド剤の減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払うこと。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。経皮又は経口投与による動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形性作用が報告されている1)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、じん麻疹等)があらわれることがある。
1~5%未満
1%未満
頻度不明
過敏症
じん麻疹等の発疹
鼻腔
鼻症状(刺激感注1)、そう痒感、乾燥感注1)、疼痛、発赤、不快感注1)等)、真菌検査陽性
鼻出血注1)、鼻漏、鼻閉、くしゃみ、嗅覚障害
鼻中隔穿孔、鼻潰瘍、鼻症状(灼熱感)
口腔並びに呼吸器
咽喉頭症状(刺激感、疼痛、不快感、乾燥等)
咳嗽、上気道炎
肝臓
肝機能障害、ALT上昇注1)、AST上昇注1)、ビリルビン上昇、Al-P上昇、ウロビリン尿
血液
好中球増多、好酸球増多、単球増多、白血球減少、白血球増多、白血球分画異常、赤血球減少注1)、ヘモグロビン減少注1)、ヘマトクリット減少注1)、リンパ球減少、血小板減少注1)、カリウム上昇
精神神経系
頭痛、倦怠感
眼
眼圧亢進、霧視、中心性漿液性網脈絡膜症
その他
コルチゾール減少注1)
蛋白尿注1)、尿糖、BUN上昇、コルチゾール上昇
味覚障害
患者には添付の携帯袋及び使用説明書を渡し、以下の使用方法を指導すること。
健康成人男性(日本人各群6例)に本剤200μg又は400μgを1日2回注2)7日間反復鼻腔内投与した際、血漿中モメタゾンフランカルボン酸エステル濃度は200μg 1日2回投与群の1例において初回投与後30分に定量下限をわずかに上回る値(57.2 pg/mL)が認められたが、他の被験者は全測定時点で定量下限未満(<50pg/mL)であった2)。
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験では広範な代謝が認められ、生成する複数の代謝物の1つとして6β水酸化体が確認された3)。6β水酸化体の生成に関与するP450分子種はCYP3A4であることが確認されている4)。
通年性アレルギー性鼻炎を対象とした第Ⅱ相試験5)において、本剤あるいはプラセボを2週間投与した。4鼻症状スコア注3)の投与前値及び投与終了時の変化量を下表に示した。本剤はプラセボと比較していずれの投与量でも有意に優れていた(p<0.01)。
投与群注4)
n
平均値(標準誤差)
投与前
変化量
100μg/日(分1)
75
7.3(0.2)
-2.7(0.3)
200μg/日(分1)
74
8.1(0.2)
-4.3(0.3)
400μg/日(分1)
79
7.9(0.2)
-4.2(0.2)
200μg/日(分2)
-4.0(0.2)
400μg/日(分2)
7.7(0.2)
-4.1(0.3)
プラセボ
77
7.6(0.2)
-1.7(0.2)
本剤200μg/日(分1)における副作用は、74例中15例(20.3%)に認められた。主なものは、咽喉頭疼痛3例(4.1%)であった。
通年性アレルギー性鼻炎を対象とした第Ⅲ相試験6)において、本剤200μg/日(分1)、フルチカゾンプロピオン酸エステル(FP)200μg/日(分2)あるいはプラセボを2週間投与した。4鼻症状スコア注3)の投与前値及び投与終了時の変化量を下表に示した。
投与群注5)
調整平均値(標準誤差)
比較注6)
本剤200μg/日(分1)
143
8.3(0.1)
-3.9(0.2)
本剤vs本剤プラセボ差の点推定値(調整平均値)-2.395%CI:-3.1~-1.5本剤vsFP差の点推定値(調整平均値)-0.295%CI:-0.7~0.3
FP200μg/日(分2)
142
8.3(0.2)
-3.7(0.2)
本剤プラセボ
32
7.8(0.3)
-1.4(0.3)
FPプラセボ
34
8.4(0.3)
-1.8(0.4)
本剤における副作用は、143例中19例(13.3%)に認められた。主なものは、血中ビリルビン増加4例(2.8%)、咽喉頭疼痛3例(2.1%)であった。
通年性アレルギー性鼻炎を対象とした二重盲検比較試験7)において、本剤[5歳以上12歳未満:100μg/日(分1)、12歳以上16歳未満:200μg/日(分1)]あるいはプラセボを2週間投与した。4鼻症状スコア注3) の投与前値及び投与終了時の変化量を下表に示した。その結果、プラセボに対する本剤の優越性が検証された。
投与群
比較注7)
本剤(分1)
220
7.5(0.1)
差の点推定値(調整平均値)-2.195%CI:-2.6~-1.5
113
-1.9(0.2)
本剤における副作用は、220例中6例(2.7%)に認められた。主なものは、鼻部不快感3例(1.4%)であった。
小児季節性アレルギー性鼻炎(6歳以上12歳未満)を対象とした第Ⅱ相試験8)において、本剤100μg/日(分1)、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル(BDP)168μg/日(分2)あるいはプラセボを4週間投与した。合計鼻症状スコア注8)の投与前値、投与1週後及び投与終了時の変化量を下表に示した。投与1週後及び投与終了時では、本剤はプラセボと比較して有意に優れていた(p≤0.01)。
n注9)
投与前注10)
投与1週後
投与4週後又は中止時
変化量注10)
比較注11)
本剤100μg/日(分1)
135
8.1(1.7)
-2.8(2.6)
本剤vsプラセボの差0.9p=0.01BDPvsプラセボの差0.9p=0.01
-3.6(2.9)
本剤vsプラセボの差1.2p<0.01BDPvsプラセボの差1.2p<0.01
BDP168μg/日(分2)
136
8.0(1.7)
-2.8(2.4)
134
8.0(1.5)
-1.9(2.2)
-2.4(2.8)
本剤100μg/日(分1)における副作用は、135例中27例(20.0%)に認められた。主なものは、鼻出血8例(5.9%)、頭痛、くしゃみ各4例(3.0%)、鼻刺激3例(2.2%)であった。
小児の通年性アレルギー性鼻炎(3歳以上10歳未満)を対象とした海外臨床試験9)において、本剤100μg/日(分1)あるいはプラセボを1年間投与した。治療1年後プラセボと比較して、本剤による有意な成長抑制は認められなかった。また、視床下部-下垂体-副腎皮質系機能(血漿コルチゾール)への有意な影響は認められなかった。
モメタゾンフランカルボン酸エステルは抗アレルギー作用及び抗炎症作用を有する。鼻腔内投与によりアレルギー性鼻炎モデルにおいて各種鼻症状抑制作用を示した。ヒトのヘルパーT(Th)細胞からのインターロイキン-4(IL-4)及びIL-5産生(Th2細胞の活性化)を抑制した10)(in vitro)。鼻腔内投与により能動感作マウスのIgE及びIgG1抗体産生を抑制した11)(in vivo)。さらに、ラット好酸球の走化性因子による遊走能を低下させた12)(in vitro)。
モメタゾンフランカルボン酸エステルは能動感作ラットの抗原誘発鼻腔内色素漏出反応(水性鼻漏)、くしゃみ、鼻掻き行動、鼻閉及び鼻過敏性亢進に対して、鼻腔内投与により抑制作用を示した13),14),15),16)(in vivo)。
モメタゾンフランカルボン酸エステルは亜急性炎症モデルであるマウスクロトン油耳浮腫に対して、局所投与により抑制作用を示し、その作用はベクロメタゾンプロピオン酸エステルよりも低用量で発現した17)(in vivo)。
経口投与した時のマウスにおける胸腺萎縮作用、視床下部-下垂体-副腎皮質系抑制作用及び体重増加抑制作用、並びにモルモットにおける末梢血リンパ球減少作用の発現にはベクロメタゾンプロピオン酸エステルよりも高用量を要した18)(in vivo)。
モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物(Mometasone Furoate Hydrate)
(+)-9,21-Dichloro-11β,17α-dihydroxy-16α-methyl-1,4-pregnadiene-3,20-dione17-(2-furoate) monohydrate
C27H30Cl2O6・H2O
539.44
白色の粉末である。N,N-ジメチルアセトアミドに溶けやすく、ジオキサンにやや溶けやすく、メタノール、エタノール(99.5)又はアセトニトリルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
約220℃(分解)
10g×5
18g×5
1) 社内資料:毒性試験(ナゾネックス点鼻液:2008年7月16日承認、CTD2.6.6.1)
2) 社内資料:全身吸収性試験(ナゾネックス点鼻液:2008年7月16日承認、CTD2.7.2.2)
3) 社内資料:薬物動態試験・代謝物(ナゾネックス点鼻液:2008年7月16日承認、CTD2.7.2.2)
4) 社内資料:薬物動態試験・代謝酵素(ナゾネックス点鼻液:2008年7月16日承認、CTD2.7.2.2)
5) 石川 哮ほか. 耳鼻咽喉科臨床. 2008; 補123: 1-18.
6) 宗 信夫ほか. アレルギー・免疫. 2009; 16: 394-413.
7) 社内資料:小児を対象としたプラセボ対照比較試験(ナゾネックス点鼻液:2012年5月25日承認、CTD2.7.6.6)
8) Meltzer EO, et al. J Allergy Clin Immunol.1999;104:107-114.
9) Schenkel EJ, et al. Pediatrics.2000;105:E22.
10) Umland SP, et al. J Allergy Clin Immunol.1997;100:511-519.
11) Magari M, et al. Immunopharmacol Immunotoxicol.2006;28:491-500.
12) Sugimoto Y, et al. Int Immunopharmacol.2003;3:845-852.
13) Kamei C, et al. Jpn Pharmacol Ther.1995;23:2979-2982.
14) Sugimoto Y, et al. Pharmacology.2000;61:91-95.
15) 社内資料:アレルギー性鼻炎抑制作用(ナゾネックス点鼻液:2008年7月16日承認、CTD2.6.2.2)
16) Tsumuro T, et al. Eur J Pharmacol.2005;524:155-158.
17) 社内資料:局所抗炎症作用(ナゾネックス点鼻液:2008年7月16日承認、CTD2.6.2.2)
18) 社内資料:全身作用(ナゾネックス点鼻液:2008年7月16日承認、CTD2.6.2.4)
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