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胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群
本剤の投与が胃癌による症状を隠蔽することがあるので、悪性でないことを確認のうえ投与すること。
通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回10mgを1日1回経口投与するが、病状により1回20mgを1日1回経口投与することができる。なお、通常、胃潰瘍、吻合部潰瘍では8週間まで、十二指腸潰瘍では6週間までの投与とする。
逆流性食道炎の治療においては、通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回10mgを1日1回経口投与するが、病状により1回20mgを1日1回経口投与することができる。なお、通常、8週間までの投与とする。また、プロトンポンプインヒビターによる治療で効果不十分な場合、1回10mg又は1回20mgを1日2回、さらに8週間経口投与することができる。ただし、1回20mg1日2回投与は重度の粘膜傷害を有する場合に限る。
肝硬変患者で肝性脳症の報告がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット経口400mg/kg、ウサギ静注30mg/kg)で胎児毒性(ラットで化骨遅延、ウサギで体重の低下、化骨遅延)が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
消化器症状等の副作用があらわれた場合は休薬するなど慎重に投与すること。本剤は主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能が低下していることが多く、副作用があらわれることがある。
リルピビリン塩酸塩(エジュラント)
リルピビリン塩酸塩の作用を減弱するおそれがある。
本剤の胃酸分泌抑制作用により、胃内pHが上昇し、リルピビリン塩酸塩の吸収が低下し、リルピビリンの血中濃度が低下することがある。
ジゴキシン
メチルジゴキシン
相手薬剤の血中濃度が上昇することがある。
本剤の胃酸分泌抑制作用により、胃内pHが上昇し、相手薬剤の吸収を促進する。
イトラコナゾール
ゲフィチニブ
相手薬剤の血中濃度が低下するおそれがある。
本剤の胃酸分泌抑制作用により、胃内pHが上昇し、相手薬剤の吸収を抑制するおそれがある。
水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム含有の制酸剤
本剤単独投与に比べ制酸剤同時服用、制酸剤投与1時間後服用で平均血漿中濃度曲線下面積がそれぞれ8%、6%低下したとの報告がある。
機序は不明である。
メトトレキサート
メトトレキサートの血中濃度が上昇することがある。高用量のメトトレキサートを投与する場合は、一時的に本剤の投与を中止することを考慮すること。
発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、本剤の投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑等があらわれることがある。
腎機能検査(BUN、クレアチニン等)に注意すること。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。
せん妄、異常行動、失見当識、幻覚、不安、焦燥、攻撃性等があらわれることがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、瘙痒感
蕁麻疹
血液
白血球減少、白血球増加、好酸球増多、貧血
赤血球減少、好中球増多、リンパ球減少
肝臓
AST、ALT、Al-P、γ-GTP、LDHの上昇
総ビリルビンの上昇
循環器
血圧上昇
動悸
消化器
便秘、下痢、腹部膨満感、嘔気、口内炎
腹痛、苦味、カンジダ症、胃もたれ、口渇、食欲不振、鼓腸
舌炎、嘔吐、顕微鏡的大腸炎(collagenous colitis、lymphocytic colitis)
精神神経系
頭痛
めまい、ふらつき、眠気、四肢脱力、知覚鈍麻、握力低下、口のもつれ、失見当識
せん妄、昏睡
その他
総コレステロール・中性脂肪・BUNの上昇、蛋白尿、血中TSH増加
かすみ目、浮腫、倦怠感、発熱、脱毛症、しびれ感、CKの上昇
目のちらつき、関節痛、筋肉痛、高アンモニア血症、低マグネシウム血症、女性化乳房
健康成人男子に20mgを絶食下又は食後に経口投与した時の被験者毎に算出した薬物動態パラメータの平均値を下表に示す1)。
投与条件
Cmax(ng/mL)
tmax(hr)
AUC(ng・hr/mL)
絶食下
437±237
3.6±0.9
937±617
食後
453±138
5.3±1.4
901±544
(Mean±S.D.,n=12)
また、健康成人男子に5mg、10mg、20mgを絶食下で反復投与した時(投与5日目)の薬物動態パラメータは以下のとおりである2)。
投与量
表現型
AUC(0-t)(ng・hr/mL)
t1/2(hr)
5mg
EM※
146±56
3.0(2.0-4.5)
236±97
1.8±0.9
PM※
252±55
2.5(1.5-5.5)
585±137
4.2±0.5
10mg
383±83
3.3(2.0-5.0)
539±200
1.5±0.4
509±64
2.8(2.0-4.5)
1230±200
3.8±0.3
20mg
654±348
4.0(2.5-8.0)
994±477
2.3±1.4
822±232
3.3(3.0-6.0)
2331±663
3.7±0.3
(Mean±S.D.,tmaxはMedian(Min-Max),EM n=16,PM n=8)
※肝代謝酵素チトクロームP450 2C19(CYP2C19)表現型は、下記遺伝子型より分類される。EM(extensive metabolizer):CYP2C19*1/*1、CYP2C19*1/*2又はCYP2C19*1/*3PM(poor metabolizer):CYP2C19*2/*2、CYP2C19*2/*3又はCYP2C19*3/*3
ラベプラゾールNa錠20mg「杏林」とパリエット錠20mgをクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ラベプラゾールナトリウムとして20mg)健康成人男子29名に絶食単回経口投与して血漿中ラベプラゾールナトリウム未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された3)。
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0-10
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
tmax
(hr)
t1/2
ラベプラゾールNa錠20mg「杏林」
861.9±264.8
501.6±162.5
2.81±0.75
1.01±0.16
パリエット錠20mg
853.3±310.6
545.6±220.9
3.48±0.67
0.93
±0.15
(Mean±S.D.,n=29)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
健康成人男子に20mgを絶食下又は食後に経口投与した時、食後投与では絶食下投与に比しtmaxが1.7時間遅延するとともに吸収に個体差が認められている1)。
健康成人男子に10mg、20mgを経口投与した時の血漿中の代謝物は、主に非酵素的な還元反応により生成したチオエーテル体であった。その他に肝代謝酵素チトクロームP450 2C19(CYP2C19)が関与する脱メチル化反応により生成した脱メチル体、3A4(CYP3A4)が関与するスルホン化反応により生成したスルホン体が認められた1),4),5)。
健康成人男子に20mgを経口投与した場合、投与後24時間までに尿中にラベプラゾールナトリウムの未変化体は検出されず、代謝物であるカルボン酸体及びそのグルクロン酸抱合体が投与量の約29~40%、メルカプツール酸抱合体が13~19%排泄された1),4)。
類薬(オメプラゾール)で肝代謝酵素チトクロームP450 2C19(CYP2C19)への代謝競合により相互作用が認められているジアゼパム、ワルファリン(R-ワルファリン)に対してラベプラゾールナトリウムはこれらの薬剤の血中濃度に影響を与えないことが報告されている。また、類薬(ランソプラゾール)で肝代謝酵素チトクロームP450 1A2(CYP1A2)の誘導により相互作用が認められているテオフィリンに対してもラベプラゾールナトリウムは血中濃度に影響を与えないことが報告されている5),6)。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎及び吻合部潰瘍を対象に1日1回10mg又は20mgを投与した一般臨床試験及び二重盲検比較試験(投与期間:6~8週間)の成績は下表のとおりである7),8),9),10),11),12),13),14),15),16)。
対象疾患
内視鏡治癒率
胃潰瘍
94.0%(189例/201例)
十二指腸潰瘍
99.4%(159例/160例)
逆流性食道炎
90.9%(50例/55例)
吻合部潰瘍
83.3%(10例/12例)
通常用法及び用量のプロトンポンプインヒビター治療に抵抗性注1)の逆流性食道炎患者を対象とした投与8週後の内視鏡検査による治癒率は下表のとおりであった17)。
1回20mg1日1回
1回10mg1日2回
1回20mg1日2回
全体
58.8%(60例/102例)
78.4%(80例/102例)
77.0%(77例/100例)
grade A 及びgrade B※
65.1%(56例/86例)
87.1%(74例/85例)
79.5%(66例/83例)
grade C 及びgrade D※
25.0%(4例/16例)
35.3%(6例/17例)
64.7%(11例/17例)
※ロサンゼルス分類(改変2)による重症度
また、臨床薬理試験において胃内pH上昇作用がラベプラゾールナトリウム1日1回20mg投与で1日1回10mg投与に比べて強く、難治性潰瘍に対するラベプラゾールナトリウム1日1回20mg投与の有用性が認められている8),10)。
ラベプラゾールナトリウムは酸分泌細胞の酸性領域で活性体(スルフェンアミド体)になり、プロトンポンプ(H+、K+-ATPase)のSH基を修飾して酵素活性を阻害し、酸分泌を抑制する。さらに阻害された酵素活性の回復には、主に作用部位からの薬物の消失あるいはグルタチオンによる活性体の消失が関与しているものと考えられる。その他、グルタチオンによって酵素活性が回復する可能性も推測される18),19),20)。
健康成人男子における胃内pHに対し、1日1回5mg投与、1日1回10mg投与、1日1回20mg投与でともに著明な上昇作用を示し、投与5日目の24時間中にpH4以上を示す時間の割合は1日1回5mg投与のEM※で46%、PM※で63%、1日1回10mg投与のEM※で58%、PM※で72%、1日1回20mg投与のEM※で61%、PM※で76%である2)。
ブタ胃粘膜より調製したH+、K+-ATPaseに対し、強い阻害作用を示す20),26) (in vitro)。
ラットを用いた各種実験潰瘍あるいは実験胃粘膜病変(寒冷拘束ストレス、水浸拘束ストレス、幽門結紮、システアミン、塩酸-エタノール及びアスピリン)に対し、強い抗潰瘍作用あるいは胃粘膜病変改善作用を示す23),27),28)。
ラベプラゾールナトリウム(Rabeprazole Sodium)
Monosodium(RS)-2-({[4-(3-methoxypropoxy)-3-methylpyridin-2-yl]methyl}sulfinyl)-1H-benzimidazolide
C18H20N3NaO3S
381.42
白色~微黄白色の粉末である。水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けやすい。0.01mol/L水酸化ナトリウム試液に溶ける。吸湿性である。水溶液(1→20)は旋光性を示さない。結晶多形が認められる。
100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]
1) Yasuda, S. et al.:Int. J. Clin. Pharmacol. Ther. 1994;32(9):466-473
2) 日本人健康成人男性を対象としたE3810の臨床薬理試験(パリエット錠:2014年12月26日承認、申請資料概要2.7.6.1)
3) キョーリンリメディオ株式会社社内資料:ラベプラゾールNa錠20mg「杏林」の生物学的同等性試験に関する資料
4) Yasuda, S. et al.:Clin. Pharmacol. Ther. 1995;58(2):143-154
5) Ishizaki, T. et al.:Aliment. Pharmacol. Ther. 1999;13(Suppl.3):27-36
6) Ishizaki, T. et al.:Clin. Pharmacol. Ther. 1995;58(2):155-164
7) 中澤三郎 他:Modern Physician. 1994;14(S.):38-68
8) 本村明 他:Modern Physician. 1994;14(S.):23-37
9) 篠村恭久 他:Modern Physician. 1994;14(S.):69-84
10) 八尾恒良 他:Modern Physician. 1994;14(S.):85-99
11) 中川充文 他:Modern Physician. 1994;14(S.):100-107
12) 吉田豊 他:Modern Physician. 1994;14(S.):108-115
13) 中野哲 他:Modern Physician. 1994;14(S.):116-123
14) 谷内昭 他:Modern Physician. 1994;14(S.):124-136
15) 吉田豊 他:Modern Physician. 1994;14(S.):137-147
16) 中澤三郎 他:Modern Physician. 1994;14(S.):1-22
17) Kinoshita, Y. et al.:Am. J. Gastroenterol. 2012;107(4):522-530
18) 第十八改正日本薬局方解説書 廣川書店. 2021;C5995-C6001
19) Fujisaki, H. et al.:Biochem. Pharmacol. 1991;42(2):321-328
20) 藤崎秀明 他:日本薬理学雑誌. 1993;102(6):389-397
21) 岩崎有良 他:薬理と治療. 1999;27(4):705-712
22) 井上正規 他:内科宝函. 1994;41(7):143-150
23) Fujisaki, H. et al.:Drug Invest. 1991;3(5):328-332
24) 村上学 他:G. I. Research. 1993;1(5):493-496
25) 河合隆 他:G. I. Research. 1993;1(3):274-280
26) Morii, M. et al.:Biochem. Pharmacol. 1990;39(4):661-667
27) 村上学 他:G. I. Research. 1993;1(5):497-500
28) ラットにおけるアスピリン胃潰瘍に対する作用(パリエット錠:2014年12月26日承認、申請資料概要2.6.2.2)
キョーリンリメディオ株式会社 学術部
〒920-0017 金沢市諸江町下丁287番地1
TEL 0120-960189FAX 0120-189099
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