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日本薬局方
ゾピクロン錠
習慣性医薬品注)
処方箋医薬品注)
向精神薬
本剤の服用後に、もうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊症状等)があらわれることがある。また、入眠までの、あるいは中途覚醒時の出来事を記憶していないことがあるので注意すること。
通常、成人1回、ゾピクロンとして、7.5~10mgを就寝前に経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減するが、10mgを超えないこと。
通常、成人1回、ゾピクロンとして、7.5~10mgを就寝前または手術前に経口投与する。なお、年齢・症状・疾患により適宜増減するが、10mgを超えないこと。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。炭酸ガスナルコーシスを起こしやすい。
薬物の作用が強くあらわれ、副作用が発現しやすい。
血圧低下があらわれるおそれがあり、心障害のある患者では症状の悪化につながるおそれがある。
作用が強くあらわれるおそれがある。
作用が強くあらわれるおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠後期に本剤を投与された患者より出生した児に呼吸抑制、痙攣、振戦、易刺激性、哺乳困難等の離脱症状があらわれることがある。なお、これらの症状は、新生児仮死として報告される場合もある。
授乳を避けさせること。ヒト母乳中に移行し、新生児に嗜眠を起こす可能性がある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
運動失調が起こりやすい。また、副作用が発現しやすい。
筋弛緩薬(スキサメトニウム塩化物水和物、ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物、パンクロニウム臭化物)中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等)
これらの作用が増強されることがあるので、併用しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には慎重に投与すること。
相加的に抗痙攣作用、中枢神経抑制作用が増強される可能性がある。
アルコール(飲酒)
相互に作用を増強することがある。
飲酒により中枢神経抑制作用が増強されることがある。
麻酔時
呼吸抑制があらわれることがあるので、慎重に投与すること。
本剤により呼吸抑制があらわれることがあり、麻酔により相加的に呼吸が抑制される可能性がある。
薬物代謝酵素CYP3A4を誘導する薬剤(リファンピシン等)
本剤の作用を減弱させることがある。
これらの薬剤の肝代謝酵素誘導作用により、本剤の代謝が促進され、効果の減弱を来すことがある。
薬物代謝酵素CYP3A4を阻害する薬剤(エリスロマイシン、イトラコナゾール等)
本剤の作用を増強させることがある。
これらの薬剤の肝代謝酵素阻害作用により、本剤の代謝が阻害され、本剤の血漿中濃度が増加するおそれがある。
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、振戦、痙攣発作、不眠等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
呼吸機能が高度に低下している患者に投与した場合、炭酸ガスナルコーシスを起こすことがあるので、このような場合には気道を確保し、換気を図るなど適切な処置を行うこと。,
AST、ALT、Al-P、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
幻覚、せん妄、錯乱、悪夢、易刺激性、攻撃性、異常行動等があらわれることがある。
本剤を投与する場合には少量から開始するなど、慎重に投与すること。なお、十分に覚醒しないまま、車の運転、食事等を行い、その出来事を記憶していないとの報告がある。
蕁麻疹、血管浮腫等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
1%以上
0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
精神神経系
ふらつき、眠気、頭重、頭痛
不快感、めまい等
錯感覚
肝臓
ALTの上昇
ASTの上昇、Al-Pの上昇
腎臓
蛋白尿
BUNの上昇
血液
白血球減少、ヘモグロビン減少、赤血球減少
血小板減少
消化器
口中のにがみ(8.06%)、口渇
嘔気、食欲不振、口内不快感、胃部不快感等
消化不良
過敏症
発疹
そう痒症
骨格筋
だるさ
倦怠感
脱力感等の筋緊張低下症状
その他
転倒
本剤の過量投与により傾眠、錯乱、嗜眠を生じ、更には失調、筋緊張低下、血圧低下、メトヘモグロビン血症、呼吸機能低下、昏睡等に至ることがある。他の中枢神経抑制剤やアルコールと併用時の過量投与は致死的となることがある。また、合併症や衰弱状態などの危険因子がある場合は、症状は重篤化する可能性があり、ごくまれに致死的な経過をたどることがある。
本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意を必ず読むこと。なお、血液透析による除去は有効ではない。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。
臨床用量の約800倍(100mg/kg/日)をマウス、ラットに2年間投与した試験において、マウス雄の皮下、雌の肺、ラット雄の甲状腺、雌の乳腺での腫瘍発生頻度が対照群に比べ高いとの報告がある。
投与量
tmax
Cmax
t1/2
7.5mg
1.17hr
67.76ng/mL
3.66hr
10mg
0.75hr
80.87ng/mL
3.94hr
ゾピクロン錠7.5mg「トーワ」とアモバン錠7.5を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ゾピクロンとして7.5mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。2)
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0-24
(ng・hr/mL)
(ng/mL)
(hr)
ゾピクロン錠7.5mg「トーワ」
446.8±112.6
68.49±23.25
1.34±1.08
5.78±2.60
アモバン錠7.5
463.0±126.0
69.12±16.70
1.21±0.85
5.34±2.06
(Mean±S.D.,n=20)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
ゾピクロン錠10mg「トーワ」とアモバン錠10を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ゾピクロンとして10mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。3)
ゾピクロン錠10mg「トーワ」
510.1±114.4
76.6±24.6
0.9±0.5
5.1±1.0
アモバン錠10
491.8±112.2
80.9±22.9
1.5±1.5
4.5±0.8
(Mean±S.D.,n=12)
ゾピクロンは生体内で代謝され2種類の主代謝物(N-desmethyl体及びN-oxide体)が生成する。In vitro試験においてCYP3A4が両代謝物の生成に、またCYP2C8がN-desmethyl体の生成に関与していることが示された。4)
精神神経科領域における各種の睡眠障害患者143例を対象としてゾピクロン7.5~15mg投与群注1)、フルラゼパム15~30mg投与群による二重盲検比較試験を行い、ゾピクロンの有用性が認められた。ゾピクロン投与群における副作用の発現率は15例(21.1%)で、主な副作用はふらつき・口渇・にがみ(各4件)、ねむけ・倦怠感(各2件)であった。5)
内科領域の疾患で不眠を訴え、睡眠薬の投与を必要とする患者128例を対象としてゾピクロン7.5mg投与群、ニトラゼパム5mg投与群による二重盲検比較試験を行った。ゾピクロン投与群の最終全般改善度は中等度改善以上で60.9%(39例/64例)であった。入眠状態、睡眠状態、睡眠時間、覚醒時気分、覚醒時身体状態、日中の身体状態に対する効果において、ゾピクロン群が有意に優れていた。ゾピクロン投与群における副作用は5例(7.8%)に認められ、主な副作用は、ふらつき(4件)、倦怠感・だるさ・頭重・朝気分が悪い(各1件)であった。6)
手術予定の患者(手術前夜)240例を対象として、ゾピクロン7.5mg投与群、10mg投与群、ニトラゼパム10mg投与群、プラセボ群による二重盲検比較試験を行った。概括的判定の睡眠状態ならびに精神状態、睡眠内容のねつき、夜間覚醒、熟眠感、睡眠時間の各項目において、ゾピクロン7.5mg群及び10mg群はプラセボ群に対し有意に優れ、ゾピクロンの有用性が認められた。ゾピクロン投与群における副作用の発現率は7.5mg群で1例(1.7%)、10mg群で6例(10.2%)であった。主な副作用は、ふらつき(7.5mg群:1件、10mg群:3件)、頭重・にがみ・めまい(10mg群:各1件)であった。7)
ベンゾジアゼピンレセプターに結合し、GABAレセプターに影響をおよぼすことでGABA系の抑制機構を増強するものと考えられている。8)
ゾピクロン10mgを健康成人に経口投与したところ、脳波上入眠潜時の短縮と総睡眠時間の延長がみられた。睡眠の各段階に対しては、レム睡眠には影響せず、深睡眠の増加がみられた。9)
ゾピクロン10mgを健康成人に経口投与したところ、覚醒水準と関連する光眼輪筋反射の潜時は投与後30分より延長し、1時間後に最も延長した。潜時の延長は投与後3時間持続したが、4時間後には延長の程度は低下した。10)
ゾピクロンをウサギに腹腔内投与したところ、自発脳波は行動上の鎮静を示すに従い皮質では高電圧徐波が増加し、海馬ではθ波の脱同期化が起こり傾眠パターンとなった。また、外来刺激による脳波覚醒反応は著明に抑制され、海馬及び扁桃核刺激による大脳辺縁系後発射も著明に抑制された。11)
ゾピクロンをラット、アカゲザルに経口投与したところ、強い馴化作用と抗コンフリクト作用がみられた。11),12)
ゾピクロンをマウスに経口投与したところ、最大電撃痙攣及びペンテトラゾール、ベメグリド、ビククリンによる痙攣に対し、ほとんど抑制作用を示さないか、あるいは弱かった。11),13)
ゾピクロンをマウスに経口投与したところ、筋弛緩作用は極めて弱かった。11)
ゾピクロン(Zopiclone)
(5RS)-6-(5-Chloropyridin-2-yl)-7-oxo-6,7-dihydro-5H-pyrrolo[3,4-b]pyrazin-5-yl 4-methylpiperazine-1-carboxylate
C17H17ClN6O3
388.81
白色~微黄色の結晶性の粉末である。エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。0.1mol/L塩酸試液に溶ける。光によって徐々に微褐色となる。0.1mol/L塩酸試液溶液(1→40)は旋光性を示さない。結晶多形が認められる。
175~178℃
100錠[10錠×10:PTP]
1000錠[10錠×100:PTP]
1000錠[バラ、乾燥剤入り]
1) 第十八改正日本薬局方解説書.2021;C-3022-3028
2) 社内資料:生物学的同等性試験(錠7.5mg)
3) 社内資料:生物学的同等性試験(錠10mg)
4) L.Becquemont,et al.:Drug Metab.Dispos.1999;27(9):1068-1073
5) 小林亮三 他:臨床評価.1986;14(1):77-108
6) 大友英一:老年医学.1985;23(6):971-992
7) 百瀬隆 他:診療と新薬.1983;20(10):2347-2357
8) J.C.Blanchard,et al.:Int.Pharmacopsychiatry.1982;17(S-2):59-69/Pharmacology.1983;27(S-2):59-69
9) 菅野道 他:帝京医学雑誌.1983;6(3):311-320
10) 田中正敏 他:Eur.J.Clin.Pharmacol.1983;24:469-474
11) 植木昭和 他:福岡医学雑誌.1983;74(8):550-567
12) 安東潔 他:実中研・前臨床研究報.1985;11(1):1-20
13) 田辺恭子 他:米子医学雑誌.1983;34(3):285-295
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