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劇薬
処方箋医薬品注)
軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
通常、成人にはリバスチグミンとして1回25.92mgから開始し、原則として4週後に維持量である1回51.84mgに増量する。
本剤は背部、上腕部、胸部のいずれかの正常で健康な皮膚に貼付する。原則として開始時は4日間貼付し、1枚を3~4日ごとに1回(週2回)貼り替える。
迷走神経刺激作用により徐脈又は不整脈が起こるおそれがある。
徐脈、房室ブロック、QT延長、Torsade de pointes等が起こるおそれがあるため、重篤な不整脈に移行しないよう観察を十分に行うこと。
胃酸分泌量が増加し、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍を誘発又は悪化させるおそれがある。
排尿筋を収縮させ症状を誘発又は悪化させるおそれがある。
痙攣閾値を低下させ痙攣発作を誘発させるおそれがある。
気管支平滑筋の収縮及び気管支粘液分泌の亢進により症状を悪化させるおそれがある。
線条体のコリン系神経を亢進することにより、症状を悪化させるおそれがある。
消化器系障害(悪心、嘔吐等)を発現しやすくなるおそれがある。
治療上やむを得ないと判断される場合にのみ投与すること。血中濃度が上昇するおそれがある。また、重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット、ウサギ)において、リバスチグミン又はその代謝物の胎児への移行が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において、乳汁中への移行が報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
コリン作動薬
コリンエステラーゼ阻害剤
コリン刺激作用が増強され、コリン系副作用(悪心、嘔吐、徐脈等)を引き起こす可能性がある。
本剤と同様にコリン作動性作用を有している。
抗コリン作用を有する薬剤
アトロピン系抗コリン剤
本剤と抗コリン作用を有する薬剤のそれぞれの効果が減弱する可能性がある。
本剤と抗コリン作用を有する薬剤の作用が相互に拮抗する。
サクシニルコリン系筋弛緩剤
サクシニルコリン系筋弛緩剤の作用が過剰にあらわれるおそれがある。
本剤がコリンエステラーゼを阻害し、脱分極性筋弛緩剤の分解を抑制する。
非ステロイド性消炎鎮痛剤
胃潰瘍又は十二指腸潰瘍を誘発又は悪化させるおそれがある。
コリン系の賦活により胃酸分泌量が増加する。
一過性脳虚血発作、脳出血及び脳梗塞を含む脳卒中、痙攣発作があらわれることがある。
嘔吐あるいは下痢の持続により脱水があらわれることがあるので、このような場合には、補液の実施及び本剤の減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
感染症
尿路感染
血液及びリンパ系障害
貧血
好酸球増加症
代謝及び栄養障害
食欲減退
糖尿病
精神障害
不眠症、幻視、易怒性
うつ病、落ち着きのなさ、不安、攻撃性、悪夢、興奮
神経系障害
浮動性めまい、頭痛、傾眠、振戦、錐体外路症状
心臓障害
期外収縮
不整脈、心房粗動
頻脈、心房細動
血管障害
高血圧
胃腸障害
悪心、嘔吐
腹痛
下痢、胃炎、消化不良、膵炎
皮膚及び皮下組織障害
接触性皮膚炎
蕁麻疹
発疹、湿疹、紅斑、そう痒症、多汗症、アレルギー性皮膚炎、水疱
腎及び尿路障害
血尿、頻尿、蛋白尿、尿失禁
全身障害
疲労、無力症、けん怠感
適用部位障害
適用部位紅斑、適用部位そう痒感
適用部位浮腫、適用部位皮膚炎、適用部位発疹、適用部位水疱、適用部位腫脹
適用部位皮膚剥脱、適用部位湿疹、適用部位蕁麻疹
適用部位疼痛、適用部位亀裂、適用部位反応、適用部位刺激感、適用部位過敏反応
臨床検査
体重減少
肝機能検査異常、コリンエステラーゼ減少、血中アミラーゼ増加
その他
しゃっくり、耳鳴
転倒・転落、末梢性浮腫、縮瞳
外国における経口投与及び国内外における経皮投与による過量投与例では、嘔吐、悪心、下痢、腹痛、めまい、振戦、頭痛、失神、傾眠、錯乱状態、幻覚、多汗症、徐脈、高血圧、けん怠感及び縮瞳等が認められている。重篤例では、筋力低下、痙攣、呼吸停止などが発現し、致死的な転帰に至る可能性がある。
過量投与時には、速やかに本剤をすべて除去し、その後24時間はそれ以上の貼付を行わない。重度の悪心、嘔吐には制吐剤の使用を考慮すること。また、大量の過量投与時には、アトロピン硫酸塩水和物を解毒剤として使用できる。最初にアトロピン硫酸塩水和物として1~2mgを静脈内投与し、臨床反応に応じて投与を追加する。解毒剤としてスコポラミンの使用は避けること。
外国人健康成人57例を対象に本剤の51.84mg製剤を週2回(4日間と3日間の交互)又はリバスチグミン貼付剤(1日1回貼付)の18mg製剤を1日1回、上背部に11日間反復経皮投与したときの定常状態におけるPKパラメータは下表のとおりであった。また、リバスチグミン貼付剤に対する本剤の幾何平均値の比[90%信頼区間]は、Cmax,96-264で1.051[0.984,1.124]、Cmin,96-264で1.078[0.978,1.189]、Ctau_264で1.086[1.018,1.158]及びAUC96-264で1.136[1.073,1.203]であり、いずれも同程度であったことから、51.84mg製剤の週2回投与がリバスチグミン貼付剤の18mg製剤の1日1回投与と同程度の曝露量を示すことが確認された(海外データ)。1)
Cmax,96-264(ng/mL)
Cmin,96-264(ng/mL)
Ctau_264(ng/mL)
AUC96-264(ng・h/mL)
本剤
9.92±2.99
3.03±1.13
4.06±1.31
1060±340
リバスチグミン貼付剤(1日1回貼付)
9.75±3.92
2.87±1.15
3.73±1.11
937±330
平均値±標準偏差
本剤及びリバスチグミン貼付剤(1日1回貼付)の皮膚透過性は類似していることが示された(in vitro)。3)リバスチグミン貼付剤18mgを背部、上腕部、胸部に貼付したとき、リバスチグミンの曝露量には貼付部位間で差が認められなかった(外国人のデータ)。4)
リバスチグミンの血漿中蛋白結合率は、36~48%であった(in vitro)。5)
リバスチグミンは、主にエステラーゼにより加水分解され、その後硫酸抱合を受ける。CYPによる代謝はわずかである。6)
リバスチグミンの排泄は代謝物の腎排泄が主である。健康成人に[14C]標識リバスチグミンを経口投与したとき、24時間以内に90%以上が尿中へ排泄され、糞中への排泄は1%未満であった(外国人のデータ)。7)
リバスチグミン貼付剤で肝機能障害患者を対象とした薬物動態試験は実施されていない。なお、リバスチグミンの経口剤(国内未承認)を、Child-Pughスコアが5~12の肝硬変患者に単回投与したとき、健康成人と比較してリバスチグミンのAUCが約130%、Cmaxが約60%上昇した(外国人のデータ)。8)
リバスチグミン貼付剤の薬物間相互作用を検討した試験はない。リバスチグミンの経口剤(国内未承認)について、ジゴキシン、ワルファリン、ジアゼパム、フルオキセチンとの薬物動態学的相互作用を検討した結果、リバスチグミンの薬物動態に対する併用薬の影響は認められなかった。リバスチグミンは主にエステラーゼにより代謝され、CYPによる代謝はわずかであることから、CYPを阻害する薬物と併用してもリバスチグミンの薬物動態は影響を受けないと考えられる。また、リバスチグミン貼付剤18mgを貼付したときのリバスチグミンのCmaxはCYPに対するIC50値より十分低いことから、CYPにより代謝される併用薬の薬物動態に影響を及ぼす可能性は低いと考えられる。9)
軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症患者を対象に本剤の51.84mg製剤(最初の4週間は25.92mg製剤)を週2回(4日間と3日間の交互)で24週間又はリバスチグミン貼付剤(1日1回貼付)の18mg製剤(最初の4週間は9mg製剤)を1日1回で24週間、背部、上腕部、胸部のいずれかに投与する二重盲検比較試験を実施した。投与24週時におけるADAS-J cog(認知機能検査)のベースラインからの変化量を以下に示す。本剤群とリバスチグミン貼付剤群との最小二乗平均値の群間差[95%信頼区間]は-0.84[-1.695,0.016]であり、群間差の95%信頼区間の上限が非劣性限界値1.1を下回ったことから、リバスチグミン貼付剤群に対する本剤群の非劣性が検証された。
本剤群
リバスチグミン貼付剤(1日1回貼付)群
ベースラインa)
21.13±5.99(176例)
20.82±6.74(178例)
投与24週時a)
20.07±7.17(144例)
20.49±7.72(147例)
ベースラインからの変化量b),c)
-0.54[-1.150,0.065]
0.30[-0.306,0.900]
変化量の群間差b),c)
-0.84[-1.695,0.016]
a)平均値±標準偏差
b)最小二乗平均値[95%信頼区間]
c)投与群、評価時期、投与群と評価時期の交互作用を固定効果、ベースライン値を共変量としたMMRM(分散共分散構造はToeplitz)
二重盲検期の副作用の発現割合は本剤群で75.1%(136/181例)であった。主な副作用は、適用部位紅斑30.4%(55/181例)、適用部位そう痒感27.6%(50/181例)及び接触皮膚炎17.1%(31/181例)等であった。10)
二重盲検期を完了した軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症患者を対象に本剤の51.84mg製剤を週2回(4日間と3日間の交互)で28週間投与する非盲検継続投与試験(本剤群は二重盲検期と併せて52週間投与、リバスチグミン貼付剤群は本剤の51.84mg製剤に切り替えて28週間投与)を実施した。本剤投与期間中の副作用の発現割合は本剤群(52週間)で77.3%(140/181例)、切り替え群(28週間)で58.6%(85/145例)であった。主な副作用は、本剤群で適用部位紅斑30.4%(55/181例)、適用部位そう痒感28.2%(51/181例)及び接触皮膚炎17.1%(31/181例)であり、切り替え群で適用部位紅斑30.3%(44/145例)、適用部位そう痒感20.0%(29/145例)及び接触皮膚炎12.4%(18/145例)であった。10)
リバスチグミンは、アセチルコリンを分解する酵素であるコリンエステラーゼを阻害することにより脳内アセチルコリン量を増加させ、脳内コリン作動性神経を賦活する。11)
ラットの脳内アセチルコリンエステラーゼ及びブチリルコリンエステラーゼを阻害し、アセチルコリンレベルを増加させる。12)
コリン作動性神経遮断モデル(スコポラミン処置ラット)やアルツハイマー病モデル(アミロイドβ脳内注入マウス及びAPP23マウス)の学習記憶障害を改善する。13),14),15)
リバスチグミン(Rivastigmine)
3-[(1S)-1-(Dimethylamino)ethyl]phenyl N-ethyl-N-methylcarbamate
C14H22N2O2
250.34
無色~微黄色澄明の液である。水に溶けにくく、エタノール、トルエン、メタノール、酢酸エチル、へプタン、ジクロロメタンに極めて溶けやすい。
8枚[1枚×8]
1) 社内資料:反復投与(海外試験)(2025年3月27日承認、申請資料概要2.7.2.2)
2) 社内資料:反復投与(国内試験)(2025年3月27日承認、申請資料概要2.7.2.2)
3) 社内資料:吸収(2025年3月27日承認、申請資料概要2.7.1.1)
4) Lefevre,G.et al.:J.Clin.Pharmacol.2007;47(4),471-478
5) 社内資料:分布(2025年3月27日承認、申請資料概要2.6.4.4)
6) 社内資料:代謝(2025年3月27日承認、申請資料概要2.7.2.3)
7) 社内資料:排泄(2025年3月27日承認、申請資料概要2.7.2.3)
8) 社内資料:肝機能障害患者(2025年3月27日承認、申請資料概要2.7.2.3)
9) 社内資料:薬物相互作用(2025年3月27日承認、申請資料概要2.7.2.3)
10) 社内資料:国内第Ⅲ相試験(2025年3月27日承認、申請資料概要2.7.3.3、2.7.4.2)
11) 社内資料:薬理試験の概要文(2025年3月27日承認、申請資料概要2.6.2)
12) Cerbai,F.et al.:Eur.J.Pharmacol.2007;572(2-3),142-150
13) Bejar,C.et al.:Eur.J.Pharmacol.1999;383(3),231-240
14) Van Dam,D.et al.:Psychopharmacology.2005;180(1),177-190
15) Meunier,J.et al.:Br.J.Pharmacol.2006;149(8),998-1012
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