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処方箋医薬品注)
高血圧症(本態性、腎性等)、悪性高血圧、心性浮腫(うっ血性心不全)、腎性浮腫、肝性浮腫、月経前緊張症、薬剤(副腎皮質ホルモン、フェニルブタゾン等)による浮腫
通常、成人にはヒドロクロロチアジドとして1回25~100mgを1日1~2回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、高血圧症に用いる場合には少量から投与を開始して徐々に増量すること。また、悪性高血圧に用いる場合には、通常、他の降圧剤と併用すること。
急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
高尿酸血症、高血糖症を来し、痛風、糖尿病の悪化や顕性化のおそれがある。
電解質失調があらわれることがある。
血清カルシウムを上昇させるおそれがある。
低ナトリウム血症を起こすおそれがある。
本剤の降圧作用が増強される。
投与しないこと。腎機能を更に悪化させるおそれがある。
腎機能を更に悪化させるおそれがある。
肝性昏睡を誘発することがある。
肝性昏睡を起こすおそれがある。
妊娠後期には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
チアジド系薬剤では新生児又は乳児に高ビリルビン血症、血小板減少症等を起こすことがある。また、利尿効果に基づく血漿量減少、血液濃縮、子宮・胎盤血流量減少があらわれることがある。
授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中への移行が報告されている。
乳児は電解質バランスがくずれやすい。
以下の点に注意し、少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。
デスモプレシン酢酸塩水和物
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
いずれも低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
バルビツール酸誘導体
起立性低血圧が増強されることがある。
これらの薬剤の中枢抑制作用と利尿剤の降圧作用による。
あへんアルカロイド系麻薬
あへんアルカロイドの大量投与で血圧下降があらわれることが報告されている。
アルコール
血管拡張作用を有するアルコールとの併用により降圧作用が増強される可能性がある。
昇圧アミン
昇圧アミンの作用を減弱することがある。手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずること。
チアジド系利尿剤は昇圧アミンに対する血管壁の反応性を低下させることが報告されている。
ツボクラリン及びその類似作用物質
ツボクラリン及びその類似作用物質の麻痺作用を増強することがある。手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずること。
本剤による血清カリウム値の低下により、これらの薬剤の神経・筋遮断作用を増強すると考えられている。
降圧作用を有する他の薬剤
降圧作用を増強するおそれがある。降圧剤の用量調節等に注意すること。
作用機序の異なる降圧作用により互いに協力的に作用する。
ジギタリス剤
ジギタリスの心臓に対する作用を増強し、不整脈等を起こすことがある。血清カリウム値に十分注意すること。
本剤による血清カリウム値の低下により多量のジギタリスが心筋Na-K ATPaseに結合し、心収縮力増強と不整脈が起こる。マグネシウム低下も同様の作用を示す。
乳酸ナトリウム
チアジド系薬剤による代謝性アルカローシス、低カリウム血症を増強することがある。
本剤によるカリウム排泄作用により低カリウム血症や代謝性アルカローシスが引き起こされることがある。アルカリ化剤である乳酸ナトリウムの併用はこの状態をさらに増強させる。
炭酸リチウム
振戦、消化器愁訴等、リチウム中毒を増強することがある。血清リチウム濃度に注意すること。
本剤は腎におけるリチウムの再吸収を促進し、リチウムの血中濃度を上昇させる。
糖質副腎皮質ホルモン剤
ACTH
低カリウム血症が発現することがある。
両薬剤ともカリウム排泄作用を持つ。
グリチルリチン製剤
血清カリウム値の低下があらわれやすくなる。
グリチルリチン製剤は低カリウム血症を主徴とした偽アルドステロン症を引き起こすことがある。従って両剤の併用により低カリウム血症を増強する可能性がある。
糖尿病用剤
糖尿病用剤の作用を著しく減弱することがある。
機序は明確ではないが、本剤によるカリウム喪失により膵臓のβ細胞のインスリン放出が低下すると考えられている。
コレスチラミン
チアジド系薬剤の作用が減弱することがある。
コレスチラミンの吸着作用によりチアジド系薬剤の吸収が阻害されることがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤
非ステロイド系消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成酵素阻害作用により、腎内プロスタグランジンが減少し、水・ナトリウムの体内貯留が生じて本剤の作用と拮抗する。
スルフィンピラゾン
チアジド系薬剤はスルフィンピラゾンの尿酸排泄作用に拮抗することがある。
チアジド系利尿剤は、腎での尿酸分泌の阻害、尿酸再吸収の増大作用を有すると考えられ、スルフィンピラゾンの尿酸排泄作用に拮抗することがある。
間質性肺炎、肺水腫があらわれることがある。また、ヒドロクロロチアジド服用後、数分から数時間以内に急性呼吸窮迫症候群が発現したとの報告がある。1),2),3),4)
倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、痙攣、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがある。,
倦怠感、脱力感、不整脈等を伴う低カリウム血症があらわれることがある。
急性近視(霧視、視力低下等を含む)、閉塞隅角緑内障があらわれることがあるので、急激な視力の低下や眼痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、速やかに眼科医の診察を受けるよう、患者に指導すること。
1~5%未満
1%未満
頻度不明
過敏症
呼吸困難、発疹、じん麻疹、顔面潮紅、光線過敏症
血液
白血球減少、血小板減少、紫斑
肝臓
黄疸
代謝異常
低マグネシウム血症、低クロール性アルカローシス、血清カルシウムの上昇等の電解質失調、血清脂質増加、高尿酸血症、高血糖症
消化器
食欲不振、悪心・嘔吐、腹部不快感
下痢・口渇
腹部の仙痛、膵炎、唾液腺炎、便秘
精神神経系
眩暈
頭痛
知覚異常
眼
視力異常(霧視等)、黄視症
循環器
起立性低血圧
不整脈
皮膚
皮膚エリテマトーデス
その他
倦怠感
鼻閉
インポテンス、高カルシウム血症を伴う副甲状腺障害、筋痙攣
甲状腺障害のない患者の血清PBIを低下させることがある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
海外で実施された疫学研究において、ヒドロクロロチアジドを投与された患者で、基底細胞癌及び有棘細胞癌のリスクが増加することが報告されている。5),6)
健康成人に14C-ヒドロクロロチアジド5mgを経口投与したとき、血漿中放射能濃度は投与後60~120分で最高に達し、半減期は二相性を示した。ヒドロクロロチアジド75mgを健康成人に経口投与したとき、α相及びβ相の半減期はそれぞれ約1.7時間及び約13時間であった(外国人データ)。7)
ヒドロクロロチアジド錠12.5mg「トーワ」2錠とダイクロトライド錠25mg 1錠(ヒドロクロロチアジドとして25mg)を、クロスオーバー法により健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。8)
製剤投与量(ヒドロクロロチアジドとして)
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0-24
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
ヒドロクロロチアジド錠12.5mg「トーワ」
2錠
(25mg)
1116±202
216.4±56.1
2.13±0.88
10.46±1.25
ダイクロトライド錠25mg
1錠
1135±183
229.3±73.9
2.13±0.71
10.37±1.24
(Mean±S.D.,n=12)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
ヒドロクロロチアジド錠25mg「トーワ」とダイクロトライド錠25mgをクロスオーバー法によりそれぞれ2錠(ヒドロクロロチアジドとして50mg)家兎(n=10)に絶食単回経口投与し、血漿中未変化体濃度について比較検討した結果、両製剤間の生物学的利用率には有意差は認められなかった。9)
健康成人に14C-ヒドロクロロチアジド5mgを経口投与したとき、投与量の60~80%は消化管から吸収され、特に小腸上部での吸収が顕著であった(外国人データ)。7)
ヒドロクロロチアジド75mgを健康成人に経口投与したとき、ヒドロクロロチアジドはほとんど代謝されることなく尿中へ排泄された。そのほとんどは12時間までに排泄され、4日間の尿中平均累積排泄率は投与量の70%であった(外国人データ)。7)
69.4%(59/85例)の有効率を示した。
75%(27/36例)の有効率を示した。
腎遠位尿細管におけるNa+とCl-の再吸収を抑制し、水の排泄を促進させる。炭酸脱水酵素阻害作用も有する。降圧作用は、初期には循環血流量の低下により、長期的には末梢血管の拡張によると考えられている。10)
ヒドロクロロチアジドは高血圧自然発症ラット及び高血圧症患者において血圧を有意に低下させるが、正常血圧には影響を及ぼさないことが認められている。ヒドロクロロチアジドの降圧作用機序の詳細は明らかではないが、高血圧症患者での試験で投与初期においては循環血液量と細胞外液量の減少による二次的な心拍出量低下に伴って血圧が下降し、長期投与時においては心拍出量は正常に復し末梢血管抵抗は減少することが認められている。これは細胞外液量の減少と心拍出量低下によって自己調節機構が働くためと考えられている。また一方、摘出モルモット大動脈を用いた試験結果(in vitro)から血管壁への直接作用も考えられている。11),12),13),14),15)
ヒドロクロロチアジド(Hydrochlorothiazide)
6-Chloro-3,4-dihydro-2H-1,2,4-benzothiadiazine-7-sulfonamide 1,1-dioxide
C7H8ClN3O4S2
297.74
白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は僅かに苦い。アセトンに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、水又はエタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。水酸化ナトリウム試液に溶ける。
約267℃(分解)
外箱開封後は、遮光して保存すること。
100錠[10錠×10:PTP]
500錠[10錠×50:PTP]
500錠[バラ、乾燥剤入り]
1000錠[10錠×100:PTP]
1000錠[バラ、乾燥剤入り]
1) Rai A,et al.:Am J Respir Crit Care Med.2016;193:A1890
2) Jansson PS,et al.:J Emerg Med.2018;55:836-840
3) Vadas P.Am J Emerg Med.2020;38:1299.e1-2
4) Kane SP,et al.:Perfusion.2018;33:320-322
5) Pottegard,A.et al.:J.Intern.Med.2017;282(4):322-331
6) Pedersen,S.A.et al.:J.Am.Acad.Dermatol.2018;78(4):673-681
7) Beerman,B.et al.:Clin.Pharmacol.Ther.1976;19(5)Part1:531-537
8) 松木俊二ほか:新薬と臨牀.2012;61(3):617-624
9) 社内資料:生物学的同等性試験(錠25mg)
10) 第十七改正日本薬局方解説書.2016;C-4141-4145
11) Kohler,C.et al.:Eur.J.Pharmacol.1977;42:161-169
12) 飯村攻ほか:綜合臨牀.1960;9(10):1861-1869
13) Juchems,R.et al.:Med.Klin.1967;62(15):600-604
14) Shah,S.et al.:Amer.Heart J.1978;95(5):611-618
15) Davila,D.et al.:Pharmacology.1981;22:108-112
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