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カルボシステイン錠250mg「トーワ」/カルボシステイン錠500mg「トーワ」

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.8高齢者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2粘液構成成分調整作用
18.3杯細胞過形成抑制作用
18.4気道炎症抑制作用
18.5粘膜正常化作用
18.6粘液線毛輸送能改善作用
18.7粘膜正常化作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

カルボシステイン錠250mg「トーワ」/カルボシステイン錠500mg「トーワ」

添付文書番号

2233002F1298_1_03

企業コード

480235

作成又は改訂年月

2023年5月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872233

薬効分類名

気道粘液調整・粘膜正常化剤

承認等

カルボシステイン錠250mg「トーワ」

販売名コード

YJコード

2233002F1298

販売名英語表記

CARBOCISTEINE TABLETS 250mg “TOWA”

承認番号等

承認番号

22500AMX00424

販売開始年月

1990年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

カルボシステイン錠500mg「トーワ」

販売名コード

YJコード

2233002F2111

販売名英語表記

CARBOCISTEINE TABLETS 500mg “TOWA”

承認番号等

承認番号

22500AMX00421

販売開始年月

2006年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

L-カルボシステイン錠

一般的名称

L-カルボシステイン錠

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

カルボシステイン錠250mg「トーワ」

有効成分1錠中  
日局 L-カルボシステイン…   250mg
添加剤トウモロコシデンプン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、ヒプロメロース、タルク、酸化チタン

カルボシステイン錠500mg「トーワ」

有効成分1錠中  
日局 L-カルボシステイン…   500mg
添加剤ポリビニルアルコール(部分けん化物)、クロスカルメロースナトリウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、タルク、酸化チタン

3.2 製剤の性状

カルボシステイン錠250mg「トーワ」

剤形フィルムコーティング錠
色調白色
外形表面
裏面
側面
大きさ直径9.6mm
厚さ4.7mm
質量366mg
識別コードTw710

カルボシステイン錠500mg「トーワ」

剤形割線入りの
フィルムコーティング錠
色調白色
外形表面
裏面
側面
大きさ長径15.7mm
厚さ5.1mm
質量556mg
識別コードTw715

4. 効能又は効果

  • 下記疾患の去痰
    上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、
    慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核
  • 慢性副鼻腔炎の排膿

6. 用法及び用量

L-カルボシステインとして、通常成人1回500mgを1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 心障害のある患者

    類薬で心不全のある患者に悪影響を及ぼしたとの報告がある。

9.3 肝機能障害患者

肝機能が悪化することがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な措置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)
  2. 11.1.2 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

    AST、ALT、Al-P、LDHの上昇等があらわれることがある。

  3. 11.1.3 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    呼吸困難、浮腫、蕁麻疹等があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

0.1~5%未満1)

0.1%未満1)

頻度不明

消化器

食欲不振、下痢、腹痛

悪心、嘔吐、腹部膨満感、口渇

過敏症

発疹

湿疹、紅斑

浮腫、発熱、呼吸困難

その他

そう痒感

1) ムコダイン錠250mg、錠500mg、細粒、K10、シロップ2%、シロップ5%、DSを合わせた集計である。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシー卜から取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 生物学的同等性試験
    • 〈カルボシステイン錠500mg「トーワ」〉

      カルボシステイン錠500mg「トーワ」とムコダイン錠500mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(L-カルボシステインとして500mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中カルボシステイン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。1)

      表 薬物動態パラメータ

      判定パラメータ

      参考パラメータ

      AUC0→8

      (μg・hr/mL)

      Cmax

      (μg/mL)

      Tmax

      (hr)

      T1/2

      (hr)

      カルボシステイン錠500mg「トーワ」

      15.69±3.36

      4.199±1.157

      2.51±0.96

      1.56±0.28

      ムコダイン錠500mg

      16.75±3.16

      4.725±1.158

      2.27±0.87

      1.48±0.19

      (平均値±標準偏差 n=48)

      血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  • 〈気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症及び肺結核の去痰〉
  1. 17.1.1 国内実薬及びプラセボ対照二重盲検比較試験

    喀痰喀出困難を訴える慢性気管支炎、気管支拡張症、肺気腫、気管支喘息、肺結核などの慢性呼吸器疾患患者を対象に、1週間の観察期の後カルボシステイン、実薬対照であるメチルシステイン又はプラセボを2週間投与する二重盲検比較試験を実施した。解析対象集団250例での全般改善度(軽度改善以上を有効とした場合の有効率)は、カルボシステイン群72.0%(59/82例)、メチルシステイン群64.6%(53/82例)、プラセボ群48.8%(42/86例)であり、カルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.01)。また、痰の切れの改善度はカルボシステイン群58.5%(48/82例)、メチルシステイン群51.2%(42/82例)、プラセボ群40.7%(35/86例)であり、カルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.01)。その他、痰の回数、咳の頻度、咳の強さにおいてもカルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.05)。

    カルボシステイン群の副作用発現頻度は12.0%(11/92例)であり、主な副作用は、食欲不振、腹部不快感などの消化器症状であった。2)

  • 〈慢性副鼻腔炎の排膿〉
  1. 17.1.2 国内実薬対照二重盲検比較試験

    慢性副鼻腔炎患者を対象に、カルボシステイン又は実薬対照であるL-システインエチル塩酸塩を4週間投与する二重盲検比較試験を実施した。解析対象集団242例での全般改善度は下表のとおりであり、カルボシステインの有用性が認められている。
    カルボシステイン群の副作用発現頻度は1.5%(2/134例)、嘔吐1例、口渇感1例であった。3)

    表 全般改善度

    薬剤

    改善率

    カルボシステイン

    L-システインエチル塩酸塩

    評価項目

    著明改善

    20.2%#

    (25/124例)

    6.8%

    (8/118例)

    中等度改善以上

    53.2%#

    (66/124例)

    32.2%

    (38/118例)

    軽度改善以上

    91.1%

    (113/124例)

    84.7%

    (100/118例)

    # p<0.01

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

カルボシステインは、粘液の調整作用及び粘膜の正常化作用により粘液線毛輸送能を改善し、喀痰、鼻汁の排泄を促進する。4)

  • 〈上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症及び肺結核の去痰〉

18.2 粘液構成成分調整作用

慢性気道疾患患者の喀痰中のシアル酸、フコースの構成比を正常化した。5)
亜硫酸ガス曝露により変化するシアル酸/フコース分解酵素及びシアル酸/フコース合成酵素活性を正常化した。同時に、その分泌粘液の主成分であるムチン(Muc-5acタンパク質)生成の増加を抑制した(ラット)。6)

18.3 杯細胞過形成抑制作用

慢性気道疾患患者の組織学的検査において気道粘膜の杯細胞過形成を抑制した(外国人データ)。7)
亜硫酸ガス曝露モデルにおいて気道の杯細胞過形成を抑制した(ラット)。8)

18.4 気道炎症抑制作用

亜硫酸ガス曝露により増加する気道への炎症細胞浸潤(数)、活性酸素量及びエラスターゼ活性を抑制した(ラット)。8),9)
fMLPにより刺激したヒト好中球の活性化を抑制した(in vitro)。10)

18.5 粘膜正常化作用

慢性気管支炎患者の気管支粘膜上皮の線毛細胞の修復を促進した。11)

  • 〈慢性副鼻腔炎の排膿〉

18.6 粘液線毛輸送能改善作用

慢性副鼻腔炎患者で、低下した鼻粘膜粘液線毛輸送能を改善した。12)

18.7 粘膜正常化作用

エンドトキシン注入あるいは亜硫酸ガス曝露による副鼻腔粘膜の障害を軽減し、修復を促進した(ウサギ)。13),14)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

L-カルボシステイン(L-Carbocisteine)

化学名

(2R)-2-Amino-3-carboxymethylsulfanylpropanoic acid

分子式

C5H9NO4S

分子量

179.19

性状

白色の結晶性の粉末で、においはなく、わずかに酸味がある。水に極めて溶けにくく、エタノール(95)にほとんど溶けない。希塩酸又は水酸化ナトリウム試液に溶ける。

化学構造式

融点

約186℃(分解)

22. 包装

  • 〈カルボシステイン錠250mg「トーワ」〉

    100錠[10錠×10:PTP]

    1000錠[10錠×100:PTP]

    1000錠[バラ、乾燥剤入り]

  • 〈カルボシステイン錠500mg「トーワ」〉

    100錠[10錠×10:PTP]

    1000錠[10錠×100:PTP]

    500錠[バラ、乾燥剤入り]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

東和薬品株式会社 学術部DIセンター

〒570-0081 大阪府守口市日吉町2丁目5番15号

0120-108-932 FAX 06-7177-7379

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

東和薬品株式会社

大阪府門真市新橋町2番11号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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