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日本薬局方
ツロブテロール経皮吸収型テープ
処方箋医薬品注)
気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫
気管支喘息治療における長期管理の基本は、吸入ステロイド剤等の抗炎症剤の使用であり、吸入ステロイド剤等により症状の改善が得られない場合、あるいは患者の重症度から吸入ステロイド剤等との併用による治療が適切と判断された場合にのみ、本剤と吸入ステロイド剤等を併用して使用すること。
通常、成人にはツロブテロールとして2mg、小児にはツロブテロールとして0.5~3歳未満には0.5mg、3~9歳未満には1mg、9歳以上には2mgを1日1回、胸部、背部又は上腕部のいずれかに貼付する。
症状が増悪するおそれがある。
血圧が上昇することがある。
心悸亢進、不整脈等があらわれることがある。
糖代謝が亢進し、血中グルコースが増加するおそれがある。
貼付部位にそう痒感、発赤等があらわれやすい。
血清カリウム値をモニターすることが望ましい。低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
低用量から使用を開始するなど慎重に使用すること。一般に生理機能が低下している。
不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある。
本剤及びカテコールアミン製剤はともに交感神経刺激作用を持つ。
低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある。
本剤及びキサンチン誘導体はともに細胞内へのカリウム移行作用を持つ。
ステロイド剤及び利尿剤は尿中へのカリウム排泄を増加させる。
呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。,
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒症
蕁麻疹
循環器
心悸亢進
顔面紅潮、不整脈、頻脈
精神神経系
振戦、頭痛、不眠
全身倦怠感、めまい、興奮、しびれ感、筋痙縮
熱感、こわばり感
消化器
悪心・嘔吐
食欲不振、下痢
胃部不快感
肝臓
AST上昇、ALT上昇
血液
好酸球数増加
皮膚
適用部位そう痒感、適用部位紅斑、接触性皮膚炎
適用部位疼痛、適用部位変色
その他
CK上昇
血清カリウム値の低下
胸痛、浮腫
口渇、筋肉痛
患者には本剤を内袋のまま渡し、本剤を使用するときに内袋から取り出すように指示すること。
健康成人5例にツロブテロールテープ(2mg)を24時間単回経皮投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。1)
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
AUC0~∞(ng・hr/mL)
T1/2(hr)a)
1.4±0.1
11.8±2.0
27.8±1.6
5.9±0.6
a)テープ剥離後の値 (平均±標準誤差)
健康成人6例にツロブテロールテープ(4mg)を1日1回、計5回反復経皮投与したときの血清中未変化体濃度において、投与直前値とCmaxは、3回目投与時と最終回投与時で同様な値を示した。1)
注)本剤の承認された成人の1回用量は2mgである。
気管支喘息小児患者6例にツロブテロールテープを年齢4~9歳(体重18.0~26.5kg)には1mg、年齢9~13歳(体重33.0~41.7kg)には2mgを24時間単回経皮投与したときの血清中未変化体濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。2)
AUC0~t(ng・hr/mL)
1.33±0.21
14.0±2.0
27.06±4.24
(平均±標準誤差)
ツロブテロールテープ0.5mg「トーワ」とホクナリンテープ0.5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ4枚(ツロブテロールとして2mg)健康成人男子に絶食単回経皮投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。3)
製剤投与量
(ツロブテロールとして)
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0~48
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
ツロブテロールテープ0.5mg「トーワ」
4枚
(2mg)
34.70±22.91
1.289±0.672
13.4±5.9
10.45±3.36
ホクナリンテープ0.5mg
33.45±21.08
1.368±0.621
12.8±3.9
9.33±4.11
(平均±標準偏差、n=16)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
ツロブテロールテープ1mg「トーワ」とホクナリンテープ1mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ2枚(ツロブテロールとして2mg)健康成人男子に絶食単回経皮投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。4)
(ng/mL)
ツロブテロールテープ1mg「トーワ」
2枚
32.15±21.72
1.250±0.683
13.3±6.0
10.03±3.13
ホクナリンテープ1mg
30.73±19.94
1.286±0.613
13.3±4.7
9.07±2.90
(平均±標準偏差、n=15)
ツロブテロールテープ2mg「トーワ」とホクナリンテープ2mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1枚(ツロブテロールとして2mg)健康成人男子に絶食単回経皮投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。5)
(ng・hr/mL)
ツロブテロールテープ2mg「トーワ」
24.15±17.14
1.028±0.568
10.9±4.4
10.22±4.23
ホクナリンテープ2mg
23.92±13.18
1.095±0.430
11.3±2.0
9.39±3.20
(平均±標準偏差、n=24)
成熟及び幼若ラットに14C-ツロブテロールテープ10mg/kgを24時間経皮投与したとき、肝臓、腎臓、消化管等の大部分の組織で血液よりも高い放射能分布が認められた。また、標的部位と考えられる気管及び肺への移行が確認された。各組織からの消失は血液中濃度推移と同様であった。さらに、組織内濃度推移は成熟及び幼若でほぼ同様であった。6),7)
血漿蛋白結合率は28%であった(in vitro)。8)
健康成人にツロブテロールテープ(4mg)を24時間単回経皮投与したとき、尿中にはツロブテロール、3-hydroxy体、4-hydroxy体及び5-hydroxy体とそれらの抱合体及び4-hydroxy-5-methoxy体の抱合体が主に排泄された。この中でツロブテロールの排泄率が最も大きかった。8)
健康成人にツロブテロールテープ(2mg)を24時間単回経皮投与したときの尿中排泄率は使用後3日間まででツロブテロールが5%であった。1)
気管支喘息患者189例を対象としたツロブテロールテープ2mg/日貼付群、3mg/日貼付群及びツロブテロール錠(2mg/日)服用群の3群による二重盲検比較試験における投与4週後の最終全般改善度について、「中等度改善」以上を示した有効率はそれぞれ55.1%、51.9%、33.3%であり、「軽度改善」以上を示した有効率はそれぞれ83.7%、78.8%、66.7%であった。副作用発現率は、2mg/日貼付群16.1%(10/62例)、3mg/日貼付群20.0%(13/65例)、ツロブテロール錠(2mg/日)服用群19.7%(12/61例)であった。ツロブテロールテープ貼付群で発現した事象は、2mg/日貼付群で振戦4.8%(3/62例)、頭痛、しびれ感がそれぞれ1.6%(1/62例)、かぶれ4.8%(3/62例)、そう痒感3.2%(2/62例)、3mg/日貼付群で動悸、振戦がそれぞれ4.6%(3/65例)、頭痛、こむら返り、倦怠感、不眠、吐き気、下痢、発疹はそれぞれ1.5%(1/65例)、そう痒感7.7%(5/65例)、かぶれ4.6%(3/65例)、発赤1.5%(1/65例)であった。9)
気管支喘息患者171例を対象としたツロブテロールテープ(2mg/日)貼付群並びにプロカテロール塩酸塩水和物製剤(50μg/回、1日2回)服用群の2群による二重盲検比較試験における投与4週後の最終全般改善度について、「中等度改善」以上を示した有効率はそれぞれ52.1%、32.5%であり、「軽度改善」以上を示した有効率はそれぞれ69.9%、66.2%であった。副作用発現率は、ツロブテロールテープ貼付群で9.6%(8/83例)であった。発現した事象は、動悸、振戦がそれぞれ2.4%(2/83例)、倦怠感、悪心、吐き気がそれぞれ1.2%(1/83例)、そう痒感、かぶれがそれぞれ2.4%(2/83例)であった。10)
小児気管支喘息患者165例を対象としたツロブテロールテープ(0.5mg、1mg若しくは2mg/日)貼付群並びにツロブテロール塩酸塩ドライシロップ製剤(0.25mg、0.5mg若しくは1.0mg/回、1日2回)服用群の2群による二重盲検比較試験における投与2週後の最終全般改善度について、「中等度改善」以上を示した有効率はツロブテロールテープ貼付群72.9%、ツロブテロール塩酸塩ドライシロップ製剤投与群69.1%であり、「軽度改善」以上を示した有効率はツロブテロールテープ貼付群90.0%、ツロブテロール塩酸塩ドライシロップ製剤投与群88.2%であった。副作用発現率は、ツロブテロールテープ貼付群で7.5%(6/80例)であった。発現した事象は、そう痒感5.0%(4/80例)、発赤、かぶれがそれぞれ2.5%(2/80例)であった。11)
注)本剤の承認された小児の1回用量は0.5~3才未満には0.5mg、3~9才未満には1mg、9才以上には2mgである。
気管支平滑筋のβ2受容体に作用し、β2受容体と密接に関係のある酵素adenyl cyclaseを賦活化する。それにより細胞内のATPがcyclic AMPに変化し、気管支拡張作用を示す。12)
気管支喘息患者(成人)にツロブテロールテープ(2mg)を就寝前に4週間経皮投与した試験において、起床時及び就寝前のPEF値は使用前に比べ有意な上昇を示し、肺機能改善効果が認められた。9)
気管支喘息小児患者(年齢6ヵ月~15歳)にツロブテロールテープ(0.5mg、1mg又は2mg)を就寝前に2週間経皮投与した試験において、起床時及び就寝前のPEF値は使用前に比べ有意な上昇を示し、肺機能改善効果が認められた。11)
イヌ及びモルモットにツロブテロールテープを経皮投与するとヒスタミンによる気道狭窄が持続的に抑制された。13)
イヌにツロブテロールテープを経皮投与すると心拍数に影響することなく気道狭窄抑制作用を示した。また、ツロブテロールは気管筋弛緩作用及び心房興奮作用を示すが、その気管筋に対する作用選択性(β2受容体に対する選択性)はイソプロテレノール、サルブタモール、プロカテロール、フェノテロールに比し高いことが認められた(in vitro)。13)
ツロブテロール塩酸塩は気管繊毛運動促進作用(ハト)及び鎮咳作用(イヌ)を示した。14)
ツロブテロール(Tulobuterol)
(1RS)-1-(2-Chlorophenyl)-2-(1,1-dimethylethyl)aminoethanol
C12H18ClNO
227.73
白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノールに極めて溶けやすく、エタノール(99.5)又は酢酸(100)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。0.1mol/L塩酸試液に溶ける。40℃で徐々に昇華する。メタノール溶液(1→20)は旋光性を示さない。
90℃~93℃
70枚[1枚×70]
1) Uematsu T,et al.:Eur J Clin Pharmacol.1993;44:361-364
2) 飯倉洋治ほか:医療.1994;48(3):190-195
3) 社内資料:生物学的同等性試験(テープ0.5mg)
4) 社内資料:生物学的同等性試験(テープ1mg)
5) 社内資料:生物学的同等性試験(テープ2mg)
6) 村田光夫ほか:薬物動態.1996;11(6):634-641
7) 村田光夫ほか:薬物動態.1996;11(6):614-626
8) 第十八改正日本薬局方解説書 2021;C-3275-3285
9) 宮本昭正ほか:臨床医薬.1995;11(4):761-782
10) 宮本昭正ほか:臨床医薬.1995;11(4):783-807
11) 馬場実ほか:小児科診療.1995;58(7):1316-1333
12) 田中千賀子ほか:NEW薬理学.改訂第7版,南江堂,2017;476-477
13) 垣内正人ほか:薬理と治療.1996;24(4):779-788
14) Kubo S,et al.:Arzneimittelforschung.1975;25(7):1028-1037
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