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日本薬局方
ブテナフィン塩酸塩クリーム
ブテナフィン塩酸塩液
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
皮膚
接触皮膚炎、局所の発赤・紅斑、刺激感、そう痒、水疱
落屑
糜爛、亀裂
健康成人の背部皮膚表面500cm2にブテナフィン塩酸塩クリーム1%5gを単回投与(12時間塗布)したときの血漿中濃度は、12時間(塗布終了時)で最高となりCmaxは4.0ng/mL、消失半減期は23.4時間であった。1)
健康成人の背部皮膚表面500cm2にブテナフィン塩酸塩クリーム1%5gを7日間反復投与したとき、最高血漿中濃度は2日目以降4.3~4.8ng/mLでほぼ一定となった。1)
健康成人の背部皮膚表面500cm2にブテナフィン塩酸塩クリーム1%5gを単回投与(12時間塗布)したときのブテナフィン塩酸塩の回収率は77.9%であった。1)
健康成人の背部皮膚表面500cm2にブテナフィン塩酸塩クリーム1%5gを単回投与(12時間塗布)したときの代謝物の検索を行ったところ、尿中にごく微量の未変化体が認められたのみであった。1)
白癬又は癜風の患者を対象に、ブテナフィン塩酸塩クリーム1%又はブテナフィン塩酸塩外用液1%を1日1回2週間患部に入浴後又は就寝前に塗布したところ、有効率は下表のとおりであった。2)
疾患名
有効率
クリーム1%
外用液1%
白癬
股部白癬
92.5%(49/53例)
81.8%(18/22例)
体部白癬
84.4%(76/90例)
80.0%(12/15例)
癜風
81.1%(43/53例)
86.2%(25/29例)
白癬又は癜風の患者を対象に、ブテナフィン塩酸塩クリーム1%又はビホナゾールクリーム1%を1日1回2週間(足部白癬では4週間)患部に入浴後又は就寝前に塗布したところ、有効率は下表のとおりであった。3)
ブテナフィン塩酸塩クリーム1%
ビホナゾールクリーム1%
足部白癬
77.8%(77/99例)
71.8%(74/103例)
83.7%(36/43例)
92.3%(36/39例)
86.4%(38/44例)
80.4%(41/51例)
85.7%(36/42例)
86.8%(33/38例)
副作用発現頻度は、1.6%(4/249例)であった。主な副作用は、そう痒1.2%(3/249例)、発赤・紅斑0.8%(2/249例)であった。
白癬又は癜風の患者を対象に、ブテナフィン塩酸塩クリーム1%を1日1回2週間(足部白癬では4週間)患部に入浴後又は就寝前に塗布したところ、有効率は下表のとおりであった。4)
75.0%(15/20例)
100.0%(8/8例)
100.0%(10/10例)
66.7%(6/9例)
副作用は接触皮膚炎2.1%(1/47例)のみであった。
足部白癬の患者を対象に、ブテナフィン塩酸塩クリーム1%を1日1回4週間又はクロトリマゾールクリーム1%を1日2回4週間朝及び晩(入浴後又は就寝前)患部に塗布したところ、有効率は下表のとおりであった。5)
クロトリマゾールクリーム1%
84.2%(16/19例)
82.4%(14/17例)
副作用は認められなかった。
足部白癬の患者を対象に、ブテナフィン塩酸塩クリーム1%を1日1回4週間以上8週間まで入浴後又は就寝前に患部に塗布したところ、有効率は下表のとおりであった。6)
第4週
57.9%(11/19例)
第8週
100.0%(22/22例)
本邦パッチテスト研究班の基準に基づき、健康成人並びに皮膚疾患患者を対象にクリーム剤、外用液剤及びそれぞれの基剤を用いたパッチテストと皮膚疾患患者における光パッチテストの結果、皮膚刺激性は認められなかった。7),8)
スクアレンのエポキシ化反応阻害に基づいて、真菌細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの合成を阻害する。9),10)
ブテナフィン塩酸塩は皮膚糸状菌(Trichophyton属、Microsporum属、Epidermophyton属)及び癜風菌(Malassezia furfur)に対して強い抗菌力を示し、その作用は殺菌的である(in vitro)。11),12)
菌種
株数
MIC(μg/mL)幾何平均(最小~最大)
Trichophyton rubrumTrichophyton mentagrophytesMicrosporum canisEpidermophyton floccosumMalassezia furfur
41221436
0.007(0.0015~0.025) 0.012(0.006~0.025) 0.024(0.0125~0.05) 0.016(0.006~0.025) 3.13 (1.56~6.25)注)
培地:Sabouraud dextrose agar, 注)Medium C
Trichophyton mentagrophytesによるモルモット背部白癬モデル及び足部白癬モデルに対して、1日1回の塗布で治療効果を認めた。13),14)
治療日数
菌陰性化率
ブテナフィン塩酸塩クリーム1%ブテナフィン塩酸塩外用液1%
20日20日
88.5%89.2%
感染後10日目から治療
ブテナフィン塩酸塩外用液1%ブテナフィン塩酸塩外用液1%
4日10日
100%100%
感染後2日目から治療
モルモットの背部皮膚面にブテナフィン塩酸塩外用液1%を塗布し、24、48又は72時間後にTrichophyton mentagrophytesを接種した実験では、24及び48時間で感染は完全に予防された。13)さらにブテナフィン塩酸塩の皮膚中濃度を測定した結果、24、48、72時間のいずれにおいてもT.mentagrophytesの最小殺菌濃度(0.012μg/mL)をはるかに上回る皮膚中濃度が維持されていた。
モルモット実験的白癬菌感染モデル(1群10匹)におけるブテナフィン塩酸塩クリーム1%「トーワ」及びメンタックスクリーム1%(300mg/body/dayを14日間塗布)の皮膚病変スコア及び皮膚切片の菌陽性率を比較検討した。その結果、いずれも皮膚病変の進行を抑制し感染部位の菌を死滅させ、両剤の効果は生物学的に同等と判断された。15)
モルモット実験的脂漏性皮膚炎モデル(1群10匹)におけるブテナフィン塩酸塩クリーム1%「トーワ」及びメンタックスクリーム1%(300mg/body/dayを14日間塗布)の皮膚病変スコア及び皮膚切片の菌陽性率を比較検討した。その結果、いずれも皮膚病変の進行を抑制し感染部位の菌を死滅させ、両剤の効果は生物学的に同等と判断された。16)
モルモット実験的白癬菌感染モデル(1群10匹)におけるブテナフィン塩酸塩液1%「トーワ」及びメンタックス外用液1%(300mg/body/dayを14日間塗布)の皮膚病変スコア及び皮膚切片の菌陽性率を比較検討した。その結果、いずれも皮膚病変の進行を抑制し感染部位の菌を死滅させ、両剤の効果は生物学的に同等と判断された。17)
モルモット実験的脂漏性皮膚炎モデル(1群10匹)におけるブテナフィン塩酸塩液1%「トーワ」及びメンタックス外用液1%(300mg/body/dayを14日間塗布)の皮膚病変スコア及び皮膚切片の菌陽性率を比較検討した。その結果、いずれも皮膚病変の進行を抑制し感染部位の菌を死滅させ、両剤の効果は生物学的に同等と判断された。18)
ブテナフィン塩酸塩(Butenafine Hydrochloride)
N-[4-(1,1-Dimethylethyl)benzyl]-N-methyl-1-(naphthalen-1-yl)methylamine monohydrochloride
C23H27N・HCl
353.93
白色の結晶又は結晶性の粉末である。ギ酸に極めて溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすく、水に溶けにくい。
約214℃(分解)
10g×10本[チューブ]
10g×50本[チューブ]
10mL×20本[瓶]
1) 伊藤正俊 他:基礎と臨床.1990;24:3239-3246
2) 香川三郎 他:西日本皮膚科.1990;52:586-595
3) 中嶋弘 他:西日本皮膚科.1990;52:1012-1024
4) 渡辺靖 他:基礎と臨床.1990;24:2925-2929
5) 露木重明 他:皮膚科紀要.1990;85:299-306
6) 堀江徹也 他:西日本皮膚科.1990;52:581-585
7) 伊藤正俊:皮膚.1988;30:507-513
8) 伊藤正俊 他:皮膚.1990;32:403-410
9) 平谷民雄 他:日本医真菌学会誌.1991;32:139-149
10) 平谷民雄 他:日本医真菌学会誌.1991;32:151-157
11) 前田鉄也 他:薬学雑誌.1991;111:126-137
12) 横尾守 他:西日本皮膚科.1991;53:144-151
13) Arika T,et al.:Antimicrob Agents Chemother.1990;34:2250-2253
14) Arika T,et al.:Antimicrob Agents Chemother.1990;34:2254-2255
15) 社内資料:薬力学的試験(白癬菌感染に対する抗真菌作用(クリーム1%))
16) 社内資料:薬力学的試験(脂漏性皮膚炎に対する抗真菌作用(クリーム1%))
17) 社内資料:薬力学的試験(白癬菌感染に対する抗真菌作用(液1%))
18) 社内資料:薬力学的試験(脂漏性皮膚炎に対する抗真菌作用(液1%))
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